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ハンデと年齢から候補を絞り込め!/日経新春杯

  • 2014年01月15日(水) 18時00分
■日経新春杯(G2・京都芝2400m外)フルゲート16頭/登録17頭

【コース基本情報】京都芝2400m外 Aコース使用
・コース回収率
 [高め] 単105%・複勝80% 中穴ゾーンの馬が異様に強いコース

・馬連万馬券出現率
 [低め] 7.6%(平均値↓4.8% 馬連平均配当4784円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 9.1% 連対率15.9% 複勝率22.7% 複回率192% 枠番値+0.6
 [3枠〜6枠] 勝率 5.7% 連対率11.4% 複勝率18.2% 複回率 75% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 3.6% 連対率 8.9% 複勝率12.5% 複回率 37% 枠番値-0.1
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 9.1% 連対率14.8% 複勝率22.7% 複回率147% 枠番値±0
 [5枠〜8枠] 勝率 3.0% 連対率 9.0% 複勝率13.0% 複回率 42% 枠番値±0
 →データ母数不足も内枠有利な傾向が強そうなコース

・脚質別信頼度
 先行>差し>逃げ>>>追込 後方に置かれると届かない可能性が大

・推定ラップ&タイム
 [平均] 34.5-75.0-35.2=2.24.7 序盤が速く持久力要求レベルが高い

 開催レース数が少ないコースなので、今回は2009年以降を集計対象に設定。それでも対象となるのはたったの79レースであり、データの信憑性は高くはない。コースデータよりもレースデータを重視する姿勢のほうが、好結果となる可能性もありそうだ。

 そんな前置きはさておき、まずはコース回収率について。単勝105%、複勝80%という数値を見てもわかるように、回収率はかなり高めの水準。しかし、馬連万馬券の出現率は7.6%と平均値を大きく下回っており、馬連平均配当も4784円と低めの数値が出ている。つまり、3番人気と5番人気での決着といった「ソコソコの配当が見込める小波乱」が出やすいコースということだ。

 続いて枠番別成績だが、あきらかに内枠有利というのが結論。これは、意外に序盤のペースが速いのが関係していると思われる。単純に1枠〜4枠と5枠〜8枠を比較しても、信頼度や回収率の差は歴然。データ母数が少ないゆえの偏りもあるとは思うが、それにしても差が大きい。内枠のほうがベターであるのは間違いないといえる。

 最後の直線が平坦な京都でもあり、追い込み脚質は露骨なまでに低調。最も信頼できるのは先行脚質で、次いで差し脚質だ。ハナを切ると信頼度が落ちるが、好位〜中団につけられないと、なかなか勝ち負けには持ち込めないコース。序盤〜中盤が早くなっても前々で踏ん張れる、ハイレベルな持久力が要求される。

【レース基本情報】日経新春杯(G3) 過去10年
・レース平均配当
 単勝961円 馬連3790円 3連複1万7535円

・1番人気馬成績
 [2-2-2-4] 勝率20.0% 連対率40.0% 複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-6-4-13] 勝率23.3% 連対率43.3% 複勝率56.7%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [1-4-4-51] 勝率 1.7% 連対率 8.3% 複勝率15.0%

・10番人気以下馬成績
 [2-0-2-39] 勝率 4.7% 連対率 4.7% 複勝率 9.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 20.0% [差し] 70.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 26.7% [差し] 46.7% [追込] 20.0%

・性別成績
 [牡馬] 8-10-8-94 連対率15.0% 複勝率21.7%
 [牝馬] 2-0-2-9 連対率15.4% 複勝率30.8%

・年齢別成績
 [4歳馬] 3-4-5-17 連対率24.1% 複勝率41.4%
 [5歳馬] 5-5-3-22 連対率28.6% 複勝率37.1%
 [6歳馬] 1-0-2-28 連対率 3.2% 複勝率 9.7%
 [7歳↑] 1-1-0-36 連対率 5.3% 複勝率 5.3%
 ────────────────────────
 [5歳以下] 8-9-8-39 連対率26.6% 複勝率39.1%
 [6歳以上] 2-1-2-64 連対率 4.3% 複勝率 7.2%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 2-1-3-20 連対率11.5% 複勝率23.1% 枠番値±0
 [3枠〜6枠] 7-5-4-51 連対率17.9% 複勝率23.9% 枠番値+0.3
 [7枠〜8枠] 1-4-3-32 連対率12.5% 複勝率20.0% 枠番値-0.5
 ──────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 7-2-5-41 連対率16.4% 複勝率25.5% 枠番値+0.1
 [5枠〜8枠] 3-8-5-62 連対率14.1% 複勝率20.5% 枠番値±0

