スマートフォン版へ

意外に妙味のある二強対決に!?/フェブラリーS

  • 2014年02月19日(水) 18時00分
■フェブラリーS(G1・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録20頭

【コース基本情報】東京ダ1600m
・コース回収率
 [やや低め] 単68%・複勝80% 4番人気〜6番人気あたりの中穴が狙い目

・馬連万馬券出現率(16頭立て)
 [高め] 16.6%(平均値↑4.2% 馬連平均配当8131円)

・枠番別成績(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 3.9% 連対率 8.5% 複勝率15.5% 複回率 64% 枠番値-0.4
 [3枠〜4枠] 勝率 5.9% 連対率12.0% 複勝率17.7% 複回率 73% 枠番値-0.1
 [5枠〜6枠] 勝率 7.8% 連対率14.6% 複勝率20.5% 複回率 92% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 7.5% 連対率15.3% 複勝率21.8% 複回率100% 枠番値+0.3
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 4.9% 連対率10.3% 複勝率16.6% 複回率 68% 枠番値-0.2
 [5枠〜8枠] 勝率 7.7% 連対率15.0% 複勝率21.2% 複回率 96% 枠番値+0.2
 →外の枠番になるほど有利。単純に内外だけでも信頼度に5%近い大差アリ。

・上がり3F順位別成績(16頭立て)
 [1位] 連対率53.0% 複勝率65.2% 複勝回収率267%
 [2位] 連対率33.3% 複勝率55.6% 複勝回収率189%
 [3位] 連対率26.3% 複勝率40.8% 複勝回収率223%
 ────────────────────────────
 [1位〜3位] 連対率36.9% 複勝率53.3% 複勝回収率225%
 [上記以外] 連対率 6.0% 複勝率 9.3% 複勝回収率 49%
 →速い上がりを使えるだけで勝ち負けに持ち込める。回収率も高い。

・脚質別信頼度
 先行>差し≧逃げ>追込 脚質による有利・不利は小さく能力次第

・推定ラップ&タイム
 [底力] 34.8-24.9-35.8=1.35.5 1000m通過が58秒台も当たり前の厳しい流れ

 ダートG1が開催されるコースでありながら、スタート直後に芝を走るコース形態。2コーナー奥の引き込み線から内枠で約150m、外枠では約180mも芝コースを走るわけで、芝適性がまったくない馬だとスタートで立ち後れることは必至だ。つまり、ダート適性ではなく「コース適性」を問われるコースと言える。

 この影響は、枠番別成績にも色濃く現れている。2枠ごとに区切ってデータを集計してみたところ、最も成績が悪いのが1枠〜2枠であり、逆に最も成績が良いのが7枠〜8枠と、外枠優勢であるのは明白。連対率や複勝率ベースでの比較で、なんと5%以上もの大差が出ている。単純に枠の内外を比較したデータにおいても、その差はクッキリ。枠番値からも「内枠劣勢・外枠優勢」と結論づけられる。

 また、ダートコースとは思えないほど瞬発力要求度が高いのも、東京ダ1600mの特徴。上がり3F順位1位〜3位馬は、トータル連対率36.9%、複勝率53.3%という超・高信頼度を誇っている。机上の空論ではあるが、単純に「最速上がりを使える馬の単複」を買っているだけで、大儲けできてしまう計算。持久力も必要だが、末脚のキレはさらに必要だ。

 そういうコースなので、当然ながら差しや追い込みも決まる。安定感があるのはやはり先行脚質なのだが、結局は「能力次第でどんな脚質でも好走可能」なのが、このコース。回収率に重きを置くなら先行重視の姿勢をオススメしたいが、フェブラリーSの的中だけを考えるなら、とくに気にする必要はない。出走メンバーによるペースや展開読みのほうが、はるかに重要だろう。

【レース基本情報】フェブラリーS(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝711円 馬連3426円 3連複7259円

・1番人気馬成績
 [6-0-1-3] 勝率60.0% 連対率60.0% 複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [8-5-4-13] 勝率26.7% 連対率43.3% 複勝率56.7%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [2-5-5-48] 勝率 3.3% 連対率11.7% 複勝率20.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-1-67] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 1.5%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 20.0% [先行] 30.0% [差し] 40.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 40.0% [差し] 40.0% [追込] 13.3%

