スマートフォン版へ

馬場と展開を利して先行勢が押し切る!?/中山記念

  • 2014年02月26日(水) 18時00分
■中山記念(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録16頭

【コース基本情報】中山芝1800m Aコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単72%・複勝75% 上位人気の信頼度が高く意外に順当決着傾向

・馬連万馬券出現率
 [高め] 17.4%(平均値↑5.0% 馬連平均配当6515円)

・枠番別成績(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 6.3% 連対率12.5% 複勝率21.3% 複回率 90% 枠番値-0.1
 [3枠〜4枠] 勝率 7.5% 連対率17.5% 複勝率22.5% 複回率110% 枠番値+0.2
 [5枠〜6枠] 勝率 8.8% 連対率12.5% 複勝率18.8% 複回率 54% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 2.5% 連対率 7.5% 複勝率12.5% 複回率 52% 枠番値+0.1
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 6.9% 連対率15.0% 複勝率21.9% 複回率100% 枠番値+0.1
 [5枠〜8枠] 勝率 5.6% 連対率10.0% 複勝率15.6% 複回率 53% 枠番値-0.1
 →7枠〜8枠の不利が目立つコース。内外の比較でも外が完全に劣勢

・脚質別信頼度
 差し>先行≧逃げ>追込 上級条件では差し脚質の馬券絡みが最も多い

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 36.3-36.1-35.0=1.47.4 勝負所から一気に加速する瞬発力勝負の流れ

 馬連万馬券の出現率17.4%、馬連平均配当6515円という数値からは波乱含みなコースに感じられるが、コース全体の回収率や人気別成績には順当決着傾向が見られるため、ちょっと判断が難しいところ。ガチガチで決まるか、さもなくば波乱という、両極端な結果が出やすいコースと言えるかもしれない。

 その最大の特徴は、やはり「枠番」による成績の偏り。芝1600mや芝2000mも同様の傾向にあるが、この芝1800mにおいても外枠の不利が目立っている。多頭数のレースにおける7枠〜8枠はかなりの割引材料で、連対率で5%以上、複勝率では8%前後もの大きなビハインドが発生。5枠や6枠であればそれほど気にする必要はないが、7枠〜8枠に入ると、人気馬でもかなり危なっかしい。

 また、意外に瞬発力要求度の高いコースであるのも、押さえておきたい特徴。上のクラスにおいても、上がりの速さがそのまま結果に直結している。序盤〜中盤の流れがそれほど速くはない上に3コーナーから4コーナーにかけての区間が長いため、コーナリングしながら長く脚を使えるようなタイプに向きそうである。

【レース基本情報】中山記念(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝996円 馬連3927円 3連複1万1976円

・1番人気馬成績
 [3-1-1-5] 勝率30.0% 連対率40.0% 複勝率50.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-5-4-15] 勝率20.0% 連対率36.7% 複勝率50.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-4-6-47] 勝率 5.0% 連対率11.7% 複勝率21.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-0-44] 勝率 2.2% 連対率 4.3% 複勝率 4.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 20.0% [先行] 40.0% [差し] 40.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 20.0% [先行] 36.7% [差し] 16.7% [追込] 23.3%

・性別成績
 [牡馬] 10-10-9-104 連対率15.0% 複勝率21.8%
 [牝馬] 0-0-1-2 連対率 0% 複勝率33.3%

・年齢別成績
 [4歳馬] 2-1-2-19 連対率12.5% 複勝率20.8%
 [5歳馬] 2-2-4-23 連対率12.9% 複勝率25.8%
 [6歳馬] 2-6-1-26 連対率22.9% 複勝率25.7%
 [7歳↑] 4-1-3-38 連対率10.9% 複勝率17.4%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 4-4-2-18 連対率28.6% 複勝率35.7% 枠番値+0.7
 [3枠〜4枠] 2-2-2-25 連対率12.9% 複勝率19.4% 枠番値+0.1
 [5枠〜6枠] 1-3-4-29 連対率10.8% 複勝率21.6% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 3-1-2-34 連対率10.0% 複勝率15.0% 枠番値-0.7
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 6-6-4-43 連対率20.3% 複勝率27.1% 枠番値+0.4
 [5枠〜8枠] 4-4-6-63 連対率10.4% 複勝率18.2% 枠番値-0.3

