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Mデムーロのメインイベントと田辺の偵察

  • 2014年03月20日(木) 12時00分


2014年の3歳重賞の1人気馬パーフェクト連対というてぇへんな記録が先週のFレビューでついに途切れた。

2014年3月16日(Fレビュー)までの3歳重賞1人気成績
シンザン記念 ミッキーアイル 1人気1着
フェアリーS オメガハートロック 1人気1着
京成杯    キングズオブザサン 1人気2着(1着プレイアンドリアル5人気)
きさらぎ賞  バンドワゴン 1人気2着(1着トーセンスターダム2人気)
クイーンC  フォーエバーモア 1人気1着
共同通信杯  イスラボニータ 1人気1着
アーリントンC ミッキーアイル1人気1着
チューリップ賞 ハープスター 1人気1着
弥生賞    トゥザワールド 1人気1着
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Fレビュー  ホウライアキコ 1人気5着

1人気7-2-0-1

勝率.700
連対率.900

依然、頼もしい成績だけれど、こういうのには流れもある。去年は逆に牡馬中距離・牝馬路線の1人気がことごとく馬券圏外に敗れていたけれど、スプリングSでロゴタイプが1人気1着すると、翌週の毎日杯でもキズナが1人気1着したりとやや締まったりもした(あくまでも“やや”だけど)。
それゆえに今週も油断できない。1人気が鉄板のめっきは少しずつはがれ落ちているかもしれないからだ。

しかも今週は春のトライアル系レースが4つもあるスーパー・トライアル・ウィーク(スプリングS・フラワーC・若葉S・ファルコンS←トライアル扱い)。
ここで1人気が全部飛んだら、これまたてぇへんなことだ。

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スプリングS
予想1人気候補 アジアエクスプレス・ベルキャニオン
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1人気は過去10年では4-2-2-2。
馬券圏外2頭はコスモサンビーム5着、ペールギュント6着。
この2頭に共通することは前走がコスモ・朝日杯F1着、ペール・シンザン記念1着とマイルレースを使って2ヶ月以上空いていたことだった。

前走が1600以下の1人気馬の成績は1-0-1-2
前走が1800以上の1人気馬の成績は3-2-1-0

前走がマイル以下だと馬券圏外というわけではないけれど、1800以上の方が心配指数は低いのは間違いない。
ちなみに去年1人気で1着したロゴタイプも前走・朝日杯F1着馬だった。しかし角(コーナー)4つの1周競馬を札幌2歳Sで経験して、それなりの成績(4着)を収めていた。
しかしコスモサンビームとペールギュントはスプリングSがはじめての1周競馬だった。コスモサンビームにいたっては1800競馬もはじめてだった。

ローズキングダムが同じように前走1600で、はじめての1周競馬だったけれど3着できたのは、東スポ杯、朝日杯でともに1人気で1着するような強い馬だったからではないか。ただそういう実績のある馬でも3着がやっとだったとも解釈できる。
つまり前走が1600で、はじめての1周競馬で、1人気になるのはやっぱり損と言えそうだ。

今年1人気が予想される馬の臨戦
アジアエクスプレス 前走1600・朝日杯4人気1着 1周競馬経験なし
ベルキャニオン   前走1800・共同通信杯3人気2着 1周競馬経験あり(ホープフルS1人気2着)

アジアエクスプレスが1人気になるならば、危ない。
ベルキャニオンが1人気ならば、頼もしい。

うむ、わかりやすい。
アジアエクスプレスは3戦3勝で、前走は初芝でG1を勝った。そこを情状ポイントだと加点しても、3着まで! とは仮定できる。

ベルキャニオンは頼もしいとしたけれど、この馬はまだスプリングSで勝ち星のないディープインパクト産で、そこにわずかながら心配な点はある。つまり決めつけるならば2着か3着とも言える。