・年齢別成績
 [4歳馬] 3-4-1-31 連対率17.9% 複勝率20.5%
 [5歳馬] 5-1-2-18 連対率23.1% 複勝率30.8%
 [6歳馬] 2-1-4-37 連対率 6.8% 複勝率15.9%
 [7歳↑] 0-4-3-42 連対率 8.2% 複勝率14.3%
 ────────────────────────
 [5歳以下] 8-5-3-49 連対率20.0% 複勝率24.6%
 [6歳以上] 2-5-7-79 連対率 7.5% 複勝率15.1%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 2-3-2-32 連対率12.8% 複勝率17.9% 枠番値+0.8
 [3枠〜4枠] 0-3-2-35 連対率 7.5% 複勝率12.5% 枠番値±0
 [5枠〜6枠] 3-2-3-31 連対率12.8% 複勝率20.5% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 5-2-3-30 連対率17.5% 複勝率25.0% 枠番値-0.6
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 2-6-4-67 連対率10.1% 複勝率15.2% 枠番値+0.4
 [5枠〜8枠] 8-4-6-61 連対率15.2% 複勝率22.8% 枠番値-0.4

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-1-2-23 連対率 3.8% 複勝率11.5%
 [栗東] 10-8-8-96 連対率14.8% 複勝率21.3%

・前走距離別成績
 [ダ1200↓] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダ1400m] 2-1-3-56 連対率 4.8% 複勝率 9.7%
 [ダ1800m] 4-1-1-28 連対率14.7% 複勝率17.6%
 [ダ2000m] 0-4-4-9 連対率23.5% 複勝率47.1%
 [ダ2100m] 4-4-2-9 連対率42.1% 複勝率52.6%
 [芝レース] 0-0-0-20 連対率 0% 複勝率 0%
 ────────────────────────
 [ダ1800↓] 6-2-4-89 連対率 7.9% 複勝率11.9%
 [ダ1900↑] 4-8-6-19 連対率32.4% 複勝率48.6%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 4-0-0-10 連対率28.6% 複勝率28.6%
 [中央G2] 1-0-0-5 連対率16.7% 複勝率16.7%
 [中央G3] 3-1-4-83 連対率 4.4% 複勝率 8.8%
 [OP特別] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [条件戦] 0-1-0-0 連対率 100% 複勝率 100%
 [交流重] 2-8-6-21 連対率27.0% 複勝率43.2%

・注目出走パターン
 [必要条件] 前走3着以内(9-7-8-51)
 [必要条件] 前走5番人気以内(9-10-8-84)
 [必要条件] 騎手が継続騎乗(9-8-9-69)
 [大幅割引] 前走4着以下(1-3-2-77)
 [大幅割引] 騎手が乗り替わり(1-2-1-59)
 [大幅割引] 前走6番人気以下(0-0-2-42)
 ────────────────────────
 [買い] 前走交流重賞で3着以内(連対率29.2%、複勝率50.0%)
 [買い] 前走中央で出走して最速上がり(連対率28.6%、複勝率42.9%)
 [買い] 8枠に入った前走3着以内馬(連対率36.4%、複勝率54.5%)
 [買い] 前走ダ1900m以上戦出走馬(連対率32.4%、複勝率48.6%)
 [不振] 前走中央で出走して上がり順位6位以下(0-0-1-52)
 [不振] 前走5番人気以下かつ4着以下(0-0-1-33)
 [不振] 前走1着馬と前走ダートG1組をのぞく6歳以上(1-0-1-55)

 平均配当が単勝711円、馬連3426円、3連複7259円と、コースデータと比較すると格段に堅く決着する傾向。3番人気以内馬がトータル[8-5-4-13]と非常に強く、対照的に10番人気以下馬が[0-0-1-67]と全滅に近い惨状なのだから、大きく荒れるケースは考えづらい。昨年や一昨年のような「ギリギリ馬連万馬券」くらいが、荒れる最大値だろう。

 脚質についてはコースデータと同じく「能力次第でどこからでも来る」といった印象で、それほど気にする必要なし。今年の出走馬が確定してから、展開を考える際に少し意識する程度で問題なさそうだ。また、枠番についてもやはり外枠優勢の傾向にあり、最も好成績なのは7枠〜8枠の外枠。人気馬が多く入ったという理由も好成績の背景にあるが、それでもやはり「外枠>内枠」であるのは間違いない。

 関東馬の弱さや、5歳以下馬と前走1900m以上戦出走馬の強さなどが特に目立っているが、このあたりについては注目出走パターンの項目にて詳しくまとめている。好走する上での必要条件といえるのが、前走3着以内・前走5番人気以内・騎手が継続騎乗という3項目。このすべてを満たす馬は、トータル[8-5-6-22]で連対率31.7%、複勝率46.3%、回収率が単複ともに100%オーバーという高期待値。積極的に狙っていきたい。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 凍結防止剤の散布がありそうで、その影響が懸念されるところ。

・天候予測
 さすがに降雪はなさそうだが今週も最低気温は土日ともに氷点下。

・勝利数トップ種牡馬
 ゴールドアリュール 勝率9.5% 連対率19.6% 複勝率25.1%

・著者の注目血統
 キングカメハメハ産駒◎、ゴールドアリュール産駒△、シンボリクリスエス産駒△

 もう天候については「大丈夫」などと言いたくない気持ちでいっぱいだが、現時点では降雪よりも気温の低さが気になるところ。土曜日、日曜日ともに最低気温が氷点下となると、凍結防止剤の散布が行われるのは間違いない。これが当日の馬場にどういった影響を及ぼすのか、土曜日の結果でしっかりチェックしておきたい。

 血統面ではブライアンズタイムやシンボリクリスエスなど、父系・母父ともにRoberto系の強さが目立つコース。それ以外では、連対率22.1%、複勝率32.1%と高信頼度であるキングカメハメハ産駒や、コース首位の勝利数であるゴールドアリュール産駒の活躍も目立っている。

★総論×各論

 昨年の覇者グレープブランデーが回避したが、それでも昨年のJCダートを制したベルシャザールに、実績最右翼であるホッコータルマエ、復調してきた実績馬ニホンピロアワーズに古豪ワンダーアキュートなど、かなりの豪華メンバー。今年最初の中央G1として、文句なしに面白いレースが期待できそうだ。

 トップ評価は、川崎記念1着からのローテで出走するホッコータルマエ。必要条件をすべてクリアしているのはもちろんのこと、「前走1900m以上の交流重賞に出走して上がり最速の5歳馬」と、プラス評価の項目も満載。東京ダ1600mのコース適性が気がかりではあるのだが、内枠でも引かないかぎり、順当に勝ち負けが期待できると判断した。

 そして、二番手にワンダーアキュート。こちらもプラス評価の項目が非常に多く、成績がイマイチな高齢馬であるのも「前走東京大賞典組」という加点項目で補えるもの。詰めに甘さの残る馬だが、それでも好走期待度はかなり高いはず。配当的な妙味が意外にありそうなのも魅力的である。

 少し離れての三番手評価に、若武者ベストウォーリア。臨戦過程などについて万全とは言いかねるが、必要条件をすべてクリアしつつ、前走上がりの速さや年齢といった項目でプラスを重ねて、三番手に躍り出た。当然、東京ダ1600mで実績があるのもプラス評価の対象。この相手で上位にどこまで食い込めるか、じつに楽しみである。

 以下は、ニホンピロアワーズ、ベルシャザール、ゴールスキー、ソロル、シルクフォーチュン、グランドシチーといった評価順。人気の一角となりそうなベルシャザールだが、ここは五番手評価となった。ルメール→C.デムーロへの乗り替わりであってもプラスには評価できず、成績イマイチな6歳以上馬であるのも気がかり。人気先行になる可能性が高いと見て、少し割り引いて考えたい。

 アドマイヤロイヤル、ブライトラインの2頭もソコソコ人気を集めそうだが、当データ分析からの評価は「消し」推奨。ホッコータルマエ、ワンダーアキュートの二強対決になる──というのが結論で、あとは枠番による評価の上げ下げ。ベルシャザールが想像以上に人気を集めた場合には、配当的にもかなり面白くなってきそうだ。

■ダイヤモンドS(G3・東京芝3400m)フルゲート16頭/登録13頭

 本来ならば中心となるべき「前走重賞組」や「ハンデの重い馬」がさっぱりアテにならず、前走条件戦組や軽ハンデ馬が面白いように突っ込んでくるダイヤモンドS。昨年は珍しくアドマイヤラクティ、ジャガーメイルという実績馬のワンツーだったが、ちょっと気を抜くとケイアイドウソジンが逃げ切ったりするのだから、何とも悩ましい。

 このレースでぜひ注目したいのが「前走で重賞以外に出走していた斤量55キロ以下の関東馬」である。成績は関西馬のほうが優秀なのだが、こと人気薄での激走に関して言えば、関東馬のほうが期待度は上。昨年は全滅したのであまり強気には出られないが、この条件を満たす馬はトータル[3-5-3-26]で複勝率29.7%、複勝回収率248%という非常に高い期待値をマーク。平均人気9.1に対して平均着順7.6と、本気と書いてマジで優秀なのだ。

 あとは、騎手が乗り替わった馬が人気薄でやたらと来るのも、ダイヤモンドSの大きな特徴。継続騎乗での成績がトータル[4-3-5-40]で複勝率23.1%、単勝回収率31%、複勝回収率82%であるのに対して、乗り替わりでは[6-7-5-78]で複勝率18.8%、単勝回収率254%、複勝回収率110%と、信頼度は似たようなモノながら爆発力は後者のほうが圧倒的に上なのである。

 このようなファクターから、今年はサイモントルナーレを穴馬筆頭に抜擢。無理を承知でさらに候補をあげるなら、イケドラゴンもなかなか怪しい。人気の関西馬をしっかり押さえつつ、こういった伏兵の激走に期待したい。

■小倉大賞典(G3・小倉芝1800m)フルゲート16頭/登録25頭

 ローカルのハンデ重賞らしく、かなり波乱傾向が強い小倉大賞典。とはいえ、ダイヤモンドSとは違って、こちらはハンデを背負っている馬が強いレースとなっている。単純にハンデだけで比較しても、55キロ以下馬がトータル[3-4-3-79]で複勝率11.2%であるのに対して、56キロ以上馬は[6-5-6-36]で複勝率32.1%と、その優劣はハッキリ。ハンデを背負っている組を狙うべきレースであるのは、間違いない。

 また、ダイヤモンドSと同様に「乗り替わり」での好走が非常に多いのも、特徴のひとつ。ローカル開催なので乗り替わりが多くなって当然ではあるのだが、継続騎乗[1-2-1-36]に対して乗り替わり[8-7-8-79]と、馬券に絡んでいる馬のほとんどで騎手が乗り替わっているのだ。好走率に2倍以上もの大差が出ているとなると、無視はできかねる。

 あとは、7歳以上馬の激走が非常に多いことも特徴的。これらのデータから、今年の登録馬ではアロマティコカフナスマートギアタムロスカイラブイズブーシェの5頭を注目馬にあげておこう。逆にカルドブレッサ、ラストインパクトなどは、人気を集めるもコロッと負ける可能性もありそうで、大きく割り引いて考えたい。

■共同通信杯(G3・東京芝1800m)フルゲート16頭/登録22頭

 またしても雪のために順延となり、出馬再投票の上で24日(月)に行われることになった共同通信杯。その傾向や各馬の評価について、詳しくは先週分のコラムを確認していただきたいのだが……ちょっと悩ましいのが、新たに登録してきたベルキャニオンの存在だ。

 クラリティシチーやガリバルディと同様にセントポーリア賞とのダブル登録だが、デビュー以降の3戦で見せたパフォーマンスは、噂に違わぬもの。共同通信杯の好走条件や血統から見たコース適性も抜群であり、ローテも中8週とバッチリ。出走してきた場合は、好勝負になってまったく驚けない。

 よって評価の序列を少し改めて、イスラボニータショウナンワダチ、自己条件が濃厚だがクラリティシチーベルキャニオンサトノアラジンの5頭を上位評価に。以下は、ローハイド、ガリバルディ、ピオネロ、マイネルフロストといった序列としたい。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング