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リッキーとミッキーでラッキーの風に乗れるか?

  • 2014年02月27日(木) 12時00分


ハートウォーミングな話を一席。

フェブラリーSで13番のコパノリッキーが1着した。
翌日のスポーツ紙に「コパさんはコパノリッキーにラテン音楽を聴かせて、やる気を引き出す努力をした」と紹介されていたので、音楽エピソードをご存知の方も多いことだろう。

しかし具体的にどんな曲を聴かせていたのかについてはあまり知られてないように思う。

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音楽を聴かせているというエピソードを自分はフェブラリーSの一週間ほど前に聞いた。
もちろんすぐに鴨川と神田川を地下で結ぶ秘密の寄合所では紹介した。

骨折明けの2戦をいいところなく敗れ元気のないコパノリッキーをコパさんが音楽を聴かせてリッキーを元気づけようとしているというエピソードだった。
そのときはいい話だな〜とは思ったけれど、だからってそれ以上回っていく話だとも思わなかったので、ここのコラムでも触ることはなかった。なんせ出走確率2分の1だったし。

しかしこの話は少しずつ回っていった。もちろん面白い方向で。
思えば、先週のコラムで自分はJRAが推し薦めている最終馬連に登場するゴルゴ13を引き合いに出して「俺の背後に立つな」でアプローチした。でもホッコータルマエとニホンピロアワーズには「13番」にだけは入らないでと書いた。その番号に入られてしまうと問答無用に買わずにはいられなくなりそうで避けたかったからだ(つまり13番に入ってしまったら◎にせずにはいられなくなると思っていたわけだ)。

で、枠が発表されると13番にはコパさんのコパノリッキーがいた。

うわー! リッキーか!!!!!

なぜビックリマークが!!!!!も付くかというと、その前夜に例の話が回ったからだ。

「コパさんがリッキーに聴かせている曲はラテン音楽だそうです。曲名はわかりません」

スポーツ紙等ですでにご存知でしょうから、今さらどうってことはないでしょうけど、自分はこのことを情報が広まる前の木曜日の夜に知ったのだった。だからちょっと動揺した。

ラララララテン音楽!!? リッキーだからラテン!?
まさか曲はリッキー・マーティンのリヴィン・ラ・ヴィダ・ロカでは!?(郷ひろみがカバーしたア〜チチ、ア〜チチの歌)
あれだったらたしかにテンションが上がる!!!

胎教や記憶力アップにモーツァルトやビバルディがいいという都市伝説? よくわからないけれど、そういう話を昔から耳にしていたからか、聴かせてる音楽はクラシック系と勝手に決めつけていたので、ラテン音楽と聞いて激しく揺さぶられた。もちろん面白すぎるという方向で。

そんな話を聞いた翌日の金曜日にコパノリッキー13番を目にした。で思わず!!!!!となったのだった。

JRAのコラボレーションでゴルゴ13が登場している。
これだけで13番激走のオカルト的裏付けは十分だ。
しかもコパさんは「運のいい馬づくり」を表明している。ラッキーの要素も十分だ。
さらにリッキーを復活させようとコパさん自ら先頭に立ち一生懸命に努力していた。
浪花節的裏付けも十分だ。
(気持ちが大事なことをソチでさんざん見せつけられていたし、真央ちゃんがフリーで劇的に復活した直後でもあったので浪花節モードに突入しやすい身体にもなっていた)

もう一つ客観的素材があれば、買える。少なくとも自分にはリッキーが買えてしまう!!
なんせ3歳春には世代最強のダート馬と言われていた馬だ。走る気さえ戻れば、まだわからない。

調教はどうなんだろう?
そう思って、netkeiba.comの井内さんの予想を覗いてみた。
すると井内さんは△ながらもコパノリッキーを「村山厩舎の勝負調教」と評価していた。村山厩舎といえばテスタマッタでフェブラリーSを勝ったことのある厩舎じゃないか!
勝負調教が出来ているということは体調が上がっているということじゃないか! それすなわち走る気が戻っているとも言える!

立った!
俺の背後にリッキーが立った!!
(鴨川と神田川の地下等ではもちろん買わざるをえない宣言してます)

あとはご存知の通り、フェブラリーSでリッキーは最低人気で1着した。

ギャーーー!!!!!!!!!!
ビックリマーク10個!

ありがとうゴルゴ13。ありがとうコパさん。ありがとう井内さん。ありがとう村山厩舎。
となると気になるのはリッキーが聴いていた曲だ。
どんなラテン音楽だったのだろう?

すると翌日、ふたたび話が回った。

「リッキーに聴かせていた曲がわかりました。ミッキーです。ゴリエのミッキーです」

え? ミッキー? ゴリエのミッキー? 
今から約10年前にワンナイR&Rでガレッジセールのゴリが披露してヒットした、あのミッキー?

「紅白にも出場した、あのミッキーです」

え? ラテン系だっけ?

「いえ、コパさんはミッキーという曲をリッキーという曲名と勘違いしていたらしいのですが、元気のいい曲だからとそのまま聴かせたそうです。で、みるみる元気を取り戻し、うきうきし出したそうです。」

!!!!!!!!!!!!!

13個!

面白い。面白すぎる!
しかもリッキーは復活した!
勝って面白すぎるなんて素敵すぎる!

リッキーはミッキーでアガった! もうそれでいい。
コパノリッキーじゃなくて、コパノミッキー! うん、それでいい。

ソチでも多くの選手がたくさんの人に支えられていることを感謝していた。
リッキーもきっと同じようにコパさんに感謝しているに………、いやむしろリッキーにはどこ吹く風で飄々としていて欲しい。
うむ、その方がハートウォーミングだ。

「ちなみに今度はコパノリチャードで高松宮記念のハクサンムーンに挑むそうです」

ワオ!

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そのコパノリチャードが阪急杯に登録している。
思えばコパノリチャードも秋の休み明けを2.9秒差で惨敗したのにスワンSで一気に巻き返して1着した馬だった。

コパノリッキー(父ゴールドアリュール・母父ティンバーカントリー)、コパノリチャード(父ダイワメジャー・母父トニービン)、ともに共通することはヤナガワ牧場生産であること。
もしかして、この巻き返し力はヤナガワパワーか? ヤナガワ牧場の母系に脅威の巻き返し力が備わっているのか?

それはさておき、もし本当に高松宮記念を狙っているのなら、ここは負けてもらって、大きく人気を落として高松宮に出走してくれるといいなぁ〜なんてけしからんことを思ったりしている。

ハクサンムーンに挑むということは、すなわち「逃げ」を意味しているわけで、
だとすると、この阪急杯でもきっと作戦は「逃げ」になるはず。

ところがどっこいこの阪急杯では「逃げ」て馬券圏内に残ることは至難だったりもする。
この10年で逃げて馬券圏内に入った馬はカルストンライトオ(スプリンターズS)とローレルゲレイロ(高松宮&スプリンターズS)のみ。どちらもG1を勝ったスプリンターだった。

逆に言えば、このレースを逃げて勝ち負けすることはG1級を意味することになる。
だからコパノリチャードがガチでハクサンムーンに挑むのならば、ここは逃げて勝ち負けする必要はあるにはある(阪急杯・カルストン2着・ローレルゲレイロ1着&2着)。

しかしここで勝ち負けしたらきっと高松宮で人気になってしまう。コパさんパワー再びで脚光を浴びてしまう。脚光を浴びるのはいいことだ。
けれど、どこかでコパさんの馬は穴でド派手であって欲しいとも思ってしまう(うむ、まったくもってけしからん)。

というわけで自分はコパノリチャードに敬意を表しつつも、置いといて〜〜〜、できれば他の馬で買いたいと思うんであります。

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サンカルロVSガルボ
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サンカルロ8歳
ガルボ7歳

この2頭は関東馬だけど、阪神を舞台にした芝1400で対決を繰り返す宿命のライバル。
直接対決は10回あって、差し馬的にはサンカルロ6勝・ガルボ4勝。
阪神の芝1400の舞台ではサンカルロ4勝・ガルボ2勝。

しかしここ1年ではガルボが優勢に立ちつつある。

以下は全直接対決。先着した方を上に書いた。

富士S
ガルボ3歳 3着
サンカルロ4歳 8着

阪神C
ガルボ3歳 4着
サンカルロ4歳 6着

阪急杯
サンカルロ5歳 1着
ガルボ4歳 2着

京王杯SC
サンカルロ5歳 9着
ガルボ4歳 12着

阪神C
サンカルロ5歳 1着
ガルボ4歳 6着

阪急杯
サンカルロ6歳 3着
ガルボ5歳 5着

マイルCS
サンカルロ6歳 7着
ガルボ5歳 16着

阪神C
サンカルロ6歳 1着
ガルボ5歳 2着

京王杯SC
ガルボ6歳 3着
サンカルロ7歳 11着

阪神C
ガルボ6歳 2着
サンカルロ7歳 4着

ガルボは3歳時にはサンカルロに先着していた。しかし4歳になると5歳のサンカルロに先着できなくなった。
ガルボ4歳時、5歳時はサンカルロ5歳時、6歳時に全敗。

勝負付けの逆転が起こったのはガルボが6歳、サンカルロが7歳になってから。
ここからはガルボが2度闘って、2度とも先着している。さすがの阪神1400ホース・サンカルロも7歳になって少し力は落ちたのか。

で、迎える阪急杯・阪神芝1400・7度目の対決。
この流れに乗るのならば、先着するのはふつうにガルボ。
これで間違いなし。

しかし、1つ気になるのは最近の阪急杯では7歳以上の馬にまったく出番がないこと。
去年、7歳だったサンカルロも4着に負けた(ガルボは出走しなかった)。っていうかサンカルロは7歳になってから一度も馬券圏内に入れなくなった。

先着するのはガルボだったとしても馬券にならなかったらなんの意味もない。

しかしガルボは差しのサンカルロとは違って、先行系だ。
開幕の阪神は逃げた馬にツラいと書いたけれど、先行力は重要だ。
今回、何が何でも逃げようという馬はコパノリチャード1頭しか見当たらず、前で競馬ができるガルボには悪くない流れになるのではないか?

あれ? 置いといたモノが風に乗って飛んできたようだ。
でもコパノリチャードしか逃げそうな馬はいない? ってことは? 

さてどうしよう。
最近の開幕競馬は、例年の傾向をそのまま引き継がないときもある。
まずは土曜競馬の傾向をじっくり拝見だ。

たしかアーリントンカップにミッキーアイルが出走する(おっと、ミッキー!)。
この馬の鞍上もリチャードと同じ浜中だ。
この馬のレースっぷりを見て、逃げの可能性を見極めても遅くはない。


阪急杯注目馬
ガルボ…4着覚悟の馬券圏内で期待したい。
ラトルスネーク…最近はずっと出遅れっぱなし。1600万までは出遅れでも勝てたけれど、重賞では出遅れてちゃお話にならない。
しかし阪神1400は2-1-0-2で、出遅れなければの期待は持てる。そろそろちゃんとスタートしてもいい頃ではないか?
コパノリチャード…アーリントン他を見て決定。
調子に乗るのはよくないけれど、風には乗りたい。いい風が吹いてるといいなぁ。


中山記念注目馬
ロゴタイプ
ナカヤマナイト

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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