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基本はやはり外枠軽視!/フローラS

  • 2014年04月23日(水) 17時59分
■フローラS(G2・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録29頭

【コース基本情報】東京芝2000m Aコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単65%・複勝84% アタマは堅いがヒモは紛れる傾向アリか

・馬連万馬券出現率
 [やや低め] 10.1%(平均値↓2.3% 馬連平均配当7257円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 勝率 5.1% 連対率12.3% 複勝率23.9% 複回率141% 枠番値+0.6
 [4枠〜6枠] 勝率 9.6% 連対率16.2% 複勝率19.1% 複回率 88% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 2.6% 連対率 6.1% 複勝率 8.8% 複回率 39% 枠番値-0.9
 →やはり極端なまでに外枠不利。内枠の期待値の高さが目立つ結果に。

・脚質別信頼度
 差し>先行>>追い込み>逃げ 1着馬における差し脚質のシェアは圧倒的

・推定ラップ&タイム
[瞬発]36.5-50.9-34.6=2.02.0 序盤〜中盤は非常に遅くなることも

 天皇賞・秋なども行われる東京芝2000m。中山芝1600mと並んで、競馬ファンに「外枠不利」の代名詞的存在として知られるコースである。その原因となっているのが、スタート直後にコーナーが来るという特殊なコース形態。外枠から前々のポジションを取りに行くのは、難しくて当たり前といえる。

 実際にデータを見ても、外枠の不利さは明白。16頭立て以上のレースに限定しているので母数が少ないが、それでも連対率ベースで約8%ほど、複勝率ベースの比較では10%以上ものビハインドを、内枠〜中枠に対して抱えると考えていい。また、枠番値が非常に低いことから、人気を裏切るケースが多いのも見てとれる。「内枠の人気薄」を積極的に狙っていきたいコースだ。

 序盤〜中盤の流れが緩く、しかも最後の直線が長いというコース形態なので、当然ながら差し脚質が優勢。ハイペースではフツーに差し馬が来るし、スローペースになったらなったで、今度はダンゴ状態での瞬発力勝負となり、やはり差し馬が来るという前に厳しいコースなのである。とくに勝ち馬に関しては、迷わず「キレのある末脚を使える差し脚質」から選ぶべきである。

【レース基本情報】フローラS(G1) 中山過去10年
・レース平均配当
 単勝855円 馬連1万4179円 3連複4万151円

・1番人気馬成績
 [5-1-0-4] 勝率50.0% 連対率60.0% 複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-5-3-15] 勝率23.3% 連対率40.0% 複勝率50.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [2-4-4-50] 勝率 3.3% 連対率10.0% 複勝率16.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-3-77] 勝率 1.2% 連対率 2.4% 複勝率 6.1%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 40.0% [差し] 40.0% [追込] 20.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 13.3% [先行] 33.3% [差し] 46.7% [追込] 6.7%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 4-6-3-45 連対率17.2% 複勝率22.4% 枠番値+1.4
 [4枠〜6枠] 3-4-3-50 連対率11.7% 複勝率16.7% 枠番値-0.4
 [7枠〜8枠] 3-0-4-47 連対率 5.6% 複勝率13.0% 枠番値-1.0
 ─────────────────────────────
 [01番〜09番] 6-7-4-72 連対率14.6% 複勝率19.1% 枠番値+0.5
 [10番〜18番] 4-3-6-70 連対率 8.4% 複勝率15.7% 枠番値-0.5

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-5-6-78 連対率10.6% 複勝率17.0%
 [栗東] 5-5-4-58 連対率13.0% 複勝率18.2%

・前走距離別成績
 [芝1400m] 1-0-0-10 連対率 9.1% 複勝率 9.1%
 [芝1600m] 0-1-3-26 連対率 3.3% 複勝率13.3%
 [芝1800m] 7-5-3-49 連対率18.8% 複勝率23.4%
 [芝2000m] 2-4-2-46 連対率11.1% 複勝率14.8%
 [芝2200m] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2400m] 0-0-2-1 連対率 0% 複勝率66.7%
 [ダート戦] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 0-0-1-3 連対率 0% 複勝率25.0%
 [中央G2] 1-0-0-3 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [中央G3] 4-3-2-37 連対率15.2% 複勝率19.6%
 [OP特別] 1-1-0-20 連対率 9.1% 複勝率 9.1%
 [500万下] 2-5-4-52 連対率 11.1% 複勝率17.5%
 [未勝利] 2-1-3-22 連対率10.7% 複勝率21.4%
 [新馬戦] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%

