スマートフォン版へ

1番人気とケイアイチョウサンの導火線

  • 2014年01月23日(木) 12時00分


------------------------------------------
AJCCは1人気を買うか、いっさい買わないか。
------------------------------------------

頭数が12頭前後に落ち着きやすいレース。今年はフルゲートの可能性があるけれど、通年では落ち着いた頭数で落ち着いた決着が多い。それがAJCCのマイ・イメージ。なお、言うまでもなく落ち着き=1番人気というわけではない。

何から買うにせよ、50:50(フィフティ:フィフティ)と思って買いたいレース。
そう思って買うと、意外に緊張感を保てて、楽しいし、当る。むしろ当る。とはいえ、馬券は50:50ではなく、かぎりなく100:0に近づけて買いたいもの。そこまで迫って、やっと実戦では50:50(そんなもん!)。そのくらいの奥ゆかしさや気持ちの余裕があれば、毎年50:50の選択に勝てるはず。

というわけで、落ち着きのないことをモットーに日々をやり過ごしている自分だけれど、今週は落ち着きを重視してレースに挑んでみたい。
落ち着きといえば、まずは1番人気。さきほど落ち着き=1番人気というわけではないと書いたけれどアプローチのはじめの一歩はやっぱり1番人気。

1番人気の捉え方(過去11年・03-13)
■1番人気は1着か着外
■1番人気成績(4-0-0-7)
つまり、1番人気が見切れれば、ささやかなファンタジーにも出会えるし(あくまでもささやか系)、
1番人気が来ると思えれば、1着付けで静かに流せばいい(2-6番人気くらいに静かに流せばいい)。

ちなみに1番人気が見切れたときのプチ・ファンタジーの基本は2-5人気の2連系ボックス。これだけで、該当7回中、5回的中できた。
■1番人気の50:50度チェックはその馬の1番人気での実績を見ればわかる。
■過去に「重賞」で1番人気の期待に応えたことのある馬は50:50で勝てる。
→該当馬(4-0-0-3)
■過去に「重賞」で1番人気の期待に応えたことのない馬は0:100で着外。
→該当馬(0-0-0-4)

では今年の1番人気候補はどの馬か?
netkeiba.comの予想オッズによると、週の真ん中水曜日でこんな感じ。

1人気ダノンバラード
2人気ヴェルデグリーン
3人気レッドレイヴン

おそらく去年1着したダノンバラードが有力か。この馬はディープインパクト産でもあるし、特待生チェックも兼ねて、今年も1着できる1人気か判定してみる。

ところで先週もディープインパクト産は東西重賞で馬券になった。おそるべしディープ産。「今年はディープ産出走重賞すべてで馬券に絡んでいる」。このことは先週も書いたけれど、今週も同じように書くとは思わなかった。いや、先週は馬券に絡むだろう想定はできた。

しかし、ラングレーではなくて、アデイインザライフというひねりは想定していなかった。だから当然自分は大惨敗。2頭しかいないのだから両方買っておけって話だけど、なぜか毎度それができない。

ディープインパクト産から買って、ディープインパクト産が馬券になって、それで外すと相当かっこ悪いと書いたけれど、またもや醜態を晒してしまった。懲りないなぁ〜。ひ〜。

■2014年ディープ産出走重賞成績
[中山金杯]
ディサイファ 1人気3着
サクラアルディート 4人気9着
[京都金杯]
エキストラエンド 6人気1着
オースミナイン  1人気2着
トーセンレーヴ  4人気8着
[シンザン記念]
ミッキーアイル 1人気1着
[京成杯]
アデイインザライフ 4人気3着
ラングレー 3人気10着
[日経新春杯]
サトノノブレス 2人気1着
ラウンドワールド 5人気11着

この結果だけから無理矢理傾向を出すなら、中山は3着、京都は1着といったところか。

10頭出走して、3-1-2-4
勝率.300 連対率.400 複勝率.600
単回収率149% 複勝回収率122円

重賞回収率が一番優秀だった去年がこんな感じだった(詳細は13年12月26日付けコラムにて)。
13年 単回収率84% 複勝回収率98%
13年 19-20-19-118 勝率10.8% 連対率22.2% 複勝率33.0%

まだ始まったばかりだけれど、今年もディープ産が好スタートをきったのは間違いない。現3歳世代、4歳世代は繁殖牝馬の質が一枚落ちる世代と言われて、この成績だから、2年後、3年後は末恐ろしい?

