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外差しが可能な馬を狙い撃て!/高松宮記念

  • 2014年03月26日(水) 18時00分
■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録24頭

【特注必見データ!】 〜コースデータから〜
・中京芝1200m 枠番別成績(18頭立て)
 [全体平均] 勝率5.6% 連対率11.1% 複勝率16.7% 複勝回収率69%
 ────────────────────────────────
 [1枠〜3枠] 勝率3.2% 連対率 7.9% 複勝率13.0% 複勝回収率 50%
 [4枠〜6枠] 勝率5.1% 連対率 9.3% 複勝率16.2% 複勝回収率 58%
 [7枠〜8枠] 勝率8.3% 連対率16.2% 複勝率20.8% 複勝回収率 98%
 ────────────────────────────────
 [逃げ複勝率] 1枠〜3枠・ 9.1% 4枠〜6枠・ 7.1% 7枠〜8枠・45.5%
 [先行複勝率] 1枠〜3枠・22.9% 4枠〜6枠・24.5% 7枠〜8枠・16.7%
 [差し複勝率] 1枠〜3枠・14.0% 4枠〜6枠・20.0% 7枠〜8枠・26.2%
 [追込複勝率] 1枠〜3枠・ 7.1% 4枠〜6枠・ 9.0% 7枠〜8枠・ 9.3%

・中京芝1200m 7番人気以下馬枠番別成績(18頭立て)
 [1枠〜3枠] 勝率2.1% 連対率5.0% 複勝率 7.1% 複勝回収率 48%
 [4枠〜6枠] 勝率3.4% 連対率4.1% 複勝率 6.8% 複勝回収率 47%
 [7枠〜8枠] 勝率4.1% 連対率8.3% 複勝率 9.0% 複勝回収率 94%

 先週もファルコンSの原稿で強調したのだが、リニューアル後の中京芝短距離はとにかく「外枠」が強い。さすがに1400mほどではないが、この傾向は芝1200mになっても基本的に変化なしだ。データの分母が増えて多少は偏りが是正された感はあるが、それでも信頼度&回収率ともに、外枠である7枠〜8枠が圧倒的優勢である。

 脚質別に見ても結果は同じで、内枠〜中枠がいいと言えるのは先行脚質くらいのもの。逃げ・差し・追込の3パターンにおいて、外枠がトップの信頼度となった。また、人気薄での好走もやはり外枠に多く、回収率の差は歴然。こういうデータは混戦でこそモノを言うので、今年は昨年以上に、外枠重視の姿勢をオススメしたい。

【コース基本情報】中京芝1200m Aコース使用
・コース回収率
 [標準] 単勝76%・複勝68% 1番人気〜3番人気の信頼度が横並びの特殊コース

・馬連万馬券出現率
 [高め] 19.6%(平均値↑7.2% 馬連平均配当6762円)

・脚質別信頼度
 差し>>逃げ>先行>追込 1着馬は差し脚質のシェアが圧倒的に高い

・推定ラップ&タイム
 [平均]34.3-34.4=1.08.7 極端な前傾とはならず総合力が問われる

 当コースの傾向として非常に面白いのが、1番人気〜3番人気の信頼度が「ほぼ横並び」であるということ。勝率こそ1番人気が抜けているが、連対率や複勝率には4%ほどの差しか出ていない。つまり、上位人気のなかでは断然、3番人気馬を狙うのが美味しいコースといえるのである。

 あとは、超人気薄の激走率が非常に高いのも、当コースの大きなポイント。ふたケタ人気馬のトータル連対率が4.1%、複勝率が5.1%もあるコースというのは非常に珍しく、10番人気〜15番人気馬に限れば、連対率5.9%、複勝率7.0%というハイアベレージ。馬連万馬券の出現率も非常に高く、大穴を狙うにはうってつけの舞台といえるだろう。

 スプリンターズSが行われる中山芝1200mとは大きく異なり、なかなか前傾のラップが刻まれないコース。昨年の高松宮記念も「前半34秒3−後半33秒8」と、スプリント戦らしからぬ流れとなった。速力や持久力だけでは押し切れない、適度な瞬発力も要求されるコースといえそうだ。

【レース基本情報】高松宮記念(G1) 過去2年
・レース平均配当
 単勝260円 馬連710円 3連複6205円

・1番人気馬成績
 [1-0-1-0] 勝率50.0% 連対率50.0% 複勝率100%

・3番人気以内馬成績
 [2-2-1-1] 勝率33.3% 連対率66.7% 複勝率83.3%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [0-0-0-12] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-1-16] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 5.9%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 50.0% [差し] 50.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 16.7% [先行] 33.3% [差し] 50.0% [追込] 0%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 0-0-1-11 連対率 0% 複勝率 8.3% 枠番値-1.4
 [4枠〜6枠] 2-1-0-9 連対率25.0% 複勝率25.0% 枠番値-0.6
 [7枠〜8枠] 0-1-1-9 連対率 9.1% 複勝率18.2% 枠番値+2.3

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-1-0-7 連対率12.5% 複勝率12.5%
 [栗東] 2-1-2-22 連対率11.1% 複勝率18.5%

・前走距離別成績
 [芝1200m] 1-1-2-14 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [芝1400m] 1-1-0-11 連対率15.4% 複勝率15.4%
 [芝1600m] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1800m] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダート戦] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%

 今回掲載しているのは、あくまで参考データ。全面リニューアル後からまだ2回しか開催されていないため、レースデータ自体がほとんど意味を持たない。それほど意味のあるデータではないので、これを気にする必要はほとんどないだろう。

 ただし、枠番別成績における枠番値の大きな偏りだけは、注目する価値あり。これは人気よりも上の着順に来ているかどうかを示す数値なのだが、ここでも7枠〜8枠の「外枠」がプラス2.3と、ブチ抜けて高い数値をマークしているのだ。

 これまで外枠から馬券に絡んだのは2頭だけで、まだ勝ち馬は出ていないのだが、それでもこの枠番値の高さは十分に評価できるもの。外枠が絡む可能性が非常に高いというのは、わずか2年分のレースデータからも「単なる偏りではない」と結論づけられる。人気馬も穴馬も、やはり外枠重視でチョイスすべきだ。

 それ以外では、人気サイドの強さや差し馬の強さが目立っている程度。コースデータと比較すると堅く決まりすぎているが、これがレースの傾向かどうかはさすがに判断不能だ。とはいえ、今年はロードカナロアのような鉄板級の本命馬が存在しないわけで、そろそろひと波乱あっておかしくない。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きAコース。かなり差しが決まりやすい状態にあり、確実に外優勢。

・天候予測
 日曜日の降水確率がけっこう高め。馬場が渋る可能性もありそうだ。

・勝利数トップ種牡馬
 キングカメハメハ 勝率17.6% 連対率23.5% 複勝率44.1%

・著者の注目血統
 該当なし

 血統データもまだ分量が少ないため何とも言えない部分はあるのだが、キングカメハメハ産駒やディープインパクト産駒など、もっと長い距離で結果を残している種牡馬の産駒が強い傾向が見てとれる。序盤からガンガン飛ばすようなスプリントの流れにならないことが、大きく影響していると考えられる。「いかにもスプリンター」という血統よりも、マイル戦に向きそうな血統構成のほうが、コース適性は高そうだ。

 また、現在の中京芝が「ものすごく」差せるコンディションにあるというのも、ぜひ覚えておきたいポイント。先週22日(土)などは、先行勢がほぼ全滅といっても過言ではないほどだ。傾向がガラッと変わる可能性がないわけではないが、先行勢にかなりキツい状況であるのは間違いないはず。差し&追い込み勢を積極的に買いたい。

★総論×各論

 昨年よりはナンボかマシだが、分析を行うにはまだデータが不足している面が否めない、高松宮記念。また、ストレイトガールやコパノリチャードといった新星が人気を集めそうだというのも、このレースをさらに難しく、そして面白いものにさせている。

 ここ2年はかなり堅く決着しているが、中京芝1200mが非常に波乱傾向が強いコースであるのは、前述したとおり。また、外枠が非常に有利なコースであり、さらに現在の馬場コンディションが差し優勢&外優勢であるというのも、お伝えしたとおりだ。枠番や天候については現時点では何ともいえないが、それでも「外差し」での決着が濃厚。それを前提に、各論へと入っていきたい。

 通常のスプリント戦であれば大きな武器となる先行力だが、今回に関してはそれがちゃんと機能するかどうかは微妙なところ。この時点で、徹底先行型であるコパノリチャードとハクサンムーン、レディオブオペラの3頭は、けっこう厳しい。人気馬を買うなら、ストレイトガールのように差せるタイプのほうが格段に信頼できるはずだ。

 また、完全なスプリンターではなく、1400m〜1600mあたりに適性を見せているかどうかも、ぜひチェックしておきたいポイント。極端な話、スプリンターズSで凡走しているような馬のほうが、このレースは来る可能性が高い。距離こそ同じ1200mだが、そこで要求される適性は、まるっきり異なるからである。

 以上のような理由から、ここはレッドオーヴァルサンカルロスノードラゴンマヤノリュウジンガルボの5頭を上位に評価する。正しくは「この5頭のなかで幸運にも7枠〜8枠を引き当てた馬を」である。さすがに人気の逃げ〜先行勢が全滅するとまでは言わないが、そういう結果が出ても何らおかしくないレース。馬券は「外枠から差せる人気薄の馬」から入りたい。

