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今年は「格」より「勢い」重視で!/アメリカJCC

  • 2014年01月23日(木) 18時00分


■アメリカJCC(G2・中山芝2200m)フルゲート16頭/登録18頭

【コース基本情報】中山芝2200m Cコース使用
・コース回収率
 [標準] 単74%・複勝73% 12番人気以下の激走例は猛烈に低め

・馬連万馬券出現率
 [低め] 7.5%(平均値↓4.9% 馬連平均配当3830円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 5.0% 連対率13.6% 複勝率19.3% 複回率 93% 枠番値-0.1
 [3枠〜6枠] 勝率 5.0% 連対率11.1% 複勝率17.2% 複回率 60% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 9.1% 連対率13.0% 複勝率19.5% 複回率 83% 枠番値+0.6
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 5.0% 連対率11.1% 複勝率17.2% 複回率 77% 枠番値-0.4
 [5枠〜8枠] 勝率 7.1% 連対率13.3% 複勝率19.4% 複回率 71% 枠番値+0.4
 →中山芝ながら外枠の強さが目立つコース。枠番値からも外優勢か。

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>差し>>追込 最も信頼できるのは好位追走組

・推定ラップ&タイム
 [後傾] 36.4-61.9-35.2=2.13.5 序盤が遅く上がりが速い後傾の流れに

 コース回収率はいたって標準的な数値が出ているのだが、人気別に見ると12番人気以下の「超人気薄」がほとんど馬券に絡んでいない。トータル[0-1-3-255]で連対率0.4%、複勝率1.5%という数値を見てもわかるように、極端な大穴狙いは避けたほうがいいコース。基本的には、順当決着傾向が強い。

 それを裏付けているのが、馬連万馬券出現率と馬連平均配当の低さ。馬連万馬券出現率は平均値よりも5%近く低い数値が出ているし、馬連平均配当3830円というのは、平均値を2000円近くも下回るかなりの低さ。3着が紛れたとしても、1着〜2着はおおむね順当に決まると考えたほうがいい。

 意外だったのが枠番別成績。中山芝といえば「内有利」というイメージが非常に強いが、当コースにおける内枠の成績は、可もなく不可もなしといった程度。対照的に強いのが外枠で、単純に内外で比較してもあきらかに外枠のほうが成績がいい。これは「序盤が速くなりづらい」というコース形態によるものが大きそうだ。

 逆にイメージ通りなのが脚質面で、こちらはハッキリと先行優勢。クラスが上がると差しが決まる確率は当然アップするが、追い込み馬が壊滅状態であることを考えると、たとえオープンでも「差し優勢」とは言いづらい。前々で流れに乗り、最後までタレずに踏ん張れるようなタイプが、いちばん信頼できるコースである。

【レース基本情報】アメリカJCC(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝493円 馬連2981円 3連複6935円

・1番人気馬成績
 [3-0-0-7] 勝率30.0% 連対率30.0% 複勝率30.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-5-3-15] 勝率23.3% 連対率40.0% 複勝率50.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-5-7-45] 勝率 5.0% 連対率13.3% 複勝率25.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-0-30] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 60.0% [差し] 30.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 50.0% [差し] 33.3% [追込] 3.3% [マクリ] 3.3%

・性別成績
 [牡馬] 10-10-10-85 連対率17.4% 複勝率26.1%
 [牝馬] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%

・年齢別成績
 [4歳馬] 1-5-0-9 連対率40.0% 複勝率40.0%
 [5歳馬] 5-0-4-18 連対率18.5% 複勝率33.3%
 [6歳馬] 1-0-2-29 連対率 3.1% 複勝率 9.4%
 [7歳↑] 3-5-4-34 連対率17.4% 複勝率26.1%
 ────────────────────────
 [5歳以下] 6-5-4-27 連対率26.2% 複勝率35.7%
 [6歳以上] 4-5-6-63 連対率11.5% 複勝率19.2%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 0-1-3-18 連対率 4.5% 複勝率18.2% 枠番値+0.1
 [3枠〜6枠] 7-7-3-41 連対率24.1% 複勝率29.3% 枠番値-0.3
 [7枠〜8枠] 3-2-4-31 連対率12.5% 複勝率22.5% 枠番値+0.4
 ──────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 4-4-4-35 連対率17.0% 複勝率25.5% 枠番値-0.6
 [5枠〜8枠] 6-6-6-55 連対率16.4% 複勝率24.7% 枠番値+0.4

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-8-7-59 連対率16.5% 複勝率25.3%
 [栗東] 5-2-3-31 連対率17.1% 複勝率24.4%

・牡馬斤量別成績
 [54〜55kg] 0-1-0-1 連対率50.0% 複勝率50.0%
 [56〜57kg] 7-7-9-82 連対率13.3% 複勝率21.9%
 [57.5kg↑] 3-2-1-2 連対率62.5% 複勝率75.0%

