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京都大賞典と藤原英厩舎で狙う大盛り。ところにより大穴。

  • 2013年11月21日(木) 12時00分


ついにジャパンカップまで来てしまった。
この秋は「前走・京都大賞典」でおかわり5杯プロジェクトを進行中だけど、やや曲折しながらもなんとかおかわりし続け、ここまでやって来てしまった。

先週の4杯目のマイルチャンピオンは、エリザベス女王杯での反省から、居候のおかわりはそっと出さねばならないという原点に立ち返り、じっと待つ作戦にしてみた。
上手くいった。トーセンラーでニギニギしたい気持ちをぐっと抑えて成功だった。
今週はいよいよオーラス・ジャパンカップ(自分の中では京都大賞典1人気ゴールドシップが参戦するということでここが最後のおかわりと設定)。なんとかラス1を成功させたい。
でも、よくわからなくなっている。

居候はおかわり5杯目をどう嘆願するのだろう。
3杯目でそっと出し、4杯目でじっと待ち(あくまでも想像)、では5杯目は?
ずっと待つ? ず〜〜っと待つ? いやこれではもう声はかけられないかもしれない。永遠に待つ可能性大。
むしろこの場合は開き直るのが正解ではないか?
最後の1杯だと開き直り、ラスト1杯っす!とこちらから踏み込んで行き、何杯食べるつもりかと心配指数の高まっているであろう相手を安心させる方がよろしいのではないか?

前走・京都大賞典は5着ゴールドシップただ1頭。

開き直るならば、もう何もない。ゴールドシップでおかわり!
今回は走る! おしまい!

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前々走京都大賞典組と前走京都大賞典組
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今年の京都大賞典組は例年とはひと味違う。
まるでいらないはずの天皇賞秋で京都大賞典組のアンコイルドが8人気で4着した(この結果を見て、おかわり計画に突入)。
ここ6年、ほぼいらないはずのアルゼンチン共和国杯でアドマイヤラクティが2着した。2杯目。
3杯目のエリ女でおかわりに失敗したと思いきや(ヴィルシーナ&オールザットジャズ)、マイルチャンピオンでまるでいらないはずのトーセンラーが1着した。4杯目。

かように違う。
いらないはずの前走大賞典レース馬が奮闘している。今年の大賞典はひと味違う。だから、今年は過去のJCと向き合う必要はないはず。
だけど一応振り返っておく。

過去10年で前走京都大賞典から参戦し、馬券になった馬は03年のタップダンスシチーのみ。5着以内に入った馬を含めてもタップダンス1頭のみ。
京都大賞典を1人気で逃げて1着して、ジャパンカップを4人気で逃げて1着した。
つまり前走・京都大賞典馬はほぼいらないと言ってもいい。だけどこれは今年に限っては気にならない。

過去10年で前々走京都大賞典で、馬券になった馬は4頭。
ゼンノロブロイ 京大1着 秋天1着 JC1着(1人気)
ポップロック  京大2着 秋天4着 JC2着(4人気)
オウケンブルースリ 京大1着 秋天4着 JC2着(2人気)
ジャガーメイル 京大4着 秋天9着 JC3着(14人気)
おっと、思ったより頑張ってる。

けれど5着以内までみるともっと頑張ってる気になる。
アクティブバイオ 京大7着 アルゼンチン1着 JC5着(15人気)
ナリタセンチュリー 京大1着 秋天6着 JC5着(4人気)
リンカーン 京大1着 秋天15着 JC4着(9人気)
デルタブルース 京大5着 秋天12着 JC5着(14人気)

人気薄の馬が4着5着しているのがわかる。

今年前々走が京都大賞典の馬は
ヒットザターゲット 京大1着 秋天7着
アンコイルド    京大2着 秋天4着
アドマイヤラクティ 京大4着 アルゼンチン2着
ヴィルシーナ    京大8着 エリ女10着

ヒットザターゲットはJC5着のナリタセンチュリーや同4着のリンカーンと似た匂いがする。ここに同3着のジャガーメイルの匂いが加われば馬券圏内も可能か…。
アンコイルドは着順だけならまんまポップロックだ…。
アドマイヤラクティだってアルゼンチン経由のアクティブバイオと言えなくもない。

それでも4着は4着、5着は5着だ。馬券圏内には近くて遠い可能性もある。正直、もうワン・パンチ欲しい気もする。ただそのワン・パンチを「例年とはひと味違う京都大賞典」でなんとか埋められないか? それでも半パンチ。まだ足りないなら鞍上強化でどうか?