ということで、スプリングSの1人気の心配指数は、アジアエクスプレスを条件にするとけっこう高めに設定できそうだ。
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スプリングSの1人気心配指数
アジアエクスプレスならば★★★……最高で3着!
ベルキャニオンならば★……2着か3着!
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もしアジアエクスプレスが初芝につづき、初角4競馬も1人気で克服し、1着したとしたら、これは相当な器ということになる。
エルコンドルパサー的外国産馬と言われているようだけど、あながち否定できない。
ここで勝ったら次から考えを改めればいい。1人気ならば悔恨はない。

ちなみにスプリングSはMデムーロ騎乗のロサギガンティアと内田博騎乗のクラリティシチーに注目している。

今回のMデムーロの短期免許期間は3月15日-3月30日という超短期騎乗。
しかしこの期間は、クラシックのためのトライアルや賞金加算重賞がいっぱいあって、呼ぶ方にも呼ばれる方にもメリットがたくさんあるように思える。
呼んだ人は吉田照哉氏だから、社台F系の勝負馬、もしくはなんとかして欲しい馬を中心に騎乗していただくはず(最近はいろんな馬主の馬に騎乗しているけれど、ここぞというときは社台F系の馬に騎乗することがやっぱり多い)。
実際、先週もFレビューで、社台F生産で社台RHのダンスアミーガに騎乗した(6着)。

春の本番に騎乗するかは今回の来日での手応え次第ではないかと勝手に妄察している。

今週のMデムーロのメイン騎乗馬は、
スプリングS ロサギガンティア 馬主・社台RH 生産・社台F
若葉S サウンズオブアース 馬主・吉田照 生産・社台F

ファルコンSとフラワーCには騎乗はない。
先週のコラムで、Fレビューでは抽選対象のベラフォレスタ(社台F・社台RH)に騎乗予定だけれど、除外になったらダンスアミーガに騎乗するのではないかと書いたが、実際その通りになった。
だとすると、今週ファルコンSにスライド登録しているベラフォレスタに騎乗するかと思いきや、今回は同じ日に行われる若葉Sのサウンズオブアースに騎乗。

ベラフォレスタはファルコンS抽選対象だった。登録段階で4頭/14頭。
サウンズオブアースは若葉S抽選対象だった。登録段階で12頭/14頭。
出走確率的には若葉Sの方が圧倒的に高かった。
(結局ベラフォレスタはファルコンSには出走せず)

先約事情か、抽選事情かわからないけれど、結果的に今週は皐月賞出走のパスポートを頂戴するために2頭の社台F系の牡馬に騎乗する。もしこの2頭のどちらかで権利を取って、もしくは両方で権利を取って、皐月賞もMデムーロが騎乗することになったら、その馬からは目が離せなくなりそうで興味深い。

ちなみにフラワーCには騎乗しようと思えば騎乗できるのに、その日は重賞のない中京で騎乗する。
フラワーCの社台F系馬主の馬は武豊騎乗のチョコレートバインと西田騎乗のベストリーダーのみ。しかも2頭ともにこれまた抽選対象だった。乗るならチョコレートバインだろうけれど、武豊騎乗馬に乗るなんてことはふつうはありえない。

むしろ乗るなら、前走Mデムーロが騎乗して、新たな一面を垣間見せたクリスマスだけど、この馬にも騎乗しない。フラワーCは賞金加算系重賞だから2着に入らないといけない。
そういうレースで非社台F系のクリスマスにMデムーロが騎乗して、賞金を加算されても困るという事情もあるのかもしれない。

ロサギガンティアは藤沢和厩舎の馬で、そこにMデムーロというだけでただならぬことがわかる。
藤沢和厩舎の馬にMデムーロ騎乗は過去たったの2回しかない。
07年 500万 スパークキャンドル(山本英俊氏の外国生産馬) 2人気12着
13年 湘南S  ダンスファンタジア(社台RH・社台F生産) 10人気2着

ノーザンF系のコディーノ=リスポリでは結果は出ていないけれど、社台F系のロサギガンティア=Mデムーロはたとえ人気でもナイガシロにはしにくい。

Mデムーロ・スプリングS成績 2-0-1-0
2勝はネオユニヴァース&グランデッツアで、どちらも社台F生産・社台RHだった。
(3着はドリームパスポート・当時の馬主はジョイ・レースホース。社台F系ではない)

