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皐月賞を考えていたら、ミッキーアイルにすがることになりました。

  • 2014年04月17日(木) 12時00分


当コラム恒例、皐月賞吉例! 社台系なぞなぞー! わーー!!

「今年の皐月賞はどの社台系生産牧場が馬券圏内を2つ独占するでしょう?」

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♯1 社台ミステリーのおさらい
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「サンデーサイレンス亡きあとの7年、皐月賞は社台イマジネーションでアプローチすると面白い」と、ここ4年ず〜っと書いてきた。ず〜っと書けるということはず〜っとつづいているからであり、今年もこのなぞなぞができることを大変喜ばしく思っている。

「皐月賞07〜13年の1着〜3着馬の生産牧場と馬主」(非とは、非社台生産という意味)
基本的にはノーザンFと社台Fのどちらかが2頭ずつ馬券圏内に馬を送り込んでいるのがわかる。

07年
1着 ノーザンF 個人馬主
2着 非 
3着 ノーザンF 個人馬主

08年
1着 社台F 会員様(社台RH)
2着 社台F 会員様(社台RH)
3着 非  

09年
1着 ノーザンF 会員様(サンデーR)
2着 ノーザンF 会員様(キャロット)
3着 非 

10年
1着 社台F 個人馬主
2着 非 
3着 社台F 個人馬主

11年
1着 白老F 会員様(サンデーR)ノーザン系
2着 白老F 個人馬主(育成はノーザン)ノーザン系
3着 非    

12年
1着 非
2着 ノーザンF 会員様(サンデーR)
3着 ノーザンF系 会員様(サンデーR・生産は非のパカパカF。それをノーザンが育成)

13年
1着 社台F 吉田照氏名義(会員系)
2着 ノーザンF 会員様(キャロット)
3着 ノーザンF 会員様(サンデーR)

07年〜10年までは、生産は「ノーザンF」と「社台F」、馬主は「会員系」と「個人馬主系」、この組み合わせで(4パターン)、きれいに順繰りに2頭ずつ馬券圏内に入った。
その4パターンが終わって、11年はどうなるかと思っていたら、社台グループの3番手の白老F生産の2頭が馬券圏内に入った。

もう唸っちゃったね。こんときはさすがに唸りきったね。
順繰りにもほどがあるし、そもそも白老F生産馬が2頭強い馬を送り込んでいることにも驚いた。
(この年は合計3頭の白老F生産馬が出走していた)

その後も「同一の社台系2頭が圏内」という決め事を守りながら、1つとして同じパターンを採用することなく、7年連続でこの傾向はつづいている。

お見事! ブラボー! としかいいようなし。
で、なぞなぞ。

今年、馬券圏内を2頭勝ち取るのはどっち?
どっちとは、もちろんノーザンFと社台Fのどっち?

以下は今年登録されている社台系の馬たち。

ノーザンF 会員様「キャロット」
トゥザワールド   川田
バウンスシャッセ  北村宏
ステファノス    後藤

ノーザンF 個人馬主
トーセンスターダム 武豊
ベルキャニオン   福永

外国産 個人馬主(もしかしたらノーザンFが協力している?)
アジアエクスプレス 戸崎

社台F 会員様「社台RH」
ロサギガンティア  善さん
イスラボニータ   蛯名(生産は白老F)
キングズオブザサン 浜中

白老F 個人馬主
アデイインザライフ 田辺

ノーザンFは5頭(アジアエクスプレスを加えると6頭)、社台Fは3頭。
今年も複数頭出しで、2頭以上食い込める準備は万端だ。

社台F・社台RHはフジキセキ産が2頭、ノーザンF・個人はディープインパクト産が2頭だから、いっしょに来られてもカンタンに説明がつけられる。

ノーザンF・キャロットはキンカメ・ステイゴールド・ディープと別の意味でバランシーで、ノーザンF・キャロットと絡めるとカンタンに2:1の構図は完成する。

ノーザンF・キャロットのキンカメは実績的に1、2人気必至のトゥザワールドで、他2頭は牝馬のバウンスシャッセと実績的には他のディープインパクト産より弱いステファノスだから、トゥザワールド1頭に絞れなくはない。いやここから2頭が馬券圏内に入ったら面白いっちゃー面白い。でも、まあ、ここは便宜上トゥザワールド1頭にしてみる。

トゥザワールドが強いと想定できれば、あとは楽チンだ。

「社台F・社台RHのロサギガンティア・イスラボニータの2とトゥザワールドの1で2:1」
「ノーザンF・個人のトーセンスターダム・ベルキャニオンの2とトゥザワールドの1で2:1」

社台RHの馬は6年前に2頭馬券に入って以来ご無沙汰だから、そろそろ巻き返すと捉えれば、
「ロサギガンティア・イスラボニータとトゥザワールド」
これでいいとも思えなくもない。

とはいえだ。
去年は社台系だけで馬券圏内を独占したけれど、それまでは常に非社台系から1頭圏内に飛び込んでいた。ここもけっこう大事なポイントだ。毎年のようにノーザンFも社台Fも複数頭を送り込んでいるのに、そこをかいくぐる馬がそれまでは毎年1頭現れていたからだ。

今年の非系出走馬
ワンアンドオンリー・ラジオNIKKEI1着 弥生賞2着
ウインフルブルーム・朝日杯3着・シンザン記念2着・若葉S2着
アドマイヤデウス・若葉S1着
クラリティシチー・東スポ杯3着・スプリングS3着
タガノグランパ・シンザン記念3着・アーリントン2着・ファルコンS1着
スズカデヴィアス
コウエイワンマン
クリノカンパニー

3着以内と考えれば、今年は、いや今年も頑張れそうな馬が非系にいっぱいいる。
皐月賞の前走は「弥生賞・スプリングS・若葉S」が主流で、ときどき共同通信杯や京成杯が絡む感じだ。
そう考えれば、ワンアンドオンリー、ウインフルブルーム、アドマイヤデウス、クラリティシチーらが馬券圏内に飛び込んでも驚けない。

つまり非系1:社台系2でもありなわけだ。
社台系をノーザンFにするか、社台Fにするかが決まれば、あとは非系に流す方法もありってことだ。

てなことを考えていたら、頭はさらに混乱してきた。
今年は今までにない新しいパターンとして、非系2:社台系1だっていいんじゃないか!?
とも思えてきたからだ。

だから一旦、休憩してみる。

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♯2 今走1〜3人気馬と前走1人気1着馬は、どちらも1頭は馬券圏内に入る傾向あり
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1番人気〜3番人気の馬が1頭は馬券圏内に入っている。

予想では今のところ、
1人気 トゥザワールド(ノーザンF・キャロット)
2人気 トーセンスターダム(ノーザンF・個人)
3人気 ワンアンドオンリー(非)
4人気 イスラボニータ(白老F・社台RH)

3人気以内が有力な4頭を見たけれど、ちょっとずつ生産と馬主が違う。
上手いこと混ぜ込まれているなぁ〜。

ではこちらではどうだ?
過去10年で、前走1人気1着馬が存在する年は必ず1頭は馬券圏内に入っている。
去年はロゴタイプ1頭が該当したけれど、ちゃんと1着した。

ちなみに過去10年で前走1人気1着馬がいなかった年は2回だけ(08年と04年)。
その他の8回にはちゃんといて、1頭は必ず馬券圏内にいた。

自分は3歳戦では、前哨戦を1人気で1着する馬をわりかし重視する。同世代戦では力の違いの判断材料になると思っているからだ。実際、皐月賞に限らずダービーでも菊花賞でもNHKマイルでも、そこそこ使えている。ここのコラムでは2年前のNHKマイルで使用して成功した。

今走1〜3人気の馬チェックでさらに混乱したので、今度は前走1人気1着馬で整理してみる。

前走1人気1着馬
トゥザワールド 弥生賞
イスラボニータ 共同通信杯
タガノグランパ ファルコンS

該当馬は3頭。
過去10年、30頭の皐月賞馬券圏内馬の前走レースを見ると、
1位 弥生賞   12頭
2位 スプリングS 8頭
3位 若葉S    6頭
4位 共同通信杯 3頭
5位 京成杯   1頭

過去10年、馬券圏内に入った前走1人気1着馬の前走レースは
1位 弥生賞    4頭(2-1-1-3)←該当馬の成績
2位 スプリングS 3頭(3-0-0-1)
2位 若葉S    3頭(1-1-1-1)
4位 共同通信杯 1頭(0-0-1-0)
4位 京成杯   1頭(0-0-1-1)

前走レース的には弥生賞組が一番健闘していて、「弥生賞>スプリングS>若葉S」な感じで分類できるけれど、
前走1人気1着馬だけに絞ると差が縮まるのがわかる。むしろ弥生賞1人気1着馬は着外率もそれなりのこともわかる。
どのレースでも(もちろん重賞や、それに準ずるレースに限るけれど)、1人気1着にはそれなりの価値があることがわかる。

つまり弥生賞のトゥザワールドか共同通信杯のイスラボニータのどちらかを3連系の軸にすれば、
限りなく的中に近づけるというわけだ。

トゥザワールドはノーザンF・キャロット
イスラボニータは社台F・社台RH

おっと、どちらも今走で1〜3人気になりそうな馬じゃないか!
これは頼りになりそうだ!
でも、結局ノーザンFか社台Fの2択か!?

上手くできてるなぁ〜〜〜って、タガノグランパを忘れていた! 前走ファルコンSを1人気1着したタガノファルコンをナイガシロにしてしまった。

いいのだろうか? 仮にも重賞1人気1着ホースだ。なんの敬意も示さずにカンタンにナイガシロにしていいのだろうか?

たしかに前走ファルコンS馬は皐月賞で馬券圏内に入ったことはない。
でも、そもそもファルコンSは中京1200の重賞だった。次走皐月賞を選ぶ馬がいるはずない。ましてや1人気で1着するような馬はきっとNHKマイルに向かうはずだ。過去歴に登場しなくて当たり前だ。

ファルコンSが坂のある中京1400になったのは3年前から。
そのファルコンSを1人気1着したのは今年のタガノグランパが初めてだった。

いいのだろうか?
マイラーでしょ……で、むげにしていいのだろうか?

そういえば、タガノグランパは新馬を勝った2戦目に朝日杯を戸崎で出走しようとしていた。
抽選馬なのに戸崎を確保していたことに松田博師の期待を感じずにはいられなかった。残念ながら除外されたけれど、その替わりにラジオNIKKEIに出走してきた。騎手は北村友だったので、少し拍子抜けしたのは事実だけど、上がり1位で5着した。ワンアンドオンリーの0.3差。2戦目を考えれば上等とも言える。

その一戦だけで距離不安を感じるには早計に思えたけれど、その後の出走レースを見るとマイル路線にシフトチェンジしたかのようには見える。

1600(シンザン記念)3着→1400(500万特別)1着→1600(アーリントン)2着→1400(ファルコンS)1着

しかし皐月賞に登録してきた。
松田博師は「NHKマイルを逆算するとローテ的にちょうどいい」と言いつつ、
「控えるレースを覚えて内容がよくなったから、距離は持つ」ともコメントしている。
おまけに「今年のメンバーならそうヒケは取らない」とも。

ハープスターを擁する松田博師だけに『今年のメンバーなら』にも説得力がある。
もし、100%マイル路線を歩むのならば、先週のNZTでもよかったはず。しかし、皐月賞に出走。ハープスターはダービーではなくオークスに出走しそうで、タガノグランパで本気でダービーを目指している可能性もあるのではないか?

とはいえ、現状の成績では表向きはマイル路線としかいいようがない。関係者を説得するには皐月賞での好走は不可欠だろう。

ムムム。なんだかナイガシロにしにくくなってきたぞ。
どうしたことだ?

そういえば前走のファルコンSは後方に控えて、大外から差し切った。
これって、ハープスターと同じではないか? 松田博厩舎の十八番だ! ついにマスターしたか!? マツパク・スペシャリティを!!

これで角4競馬が初めてというのなら、不安の方が大きいけれど、2戦目で経験ずみ。上がりも1位だった(6戦中4回上がり1位)。皐月賞に上がり1位がどこまで武器になるかわからないけれど、その馬のポテンシャルを計る上では目安にはなるはずで、適性はともかく力があるのはわかる。

では騎手はどうなんだ?
朝日杯では戸崎だったのだろう? 失礼ながら戸崎と石橋脩では差があるぞ!

でもその回答もカンタンだ。
アドマイヤムーン、ドリームパスポートの2頭出しで臨んで、1人気アドマイヤムーンは4着、10人気ドリームパスポートは2着だった。ムーンは武豊、ドリパスは高田だった。

控える競馬をして、最後は大外に出せ。
この指示ならば騎手はそれほど問わないのかもしれない。人気があるのならば別だけど、人気はおそらく皆無(予想16人気!ひゃっほー!)。

ドリームパスポートと書いたけれど、ビジネスモデルは武幸騎手で最後方系から2着したトライアンフマーチでどうだろう。
トライアンフマーチは皐月賞を追い込んで2着したけれど、その後はパッとせず、秋以後、マイル路線に変更して、再び活躍した。
マイラーが皐月賞では用無しとは決めつけられないというサンプルだ。

距離不安はあったとしても、展開次第ではまだわからない!
タガノグランパは前記したようにド人気薄! これなら待てる。まだわからないと断然待てる。

おっと、ナイガシロにするはずなのに、いつの間にかムキになってしまった。ひ〜。

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♯3 どの馬が逃げるのだろう?
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結局、バンドワゴンの回避で展開は決めつけられなくなった。
おそらくバンドワゴンの回避を喜ぶ陣営、残念がる陣営それぞれだろう。
そのくらいバンドワゴンの存在は流れを読むのに役立ったはずだ。

しかし、回避で流れはわからなくなった。先週の桜花賞のフクノドリームの逃げを読めたとしても、あそこまで引き離す逃げは読めなかったけれど、あれ以上だ。

完全なる逃げ馬がいない今年はどの馬が先導するのだろう?
ウインフルブルームか? だとしたらスローになるとは決めつけられない。ディープインパクト産の瞬発力を削るような逃げを打つかもしれないからだ。

騎手で、逃げがあり得るのは松岡か江田照か。松岡ならミドルで飛ばすかもしれないし、江田照ならスローに落とすかもしれない。
馬群がギュッと詰まって展開するかもしれないし、縦長で展開するかもしれない。
こういう時は決めつけずに決めつけるしかない。

決めつけずに決めつける。要は人気馬の戦法やペースや展開は決めつけずに、人気薄の戦法は決めつけて、一か八かを狙おうという戦法だ。

たとえば前走、弥生賞で勝ったとはいえゴール前でワンアンドオンリーに詰め寄られたトゥザワールドは、今回は仕掛けを一歩遅らせるかもしれない。逆にもうちょっと前につけて、前走よりもさらに一歩早く仕掛けるかもしれない。

1人気がトゥザワールドになるか、トーセンスターダムになるかわからないけれど、レースでマークが集まるのは後方にいる可能性のあるトーセンスターダムより、中団にいそうなトゥザワールドだろう。
この馬とこの馬をマークしている馬の動き方で、レースは前傾にもなるし、後傾にもなるのではないか。

他にも距離不安をなんとなく抱えている陣営もいる。そういう陣営は仕掛けをできるだけ遅らせたいのではないか?
ダービーが本番の陣営もいる。目標はあくまでもダービーならばそれほど強引な競馬はしないかもしれない。
逆にダービーに出走するためにどうしても4着以内が欲しい陣営もいるはず。4着の拾い方もそれぞれだろう? 早く仕掛けての粘り込み、遅くしかけての突っ込み。

だからペースも仕掛けどころも決めつけない。
決めつけないで決めつけてみる。

もし、仕掛けが早くなったら後方にいそうな馬でも間に合う?
もし、みんなが仕掛けを我慢したら、先行する馬が粘り込む?

前か後ろ。

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皐月賞注目馬
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前方系注目馬
ウインフルブルーム…本当はバンドワゴンの番手につけたかったのではないか? ただバンドワゴン回避で前方は少し弛みそうだ。別の馬の番手につけての早めの仕掛け(柴田大の得意技)がハマるか? ハマらないか?

後方系注目馬
タガノグランパ…逆に3角から仕掛け合戦が繰り広げられれば、「後方で折り合わせて、外に出せ!」が功を奏すかもしれない。いくつもの条件が揃わなければいけないとしても、16人気ならば買える。

おっと、奇しくもミッキーアイルに負けた2頭に注目してしまった。
こりゃダメかな?
いや、ミッキーアイルがとてつもなく強い馬だったってことでなんとかならないかな?
っていうか、もはやそこにすがるしかない!
頼むぞ!ミッキーアイル!って何のこっちゃ!

クラリティシチー…タガノ同様に距離持つか半信半疑の模様。つまり後方待機の可能性あり。ゴールドシップというより、エイシンフラッシュ的差しで。

雨なら
ワンアンドオンリー
岩田だし
アドマイヤデウス

おっと、奇しくも注目馬がみんな非系になってしまった。
どうせなら今までにないパターン・非2:社台1にでも期待しようかな?

一応・トゥザワールド&イスラボニータ…どちらも前走1人気1着だし、3人気以内に入りそうだし…。どちらも3着っぽい気がする。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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