ヒットザターゲット 北村友→武豊
アンコイルド 吉田隼→後藤
アドマイヤラクティ メンディザバル→ウィリアムズ
ヴィルシーナ 岩田→岩田

奇しくもヴィルシーナ以外は騎手交替だ。吉田隼→後藤は少々わかりにくいけれど、武豊&ウィリアムズは鞍上強化に思える。

う〜ん、ゴールドシップで開き直る予定がちょっと悩ましくなってきたぞ。なぜなら上記3頭はみな実際京都大賞典でゴールドシップに先着しているからだ。もし京都大賞典のような流れになったら……ワオ!
アドマイヤラクティは天皇賞春でも先着している。もし天皇賞春みたいな流れになったら……おっと! どっちも速い馬場だった。東京は先週レコードが出た。最近流行りの開催が進むごとに馬場が固められていき、時計が速くなるマジックが進行しているとしたら……。

侮れない。1着はわからないけれど2着3着では侮れない。少なくとも武豊とウィリアムズが騎乗するヒットザターゲットとアドマイヤラクティは大事にしておきたい。
いや、後藤に乗り替るアンコイルドも不気味だ。乗り替わり理由の見えにくさが余計に不気味さを増幅させる。
前走エリザベスで謎の中団競馬で味のない競馬をさせてしまった岩田騎手も今度は先行させるはず。東京2400を先行させたら岩田は上手い! っていうかメンバー的には逃げも十分ある。2400の競馬を1600の競馬にできたら、ヴィルシーナだって頑張れるはず。
いや待てよ。ヴィルシーナがゆっくり逃げて、他馬が3角あたりから慌てて仕掛けてきたら、京都大賞典の再現もあるかもしれない。だとしたらヒットザターゲットで…うむ、やっぱり侮れない!

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恐るべしは藤原英厩舎ではなかろうか?
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今年の京都大賞典の特異性は先週のマイルチャンピオンのトーセンラーの1着が証明している。
前走が2000より長いレースから挑戦してきた馬がことごとく跳ね返されるマイルチャンピオンにあって、前走2400から圧勝してみせた。
つまりマイルの仕込みにもなった京都大賞典だったわけだ。

京都大賞典
1着ヒットザターゲット 2:22.9 6-6-9-8  次2000 7着
2着アンコイルド    2:22.9 10-8-10-10 次2000 4着
3着トーセンラー    2:23.2 10-11-7-5 次1600 1着
4着アドマイヤラクティ 2:23.2 3-3-5-6 次2500 2着
5着ゴールドシップ   2;23.2 3-5-3-3
8着ヴィルシーナ    2:23.5 1-1-3-3 次2200 10着

G1の2000より、G1の1600のいい仕込みになったレースとも言えなくもない。
トーセンラーを基準に上の馬は次走2000で頑張って,下が次走2500で頑張ったとするならば、ゴールドシップは、次走2400で頑張れるように仕込めたとも言えなくもない。

にしてもドエライと思うのはここを使ってマイルチャンピオンを目指そうと考えたトーセンラー陣営だ。結果的に上手くいったというより、京都大賞典がどのような流れになってもトーセンラーにはいい仕込みが出来たのでは? そう思わずにはいられない。

藤原英陣営のコメントによると、京都大賞典の騎手への指示は勝つ競馬、つまりゴールドシップを負かしに行く競馬だったとか。狙ったレースを想定して、仕上げて行く厩舎が休み明けで負かしに行く競馬を指示することは本来はありえないはず。つまりその指示は本気の指示というより、その闘い方が次走に生きることを想定しての指示だったとも言える。
つまり、京都大賞典がどんな展開、ペースだったとしてもトーセンラーには次に生きる競馬になったはずで、そこがドエライ。

3着トーセンラー 10-11-7-5
5着ゴールドシップ 3-5-3-3

中盤まではゴールドシップの後方にいて、3角〜4角でマクリ気味に仕掛け、直線に向いて外からゴールドシップに並びかける(被せる)競馬だった。何度かぶつかってもいた。
このレースは3角から仕掛けが始まった競馬で、3番手にいたゴールドシップの手も動きに動いて仕掛けていた。そのコーナリングで、ゴールドシップに外から並びかけるわけだから、後方にいたとはいえトーセンラーにはしんどい競馬だったはず。

勝つ競馬というより、ゴールドシップと調教する競馬だった気もする。つまりこれ以上ない最高の稽古!
そういえばゴールドシップと常にいっしょに調教されて来たジャスタウェイが天皇賞秋を勝った。
もしかしたら現代最高のぶつかり稽古相手なのではないか?ゴールドシップは!!