・前走距離別成績
 [芝1600m] 1-0-2-6 連対率11.1% 複勝率33.3%
 [芝1800m] 1-2-1-7 連対率27.3% 複勝率36.4%
 [芝2000m] 5-3-4-36 連対率16.7% 複勝率25.0%
 [芝2200m] 0-0-1-9 連対率 0% 複勝率10.0%
 [芝2400m] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2500m] 3-3-1-10 連対率35.3% 複勝率41.2%
 [芝2600↑] 0-2-0-13 連対率13.3% 複勝率13.3%
 [ダート戦] 0-0-1-3 連対率 0% 複勝率25.0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 3-5-2-13 連対率34.8% 複勝率43.5%
 [中央G2] 1-0-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [中央G3] 5-3-2-32 連対率19.0% 複勝率23.8%
 [OP特別] 0-1-3-18 連対率 4.5% 複勝率18.2%
 [条件戦] 1-1-2-17 連対率 9.5% 複勝率19.0%

・注目出走パターン
 [買い] 前走5番人気以内だった斤量56キロ馬(連対率35.7%)
 [買い] 前走1ケタ着順の5歳以下馬(複勝率42.9%)
 [不振] 前走6着以下だった斤量57キロ馬(0-2-2-38)
 [不振] 前走で重賞以外に出走して2着以下(0-0-2-25)

 コースデータの傾向が「そっくりそのまま」レース結果にも反映されている印象を受ける。まずは平均配当だが、単勝493円、馬連2981円、3連複6935円というのは、超がつくほど低い数値だ。1番人気が[3-0-0-7]と意外にコケていることを考えると、過去10年で単勝4ケタ配当が一度も出ていないというのは、驚くべき結果といえる。

 10番人気以下馬は[0-0-0-30]とまったく馬券に絡んでおらず、ここはバッサリ切り捨てるのがセオリー。上位人気同士による決着、もしくは上位人気2頭に中位人気が1頭絡む程度の決着を想定すべきレースと言える。買い目の点数も、徹底的に絞り込んだほうが良さそうだ。

 脚質についてもコースデータと同様で、ハッキリと先行有利。勝ち馬の7割が逃げ・先行脚質なのだから、アタマはここに決め打ってもいいかもしれない。また、年齢別成績で5歳以下馬が6歳以上馬を圧倒していることや、斤量を背負う実績馬が順当に好成績をおさめている点も要チェック。好走&凡走パターンが非常にわかりやすいレースである。

 ただし、注意したいのが「斤量57キロ馬」の扱いだ。前走で5着以内に好走していた馬はトータル[5-0-5-24]と悪くない成績なのだが、これが前走6着以下馬になると[0-2-2-38]で連対率4.8%、複勝率9.5%と、かなりの低信頼度。昨年も、この条件に該当していたルルーシュが1番人気で7着に凡走している。今年の登録馬では、ヴェルデグリーン、サダムパテック、ダノンバラードが「前走6着以下かつ斤量57キロ」である。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きCコースでの開催。さらに外差しが決まりやすい馬場になる可能性も。

・天候予測
 日曜日の降水確率が高め。多少は渋ることも想定しておきたい。

・勝利数トップ種牡馬
 ステイゴールド 勝率11.1% 連対率20.5% 複勝率26.0%

・著者の注目血統
 ネオユニヴァース産駒◎、ステイゴールド産駒○、キングカメハメハ産駒▲

 複勝率の高さが目立っているのは、ネオユニヴァース、キングカメハメハ、アグネスタキオン、シンボリクリスエスなど。これら成績上位の種牡馬ラインナップを見ると、キレよりもパワーの要求度が高いコース&馬場と言えそうだ。また、現在の馬場コンディションも、一瞬のキレよりもパワーや持久力の要求度が高い状況。一瞬のキレに頼るようなタイプは避けるべきだろう。

 血統の字面「だけ」で言えば、スーパー注目株と言えるのがヴァーゲンザイル。賞金的に出走できるかどうかギリギリのところだが、父ネオユニヴァース×母父ノーザンテーストというのは、このコースにおけるベストの組み合わせである。中山芝実績や距離実績も十分で、格上挑戦でも侮れない面はある。それ以外では、ステイゴールド×シンボリクリスエスのケイアイチョウサンが血統からの注目株か。

★総論×各論

 何とも悩ましいメンツが登録してきたものだ。実績的にはG1馬サダムパテックが格上なのだが、果たしてこの距離で持ち味が発揮できるかどうかは微妙なところ。同様に、実績上位であるダノンバラードも、近2走の内容が内容だけに強気にはなれない。どこからでも買えるし、どの馬も消せるという、馬券的にはかなり面白いレースとなりそうだ。

