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シンザン記念の未勝利力とディープ特待生

  • 2014年01月09日(木) 12時00分


中山金杯、京都金杯ともにディープインパクト産が馬券に絡んだ!
今年の重賞テーマをディープインパクト産との接近遭遇と先週書いたので、ディープ産に注目してたけれど、どうやら今年もディープインパクト産をナイガシロにしてはいけないようだ。ナイガシロにするにしても3着はありえる!! そこだけは肝に命じておくべきか。

中山金杯
ディサイファ 1人気3着 
サクラアルディード 4人気9着

京都金杯
エキストラエンド 6人気1着
オースミナイン  1人気2着 
トーセンレーヴ  4人気8着

1人気で3着、2着、6人気で1着。

上手に買えば儲かるだろうし、たとえ儲からなくても的中率は上がるはず。
しかし下手くそに買えば儲かるどころか的中もしない。っていうか、ディサイファの3着を予想して、馬券を外すとそれなりにカッコ悪い。

実際、先週の自分がそうだった。ディサイファの3着を予測して、3連複を買ったもののオーシャンブルー&カルドブレッサとの組み合わせを買えずにぶっ飛んだ。ひぃ〜!
(でも京都金杯は馬単が引っかかりました。ふぅ〜。)

相手を絞るセンスがないならディサイファの複勝1本!で攻めればいいのだろうけど、残念ながら自分には複勝150円を1本で攻めきれる野心はない。そうだ!これは野心だ! ああ〜複勝150円で成り上がれるアツいハートとブアツイ御足が欲しい!(ディープ産の去年の重賞での複勝回収率は97%だった。だから上手に買えば儲かるという算段。詳細は先週のコラムで)

とにかく、東西金杯でディープインパクト産はやって来た。今年もディープインパクト産と上手につき合う必要あり。それは間違いない。
ではどうつき合うか? 複勝1本ができない自分の場合は、凡庸だけど3着以内に入りそうなディープインパクト産がいたら、その馬をディープ特待生と認定して、その特待生以外から3着以内に入りそうな馬を一生懸命探す。そしてディープ特待生と一生懸命探した馬とを組み合わせる。うむ、きっとそういうことなんだろう。イージーだ。いや思ったほどイージーじゃない。イージューだ。いやもう若くない。あと数年でゲージューだ!ひゃー!

てなことを思いつつ,今週のシンザン記念、フェアリーSの登録馬を眺める。
今週もディープ産がいる。シンザン記念のミッキーアイル、フェアリーSのクリノイザナミ。
特にシンザン記念のミッキーアイルはお誂え向きの特待生候補だろう。

まあ断然人気だし言うまでもないだろう。でも一応書いておく。今後のために書いておく。

シンザン記念は「内枠」「先行」「未勝利組」「一部の騎手」にやさしいレースで、ミッキーアイルはすでに「先行」と「未勝利組」を満たしている。
騎手的な流れでいえば、ちょっと前までは武豊・安藤勝・岩田の3人にやさしかったけれど、最近は浜中へのやさしさが増してきている。つまりそこ「騎手」も満たしていることになる。

メンバー的にも逃げ先行しそうなアグネスドリームやシゲルカガが回避を匂わせていて、ふつうにスタートさえできれば、どの枠に入っても力は発揮できそう。

ミッキーアイルはここ2走逃げて、上がり1位を繰り出せている。つまり直線に入って、ちゃんとスパートできているということだから、頼もしさのある逃げ馬とも言える。逃げられなかったとき、もしくはあえて逃げなかったときにも味のある馬かわからないけれど、それでも3着は外さないだろう。

っていうかむしろ外枠に入ってもらった方が都合がいいかもしれない。どうせ断然の1人気なんだし、外枠にでも入れば少しは人気が下がるのではないか?
というわけで、今週のディープ特待生はミッキーアイルとしてみた。

――――――――――――――――――――
シンザン記念の未勝利力
――――――――――――――――――――

3年、いや4年くらい前に書いたかもしれないけど、シンザン記念は「未勝利勝ち」の馬にやさしいレースだ。これは前走が未勝利という意味ではなく、初勝利が未勝利だった馬という意味。
以下は過去10年のシンザン記念の1着-3着馬が新馬勝ち組か未勝利勝ち組かを記した。未勝利勝ちの馬には初勝利をあげるまでの戦績も書いた。

04年
1着 新馬
2着 新馬
3着 未勝利  3着 4着 1着

05年
1着 未勝利  3着 1着
2着 未勝利  3着 4着 1着
3着 未勝利  2着 2着 1着

06年
1着 未勝利 4着 4着 1着
2着 新馬
3着 新馬

07年
1着 新馬
2着 新馬
3着 新馬

08年
1着 未勝利 3着 5着 1着
2着 未勝利 2着 1着
3着 未勝利 2着 1着

09年
1着 未勝利 2着 1着
2着 未勝利 2着 2着 1着
3着 未勝利 2着 2着 1着

10年 
1着 未勝利 9着 7着 2着 1着
2着 未勝利 2着 2着 1着
3着 未勝利 4着 2着 1着

11年 
1着 未勝利 2着 2着 1着
2着 新馬
3着 新馬

12年 
1着 未勝利 2着 1着
2着 未勝利 7着 3着 3着 4着 1着
3着 新馬

13年 
1着 新馬
2着 未勝利 2着 2着 2着 2着 1着
3着 新馬

未勝利勝ち組が活躍しているのがわかる。2戦目、3戦目で勝ち上がっている馬が多い。ホップ・ジャンプ、もしくはホップ・ステップ・ジャンプで勝つ形か。去年2着したヘミングウェイはホップ・ステップ・ステップ・ステップ・ジャンプして、そのままシンザン記念に出走した。
みな惨敗はほとんどない。基本的な力はある。レースキャリアも望まずとも積めてしまった。そんな馬たち。
そもそも朝日杯FSやラジオNIKKEIに間に合うように使い出したはずだ。でも勝ちきれず、やっとこさ勝ち上がったときには、朝日杯FSにもラジオNIKKEIにも間に合わなかった。で、シンザン記念に矛先を向けた。そんな感じか。