Mデムーロの全成績(2013年まで)
347-290-225-1459 勝率15.0 連対率27.4 複勝率37.1

Mデムーロの勝利数第1位馬主・社台RH
33-21-17-111 勝率18.1 連対率29.7 複勝率39.0

勝利数の10%近くを社台RHの馬であげている。2位が吉田照哉氏名義の馬で13勝だから、圧倒的に社台RHだ。当然騎乗数も一番多い。それでいて全成績の数値よりも上だから、社台RHの馬で頑張っていることがわかる。

Mデムーロの中山芝1800成績
7-2-4-18 勝率22.6 連対率29.0 複勝率41.9
中山芝1800も自身の全成績数値より上。騎乗数は少ないけれど、不得意でない、けっこう得意そうなことがわかる。

現在の予想(netkeiba.com水曜18時)は4番人気。
上がっても3人気だろうから、とてもおいしそうだ。

クラリティシチーは抽選待ちで出走できるかわからなかったけれど、鞍上・内田博騎手で出走が確定した。抽選待ちなのに内田博騎手を抑えていたことからも、これまたただならぬことがわかる。

ラジオNIKKEIに登録しつつ、ホープフルSに出走し3着、共同通信杯に登録しつつ、セントポーリア賞に出走して2着は、どう見ても確勝を期しての出走だったはずで、もはやまったなし!

Mデムーロは来週、高松宮でコパノリチャードに騎乗予定。これはこれで大変興味深いけれど、高松宮はあくまでもおまけに思える。やっぱり今回の超短期免許のメインイベントは社台F系の馬でクラシック出走の権利を勝ち取ることだろう。
勝負事なので、むしろおまけが大当たりの可能性もないとは言えない。でも3つ騎乗したら1つは結果を出すのが名手の義務だろう。先週のFレビューを1つと数えれば、若葉SとスプリングSで計3つ。来週の毎日杯についてはまだ考えない。

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若葉S 
1人気候補・ウインフルブルーム
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「1人気の社台系、2人気のマイネル系(コスモ・ウイン・岡田繁幸氏名義含む)」

これは弥生賞でくっきりはっきり表れている根多だけど、けっこう幅広く使える気もしている。
これだけでウインフルブルームを心配したくなる。

今回の人気の構図は、おそらく1人気のマイネル系、2人気の社台系だ。
その社台系に騎乗するのが前記したMデムーロで、馬はサウンズオブアース。
ここもMデムーロから買うのが正解に思える。
ただしこのレースは外国人騎手が3着しやすいように思えるから、買うなら3着の可能性も考えておきたい。

とはいえ、ウインフルブルームは賞金的に2着以内に入らなくても皐月賞出走が可能で、その余裕がかえっていい成績を呼ぶような気もする。1着はともかく馬券圏内では切りにくい。

つまりここは、サウンズオブアースを中心に考えつつも、ウインフルブルームにも敬意を表しつつ、別の馬も抽出するのが一番しっくり来る。
武豊と横山典が騎乗予定のメイショウの2頭や外国人騎手が3着しやすいようだから、シュタルケのアグリッパーバイオも加えてみる。

横山典がメイショウパワーズで逃げて、武豊がメイショウチギリで差す。
シュタルケがアグリッパーバイオを内ピッタリにつけて、やや先行させて、持たす。
そんなの。

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フラワーCはシュタルケのパシフィックギャルに注目している。
もちろんシュタルケが内ピッタリでやや先行させて、持たすという設定だ。
外枠だったり、内が荒れていたら、ニシノアカツキやマイネグレヴィルを上げたいけれど、できればシュタルケの内で持たす競馬でお願いしたい。
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ファルコンSはカラダレジェンドに騎乗する田辺が気になっている。
先週の日曜日に田辺は中京で騎乗した。てっきり1つか2つ勝つのかと思っていたら、9鞍騎乗して1つも勝てず。
ちょっとガッカリしていたけれど、もし今週のカラダレジェンドのための偵察騎乗だったとしたら、どうだろう。っていうか、そうだったらなかなかのもんだ。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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