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ヒモのチョイスが勝敗を分ける!/スプリングS

  • 2014年03月19日(水) 18時00分
■スプリングS(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録25頭

【コース基本情報】中山芝1800m Aコース使用
・コース回収率
 [標準] 単勝71%・複勝77% 1番人気の強さが非常に目立つコース

・馬連万馬券出現率
 [高め] 16.2%(平均値↑3.8% 馬連平均配当6246円)

・枠番別成績(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 5.2% 連対率10.4% 複勝率17.7% 複回率 75% 枠番値-0.2
 [3枠〜4枠] 勝率 9.4% 連対率17.7% 複勝率22.9% 複回率131% 枠番値+0.1
 [5枠〜6枠] 勝率 8.3% 連対率13.5% 複勝率20.8% 複回率 70% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 2.1% 連対率 9.4% 複勝率13.5% 複回率 55% 枠番値+0.3
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率 7.3% 連対率14.1% 複勝率20.3% 複回率103% 枠番値-0.1
 [5枠〜8枠] 勝率 5.2% 連対率11.5% 複勝率17.2% 複回率 62% 枠番値+0.1
 →外枠の成績が大不振もデータ数が少なく、人気薄が多く入った影響が大か

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>>差し>>追込 中山の芝コースらしく基本は先行優勢

・推定ラップ&タイム
 [中緩み]36.4-37.5-35.6=1.49.5 中盤で緩み勝負どころで急加速の流れ

 コース全体での回収率は単勝71%、複勝77%と平均的な数値なのだが、成績を人気別に見ると、1番人気の猛烈なまでの強さが目立っている。トータル[45-18-20-34]で勝率38.5%、連対率53.8%、複勝率70.9%というのがその内容で、2番人気と比較してもその差は歴然。もう、圧倒的に強いといっても過言ではない。

 対照的にイマイチなのが人気薄で、10番人気以下馬が1着に来たケースは集計期間内に、わずか3回。2着〜3着にはソコソコ突っ込んでくるのだが、アタマで来る確率はかなり低めとなっている。また、1番人気がしっかり人気を集めるぶん、ここが飛ぶと一気に配当がハネるのも当コースの特徴。馬連万馬券の出現率、馬連平均配当ともに、平均値を大きく上回っている。

 枠番別では7枠〜8枠の成績が明らかに悪いのだが、これはデータの母数が少ないことによる影響が大。枠番値にはそれほど差が出ていないことから、外枠だからといって即「消し」とはいえない。じつは内枠よりも、3枠〜6枠あたりの「中枠」のほうが良いのではないか──といった印象も受ける。

 脚質に関しては先行勢が優勢。レースの中盤が緩むラップになると瞬発力型の馬が台頭してきそうなものだが、小回りかつ急坂の中山で、直線一気を決めるのはそうとう難しい。ヒモならともかく、やはり軸馬は中団より前のポジションを取れる馬からチョイスしたほうがいいだろう。

【レース基本情報】スプリングS(G2) 中山過去10年
・レース平均配当
 単勝689円 馬連6724円 3連複1万8379円

・1番人気馬成績
 [3-2-2-2] 勝率33.3% 連対率55.6% 複勝率77.8%

・3番人気以内馬成績
 [6-4-4-13] 勝率22.2% 連対率37.0% 複勝率51.9%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-3-2-46] 勝率 5.6% 連対率11.1% 複勝率14.8%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-3-50] 勝率 0% 連対率 3.6% 複勝率 9.1%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 22.2% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 11.1%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 11.1% [先行] 40.7% [差し] 37.0% [追込] 11.1%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 2-5-2-22 連対率22.6% 複勝率29.0% 枠番値+0.5
 [3枠〜4枠] 3-1-2-28 連対率11.8% 複勝率17.6% 枠番値+0.9
 [5枠〜6枠] 2-2-3-28 連対率11.4% 複勝率20.0% 枠番値+0.5
 [7枠〜8枠] 2-1-2-31 連対率 8.3% 複勝率13.9% 枠番値-1.8
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 5-6-4-50 連対率16.9% 複勝率23.1% 枠番値+0.7
 [5枠〜8枠] 4-3-5-59 連対率 9.8% 複勝率16.9% 枠番値-0.7

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-3-7-62 連対率10.4% 複勝率19.5%
 [栗東] 4-6-2-45 連対率17.5% 複勝率21.1%