ちなみに12年の1着はジェンティルドンナで未勝利勝ち組だった。1番人気で4着に負けたトウケイヘイローは新馬勝ち組だった(新馬勝ちの馬が活躍する傾向にあるのは東スポ杯だったりする)。

今年のシンザン記念は17頭が登録していて、未勝利勝ち組は7頭、新馬勝ち組は10頭。

未勝利勝ち組
アグネスドリーム 2着 1着
アグネスミニッツ 3着 3着 1着
カクシアジ    2着 1着
カシノヒカル   5着 13着 1着
クリノカンパニー 5着 5着 4着 5着 2着 1着
ニシケンモノノフ 2着 1着
ミッキーアイル  2着 1着

ミッキーアイルは特待生だから別枠として、それ以外で魅力的な未勝利馬は、
アグネスミニッツとクリノカンパニーか。

3戦目で1着したアグネスミニッツはここで2着3着したことのある馬たちの初勝利の臨戦に似ている。
6戦目で1着したクリノカンパニーは2年前に2着したマイネルアトラクトの臨戦に似ている。
2頭ともに人気もそれほどなさそうで、ちょーどいい。

アグネスミニッツの鞍上は3年目の菱田。西の成長株だ。
1年目 23-25-22-352
2年目 52-52-65ー663

一説に減量系若手騎手は3着が多いと伸びると言われている。
その理由を自分は、その3着には甘さとガッツが同居しているからではないか? と妄察している。
上手に騎乗すれば1、2着できたかもしれない3着と若さ溢れる思い切りのいい騎乗で持って来た3着があって、甘さとガッツが合わさって,自然に3着が多くなるのではないか。
で、ほんまもんならば、腕が磨かれ、3着が1着や2着になっていく。

菱田騎手は去年大きく飛躍した。3着多めで飛躍した。もし菱田騎手の3着に甘さとガッツが混じりあっていたのならば、今年はさらに飛躍するはず。

これは今や若手ナンバー1の浜中騎手の「あの頃」にとても似ている。浜中騎手も3着が多かったからだ。
1年目 20-25-43ー271
2年目 73-71-57ー658
3年目 50-71-82-586
4年目 69-62-70ー613

その浜中騎手がシンザン記念で3着したのが2010年(10人気セレスロンディー)。デビュー4年目だ。
3年目の菱田騎手もそろそろ重賞でガッツを見せてもいい頃じゃないか?(重賞成績0-0-0-11)

あとは馬番で取捨、もしくは強弱をつければだいたいオッケーか。もちろん10番より内が欲しい。アグネスミニッツは内から抜ける競馬ができるから、その点も安心だ。
(クリノカンパニーはどうせド人気薄だから、枠が発表されてから考えればいい。)

――――――――――――――――――――
シンザン記念の2:1
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上記した過去10年を見ればわかるように未勝利組、新馬組の圏内独占があるレースだけれども、今年は未勝利組のミッキーアイルがいるから、新馬組の独占はなしと考えたい。
しかしこれまた上記したように未勝利組で魅力ある馬も少ない。こういう年のベースはやっぱり2:1。

未勝利1:新馬2
未勝利2:新馬1

未勝利1なら自動的にミッキーアイル。
未勝利2ならば現状ではミッキーアイル&アグネスミニッツとしたい。
あとは新馬組。

こっちは人気のありそうなウインフルブルーム・タガノグランパ・モーリス・ビップレボルシオンのどれかでいいんじゃないか?

シンザン記念
特待生・ミッキーアイル
未勝利組・アグネスミニッツ(クリノカンパニー)
新馬組・ウインフルブルーム・タガノグランパ・モーリス・ビップレボルシオンあたりから見繕って。

フェアリーS
ディープインパクト産クリノイザナミはさすがに足りないと思うのでスルー。
注目馬
ホットランナー…前走の時計はめちゃくちゃ遅いけれど、Mデムーロの12-12-8-2のレースっぷりもけっこう乱暴で、それで勝ち切ったのだから光るものはあるかもしれない。
ムードスウィングス…この世代の関東馬は牡馬は戸崎、牝馬は田辺に回っているように思える。ここでも田辺は5頭に騎乗経験があって、この馬に騎乗してきた。サンデーRの馬だから馬主パワーを考慮しての選択かもしれないけれど、この世代の田辺の選択は外れてないようにも思える。
リラヴァティ…石坂厩舎の馬に蛯名騎手はレア騎乗。デキよしと見た!(直近ではアルゼンチン共和国のニューダイナスティ11着があるけれど、去年は2回のみ。一昨年も1回のみ。全成績3-4-2-17。そろそろチャンスホースが回ってきてもおかしくない)。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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