 人気サイドから1頭だけ取るなら「差そうと思えば差せる」ストレイトガールか。このところは1200m戦ばかりを使われているが、距離はもう少し長くても大丈夫だろうし、このコースに向きそうな血統構成の持ち主でもある。素直にここから入るのも当然アリだが、それもすべては枠番次第だ。

■日経賞(G2・中山芝2500m) フルゲート16頭/登録16頭

 宝塚記念以来となる実績馬フェノーメノが、今期はここから始動。有馬記念でその能力の高さを改めて示したウインバリアシオンに、今年に入ってから重賞で好走しているアドマイヤフライト、オーシャンブルーなど、ここもかなり面白いメンツが顔を揃える。

 実績馬が休養明けで出走することが多いレースでもあり、連闘〜中3週の詰めたローテで出走した馬は[0-1-2-36]と期待薄。ゆったりしたローテでの出走が望ましいのだが、半年以上の休養明けで出走した馬は[0-0-0-8]と全滅しており、中9週〜中24週での好走馬は、そのほとんどが1番人気馬。最も期待できるのは、中4週〜中8週での出走する馬だ。

 また、このところ人気薄の好走が目立っているのも、日経賞の特徴。昨年はフェノーメノが人気に応えたが、2着のカポーティスターが9番人気、一昨年は12番人気のネコパンチが1着。こういった人気薄での激走馬に共通するのが、じつは先ほど紹介した「中4週〜中8週」での出走であることなのである。

 今年の登録馬で、この条件を満たすのはサイレントメロディ、サクラアルディート、ダービーフィズ、トレイルブレイザー、プロモントーリオ、ラストインパクトの6頭。前走ダート戦出走馬には手を出しづらいことや、前走AJCC組が好調であることから、今年はサクラアルディートダービーフィズの2頭を、人気薄での激走期待馬にあげておきたい。

■毎日杯(G3・阪神芝1800m外) フルゲート18頭/登録18頭

 皐月賞への事実上の最終切符となる毎日杯。阪神コース改修後は一気に順当決着傾向が強くなっており、8番人気以下馬はトータル[0-1-1-46]と不振にあえいでいる。対照的に1番人気馬は[4-1-1-1]で連対率71.4%、複勝率85.7%と絶好調。昨年のキズナのように「前走でも重賞に出走していた1番人気馬」は、なんと4戦して勝率100%である。

 また、瞬発力要求度が高いコースらしく、前走での「上がり3F順位」が非常に重要な予想ファクターとなるのもポイント。これが2位以内だった馬はトータル[6-5-5-39]で複勝率29.1%、3位以下だった馬は[1-2-2-37]で複勝率11.9%と、その差は歴然だ。

 となると、扱いが難しくなるのがアズマシャトル。「前走重賞組の1番人気になる可能性のある馬」なのだが、同馬の前走での上がり3F順位は3位以下なのだ。また、ピークトラム、マイネルフロストの2頭も、この条件をクリアしておらず、強くは推しづらいところ。実績上位だけに軽くは扱えないが、少し割り引く必要はある。

 逆に「もし1番人気になれば」大いに期待できそうなのが、ラングレーステファノス。今年に関しては、こちらから攻めたほうが良さそうな印象を受ける。もっとも、大きく荒れる結果は考えづらいレースなので、バットは短めに持つのがオススメである。

■マーチS(G3・中山ダ1800m) フルゲート16頭/登録41頭

 昨年も1番人気のジョバンニが豪快に人気を裏切ったマーチS。中山での過去10年[1-1-1-6]という成績を見てもわかるように、1番人気のアテにならなさでは定評のあるレースだ。また、2番人気〜3番人気も[2-0-4-12]と低空飛行で、ここは人気薄を買ってナンボ。筋金入りの本命党にも、このレースだけは穴買いをオススメしたい。

 こんなアテになるものが少ないレースにも、ちゃんと傾向はある。昨年も強調したが、マーチSはハンデを「背負っている」組が非常に強いレースなのだ。ハンデ57.5キロ以上馬は期間内[5-2-3-10]で連対率35.0%、複勝率50.0%と、超のつく高信頼度。昨年にしても、勝ったグランドシチーと2着のバーディバーディは、いずれも58キロのハンデを背負っている。

 今年、出走が叶いそうで、しかもハンデ57.5キロ以上を背負うのは、グランドシチーバーディバーディ、ナカヤマナイトの3頭だけ。しかも、ナカヤマナイトは今回が初のダート出走である。地力が地力だけにアッサリ勝ち負けする可能性がないではないが、フツーに考えれば「消し」が正解のパターン。軸は迷わず、この2頭に設定したい。

 あとは、1番人気を見なかったことにしてキックし、人気薄に手広く流せばオーケー。ものすごく雑な馬券だが、ことマーチSに関しては、これがおそらく正解なのだ。


※高松宮記念の各データは、コース改修以後である2012年以降が集計対象。
※その他のレースについては、コース&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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