・前走距離別成績
 [芝1400m] 0-0-1-5 連対率 0% 複勝率16.7%
 [芝1600m] 2-4-3-21 連対率20.0% 複勝率30.0%
 [芝1800m] 5-3-3-28 連対率20.5% 複勝率28.2%
 [芝2000m] 2-1-1-25 連対率10.3% 複勝率13.8%
 [芝2200m] 0-1-0-6 連対率14.3% 複勝率14.3%
 [ダート戦] 0-0-1-23 連対率 0% 複勝率 4.2%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 1-1-2-5 連対率22.2% 複勝率44.4%
 [中央G2] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [中央G3] 6-4-2-35 連対率21.3% 複勝率25.5%
 [OP特別] 1-2-1-20 連対率12.5% 複勝率16.7%
 [500万下] 1-2-4-36 連対率 7.0% 複勝率16.3%
 [新馬戦] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [未勝利] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
───────────────────────────
 [前走中央重賞] 7-5-4-45 連対率19.7% 複勝率26.2%
 [前走上記以外] 2-4-5-64 連対率 8.0% 複勝率14.7%

・注目出走パターン
 [買い] 前走1番人気馬(連対率25.0%、複勝率34.4%)
 [買い] 前走朝日杯FSで2着以内(複勝率60.0%)
 [不振] 前走でダート戦に出走(0-0-1-23)
 [不振] 前走単オッズ7.0倍以上で条件戦に出走(0-0-1-18)
 [割引] 朝日杯FS組をのぞく前走馬体重479キロ以下馬(1-1-2-43)

 単勝689円という平均配当を見てもわかるように、1着馬はかなり堅いレース。中山過去10年でいちばん荒れたのが、メイショウサムソンが制した2006年の1450円である。ただし、1着馬がここまで堅いにもかかわらず、馬連平均配当は6724円、3連複平均配当は1万8379円という高さ。つまり「ヒモが紛れるレース」なのである。

 データを順番に見ていくと、やはり目につくのが枠番別成績。コースデータの項目では外枠不振の理由を「人気薄が多く入った影響が大きい」と判断したが、レースデータからは、外枠を大幅に割り引いたほうがいいという結論が導き出される。というのも、枠番値-1.8というのはハッキリいえば、異様に低い数値だから。この結果を重く受け止めて、内枠優勢&外枠劣勢と考えたほうが良さそうだ。

 前走距離別成績では、距離短縮組の不振が目立っている。平均人気にはそれほど差がないのだが、距離延長組の平均着順が6.7着であるのに対して、距離短縮組は8.9着と、その差は歴然。ここでの評価順は「前走芝1800m組>芝・距離延長組>芝距離短縮組>前走ダート組」となる。また、前走で重賞以外に出走していた馬の不振も目立っているところ。前走重賞組との比較で、信頼度には倍近い大差があると考えるべきである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きAコース。時計のかかる、パワー型に向く馬場という印象。

・天候予測
 三連休は好天に恵まれそう。日曜日は良馬場前提で問題なし。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率14.9% 連対率28.7% 複勝率34.5%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒○、フジキセキ産駒○、ジャングルポケット産駒△、キングカメハメハ産駒△

 ディープインパクト産駒の好調ぶりが目立つが、比較的柔らかく、時計もかかる今の馬場コンディションがどう出るかは微妙なところ。もう少しパワー型のほうがベターな印象であり、じつはフジキセキ産駒やキングカメハメハ産駒のほうが向くかもしれない。イメージ的には、ダイワメジャー産駒はかなり向きそうだ。

 問題はアジアエクスプレスの血統をどう見るかだが、Storm Catの系統を母父に持つ馬の好調や、既に中山芝1600mで勝っているという実績から「問題なし」と見たいところ。また、同馬の持つダート適性の高さやパワーは、現在の馬場コンディションにおいては大きな武器となる可能性を秘めている。

★総論×各論

 スプリングSにおける最も大きな攻略ポイントが「アタマが堅くヒモが荒れるレース」であるということ。ここ4回はいずれも単勝3ケタ配当の馬が制しているように、ここが大きく紛れるケースは考えづらい。要するに、勝つのはアジアエクスプレスかベルキャニオン、ロサギガンティアである可能性が非常に高いということだ。

 また、スプリングSにおける「前走重賞組」と「それ以外」で、信頼度に2倍近い開きがあるのも重視すべきポイント。登録馬25頭のうち、前走重賞組はたったの7頭しかいない。あとは、前走距離別成績が「前走同距離>距離延長>距離短縮」であることや、前走馬体重479キロ以下馬がトータル[1-2-4-46]で連対率5.7%、複勝率13.2%と低信頼度であることも、取捨にあたって念頭に置きたい点だと言える。

 というわけで、トップ評価は素直にアジアエクスプレスに。朝日杯フューチュリティSの覇者である以上、ここで軽視するわけにはいかないというのが素直なところ。非常に好走率が高いローテであり、500キロをゆうに超える馬格の持ち主でもある。血統も現在の馬場だとプラスに働きそうで、仕上がりもかなり良いはず。芝2走目での慣れも見込めるし、不安よりも期待のほうが先に立つ。