・厩舎所属別成績
 [美浦] 7-3-5-64 連対率12.7% 複勝率19.0%
 [栗東] 3-7-5-42 連対率17.5% 複勝率26.3%

・前走距離別成績
 [芝1400↓] 0-0-2-1 連対率 0% 複勝率66.7%
 [芝1600m] 3-5-4-26 連対率21.1% 複勝率31.6%
 [芝1800m] 1-2-0-21 連対率12.5% 複勝率12.5%
 [芝2000m] 2-1-1-33 連対率 8.1% 複勝率10.8%
 [芝2200m] 0-1-2-13 連対率 6.3% 複勝率18.8%
 [芝2400↑] 3-1-2-7 連対率30.8% 複勝率46.2%
 [ダート戦] 1-0-1-4 連対率16.7% 複勝率33.3%
 ────────────────────────
 [芝1600m以下] 3-5-6-27 連対率19.5% 複勝率34.1%
 [芝2400m以上] 3-1-2-7 連対率30.8% 複勝率46.2%
 [芝上記以外戦] 3-4-3-67 連対率 9.1% 複勝率13.0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 5-3-1-7 連対率50.0% 複勝率56.3%
 [中央G2] 0-1-3-14 連対率 5.6% 複勝率22.2%
 [中央G3] 4-6-4-59 連対率13.7% 複勝率19.2%
 [OP特別] 1-0-1-20 連対率 4.5% 複勝率 9.1%
 [条件戦] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%

・注目出走パターン
 [買い] 前走重賞で2番人気以内かつ4着以内(連対率33.3%、複勝率41.7%)
 [買い] 前走中央G1に出走(連対率26.7%、複勝率33.3%)
 [買い] 前走ひとケタ人気の距離延長組(複勝率44.1%)
 [買い] 前走芝マイル以下戦でひとケタ人気(複勝率46.7%)
 [不振] 前走で東西金杯以外のハンデ戦に出走(0-1-1-19)
 [不振] 前走で2000m以上戦に出走の7歳以上馬(0-0-2-21)
 [不振] 前走3着以内の斤量57キロ馬(0-0-2-22)
 [不振] 前走芝2000m戦で2着以下(1-1-0-27)

 少頭数での開催となることも多い中山記念。となれば順当に人気馬が勝ち負けに持ち込めそうなものだが、1番人気馬はトータル[3-1-1-5]と意外に取りこぼすケースが目立っている。3番人気以内馬のトータルでは[6-5-4-15]と悪くない成績になるが、平均配当は単勝996円、馬連3927円、3連複1万1976円とソコソコの水準。小波乱〜中波乱あたりを狙うのが最も効率が良さそうである。

 レースデータで目立っているのが、内枠の強さ。コースデータでは「外枠が弱い」といった印象だったが、レースデータにおける1枠〜2枠は連対率28.6%、複勝率35.7%、枠番値+0.7という超のつく好成績。少頭数のレースも含まれているので、内枠のほうが好成績で当然ではあるのだが、それにしても強い。

 前走距離別で「前走芝1600m以下組」と「前走芝2400m組」が強いというのも、中山記念の面白い特徴だ。つまり距離延長組や一気の距離短縮組が強く、いかにも来そうな前走芝1800m〜芝2200m出走組が不思議なほど弱いのである。それ以外にもダート→芝替わりでの好走例も見受けられ、大きな条件替わりが好走に繋がりやすいレース──と言えるかもしれない。

 あとは、前走G1組が圧倒的なまでの成績をおさめているように、前走で出走していたレースの「格」がモノを言うのも特徴。トータル[5-3-1-7]で連対率50.0%という超高信頼度で、ここから買うだけで馬券が当たるといっても過言ではない。あとは、馬齢による成績差が見られないことや、追い込み脚質の健闘が目立っているのも、攻略のポイントだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開幕週のAコース。良好なコンディションでの前残りを警戒。

・天候予測
 週末にかけて天気が崩れる模様。少し渋った馬場となる可能性も。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率13.5% 連対率28.4% 複勝率33.8%

・著者の注目血統
 ○ダイワメジャー産駒、○母父サンデーサイレンスの配合馬

 今週末にかけて降雨がありそうな天気図であり、しかも最低気温が低め。下手するとまた雪に──といった懸念もなくはない。降雪がなくとも、ある程度の水分を含んだ馬場になるのは濃厚で、しかも開幕週。いかにも前が残りそうなコンディションであり、人気薄の前残りはかなり警戒しておくべきだ。

 ディープインパクト産駒が好成績を残しているように、瞬発力が大きな武器となるコース。ディープインパクト産駒が強いコースは、だいたいハーツクライ産駒も強いモノなので、カレンミロティックやジャスタウェイにも向きそうだ。また「母父サンデー」の配合馬も好調で、こちらもしっかりチェックしておきたいところである。