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-0-1-7 連対率 0% 複勝率12.5%
 [栗東] 10-10-9-96 連対率16.0% 複勝率23.2%

・牡馬斤量別成績
 [51kg以下] 0-0-1-11 連対率 0% 複勝率 9.1%
 [52〜53kg] 1-0-2-17 連対率 5.0% 複勝率15.0%
 [54〜55kg] 3-6-0-37 連対率19.6% 複勝率19.6%
 [56〜57kg] 3-4-4-20 連対率22.6% 複勝率35.5%
 [57.5kg↑] 1-0-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 ──────────────────────────
 [54kg以下] 2-4-3-50 連対率10.2% 複勝率15.3%
 [55〜56.5] 5-6-4-31 連対率23.9% 複勝率32.6%
 [57kg以上] 1-0-1-13 連対率 6.7% 複勝率13.3%

・前走距離別成績
 [芝1600m] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1800m] 0-2-2-20 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [芝2000m] 4-4-2-26 連対率22.2% 複勝率27.8%
 [芝2200m] 1-0-0-3 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [芝2400m] 2-2-1-12 連対率23.5% 複勝率29.4%
 [芝2500m] 2-1-2-6 連対率27.3% 複勝率45.5%
 [ダート戦] 0-0-1-7 連対率 0% 複勝率12.5%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 2-0-3-8 連対率15.4% 複勝率38.5%
 [中央G2] 0-1-1-14 連対率 6.3% 複勝率12.5%
 [中央G3] 3-5-0-31 連対率20.5% 複勝率20.5%
 [OP特別] 1-1-3-28 連対率 6.1% 複勝率15.2%
 [条件戦] 4-3-3-21 連対率22.6% 複勝率32.3%

・注目出走パターン
 [特注] 前走で重賞以外に出走していたハンデ53キロ以下の5歳以下馬(複勝率40,0%)
 [買い] ハンデ56キロ以上の前走G1出走馬(複勝率45.5%)
 [買い] 5歳以下馬(複勝率39.1%)
 [全滅] 前走で1800m以下戦に出走して3着以下(0-0-0-30)
 [全滅] 前走G1以外に出走のハンデ56.5キロ以上牡馬(0-0-0-9)
 [不振] 6歳以上馬(2-1-2-64)

 来る馬と来ない馬のパターンが、かなりハッキリしている印象を受けるレース。その最たるものが年齢別成績で、5歳以下馬はトータル[8-9-8-39]で連対率26.6%、複勝率39.1%と、絶好調である。対照的に大不振なのが6歳以上馬で、こちらは[2-1-2-64]で連対率4.3%、複勝率7.2%と惨憺たる成績。6歳以上馬は、よほど気になる馬でもないかぎりは軽視がセオリーだ。

 平均配当は単勝961円、馬連3790円、3連複1万7535円とやや低めの水準。成績別成績を見ても、コースデータとおおむね同じ傾向にあるといえる。脚質に関しては、コースデータよりも差し優勢の方向にシフト。追い込み馬が馬券に絡むケースも珍しくなく、ペースが速くなって前が潰れるパターンが多いようだ。1着馬脚質シェアにおける圧倒的な占有率の高さからも、差し脚質を最も高く評価すべきだろう。

 面白いのが斤量別成績。ハンデに関しては「重すぎても軽すぎてもダメ」なようで、最も成績がいいのはハンデ55キロ〜56.5キロのゾーンとなっている。ここは素直に、プラス評価でオッケーだ。ハンデが重い馬に関しては「前走G1組」であるかどうかか、大きな分岐点。注目出走パターンにも挙げているが、前走G1組ならばプラス評価、それ以外ならば大マイナスである。

 また、ハンデが軽い馬についても、注目出走パターンで【特注】扱いにしたほど「買い」となる場合がある。昨年、この条件に該当した馬が5頭いたが、そのうち1頭が10番人気で1着に激走したカポーティスター。そして今年の登録馬でこの条件に該当するのは、クラウンレガーロただ1頭である。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きAコース。通るコースによる差は感じず、おおむねフラット。

・天候予測
 土曜日の天候が不安。気温と降水確率の高さから、降雪がある可能性アリ。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率24.4% 連対率42.2% 複勝率55.6%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、ゴールドアリュール産駒△

 ディープインパクト産駒の強さが「壮絶」なレベル。勝率24.4%、連対率42.2% 複勝率55.6%と、もうこれだけで「買い」評価といっても過言ではない。また、ディープインパクト産駒の適性が高いということは、似たようなタイプであるハーツクライ産駒も、やはり超優秀(複勝率46.7%)。意外なところでは、ゴールドアリュール産駒も適性の高いところを見せている。

 馬場のバイアスについてはあまり考えなくて良さそうな状況だが、気になるのが天候。週末の京都はかなり冷え込むようで、最低気温はマイナス、かつ降水確率が高いという、いかにも雪が降りそうな状況なのだ。無事にレースが行われたとしても、その影響はかなり大きそう。当日の時計や決まり手など、しっかりチェックした上で馬券を買ったほうが良さそうである。

★総論×各論

 以上、各項目について解説してきたわけだが、日経新春杯において「年齢」と「ハンデ」が非常に大きなファクターであるのは確実。今年はトップハンデが56キロ(アドマイヤフライトとラブイズブーシェ)と全体的に軽めのハンデとなった印象だが、それが結果にどのような影響を及ぼすのかも興味深い。

 筆頭評価は、有馬記念で4着に好走したラブイズブーシェ。同じくトップハンデで、しかも父まで同じアドマイヤフライトよりも、唯一の「ハンデ56キロ以上の前走G1出走馬」であることから、こちらのほうが信頼度は高いと判断した。京都へのコース替わりでどのように乗るかが注目となるが、同馬の脚質は好位差しから追い込みまで自由自在。過去に連対例もあり、それほど気にする必要はなさそうである。

 二番手評価に、菊花賞の2着馬であるサトノノブレス。こちらも「ハンデ55キロの4歳馬」で、さらにディープインパクト産駒、ルメール騎手が騎乗予定など、買い材料の多さが目立っている。少し離れた三番手評価がアドマイヤフライトで、以下フーラブライドクラウンレガーロまでが上位評価組となった。

 あとは「押さえ」評価でカワキタフウジン、ステラウインド、ラウンドワールドの3頭。それほど波乱傾向の強いレースではないし、データ分析からの「二強」であるラブイズブーシェ、サトノノブレスから素直に流したいところだ。爆穴クラウンレガーロの激走も期待したいが、こちらは残念ながら前走成績がネック。ヒモ程度の評価が適当だろう。

■京成杯(G3・中山芝2000m)フルゲート16頭/登録21頭

 昨年も触れたが、京成杯はレース全体の単勝回収率が35%、複勝回収率が68%という非常に回収率が低いレース。それはつまり「思いっきり堅い」ということだ。実際に人気別成績を見ても、過去10年の勝ち馬のうち9頭までが3番人気以内で、3番人気以内馬の成績はトータル[9-4-3-14]で連対率43.3%、複勝率53.3%と超堅実。ここ数年は少しだけ荒れ模様だが、だからといって、バットをブンブン振り回すレースでは絶対にない。

 ★前走5着以内 [10-9-10-70]
 ★キャリア2戦〜6戦 [10-9-9-72]
 ☆前走単勝オッズ10倍未満 [7-5-6-44]
 ☆前走1800m以上戦に出走[8-8-8-74]

 ここでの好走条件といえるのが、以上の○項目。★マークはとくに重要といえる、最低限満たしておくべき必要条件である。これらの項目について登録馬すべてをチェックすると、4項目すべてを満たすのがウインマーレライ、ヴォルシェーブ、キングズオブザザン、ディアデルレイ、ピオネロ、ムードスウィングス、ラングレーの7頭。そこに「とことん堅い」というレース傾向を加味すると、軸候補はキングズオブザザン、ラングレーの2頭に絞り込まれる。

 あとは抽選の結果次第、オッズ次第だが、アデイインザライフやエアアンセム、プレイアンドリアルなど、今年はこれらの条件を満たしていない馬が人気を集めそうな気配。素直に買ってみるだけで、意外に悪くない結果を得られるかもしれない。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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