 二番手も素直にベルキャニオン。イスラボニータをモノサシに考えれば、ここは好勝負になって当然の話。「前走馬体重480キロで、芝1800mの重賞を2着に好走したディープインパクト産駒」というのは、このレースを勝ち負けする上で何の遜色もないプロフィルである。何の面白味もないが、しっかり買うべき馬であるのは間違いない。

 以下の評価順は、三番手にモーリス、四番手にマイネルフロスト、五番手にクラリティシチー、六番手にウインマーレライ。ヒモ荒れの期待は、この4頭に託す。特にモーリスとマイネルフロストの2頭は期待大で、マイナス材料よりもプラス材料のほうが格段に多い上に、配当妙味もかなり期待できそうだ。もう1頭押さえるなら、ロサギガンティア。

■フラワーC(G3・中山芝1800m) フルゲート16頭/登録25頭

 スプリングSと同コースで開催されるフラワーC。都合がいいことにコースデータはまるっと流用ができるので、予想の際にはぜひ参考にしていただきたい。

 しかし、レースの傾向は大きく異なる。何より大きな違いが、こちらは未勝利勝ちや500万下勝ちからでも、平気で勝ち負けになるということ。それどころか、前走条件戦組のほうがハッキリと強いのだ。前走重賞組はトータル[2-2-2-31]で連対率10.8%、複勝率16.2%とかなりの低信頼度で、オマケに前走オープン特別組も[0-2-0-7]とイマイチ。ここまで低調だと、積極的に嫌ったほうがだんぜん美味しい。

 また、前走で牝馬限定戦を使われていた組が[4-4-5-70]で連対率9.6%、複勝率15.7%であるのに対して、牡馬混合のレースに出走していた組は[5-5-4-42]で連対率17.9%、複勝率25.0%と、後者のほうが明らかに優勢。あとは、前走芝マイル出走組が非常に強いのも、このレースを攻略する上での重要なポイントとなりそうだ。

 よってここは、クリスマスやニシノアカツキといった実績上位馬を嫌いつつ、牡馬混合戦からのローテで出走するバウンスシャッセマイネグレヴィルあたりを狙っていきたいところ。1勝馬で抽選待ちになるが、ベストリーダーホクラニミサリーサルウェポンの3頭も穴馬として推奨しておきたい。

■ファルコンS(G3・中京芝1400m) フルゲート18頭/登録28頭

 中京芝1400mは、枠番抜きにしては絶対に語れないコース。というのも、7枠〜8枠の「外枠」がアホほど強いのである。これはコースデータの蓄積が足りない段階から露骨に出ていた傾向だが、成績の偏りが是正されていく気配はまったくナシ。論より証拠、以下が、フルゲートにおける枠番別成績である。

 [1枠〜3枠] 13-14-19-301 連対率 7.8% 複勝率13.3% 枠番値-0.9
 [4枠〜6枠] 17-13-20-296 連対率 8.7% 複勝率14.5% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 28-31-19-270 連対率17.0% 複勝率22.4% 枠番値+0.7

 いかに当コースにおける外枠が有利か一目瞭然。余談になるが、7枠〜8枠のトータル回収率は単複ともに余裕で100%オーバーだ。ここまで枠番による有利・不利が大きくなると、能力や適性で勝る馬でも、内枠を引いてしまった時点で敗色濃厚。能力差の小さいレースであれば、なおさらだ。

 以上の理由から、具体的な推奨馬はナシ。「7枠〜8枠に入った人気薄」を積極的に買い、「1枠〜3枠に入った人気馬」は目をつぶってぶった切るというスタンスを、現時点ではオススメしておきたい。

■阪神大賞典(G2・阪神芝3000m) フルゲート16頭/登録10頭

 昨年の覇者ゴールドシップが、今年もここから始動。とはいえ、昨年秋のふがいない成績を考えると、さすがに昨年ほどは信頼度できないのではないか──と、ちょっと疑いたくなる気持ちもある。

 しかし、阪神大賞典は1番人気が[3-4-2-1]と非常に強いレースであり、同様に有馬記念組も[3-3-1-5]と素晴らしい結果を残している。また、ゴールドシップの阪神適性が非常に高いというのは、競馬ファンなら誰でも知っている話。さらに相手関係も軽いとなると、やはり同馬をトップ評価せざるを得ないだろう。

 となると相手をいかに取るか──という話になるのだが、こちらも今年は「ものすごく」順当となりそう。5歳以下馬と6歳以上馬で成績に大きな開きがあることや、7番人気以下馬が[0-0-0-52]と1頭も馬券に絡めていないことから考えると、サトノノブレスとバンデの評価が自然と高くなってしまうからである。

 無理やり穴を狙うとすれば、「有馬記念組の4歳馬」であるタマモベストプレイが、唯一無二の選択肢となりそう。阪神実績や距離実績に欠けるきらいはあるが、パターンとしてナシではない。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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