★総論×各論

 昨年の天皇賞(秋)を制したジャスタウェイに、札幌記念以来となる皐月賞馬ロゴタイプ、香港カップ2着からのローテで出走するトウケイヘイローなど、非常に難解かつ興味深いメンバーが登録してきた、今年の中山記念。カレンミロティックやダイワマッジョーレなど伏兵も多士済々といった印象で、馬券的にもかなり面白そうである。

 当データ分析での評価もかなりの接戦となったのだが、僅差でトップ評価となったのは、有馬記念6着からの出走となるカレンミロティック。有馬記念から中9週での出走は、中山記念を狙う上では最良といえるものだ。有馬記念でも見せ場を作った先行力は大きな魅力で、開幕週の馬場も大きなプラスに働きそう。今後を占う意味でも、ここは注目の一戦となりそうである。

 二番手評価はトウケイヘイロー。天皇賞(秋)では10着に惨敗したが、香港カップで勝ち馬から0秒2差の2着に好走。ハナを主張するようなタイプが他に見当たらず、ここはマイペースに持ち込めそうだ。鳴尾記念を逃げ切っているように急坂も問題なしで、中山実績もアリ。名手・武豊が今度はどのような騎乗を見せるのか、こちらもじつに楽しみだ。

 以下も見事なまでに僅差なのだが、ダークシャドウナカヤマナイトダイワマッジョーレまでが上位評価組。あとはアルキメデス、マイネルラクリマ、ユールシンキング、ヴェルデグリーンといった序列である。ジャスタウェイは脚質や臨戦過程などでマイナスが目立ち、ロゴタイプは半年以上の休養明けとなる点が気がかりであるため、評価を落としている。

 あとは、非常に大きなファクターである「枠番」による評価の上げ下げ。外枠が劣勢であるのはコースデータ、レースデータからも明らかで、ここはかなり割り引いて考えたほうがいい。逆に、1枠〜2枠を引き当てた馬は、かなりの人気薄でも要チェック。あとは、馬場のバイアスについても、土曜日のうちにしっかり確認しておきたい。

■アーリントンC(G3・阪神芝1600m外) フルゲート16頭/登録11頭

 外回りコースでの開催となってから、今年で8年目となるアーリントンC。勝ち馬はすべて6番人気以内なのだが、人気薄が2着〜3着に激走するケースが多く、レースの複勝回収率は100%を超えている。また、1番人気馬が[1-2-0-4]とアテにならないのも、このレースの特徴。データ的には、けっこう波乱含みと言える。

 今年は登録が11頭と非常に少なく、現在3連勝中であるミッキーアイルが圧倒的な人気を集めそうだ。前走で重賞を勝っている馬がエントリーしてくること自体が少ないレースで、しかも相手関係はかなり楽。「前走での上がり順位が3位以内ではない」といったマイナス材料はあるのだが、同時に「前走で先行している」というプラス材料もあり、ちょっと逆らいづらい面はある。

 というわけで、ミッキーアイルを押さえつつ、多少なりとも荒れた場合にどう儲けるかを考えたほうがベター。7番人気以下での激走パターンである「前走2着以下」「前走2番人気〜9番人気」「乗り替わり>継続騎乗」「前走マイル戦もしくは1200m戦」「キャリア6戦〜7戦」といった条件を最も多く満たしているマキャヴィティを、データからの注目馬にあげておこう。

■阪急杯(G3・阪神芝1400m内) フルゲート16頭/登録26頭

 同コースで開催される阪神カップと比較すると、かなり穏やかに決着している阪急杯。阪神芝1400mは、全コースのなかでも屈指といえる波乱度を誇るコースなのだが、このレースに関しては出走馬のレベルが高いためか、順当決着傾向が不思議なほど強い。昨年は3着に11番人気のオリービンが激走したが、これはかなりのレアケースなのだ。

 ならば今年も手堅く……と考えるべきなのかもしれないが、東京新聞杯から矛先を変えてきたダノンシャークが人気の中心になりそうならば、思い切って振り回すほうが面白そうに思える。なぜなら、阪急杯では前走マイル戦組が[2-4-4-31]とイマイチな成績に終わっており、アテにはできないからである。また、6歳以上馬も[2-2-2-58]と低空飛行。付け入る隙が、かなりありそうなのである。

 というわけで、ダノンシャークやカレンブラックヒルなどをぶった切り、このレースと最も相性のいい阪神Cからのローテで出走する、コパノリチャードサンカルロラトルスネークの3頭を注目馬に。あとは、京阪杯以来となるマヤノリュウジンも面白そうだ。「マイラーよりもスプリンターを買え」が、このコースで儲けるセオリー。ここはブンブン振り回していきたい。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング