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やはり4歳馬による三強対決か!?/大阪杯

  • 2014年04月02日(水) 18時00分
■大阪杯(G2・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録11頭

【コース基本情報】阪神芝2000m内 Bコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単71%・複勝74% 上位人気〜人気薄までまんべんなく走る

・馬連万馬券出現率
 [低め] 10.5%(平均値↓1.9% 馬連平均配当4849円)

・枠番別成績(9頭〜11頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率13.7% 連対率19.8% 複勝率31.3% 複回率 67% 枠番値-0.1
 [3枠〜4枠] 勝率 9.8% 連対率24.2% 複勝率32.6% 複回率 71% 枠番値+0.3
 [5枠〜6枠] 勝率10.1% 連対率20.1% 複勝率32.1% 複回率111% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 7.7% 連対率17.0% 複勝率25.5% 複回率 64% 枠番値-0.2
 ────────────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 勝率11.8% 連対率22.1% 複勝率31.9% 複回率 69% 枠番値+0.2
 [5枠〜8枠] 勝率 8.6% 連対率18.2% 複勝率28.1% 複回率 82% 枠番値-0.1
 →7枠〜8枠がやや不振も少頭数ならば枠番をそれほど気にする必要ナシ

・脚質別信頼度
 差し>先行≧逃げ>追込 上級条件では差し脚質の馬券絡みが最も多い

・推定ラップ&タイム
 [瞬発]36.0-48.3-34.8=1.59.1 4コーナーから一気の瞬発力勝負に

 内回りに関してはリニューアル前の成績を含めてもいいとは思うのだが、一応はコース改修により内回り&外回りが新設された後である、2007年以降をデータ集計対象とした。正面スタンド前から発走して、コーナーを4つ通過してぐるっと1周するコース形態である。

 その特徴だが、ハッキリ言ってしまうと「特になし」の四文字で終わってしまう。枠番による有利・不利はほとんど見当たらず、上級条件になると差しが決まりやすくなるのも、中央場所の芝コースとしては当然の話。全体的に人気サイドが強く、馬連万馬券の出現率や馬連平均配当が低めであるのが目立っている程度だ。

 しかも、今年の大阪杯はかなりの少頭数。コレで速い流れになるとは考えづらく、序盤〜中盤までは、かなりゆったりとしたペースで流れそうだ。一団の競馬となり、勝負所から一気に加速する瞬発力勝負となる可能性が大。もともと順当決着傾向が強いコースでもあり、紛れる可能性はかなり低そうだといえる。

【レース基本情報】大阪杯(G2) 過去7年
・レース平均配当
 単勝660円 馬連5387円 3連複4434円

・1番人気馬成績
 [4-1-2-0] 勝率57.1% 連対率85.7% 複勝率100%

・3番人気以内馬成績
 [5-4-3-9] 勝率23.8% 連対率42.9% 複勝率57.1%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [2-3-4-33] 勝率 4.8% 連対率11.9% 複勝率21.4%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-0-24] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 14.3% [先行] 28.6% [差し] 42.9% [追込] 14.3%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 14.3% [先行] 33.3% [差し] 38.1% [追込] 14.3%

・性別成績
 [牡馬] 6-7-6-65 連対率15.5% 複勝率22.6%
 [牝馬] 1-0-1-1 連対率33.3% 複勝率66.7%

・年齢別成績
 [4歳馬] 4-2-2-10 連対率33.3% 複勝率44.4%
 [5歳馬] 2-3-1-18 連対率20.8% 複勝率25.0%
 [6歳馬] 1-2-4-17 連対率12.5% 複勝率29.2%
 [7歳↑] 0-0-0-21 連対率 0% 複勝率 0%
 ───────────────────────
 [5歳以下] 6-6-7-39 連対率20.7% 複勝率32.8%
 [6歳以上] 1-1-0-27 連対率 6.9% 複勝率 6.9%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 0-0-2-13 連対率 0% 複勝率13.3% 枠番値-0.4
 [3枠〜4枠] 2-1-0-15 連対率16.7% 複勝率16.7% 枠番値-0.9
 [5枠〜6枠] 2-2-4-18 連対率15.4% 複勝率30.8% 枠番値+0.6
 [7枠〜8枠] 3-4-1-20 連対率25.0% 複勝率28.6% 枠番値+0.3
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 2-1-2-28 連対率 9.1% 複勝率15.2% 枠番値-0.7
 [5枠〜8枠] 5-6-5-38 連対率20.4% 複勝率29.6% 枠番値+0.4

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-4-0-12 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [栗東] 7-3-7-53 連対率14.3% 複勝率24.3%

・前走距離別成績
 [芝1600m] 0-1-0-3 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [芝1800m] 3-2-1-19 連対率20.0% 複勝率24.0%
 [芝2000m] 0-1-0-20 連対率 4.8% 複勝率 4.8%
 [芝2200m] 1-2-2-6 連対率27.3% 複勝率45.5%
 [芝2400m] 1-1-0-1 連対率66.7% 複勝率66.7%
 [芝2500m] 2-0-3-10 連対率13.3% 複勝率33.3%
 [芝3000↑] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%
 [ダート戦] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 ─────────────────────────
 [芝2000m以下] 3-4-1-42 連対率14.0% 複勝率16.0%
 [芝2100m以上] 4-3-6-18 連対率22.6% 複勝率41.9%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 3-1-4-12 連対率20.0% 複勝率40.0%
 [中央G2] 3-4-3-11 連対率33.3% 複勝率47.6%
 [中央G3] 0-1-0-23 連対率 4.2% 複勝率 4.2%
 [OP特別] 1-0-0-16 連対率 5.9% 複勝率 5.9%
 [条件戦] 0-1-0-4 連対率20.0% 複勝率20.0%
 ─────────────────────────
 [中央G1〜G2] 6-5-7-23 連対率26.8% 複勝率43.9%
 [上記以外組] 1-2-0-43 連対率 6.5% 複勝率 6.5%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走中央G1〜G2に出走して5着以内(連対率50.0%、複勝率72.7%)
 [買い] 前走5番人気以内かつ5着以内(連対率34.4%、複勝率50.0%)
 [買い] 前走で最速上がりをマーク(連対率35.7%、複勝率42.9%)
 [買い] 4歳馬(連対率33.3%、複勝率44.4%)
 [全滅] 7歳以上馬(0-0-0-21)
 [不振] 連闘〜中3週での出走(1-0-0-29)
 [割引] 前走6番人気以下かつ3着以下(0-1-1-29)

 大阪杯は、来る馬&来ない馬のパターンが、きわめてハッキリしているレース。単勝660円、3連複4434円という非常に低い平均配当からもわかるように、近年は順当決着傾向が強くなっている。1番人気は[4-1-2-0]で複勝率100%を達成し、対照的にふたケタ人気馬は[0-0-0-24]と見事に全滅。ひねらず素直に、人気馬から買いたいところである。

 まず目につくのが、若い馬が圧倒的に強いレースであるということ。馬券に絡んでいる馬のほとんどが5歳以下であり、6歳以上馬は[1-1-0-27]と不振にあえいでいる。なかでも優秀なのが、連対率33.3%、複勝率44.4%をマークしている4歳馬。今年も人気を集めそうだが、これだけの強さを見せているとなると、下手には逆らえない。

 コースデータと大きな違いを見せたのが、枠番別成績。レースデータでは、内枠よりも外枠のほうが2倍近く信頼度が高くなっている。これは、大阪杯が少頭数かつスローでの瞬発力勝負となることが多く、外枠のほうがスムーズに流れに乗れるというのが要因と思われる。また、この時期の馬場の影響も多少はありそうだ。内枠を割り引く必要まではないが、一応は「外枠優勢」と結論づけておきたい。

 それ以外にも、前走距離別での成績差(前走2200m以上戦出走馬のほうが断然強い)や、前走G1〜G2出走馬の強烈なまでの強さなど、出走馬をふるいにかける材料には事欠かないレース。買うべき馬とそれ以外を、さまざまなファクターから事前にしっかり振り分けておきたいところである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 Aコース→Bコース替わり。内枠有利のバイアスが加速する可能性も。

・天候予測
 金曜日〜土曜日の降水確率が高く、時計のかかる馬場状態になりそう。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率18.2% 連対率28.9% 複勝率46.3%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○、シンボリクリスエス産駒▲、ハーツクライ産駒△、

 現在の阪神芝は、通常よりもやや時計のかかる馬場コンディション。外枠よりは内枠のほうが全体的に好調な印象だったが、これが今週のBコース替わりでどのように変化するかを、土曜日のうちにしっかり見定めておく必要がある。さらに内枠有利になるのか、逆に外枠からの差しが決まりやすくなるのかは、現時点では読みづらい。

 瞬発力の要求度が高いコースでもあり、産駒成績上位にはディープインパクトを筆頭とするキレ型の種牡馬がズラリと並ぶ。母父トニービンの配合馬が好調であることからも、いわゆる「ベタ良血」がキッチリ能力を発揮できるフィールドと考えていいだろう。勝ち負けに必要とされるのは、持久力よりも瞬発力である。

★総論×各論

 菊花賞で圧倒的な強さを見せたエピファネイアに、凱旋門賞でも4着に好走したダービー馬キズナ、牝馬G1を既に3勝している女傑メイショウマンボと、ここは現4歳世代が他を大きく引き離す人気となりそう。ショウナンマイティ、カレンミロティックあたりがそれに続きそうだが、完全な「三強」オッズになる可能性もありそうだ。

 当データ分析からのトップ推奨は、紅一点のメイショウマンボ。今回はこぶし賞以来となる牡馬との対戦だが、あらゆるファクターでプラス評価を獲得と、データ的には文句なしに「買い」といえる1頭。割り引く材料はまったく見当たらず、過去にダイワスカーレットやカワカミプリンセスが好走しているように、牝馬であるのも気にする必要ナシ。どのようなレースを見せてくれるか、じつに楽しみである。

 二番手に、菊花賞馬エピファネイア。こちらも割引材料はいっさい見当たらない出走パターンなのだが「前走で最速上がり」という条件を満たしてない分、メイショウマンボのほうが上の評価となった。ただし、血統面などはこちらのほうが当然ながら高評価であり、差はほとんどない。馬体も仕上がりすぎるほど仕上がっており、阪神芝でも2戦2勝と好相性。好走して当然といえる背景の持ち主だ。

 ダービー馬キズナは三番手評価。能力的には上位2頭と比較してもまったく遜色はないのだが、凱旋門賞以来となるローテがどう出るかは未知数。瞬発力勝負に対する適性は登録馬のなかでも一二を争う存在だが、約6ヵ月もの休養明けとなると、やはり仕上がりについて若干の不安は残す。パドックでの気配や馬体重次第では、ここは思い切って「消し」で勝負するのもアリかもしれない。

 以下は完全にどんぐりの背比べだが、昨年の2着馬で瞬発力勝負への適性が非常に高いショウナンマイティを四番手に。そして「前走G2組」で馬場のいい阪神へのコース替わりがプラスに出そうなカレンミロティックが五番手と、何の面白味もない無難な評価順となってしまった。評価だけならビートブラックが四番手評価なのだが、こちらは1年2ヵ月ぶりという超・長期休養明け。距離もやや短い印象で、評価を下げている。

 馬券は、多少なりとも高い配当が期待できそうな「メイショウマンボ軸」での勝負を現時点ではオススメしたいところ。あとは、スムーズな追走が可能となる外枠にどの馬が入るかによっても、評価を微調整する必要がありそうだ。もっとも、今年の登録メンバーだと8割がたは堅い決着で、あってチョイ荒れ程度のはず。くれぐれも、シュアなバッティングを心がけたい。

■ダービー卿CT(G3・中山芝1600m) フルゲート16頭/登録24頭

 今週の重賞で高配当を狙うなら、大阪杯よりも断然こっちがオススメ。中山での過去10年、2番人気以内馬がトータル[1-1-2-14]と豪快に飛びまくっているという、穴党にうってつけのレースである。しかも、現在の中山芝は、かなりパワーが要求される馬場状態で、ディープインパクト産駒などの「瞬発力型」が蹴飛ばしやすい状況。高配当出現の期待がおのずと高まってくる。

 ダービー卿CTが荒れる要因となっているのが、前走G1〜G2出走組の大不振。今年もアユサンやダイワファルコンあたりが相応の人気を集めそうだが、こちらはトータル[1-0-3-23]とサッパリの成績である。ここを徹底的に嫌いつつ、最もアテになる「前走芝マイル戦出走組」を中心に買い目を構築したいところだ。

 なかでも信頼度が高いのが、「前走芝マイル戦3着以内」で、さらに「前走5番人気以内」という条件を満たす馬。今年出走してきそうな馬のなかでは、インプロヴァイズマウントシャスタレッドアリオンの3頭が、この条件をクリアしている。いずれも前走で重賞以外に出走しているが、これも当レースでの好走条件のひとつである。

 この3頭以外ではトリップワキノブレイブの2頭も買う価値アリといえる背景の持ち主。あとはやはり、実績上位の前走芝マイル戦出走馬であるコディーノも、押さえておく必要はありそうだ。筆頭評価は、血統的にもパワーの必要な馬場に向きそうなレッドアリオン。ここから、前述の相手5頭へと流す馬券を、現段階では推奨しておきたい。

※大阪杯のコース&血統データ、ならびにレースデータは2007年以降が集計対象。
※ダービー卿CTのレースデータは中山での過去10年分が集計対象。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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