書くまでもないけれど、一応今週出走しそうなディープインパクト産はこんな面々。
[AJCC]
サクラアルディート
ダノンバラード
[京都牝馬S]
ドナウブルー
ウリウリ(17位だから1頭回避で出走可能)
[東海S]
ボレアス(30位だから出走困難?)

今年初の牝馬限定重賞と今年初のダート重賞。
ここでもディープ産が馬券になるか注目だけど、ダート重賞はおそらく出走困難だから、注目は京都牝馬Sか。
ドナウブルーは2年前に勝っているし、このレースはリピート率の高いレースだから再びドナウが走ってもおかしくない。今年はサンデーRの有力馬に騎乗する機会が久々に増えそうな福永騎手としてもここは気合いの入るところか(ジェンティルドンナにも騎乗予定)。気になるのは56キロの重量。それさえ克服できれば……。もしウリウリが出走できるのならば、そっちを買いたいけれど……。

それはそうと、AJCCで1番人気が予想されるダノンバラードの判定だ。
はたして1番人気でも期待に応えてくれるのだろうか? ちなみに去年は3番人気で1着だった。

判定機はこれ。
■過去に「重賞」で1番人気の期待に応えたことのある馬は50:50で勝てる。
→該当馬(4-0-0-3)
■過去に「重賞」で1番人気の期待に応えたことのない馬は0:100で着外。
→該当馬(0-0-0-4)

ダノンバラード1人気成績
3-0-4-2

1人気1着の内訳
新馬戦
関ヶ原S(1600万条件)
アンドロメダS(オープン)

重賞での1人気1着経験なし。
共同通信杯1人気9着
中日新聞杯1人気3着
新潟大賞典1人気4着
オールカマー1人気3着

残念!! 馬券圏内なし!?
ディープインパクト産だから、規格外力で過去データを蹴散らす可能性もないとは言えないけれど、1番人気なら、その例外に賭ける意味は薄い。

去年は大きく寄れながら勝った。決して後味のいい勝ち方ではなかった(ベリーさん騎乗停止)。それがあってか、その後は悪さをしないような競馬をさせているようにも思える。逃げたり、内ラチべったりに先行させたり……。その加減がこの1年、勝ち切れてない原因の1つと言えないか? もし1人気ならば、ここでも思い切ったレースはしにくくなりそう。後藤騎手だけにちょっと気になるけれど、それでも1番人気ならば、無理にそこに賭ける必要もないだろう。

ちなみに後藤騎手は復帰後、池江厩舎の馬に7回騎乗して、
0-1-0-6
この成績からは特に注意が必要なコンビには思えないけれど、重賞に騎乗してきたら注意度を高めてみようとずっと思っていた。今回は復帰後初の重賞騎乗。これは気になる。理由は説明が長くなって、今回のテーマともズレるので、割愛させてもらうけど、とにかく遠い日を思い返すと、後藤=池江コンビをついつい気にしてしまう。だとしても、1番人気ならばやっぱりそこはスルーだ。

仮にヴェルデグリーンが1番人気だったらどうか?
1番人気経験1回 500万平場 1着
残念。

レッドレイヴン
1番人気経験4回 3-0-0-1
3勝は、新馬・500万特別・1600万特別。
残念。

今回の登録メンバーで1人気条件に該当する馬は、トゥザグローリーとサダムパテックとコスモファントムの3頭しかいない。しかしどう考えても1人気になるとは思えない。トゥザグローリーは絶好調ルメール騎乗だけれども、それでも1人気はないだろう。
つまり、今年のAJCCは1人気が馬券圏外と考えていいことになる。

去年、AJCCを1着したダノンバラードではあるけれど、1人気の期待に応えるまでの強さはないと判定した。だから今年、もし1人気に支持されるならば、着外と決めつけてみた。

1人気が圏外の場合はプチ・ファンタジー狙い。
前記したようにプチ・ファンタジーの基本は2-5人気の2連系ボックス。これだけで、該当7回中、5回的中できている。
もっと絞るならば、2人気3人気から2-5人気まで。馬連なら5点ですむ。
的中率約7割。70:30(セブンティ:サーティ)。
このくらいあれば、結果50:50で的中できるか?

もはや考える必要なし。落ち着いて2-5人気の馬から見繕うまで。

------------------------------------------
横山典は、そろそろケイアイチョウサンの導火線を短くしてこないか?
------------------------------------------

横山典がケイアイチョウサンに騎乗して、4戦。
ラジオNIKKEI 1着 14-14-15-14 最内 
セントライト 5着 15-15-15-15 外 0.3差
菊花賞    5着 9-9-12-13  最内 1.1差
中山金杯   5着 15-14-12-13 最内 0.2差

ラジオNIKKEIで最内を強襲して勝ち切ったからか、以後3戦もすべて後方から末を爆発させる騎乗だ。
セントライトでは外をつき、0.3差5着。
中山金杯では内をつき、0.2差5着。
着差はわずか。ただし内をついても外をついてもわずかに及ばない。

今回は外回りだから今まで同様に導火線を長く持っての末脚爆発騎乗をしてくるかもしれない。
けれど、その一方でそろそろ導火線を短くする騎乗をするのではないか? とも思っている。

外回り2200といっても、後方から間に合うわけではないことは過去の位置取りからわかる。1着馬の4角の位置は1-4番手が多く、最低でも4角7、8番手にいないと間に合わない。

おそらくケイアイチョウサンは1着か圏外タイプだから、1着馬の位置を見るのが大事で、少なくとも4角8番手にはいたいところか。

そんなことは自分が書くまでもなく騎乗してる横山典が一番わかっているのではないか?
なんせ横山典はこの10年で4勝もしていて、AJCCの勝ち方はだいたいわかっているはず。
その証拠に騎乗馬の導火線を短く調整しているのが過去からも見てとれる。

05年 1着クラフトワーク 5-5-6-8 前走中山金杯・13-10-8-5 1着
07年 1着マツリダゴッホ 3-4-4-2 前走クリスマスC・7-7-8-5 1着
09年 1着ネヴァブション 3-3-3-2 前走中山金杯・9-10-10-10 5着
10年 1着ネヴァブション 1-5-5-2 前走有馬記念・7-8-9-14 12着(北村宏)

すべて位置を前走より上げている。1列、いや2列くらい上げているか?
ケイアイチョウサンにはなんらかの気性的問題があって、後方待機しかできない可能性もないとは言えないが、もしここを勝ちたいと本気で考えているのならば、思い切って位置をあげてきても驚けない。

1人気がいらないときは、2-5人気で1着・2着馬が出やすいレースで、特に2、3人気を大切にしようと、ほんのちょっと前に書いたけれども、できれば人気のない4、5人気から選んで、2、3人気へと流したくなる。ケイアイチョウサンは予想4人気。いい人気だ。

ちなみに現在の予想では
2人気 ヴェルデグリーン 前走・有馬
3人気 レッドレイヴン  前走・1600万1人気1着
4人気 ケイアイチョウサン 前走・中山金杯
5人気 トゥザグローリー 前走・有馬

勝ち馬の基本は前走が「金」か「有」。金は金杯と金鯱賞、有は有馬記念。
上記の馬たちはその条件も満たしている。レッドレイヴンは前走1600万だけど、過去に3回馬券になっており(1着1回2着1回3着1回)、たまに来る前走1600万勝ち馬だとしたら買える。ふつうに買える。
もちろん、上記馬4頭はすべて1人気にならないのが条件だ(トゥザグローリーは1人気でもありだけど、なるわけない。いくらルメールでも無理だ)。

週の真ん中水曜日・木曜日。
ケイアイチョウサンの導火線は今回は短くなるのでは? と妄察しているけれど、長かろうが短かろうがどっちでもいい。要はいい感じに火がついて、きっちり直線で爆発してくれればそれでいい。だからお願い!途中で湿気ないで!

AJCC注目馬
ケイアイチョウサンを中心とした2-5番人気の馬

3着候補・ディープインパクト産サクラアルディート&ダービーフィズ(2200で前進)&マイネオーチャード(前走1600万1着だから)
3着候補馬が2-5人気に入ったら、もちろんアゲる。

東海S
グランドシチー(まだ1勝もしてないギュイヨン。延長なしなら今週が最終週でこのまま1勝もせずに帰国するのか? 今ひとつ突き抜けられないグランドシチーみたいな馬を動かすのは上手いかもしれない)
ヴァンヌーヴォー(前走の蛯名騎手の向こう正面からの仕掛けにはびっくりした。あのビックリがここで活かされるなら文句ない!)

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング