■ジャパンカップダート(G1・阪神ダ1800m)フルゲート16頭/登録22頭
【コース基本情報】阪神ダ1800m
・コース回収率
[標準] 単64%・複勝87% 1番人気が異様なまでに強いがヒモは紛れる
・馬連万馬券出現率
[標準] 12.2%(平均値↑0.2% 馬連平均配当6159円)
・枠番別成績(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
[1枠〜2枠] 勝率 6.7% 連対率13.9% 複勝率18.8% 複回率 96% 枠番値±0
[3枠〜6枠] 勝率 5.5% 連対率11.9% 複勝率18.6% 複回率 99% 枠番値±0
[7枠〜8枠] 勝率 7.5% 連対率12.4% 複勝率19.3% 複回率 89% 枠番値+0.1
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[1枠〜4枠] 勝率 6.4% 連対率12.7% 複勝率18.1% 複回率 84% 枠番値±0
[5枠〜8枠] 勝率 6.2% 連対率12.3% 複勝率19.5% 複回率108% 枠番値+0.1
→枠番の影響がきわめて小さく、内外はそれほど気にする必要なし!
・脚質別信頼度
逃げ>先行>>>差し>追込 圧倒的に前有利で4角7番手以下でも厳しい
・推定ラップ&タイム
[底力] 36.3-36.7-36.5=1.49.5 緩急がなく息を入れづらい厳しい流れ
コース全体で見ても異様なまでに強い1番人気馬。通常であれば頭数が多く、そしてクラスも上がれば接戦となりそうなものだが、当コースにおいてはまったく逆。クラスが上がると1番人気馬がさらに強くなる傾向にあり、1000万下〜オープンでフルゲートのレースに限定すると、トータル[21-5-1-14]で勝率51.2%という恐るべき数値が出てくる。とにかく、1番人気馬には素直に「巻かれる」べきコースなのだ。
次に枠番だが、こちらはちょっと驚いてしまうほど、内外での成績差が見られない。単純に内外だけで比較しても、1枠〜4枠の複勝率18.1%にタイして5枠〜8枠のそれが19.5%と、外のほうが高い数値が出ているほど。内枠のほうがベターというイメージがあるコースだが、内外は気にする必要がほとんどないと言えそうだ。あえてどちらか選べというなら、回収率が高い外枠がオススメ。外枠の人気薄は要警戒である。
脚質については、もうハッキリと前有利。「後方にいてはお話にならない」コースであり、勝ち負けするにはある程度の先行力が必須条件。先行激化の展開になったとしても、差しや追い込みはそうそう決まらない。要求されるのは、ハイペースで先行して最後まで粘りきれるスタミナや底力であり、瞬発力要求度は非常に低め。同じダートG1でも、フェブラリーSが行われる東京ダ1600mとは、流れがまったく違うと考えたほうがいい。
【レース基本情報】ジャパンカップダート(G1) 阪神過去5年
・レース平均配当
単勝766円 馬連4808円 3連複1万8304円
・1番人気馬成績
[3-0-1-1] 勝率60.0% 連対率60.0% 複勝率80.0%
・3番人気以内馬成績
[3-1-2-9] 勝率20.0% 連対率26.7% 複勝率40.0%
・4番人気〜9番人気馬成績
[2-4-1-23] 勝率 6.7% 連対率20.0% 複勝率23.3%
・10番人気以下馬成績
[0-0-2-32] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 5.9%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 60.0% [先行] 20.0% [差し] 20.0% [追込] 0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 20.0% [先行] 20.0% [差し] 40.0% [追込] 20.0%
・性別成績
[牡馬] 5-5-5-58 連対率13.7% 複勝率20.5%
[牝馬] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
・年齢別成績
[3歳馬] 0-1-2-11 連対率 7.1% 複勝率21.4%
[4歳馬] 2-1-0-13 連対率18.8% 複勝率18.8%
[5歳馬] 2-1-0-15 連対率16.7% 複勝率16.7%
[6歳馬] 1-2-2-12 連対率17.6% 複勝率29.7%
[7歳↑] 0-0-1-13 連対率 0% 複勝率 7.1%
・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
[1枠〜4枠] 2-1-2-35 連対率 7.5% 複勝率12.5% 枠番値-0.5
