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アタマは堅いがヒモは荒れる!/シルクロードS

  • 2014年01月29日(水) 18時00分
■シルクロードS(G3・京都芝1200m内)フルゲート16頭/登録31頭

【コース基本情報】京都芝1200m内 Bコース使用
・コース回収率
 [高め] 単72%・複勝88% 人気薄の激走が多発する波乱含みのコース

・馬連万馬券出現率
 [高め] 17.8%(平均値↑5.4% 馬連平均配当7657円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 7.3% 連対率14.7% 複勝率23.0% 複回率127% 枠番値-0.1
 [3枠〜6枠] 勝率 5.0% 連対率11.5% 複勝率17.5% 複回率 92% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 勝率 6.6% 連対率10.5% 複勝率14.4% 複回率 60% 枠番値±0
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 6.3% 連対率13.6% 複勝率20.1% 複回率117% 枠番値-0.2
 [5枠〜8枠] 勝率 5.7% 連対率10.5% 複勝率16.0% 複回率 67% 枠番値+0.1
 →内枠優勢であることが明白。特に回収率の差は非常に大きい。

・脚質別信頼度
 逃げ>>先行>>差し>追込 上級条件でも逃げ馬が圧倒的な強さ

・推定ラップ&タイム
 [平均] 33.9-33.7=1.07.6 平均的に速い持久力勝負の流れに

 コース全体での複勝回収率が88%というのは、かなりの高さ。16頭立て以上に限定したデータでは、コース全体の複勝率が90%を突破する。また、馬連万馬券の出現率も17.8%と非常に高く、馬連平均配当も7657円と平均値を大きく上回る数値をマーク。かなり波乱含みのコースと言えるだろう。

 枠番別成績では、内枠である1枠〜2枠の強さが目立っている。複勝率ベースの比較で、3枠〜6枠に対して5.5%、7枠〜8枠に対しては8.6%も上回っているのだから「内であればあるほど有利」というのが当然の帰結。複勝回収率も1枠〜2枠がぶっちぎりの高さで、もう内枠というだけで「買い」といっても過言ではない。

 そして、脚質もかなり特徴的。スプリント戦なので前有利の結果が出て当然ではあるのだが、ここまで逃げ馬が強いコースというのはさすがに珍しい。内回りで直線が平坦という、京都芝1200mならではの傾向と言えそうだ。中団〜後方から差すのは非常に難しく、できれば好位、最低でも中団のポジションは確保したいところだ。

 あとは、前半よりも上がりのほうが速いラップとなりやすいのも、このコースの特徴。特に近年は前後半が均等、もしくは上がりのほうが速くなるケースが増加してきており、これが当コースにおける逃げ馬の有利さを助長している可能性もある。とにかく「内枠から前に行ける馬」を最優先して考えるべきコースである。

【レース基本情報】シルクロードS(G3) 過去10年
・レース平均配当
 単勝596円 馬連6490円 3連複2万4676円

・1番人気馬成績
 [4-0-1-5] 勝率40.0% 連対率40.0% 複勝率50.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-2-1-20] 勝率23.3% 連対率30.0% 複勝率33.3%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-6-6-45] 勝率 5.0% 連対率15.0% 複勝率25.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-3-65] 勝率 0% 連対率 2.9% 複勝率 7.1%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 40.0% [差し] 40.0% [追込] 20.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 26.7% [差し] 46.7% [追込] 16.7%

・性別成績
 [牡馬] 9-9-8-99 連対率14.4% 複勝率20.8%
 [牝馬] 1-1-2-31 連対率 5.7% 複勝率11.4%

・年齢別成績
 [4歳馬] 1-1-1-32 連対率 5.7% 複勝率 8.6%
 [5歳馬] 5-4-4-19 連対率28.1% 複勝率40.6%
 [6歳馬] 4-3-3-31 連対率17.1% 複勝率24.4%
 [7歳↑] 0-2-2-48 連対率 3.8% 複勝率 7.7%
 ────────────────────────
 [5歳〜6歳] 9-7-7-50 連対率21.9% 複勝率31.5%
 [上記以外] 1-3-3-80 連対率 4.6% 複勝率 8.0%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 2-3-1-34 連対率12.5% 複勝率15.0% 枠番値-1.1
 [3枠〜6枠] 8-4-6-62 連対率15.0% 複勝率22.5% 枠番値+0.5
 [7枠〜8枠] 0-3-3-34 連対率 7.5% 複勝率15.0% 枠番値+0.2
 ──────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 5-5-5-65 連対率12.5% 複勝率18.8% 枠番値-0.3
 [5枠〜8枠] 5-5-5-65 連対率12.5% 複勝率18.8% 枠番値+0.2

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-4-6-33 連対率13.3% 複勝率26.7%
 [栗東] 8-6-4-97 連対率12.2% 複勝率15.7%

・牡馬斤量別成績
 [51kg以下] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [52〜53kg] 0-0-2-14 連対率 0% 複勝率12.5%
 [54〜55kg] 2-3-3-43 連対率 9.8% 複勝率15.7%
 [56〜57kg] 4-4-2-33 連対率18.6% 複勝率23.3%
 [57.5kg↑] 3-2-1-7 連対率38.5% 複勝率46.2%
 ──────────────────────────
 [55kg以下] 2-3-5-59 連対率 7.2% 複勝率14.5%
 [56kg以上] 7-6-3-40 連対率23.2% 複勝率28.6%

・前走距離別成績
 [芝1000m] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1200m] 10-5-7-98 連対率12.5% 複勝率18.3%
 [芝1400m] 0-3-2-8 連対率23.1% 複勝率38.5%
 [芝1600m] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダート戦] 0-2-1-14 連対率11.8% 複勝率17.6%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 1-1-0-7 連対率22.2% 複勝率22.2%
 [中央G2] 1-4-1-12 連対率27.8% 複勝率33.3%
 [中央G3] 2-2-3-28 連対率11.4% 複勝率20.0%
 [OP特別] 5-2-3-69 連対率 8.9% 複勝率12.7%
 [条件戦] 1-1-3-12 連対率11.8% 複勝率29.4%

・注目出走パターン
 [絶好] 斤量増となる5歳〜6歳馬(連対率47.1%)
 [買い] 前走重賞以外に4番人気以内で出走の牡馬(複勝率34.3%)
 [買い] 4枠〜6枠に入った馬(複勝率25.0%、複勝回収率104%)
 [不振] ハンデ53キロ以下(0-0-3-36)
 [全滅] 前走3番人気以下の4歳馬(0-0-0-21)

 シルクロードSというレースの傾向は、京都芝1200mというコースの傾向におおむね準ずるもの。平均配当を見ると、単勝は596円とかなり低いのだが、それでいて馬連は6490円、3連複は2万4676円と、いずれも平均値を上回る数値となっている。つまり、アタマは堅いがヒモが荒れるレースなのである。

 しかし、舞台が重賞となりペースが速くなることで、脚質面はコースデータから大きく変化。勝ち馬、3着以内馬ともに差し・追い込み脚質が過半数を占めており、コースデータよりも格段に「差せる」レースとなっている。もっとも、このあたりはペース次第、組み合わせ次第。ペースが少し緩めば、一気に前が残りやすくなるはずだ。

 面白いのが年齢別成績で、5歳〜6歳馬が突出して好成績。トータル[9-7-7-50]で連対率21.9%、複勝率31.5%と、馬券絡みした馬の8割近くを独占している。ここで注意したいのが、4歳馬が[1-1-1-32]とイマイチな成績に終わっていること。若い馬が強いのではなく「ピークを迎えた古馬が強い」レースと言えそうだ。

 そして枠番別成績だが、こちらはコースデータよりもフラットな結果に。とはいえ、やはり外枠である7枠〜8枠は不振が目立っており、ここは割引が必要となりそう。最も信頼度が高いのは4枠〜6枠の「中枠」で、ここに限れば複勝率25.0%、複勝回収率104%と、その期待値はかなり高い。

 最後に、斤量についても触れておこう。牡馬斤量別成績のデータを見てもらえばわかるように、シルクロードSは「背負っている組が強い」レース。ハンデが重くなるのに正比例して信頼度がアップする傾向にあり、対照的にハンデ53キロ以下はかなりの不振。重いハンデを忌避する必要はまったくないし、牝馬についても同様に考えていい。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 Aコース→Bコース替わり。先行&内有利の状況に戻る可能性も。

・天候予測
 週末まで降ったり晴れたりだが降雨量は少なめ。おそらく良馬場。

・勝利数トップ種牡馬
 サクラバクシンオー 勝率7.7% 連対率16.2% 複勝率24.6%

・著者の注目血統
 該当なし

 徐々に時計がかかり始めていた京都芝コース。「やや内枠&先行有利か」という状況だったが、今週からのBコース替わりで再び「明らかに内枠&先行有利」という状況に変わってくる可能性がある。このあたりについては、土曜日のレース結果をしっかり確認しておきたいところだ。

 次に種牡馬成績だが、出走が叶いそうな登録馬に、コース適性の高い血統の馬がほとんど見当たらない。あえて言えば勝利数トップのサクラバクシンオー産駒なのだが、連対率16.2%、複勝率24.6%というのは、ボチボチ良いといった程度の数値。これなら、プリンセスメモリーの父であるスウェプトオーヴァーボードのほうが魅力的だ。

 アドマイヤムーン×Zafonicのプレイズエターナルや、シングスピール×Kingmamboのレディオブオペラについてはデータ面から判断不能。とはいえ、既にこのコースで結果を出しているのだから、特に気にする必要ナシ。今年のシルクロードSは、血統というファクターをそれほど気にせずに済むレースとなりそうである。

★総論×各論

 スプリント界の古豪であるマジンプロスパーが、斤量58.5キロのトップハンデ。それに対して、牝馬のレディオブオペラとストレイトガールが55キロで4歳馬プレイズエターナルも55キロと、人気を集めそうな馬の斤量差が非常に大きいレースとなった。

 ここで注目したいファクターが、斤量の増減だ。斤量増・斤量減・増減なしの3パターンに分けて分析すると、トータル[6-3-1-27]で連対率24.3%、複勝率27.0%と圧倒的に信頼度が高いのが「斤量増」での出走。増減なしが複勝率17.9%、斤量減が同15.5%であるのと比較すると、その優秀さは一目瞭然である。

 また、シルクロードSが「アタマは堅いがヒモが荒れる」レースであるというのは、前述したとおり。となると、1着候補はレディオブオペラ、ストレイトガール、マジンプロスパーの3頭となるが、斤量増減なし&京都実績に欠けるストレイトガールよりも「斤量増」であるレディオブオペラマジンプロスパーのほうが、評価は上。年齢が5歳〜6歳でないのがちょっと気がかりではあるが、アタマはここに決め打ちたい。

 そして「荒れる」ヒモ候補だが、こちらはレオンビスティーが筆頭格。準オープンを勝っての昇級戦だが、期待値の高い「前走重賞以外に4番人気以内で出走の牡馬」というパターンに合致しているのは、大きな魅力。プレイズエターナルもこの条件をクリアしているが、5歳馬である点を評価して、レオンビスティーを上に評価した。

 あとはアフォード、サイレントソニック、シュプリームギフトもヒモ候補。個人的には、レディオブオペラ、マジンプロスパー、レオンビスティーの組み合わせから流す3連複や3連単で勝負したいと考えている。あとは人気と、割引対象となる「外枠」にどの馬が入るかも要注目。ここは徹底的に、ヒモ荒れを狙うスタンスをオススメしておこう。

■根岸S(G3・東京ダ1400m)フルゲート16頭/登録49頭

 今年から1着馬にフェブラリーSの優先出走権が与えられるようになり、トライアルとしての意味合いをますます強めた根岸S。今年は大挙49頭が登録しており、バーディバーディさえも除外対象となるという「狭き門」に。ハイレベルな一戦が期待できるのは間違いなく、馬券的にもかなり面白そうである。

 というのも、根岸Sは人気馬がアテにならないレースだから。3番人気以内馬のトータル成績は[3-5-2-20]で勝率10.0%、連対率26.7%と、かなり低め。11番人気が過去10年で2勝しているように、人気薄でも平気でアタマまで突き抜けてくる。さすがに13番人気以下となると馬券絡みがないが、4番人気〜12番人気はフツーに買える。それが根岸Sなのだ。

 なかでも積極的に嫌いたいのが「前走2着以下の3番人気以内馬」で、昨年もこの条件に該当したエーシンウェズン(2番人気)、トウショウカズン(3番人気)が、共に凡走。過去10年のトータル成績が[1-0-1-13]という絶句モノの悪さである。つまり、ドリームバレンチノ以外の人気馬は、すべて危険といっても過言ではない。

 さらに言うと、7歳以上馬も[1-0-4-45]を地を這うような成績。「前走2着以下の3番人気以内馬」になる可能性があり、さらに7歳以上馬であるアドマイヤロイヤル、ゴールスキー、シルクフォーチュンの3頭は、かなり疑ってかかるべきだ。人気サイドを信頼するなら、ドリームバレンチノやブライトラインのほうがナンボかベターだろう。

 その他にも買い材料&消し材料がザクザク出てくるが、それらを見事にクリアするデータ分析からの推奨馬が、スノードラゴンノーザンリバーの2頭。特に前者から入る馬券は、配当的にかなり魅力的なものとなりそうだ。いっそのこと、3連複1頭軸11頭流し(165点買い)という酔狂な買い方にトライするもよし。波乱前提で馬券を組み立てたい。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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