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新年いきなり大波乱決着も!?/中山金杯

  • 2014年01月03日(金) 18時00分
■中山金杯(G3・中山芝2000m)フルゲート16頭/登録26頭

【コース基本情報】中山芝2000m Cコース使用
・コース回収率
 [低め] 単58%・複勝70% ふたケタ人気の好走率が低く堅め決着傾向

・馬連万馬券出現率
 [やや高め] 13.4%(平均値↑1.4% 馬連平均配当5743円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 8.9% 連対率15.9% 複勝率20.7% 複回率 57% 枠番値+0.2
 [3枠〜6枠] 勝率11.8% 連対率17.9% 複勝率25.1% 複回率 75% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 勝率11.3% 連対率15.1% 複勝率18.7% 複回率 71% 枠番値+0.2
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 9.8% 連対率16.2% 複勝率22.5% 複回率 64% 枠番値±0
 [5枠〜8枠] 勝率12.1% 連対率16.9% 複勝率22.0% 複回率 75% 枠番値+0.1
 →中山コースながら、枠番による成績差は数値上ほとんど見られない。

・脚質別信頼度
 先行≧差し>逃げ>>>追込 信頼度の高さは先行脚質が断然。好位〜中団◎。

・推定ラップ&タイム
 [平均] 36.2-48.4-35.0=1.59.6 中盤〜後半は一貫して速く持久力が必要

 皐月賞の舞台でもある中山芝2000m。荒れそうなイメージがけっこう強いのだが、実際にはコース全体の単勝回収率58%、複勝回収率70%と「堅い」部類のコースである。もちろん中山でもあり「人気薄がまったく来ない」というワケではないのだが、ふたケタ人気馬はトータル[2-10-13-685]で勝率わずか0.3%、複勝率でも3.5%と、好走期待度はかなりの低さ。ここに狙いを定めるのは、明らかに分が悪い。

 もっとも、馬連万馬券の出現率は13.4%と高めであり、馬連平均配当も5743円とまずまずの高さ。信頼できる「堅い軸馬」がいる場合は素直に信頼し、そうでない場合は思いっきり振り回す──といった、両極端な立ち回りが最も功を奏しそうなコースと言える。

 また「内枠有利」の代名詞的存在である中山芝コースでありながら、この芝2000mに関しては枠番による成績差がほとんど見られないというのも、面白い特徴。これは、最初のコーナーまで距離があるというコース形態によるものだろう。外枠だからという理由で、大きく割り引く必要はなさそうだ。

 脚質はやはり先行有利。しかも逃げ馬ではなく、その直後である好位につけられる馬の期待値が、図抜けて高い。対照的に大不振なのが追い込み脚質で、こちらはハッキリと割引の対象。馬券は、好位〜中団につけられる馬を中心に組み立てたい。

【レース基本情報】中山金杯(G3) 過去10年
・レース平均配当
 単勝641円 馬連3976円 3連複2万4152円

・1番人気馬成績
 [3-0-1-6] 勝率30.0% 連対率30.0% 複勝率40.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-2-3-18] 勝率23.3% 連対率30.0% 複勝率40.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-6-5-46] 勝率 5.0% 連対率15.0% 複勝率23.3%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-2-63] 勝率 0% 連対率 3.0% 複勝率 6.0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 40.0% [差し] 50.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 26.7% [差し] 46.7% [追込] 16.7%

・性別成績
 [牡馬] 10-9-10-117 連対率13.0% 複勝率19.9%
 [牝馬] 0-1-0-10 連対率 9.1% 複勝率 9.1%

・年齢別成績
 [4歳馬] 1-2-2-23 連対率10.7% 複勝率17.9%
 [5歳馬] 3-2-4-22 連対率16.1% 複勝率29.0%
 [6歳馬] 3-2-3-32 連対率12.5% 複勝率20.0%
 [7歳↑] 3-4-1-50 連対率12.1% 複勝率13.8%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 3-2-1-32 連対率13.2% 複勝率15.8% 枠番値+0.4
 [3枠〜6枠] 5-6-8-61 連対率13.8% 複勝率23.8% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 2-2-1-34 連対率10.3% 複勝率12.8% 枠番値-0.7
 ──────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 6-3-2-67 連対率11.5% 複勝率14.1% 枠番値+0.2
 [5枠〜8枠] 4-7-8-60 連対率13.9% 複勝率24.1% 枠番値-0.2

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-6-3-85 連対率11.1% 複勝率14.1%
 [栗東] 5-4-7-42 連対率15.5% 複勝率27.6%

・前走距離別成績
 [〜芝1600] 0-3-0-9 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [芝1800m] 6-5-3-50 連対率17.2% 複勝率21.9%
 [芝2000m] 3-2-5-52 連対率 8.1% 複勝率16.1%
 [芝2200〜] 0-0-2-10 連対率 0% 複勝率16.7%
 [ダート戦] 1-0-0-6 連対率14.3% 複勝率14.3%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 1-1-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0%
 [中央G2] 1-0-1-7 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [中央G3] 5-4-5-59 連対率12.3% 複勝率19.2%
 [OP特別] 1-5-2-39 連対率12.8% 複勝率17.0%
 [条件戦] 2-0-1-10 連対率15.4% 複勝率23.1%

・牡馬斤量別成績
 [51kg以下] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
 [52〜53kg] 2-0-1-27 連対率 6.7% 複勝率10.0%
 [54〜55kg] 2-3-4-37 連対率10.9% 複勝率19.6%
 [56〜57kg] 5-5-3-43 連対率17.9% 複勝率23.2%
 [57.5kg↑] 2-1-2-12 連対率17.6% 複勝率29.4%
 ──────────────────────────
 [54kg以下] 1-1-3-44 連対率 4.1% 複勝率10.2%
 [55kg以上] 9-8-7-73 連対率17.5% 複勝率24.7%

・注目出走パターン
 [絶好] 今回斤量増となる馬(連対率33.3%、複勝率48.1%)
 [買い] 単勝オッズ9.9倍以下の2番人気〜4番人気(6-4-2-18)
 [全滅] 前走ディセンバーSで3番人気以下(0-0-0-18)
 [不振] 今回斤量減となる前走重賞出走組(0-1-3-25)
 [不振] 前走で2000m戦に出走して3着以下(0-1-3-45)
 [割引] 前走から斤量の増減がない馬(1-3-1-51)

 641円という単勝平均配当を見てもわかるように、1着馬はかなり堅いレース。とはいえ、1番人気馬は[3-0-1-6]とイマイチな成績。つまり、それだけ「1番人気以外の上位人気馬」が勝っているということだ。というわけで、人気面から狙い目なのが「単勝オッズ9.9倍以下の2番人気〜4番人気」で、トータル[6-4-2-18]で複勝率40.0%。配当的な妙味も十分あり、積極的に狙う価値アリだ。

 続いて脚質だが、コースデータからやや差し優勢の方向にシフトした印象。最も期待できるのは「中団から差す」タイプで、続いて好位勢というパワーバランスである。逃げ馬や追い込み馬も多少は馬券に絡んでいるが、シェアから考えるとヒモ程度の扱いが妥当。軸馬はやはり、好位〜中団につけられる馬からチョイスしたい。

 それ以外のファクターに関しては、正直なところ「なんでもアリ」といった様相。関西馬の強さが目立っている程度で、それ以外は年齢や前走クラスなどを問わず、どのような条件からでも上位に食い込んでいる。そんな中にあって、ひときわ目立っているのが「斤量」というファクター。こちらは「斤量を背負っているほうが強い」という傾向がハッキリ見受けられる。

 ハンデ54キロ以下の牡馬はトータル[1-1-3-44]とかなり不振で、狙うならばハンデ55キロ以上馬のほうがベター。なかでもアテになるのが「斤量増となるハンデ55キロ以上の牡馬」で、トータル[6-3-4-12]で連対率36.0%、複勝率52.0%、複勝回収率127%と、バツグンの期待値を誇っている。この条件を満たす今年の登録馬は、なんとオーシャンブルーただ1頭である。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 連続開催初日でCコース替わりも、時計のかかる馬場に変化はなさそう。

・天候予測
 穏やかな天候が続いておりレース当日も晴れ予報。良馬場前提でオーケー。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率14.1% 連対率25.3% 複勝率36.4%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、シンボリクリスエス産駒▲

 開催が進むにつれて時計がさらにかかるようになってきた、現在の中山芝コース。今週からCコース替わりだが、この傾向がガラッと変わることはなさそうだ。非力なタイプよりも、骨量や筋肉量のあるパワー型の馬体に出ている馬のほうが向きそうな状況。パドックを見る際には、このあたりにも注意しておきたい。

 ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒が好成績を残しているように、血統的にはかなり「キレ優勢」のコースと考えてよさそう。もっとも、現在の馬場がパワー優勢だけに額面どおり受け止められない部分はある。

 データだけならディープインパクト産駒が最もアテになるが、現在の馬場も加味するとキングカメハメハ産駒やシンボリクリスエス産駒のほうが信頼できるかも。また、中山が大得意のステイゴールド産駒だが、当コースについては「ボチボチ」程度の成績であることも、ぜひ押さえておきたいポイントだ。

★総論×各論

 登録馬や想定を見た段階から感じていたことだが、今年の中山金杯はハチャメチャな荒れ方をする可能性がありそう。というのも、傑出した実力馬が見当たらず能力的に大接戦である上に、例年の好走条件を満たす馬がほとんど見当たらないからである。コースデータ分析でも述べたが、上位人気馬がアテにならない場合は、かなり振り回してもいいのがこのコース。ここは思い切って、人気薄から入る手もありそうだ。

 京都金杯との重複登録でもあるので何とも言えない部分はあるが、当データ分析から最も高く評価したのはゼロス。とはいえ、これは押し出されてのトップ評価であり、積極的に「買い」と判断できる材料はほとんどない。同様に高評価となったミッキーパンプキンも、買い材料の多さよりも消し材料の少なさで浮上したパターン。また、荒れるという前提に基づいたチョイスでもある。

 人気サイドで最も高評価だったのは、ステイヤーズSで2着に好走しているユニバーサルバンクだ。こちらはハンデ55キロ以上という必要条件を満たしており、中山実績があるのも好材料。単勝ひとケタ配当での2番人気〜4番人気に推されるようなら、素直にここから入ったほうがベターかもしれない。

 そして四番手評価にオーシャンブルー。斤量増でハンデ57.5キロという大きなプラス材料を持つ馬だが、同時に「前走2000m戦で3着以下」という割引材料もあり、評価が難しいところ。また、ステイゴールド産駒の成績がイマイチであるというのも、素直に信頼しきれないポイントだ。

 以下は、ディサイファ、ケイアイチョウサン、セイクリッドバレー、サクラアルディードといった評価順。いずれにせよ、順当な決着に終わる可能性はきわめて低いと思われる。ベッタベタだが、「金杯で乾杯!」を目指して初夢馬券を買う──というくらい開き直ったスタンスのほうが、いい結果を期待できそう。かなり手広く買うのをオススメしたい。

■京都金杯(G3・京都芝1600m)フルゲート16頭/登録44頭

 大挙44頭が登録してきた京都金杯。とはいえ、出走が叶いそうな馬はすべてハンデ54キロ以上であり、トップハンデはガルボとマイネルラクリマの58キロ。おそらく出走全馬が牡馬というのもあって、非常にハンデ差の小さいレースとなりそうである。

 目立っているのが、ハンデ57.5キロ以上馬の不振だ。昨年はハンデ58キロのトライアンフマーチが2着に食い込んだが、トータル[0-3-1-12]で連対率18.8%、複勝率25.0%、複勝回収率58%という期待値の低さ。人気に推された上に1勝もしておらず、しかも当たり前のように飛ぶのだから、ここから入るのはナンセンス。ガルボ、トーセンレーヴ、マイネルラクリマは「押さえてもヒモまで」という評価が妥当といえる。

 それ以外では、以下の条件に該当する馬も割引の対象。さすがにサンデー系種牡馬の産駒を全滅させるわけにはいかないが、過去10年でのべ69頭が出走して2勝しかあげられていないというのは、もの足りない。「1着はサンデー系以外から」といった馬券の買い方をするのも面白そうだ。

 ☆7歳以上馬[0-2-2-42]
 ☆前走10番人気以下[0-1-4-50]
 ☆前走10着以下[1-1-2-43]
 ☆サンデー系種牡馬産駒[2-8-6-53]

 となると、1着付けで狙って面白そうなのが、キングヘイロー産駒のシャイニープリンスと、フレンディデピュティ産駒のプリムラブルガリス。その他の割引条件にも引っかかっておらず、しかも適度に人気薄という絶好の狙い目となりそうである。レッドアリオン、マイネルラクリマ、ガルボなどもしっかり押さえつつ、この2頭から流す馬券を現時点では推奨しておきたい。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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