[5枠〜8枠] 3-4-3-29 連対率17.9% 複勝率25.6% 枠番値+0.6
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[1枠〜2枠] 2-0-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値+0.7
[3枠〜6枠] 1-4-5-30 連対率12.5% 複勝率25.0% 枠番値-0.2
[7枠〜8枠] 2-1-0-16 連対率15.8% 複勝率15.8% 枠番値-0.3
・厩舎所属別成績
[美浦] 0-0-0-11 連対率 0% 複勝率 0%
[栗東] 5-5-5-49 連対率15.6% 複勝率23.4%
[外国] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
・日本馬 前走主要レース別成績
[みやこS] 2-1-2-10 連対率20.0% 複勝率33.3%
[JBCクラ] 1-2-2-13 連対率16.7% 複勝率27.8%
[武蔵野S] 1-1-0-14 連対率12.5% 複勝率12.5%
[JBCスプ] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
・注目出走パターン
[絶好] 前走みやこSで5番人気以内かつ4着以内(複勝率55.6%)
[買い] 前走で4着以内だった関西の6歳以下牡馬(複勝率39.4%)
[全滅] 前走中央戦に3番人気以下で出走して4着以下(0-0-0-18)
[全滅] 前走地方戦に出走して4着以下(0-0-0-12)
[全滅] 前走4コーナーを10番手以下で通過(0-0-0-12)
[不振] 前走1着馬をのぞく前走馬体重499キロ以下(0-0-2-13)
[不振] 1枠〜4枠に入った3番人気以下馬(0-1-0-31)
1番人気が過去5年で3勝4連対と絶好調。昨年1990円という単勝配当が出ているにもかかわらず、単勝平均配当は766円とかなり低めの水準にある。また、過去5年で3連複万馬券が3回も出ている点に注目。1番人気が高確率で馬券に絡んでいるのに3連複万馬券が出るのだから、ヒモはけっこう荒れていることになる。
面白いのが、馬券に絡んだ馬の脚質シェア。1着馬に関しては逃げ・先行勢がその8割を占めているのだが、これが3着以内馬になると一気に逆転。今度は差し・追い込み勢が全体の60.0%を占めるという、意外な結果が出ている。つまり、アタマで来るのは逃げ・先行勢(特に逃げ馬)だが、2着〜3着に来るのは先行勢ではなく、差し・追い込み勢のほうが多いということ。「逃げ→差し→差し」決着など、脚質から着順を決め打ったフォーメーションが効果を発揮しそうなレースだといえる。
そして枠番だが、コースデータでも見られた「やや外枠有利」の傾向が、レースデータで加速した印象を受ける。1枠〜4枠で馬券に絡んでいるのはほとんどが2番人気以内で、3番人気以下は[0-1-0-31]と大不振。つまり、人気薄を狙うなら5枠〜8枠に入った馬のほうが圧倒的に期待値が高いのである。特に狙い目なのが、5枠〜8枠に入った人気薄の差し・追い込み馬。これは、枠番決定後に必ずチェックしていただきたい。
年齢に関しては7歳以上馬の成績がイマイチだが、それ以外はそれほど差が見られない印象。それ以外では、関東馬がいっさい馬券に絡めていないことや、前走みやこS組とJBCクラシック組の強さも目立っているところだ。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
開幕週かつダート戦。土曜日に傾向を見ておけば問題なさそう。
・天候予測
週末まで好天継続。乾燥する時期でもありパワー要求度の高い馬場になるか。
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率13.6% 連対率21.7% 複勝率29.8%
・著者の注目血統
スペシャルウィーク産駒◎、キングカメハメハ産駒○
期間内に110回も出走がありながら、トータル[16-9-11-74]で連対率22.7%、複勝率32.7%という高いアベレージを記録したスペシャルウィーク産駒。回収率ベースの数値も悪くなく、その適性の高さは疑うべくもない。同様に、当コースでトップとなる32勝をあげているキングカメハメハ産駒も、内容は文句なし。この二種牡馬と、あとはクロフネ産駒が、当コースにおける「三強」といえそうだ。
ダート戦でもあり内外のバイアスはそれほど気にする必要はないと思われるが、空気が乾燥している上に週末まで好天が続くとなると、含水率はかなり低いものとなりそう。パッサパサでパワー要求度が非常に高い馬場となる可能性もあり、骨太で筋肉量が多く馬格もあるといった「典型的なダート馬」体型に出ている馬のほうが信頼できるかも。このあたりについては、土曜日の結果をしっかりチェックしておきたい。