 当データ分析が筆頭評価するのは、ここが昇級戦となるレッドレイヴン。本来であればもっと「格」で勝る馬を上位に取るべきだが、ここまで混戦になると特に問題はなさそう。それよりも、5歳以下馬であることや前々で流れに乗れる器用さを高く評価すべきと判断した。また「1番人気ではない上位人気」になりそうなのも、このレースについてはプラス評価できるポイント。持ち前の素質を開花させて、一気の重賞制覇を期待したい。

 二番手にケイアイチョウサン。常に後方に置かれる不器用な脚質がネックだが、それ以外はプラス評価となる項目が多かったのも事実。現在の外差し傾向がさらに加速すれば、勝ち負けに持ち込める可能性もある。以下、サクラアルディート、マイネオーチャード、ヴァーゲンザイル、トゥザグローリーという評価順である。

 中山実績で勝るヴェルデグリーンや格上であるサダムパテック、ダノンバラードについては、やはり「前走6着以下かつ斤量57キロ」であるのが大きな懸念材料。まったく来ないパターンというわけではないが、期待値が低いことに変わりはない。なんだかんだでソコソコ人気を集めるだろうが、思い切って「消し」で勝負する手も大いにアリだ。

 堅く決まる傾向の強いレースだが、今年に関してはヒモが紛れる可能性アリ。外枠を引き当てた馬の評価をプラスするのも、どうかお忘れなく。個人的には、素直にレッドレイヴンから流す馬券をオススメしておきたい。

■東海S(G2・中京ダ1800m)フルゲート16頭/登録30頭

 昨年から開催コース、開催時期ともに変更されている東海S。当然ながらレースデータはまったくアテにならないので完全に無視し、コースデータから好走可能馬を探ってみることにしたい。

 まず気付くのが、ダートながら非常に瞬発力の要求度が高いということ。最後の直線が非常に長く、しかも急坂があるというコース形態が、末脚のキレを高いレベルで求めてくるのだろう。机上の空論になるが、最速の上がりを使える馬が事前に読めれば、それだけで馬券はガンガン儲かるコースなのである。ただし、あまり後方に置かれるようではダメ。前々で流れに乗れて、しかも上がりでそれなりの脚を使えるというのが、当コースでの好走条件と言える。

 続いて血統面。1000万下〜重賞に限定して調べてみたところ、「母父サンデー系」が異様に弱いという結果が出てきた。コース改修後のトータル成績は[1-1-0-25]で、複勝率はたったの7.4%。しかも、勝っているのは後のG1馬であるベルシャザールである。能力で押し切ったと考えるべきで、コース適性はかなり低いと思われる。

 あとは、東京ダ1600mでの成績もチェックしておきたいところ。というのも、瞬発力要求度の高さなど、中京ダ1800mとの共通項が非常に多いコースだからである。以上のようなファクターから、人気を集めそうなニホンピロアワーズが意外に危なっかしいのではないか──というのが素直な印象。逆に、人気はないが面白そうなのが、スタッドジェルランである。

 ここからグレープブランデー、ナムラタイタン、グランドシチー、フリートストリート、グラッツィア、ドコフクカゼ、ダブルスターへと流す馬券を、現時点では推奨しておこう。

■京都牝馬S(G3・京都芝1600m外)フルゲート16頭/登録18頭

 昨年は1番人気ハナズゴールが人気に応える快勝を見せ、3着に10番人気の伏兵ベストクルーズが激走。このいずれもが、前走で牡馬との混合戦に出走していた。牝馬限定戦でのセオリーだが、ここもやはり「牡馬と戦ってきた組」を高く評価すべきである。

 もちろん、前走で牝馬限定戦を使われてきた馬が、すべて消しとなるワケではない。しかし、このパターンで好走した馬のほとんどが「前走4着以内」であるのは絶対に覚えておくべきだろう。昨年2着のエーシンメンフィスも、前走愛知杯1着からのローテ。前走、牝馬限定戦で5着以下だった馬は、トータル[0-1-1-31]と買う価値ナシなのだ。

 また、距離延長組が[0-1-4-26]と大不振であるのも、必ず押さえておきたいポイント。前走でマイル〜2000m戦に出走しているのは、このレースで勝ち負けする上での必要条件と言える。となると、前走で牡馬と戦ってきた組ではドナウブループリンセスジャックが。前走牝馬限定戦組ではウリウリ、コスモネモシン、チャーチクワイア、ノボリディアーナ、ミッドサマーフェアがデータ的に「買い」と判断できる。

 素直に行くならドナウブルー軸だが、斤量を背負う馬がイマイチな成績に終わっていることを考えると、ここはプリンセスジャックから入る手もありそう。このあたりは当日のオッズ次第で、臨機応変に判断したい。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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