ん〜〜〜〜恐るべし藤原英厩舎(妄察ですけど)。
思えば去年の秋も狙いを天皇賞秋に絞って、エイシンフラッシュを仕込みに仕込んでいた。それは調教捜査官の井内さんの去年の予想やレポートでも明らかだった。
同じ事が今年の秋華賞のリラコラージュの大激走にも言える。ローズSを18着最下位に負けて、それを立て直して15人気3着へ好走させた。
そして先週のトーセンラー。
ああ〜そう考えると急にエイシンフラッシュが怖くなって来た。
もしエイシンフラッシュが今年はジャパンカップに狙いをすましていたとしたらどうであろう。天皇賞秋2連覇を狙っていたとする説もあるけれど、実はこっそりJCを狙っていたとしたら…。
ヌヌヌヌ…!!

今年のエイシンフラッシュは3・3・1・3着と馬券圏内で安定している。2〜5歳時はもっとムラがあった。もしかしたらここがメイチ、6歳だし集大成の可能性もある。狙いすます藤原英厩舎だし、4戦目の有馬狙いはないはず。

藤原英厩舎でおかわり!
馬券圏内をおかわりと想定するなら、この秋、リラコサージュ、エイシンフラッシュ、トーセンラーとG1ですでに3回馬券になってる藤原英厩舎だってありだ!ありありだ!(やった開き直れた!)。

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それでもゴールドシップに最大の敬意を払いたい
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おっと、なんだかゴールドシップを軽んじてしまう流れになってきた気がする。
いや、断じて違う。おかわり5杯目は前走・京都大賞典の正統ゴールドシップから行きたいに決まっている。
京都大賞典はペース・展開だけでなく4角回ったときの体勢もゴールドシップには苦しい闘いだったはず。直線に向いて、外からきっちり被せられる競馬なんてほとんど経験したことはなかったはず(宝塚でもフェノーメノに被されかけたけど、ギリで突き放した)。それを考えれば、京都大賞典での経験はゴールドシップをも強くさせている可能性あり。

過去歴からは今回馬券圏内鉄板のはずの馬がジェンティルドンナ。
天皇賞秋を1番人気で馬券圏内に入り、JCを1番人気になった馬は馬券圏内確定的。ただしあくまでも馬券圏内であって、1着確定ではあらず。

ジェンティルドンナにはスーパーな敬意は必要だけど、頭が確定かはまだわからない。
ムーアならば、確実に岩田よりは先行しないはず。でないと乗り替わりの説明がつきにくい。
だからもしジェンティルが敗れるとしたら、それは高確率で前を捕らえきれずの敗戦ではないか。
ジェンティルより前で競馬ができて、抜かせない競馬ができる馬は過去歴からはゴールドシップくらいしか抽出できない。
あるとしたら外国人騎手に乗り替っての戦法チェンジ。ウィリアムズのアドマイヤラクティ、まさかのMデムーロの先行。

エイシンフラッシュ(キングマンボ系)・アドマイヤラクティ(父ハーツクライ)でもし決まったら、アルカセット(父キングマンボ)・ハーツクライで決まった8年前のジャパンカップみたいだ。わー!

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ジャパンカップ・最後のおかわりは大盛りでお願いします。
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ジェンティルドンナに敬意を表しつつも今は京都大賞典組と藤原英厩舎のダブルおかわりに注目している。

ゴールドシップ…前走・京都大賞典・正統おかわり候補
ヒットザターゲット…強・京都大賞典
アドマイヤラクティ…強・京都大賞典
アンコイルド&ヴィルシーナ…ヒモ・京都大賞典

エイシンフラッシュ…藤原英厩舎の狙いすまし

この中から2頭馬券圏内に入ったら大盛りだ。3頭で特盛りだ。場合によっては大穴だ。
ジャパンカップで1、2人気が揃って圏外に敗れることはほぼない。けれどどちらかが圏外は十分ある。けしからんおかわりだって、ありだ。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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