★総論×各論
現在の条件に移行してから今年で6回目となるJCダート。アメリカからパンツオンファイアの参戦してくれたが、海外ダート馬に関しては芝以上に適性が未知数であり、何とも分析しかねるというのが正直なところである。実績だけ見るとこの相手関係では厳しい──という印象を受けるが、これが「ケンタッキーダービー2番人気馬」と聞くと、あっさり通用する気がしてくるから不思議なもの。この馬に関しては、資金的に余裕があったら買う、くらいのスタンスで行くつもりだ。
そして日本馬だが、こちらはホッコータルマエなど実績馬ぞろい。上位拮抗の大混戦となりそうで、白熱した非常にアツいレースが期待できそうだ。当データ分析から上位評価となったのは、ローマンレジェンド、ブライトライン、ホッコータルマエの3頭。僅差でナイスミーチュー、ニホンピロアワーズの2頭が続き、押さえ評価でワンダーアキュート、エスポワールシチー、ベルシャザールというのが、一応の評価順である。
ここまで上位のレベルが高くなると、勝ち馬が大きく紛れるケースはほとんど考えられず、1着には素直に人気馬を据えた方がベター。紛れるとすれば間違いなくヒモのほうで、こちらは差す展開になりそうなナイスミーチューあたりに、好走の期待をかけたいところ。同馬にはぜひ、5枠〜8枠に入ってもらいたいものである。
トップ評価としたブライトラインの人気が読みづらいが、みやこSを快勝して本番という臨戦過程はベストであり、その他のプロフィルも特に問題ナシ。ホッコータルマエ、ローマンレジェンドといった実績馬が相手でも通用する可能性は十分にある。意外に人気薄となるようであれば、思い切ってここから入る馬券も面白そうだ。
■金鯱賞(G2・中京芝2000m)フルゲート18頭/登録16頭
中京競馬場のリニューアルにともない、昨年から暮れの中京開催に移動してきた金鯱賞。いきなり1番人気〜3番人気がすべてぶっ飛ぶという荒れた結果となり、馬単、3連複、3連単いずれも万馬券となったのは、まだ記憶にも新しい。
レースデータは実質過去1年となるので、アテになるのはコースデータくらいのもの。リニューアル後に行われた67レースを対象にその傾向を分析してみたところ、目立っているのが追い込み脚質の意外なほどの不振。直線が一気に延長されたことで追い込みが決まりそうなものだが、500万下〜重賞で4コーナーを10番手以下で回った馬は、トータル[5-5-7-171]で連対率5.3%、複勝率9.0%、複勝回収率20%と絶不調。4コーナー13番手以下から勝った馬となると、期間内にわずか1頭しかいない。
また、前走からの距離短縮組が強いというのも、当コースにおける顕著な傾向。全体でもトータル複勝率29.0%、複勝回収率125%という高期待値で、「前走5番人気以内の距離短縮組」に限ると、その複勝率は50.8%にまで上昇する。今年の登録馬でこの条件を満たすのは、ウインバリアシオン、カレンミロティック、ムスカテール、メイショウナルトの4頭である。イメージ以上に先行有利というコースの特性を考えると、ここはカレンミロティック、メイショウナルトの2頭が注目株といえそうだ。
■ステイヤーズS(G2・中山芝3600m)フルゲート16頭/登録14頭
昨年は10歳馬トウカイトリックがファンをアッと言わせた、ステイヤーズS。とはいえ、前走での「格」がモノを言うというこのレースの傾向を考えれば、絶対に買えないというパターンではなかったはず。今年もじつに悩ましいメンバーが登録しているが、この「格」重視の姿勢だけは忘れないようにしたい。
前走クラス別に成績を比較してみると、前走G1〜G2出走組がトータル[9-6-7-55]と圧倒的に好成績。それ以外の馬は[1-4-3-53]と1勝しかあげられていないのだから、いずれが優勢かは明白だ。また、前走条件戦〜G3出走組で馬券に絡んでるのは、そのほとんどが前走4番人気以内。この条件を満たせないユニバーサルバンクのような馬は、スパッと消しがオススメだ。
そして「格」の条件を満たす前走G1〜G2出走組だが、こちらはアルゼンチン共和国杯組が圧勝。それ以外のレースに出走していた馬についても、前走の格が高ければ高いほど強いと素直に考えてよさそうだ。また、この組については、少しでも前に行ける馬のほうが期待値が高いというのも、ぜひ押さえておきたいポイント。今年は登録馬に先行タイプが少ないだけに、余計に前残りを警戒すべきである。
一発の期待をかけるなら、アルゼンチン共和国杯でも逃げていたコスモラピュタ。あとは、前走条件戦組ながら先行力のあるクリールカイザー、フェデラルホールの2頭も押さえておきたいところ。アルゼンチン共和国杯組でもう1頭選ぶならエックスマークか。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。