・注目出走パターン
 [買い] 前走1番人気かつ3着以内(連対率28.6%、複勝率32.1%)
 [買い] 前走芝1800m戦でひとケタ人気かつひとケタ着順(複勝率31.1%)
 [買い] 1枠〜4枠に入った馬(複勝率20.5%、複勝回収率150%)
 [不振] 前走マイル以下戦出走馬(連対率4.8%、複勝率11.9%)

 過去10年のうち8回が単勝3ケタ配当で、単勝平均配当は855円と低めの水準。しかし、馬連平均配当1万4179円 3連複平均配当4万151円とこちらは平均をゆうに上回っており、かなり「ヒモ荒れ」傾向の強いレース。人気や配当傾向からは「人気馬+超人気薄」の2頭軸から流す3連単や3連複をオススメしたくなる。

 枠番別成績からは、コースデータからの分析と同じく「外枠軽視」という結論となりそう。まったく来ないわけではないのだが、フローラSを7枠〜8枠から勝った3頭はいずれも2番人気以内であり、これ以外の連対例はゼロ。人気薄に関しても分が悪く、やはりここは大きく割り引いたほうがいい。対照的に絶好調なのが内枠で、1枠〜3枠は枠番値+1.4という非常に高い数値をマーク。人気も穴も、積極的に買うのが正解だ。

 距離別成績から注目したいのが「前走1800m戦出走馬」で、連対率、複勝率ともにぶっちぎりの高さ。前走でマイル以下戦に出走していた馬は全体的に不振であり、1800m以上戦からのローテであるのは必要条件といえる。また、前走クラスに関しては不問であるのも、フローラSの特徴。さすがに新馬戦の直後だと分が悪いが、未勝利戦からでも平気で上位に突っ込んでくる。「格より勢い」といえそうだ。

 さまざまなパターンから上位に好走できるレースでもあり、買い&消しパターンはかなり少なめ。データ分析の原稿で述べるのもどうかと思うが、とくに穴馬のチョイスは過去のパターンにとらわれず、柔軟な思考で行うべきであろう。このレースで断言できるのは「外枠はやっぱりダメ」くらいのものだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開催替わりでAコース。開幕週でもあり馬場コンディションはかなりいいはず。

・天候予測
 天候が崩れるとしても週明けから。日曜日までは降雨を気にする必要なし。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率23.3% 連対率34.0% 複勝率42.7%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○

 開幕週でもあり、馬場に関しては気にする必要なし。天候もよさそうで、パンパンの良馬場でのスピード勝負となりそうだ。ただし、中山でも見られたパワー型馬場へのシフトが東京でも起こる可能性はゼロではなく、土曜日の馬場傾向はしっかりチェックしておきたいところだ。

 血統に関しては、コース形態やコースデータからも、ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒に代表される「キレ型優勢」であるのが明白。シンボリクリスエス産駒が[3-11-5-64]と勝ちきれていないところにも、その影響が色濃くうかがえる。血統で狙うなら、素直に「キレ型サンデー系」を重視するスタンスがもっとも効率がいいだろう。

★総論×各論

 フルゲート確実な登録頭数ながら、賞金的に出走が確実なのは29頭中7頭。つまり22分の11での抽選となり、出走馬が非常に読みづらい。推した馬が除外の憂き目にあったとしても、そこはどうかご容赦を。

 まずは、マジックタイムの扱いから。実績上位であるのは言うまでもなく、しかも現3歳牝馬は「勢力図に変化がない」世代。また、フローラSは人気馬がキッチリ結果を出しているレースでもあり余計にケンカは売りづらいのだが、「芝1600mのクイーンCから中9週」というローテは気になるところ。同じ人気馬なら、「1800mのフラワーCから中4週」のマローブルーマイネグレヴィルのほうが、データ的には格段に信頼度が高い。

 そして、出走が叶えば人気を集めそうなイサベルも、けっこう危なっかしい気配を感じる1頭だ。昨年のデニムアンドルビーを彷彿させるプロフィールの持ち主だが、こちらは未勝利を勝ち上がったばかりの1戦1勝馬。そして、キャリア3戦未満でこのレースを制した馬は、過去10年で1頭もいない。キャリアの浅い馬を狙うなら、キャリア1戦ではないぶん、マリアライトのほうをオススメしたいところだ。

 あとは、かなりペースが遅くなりそうという理由から、人気薄かつ先行できそうなトシザキミブライティアスターブランネージュの3頭に注目。このコースだとサクッと差せてしまうのでアタマは厳しそうだが、2着〜3着候補としては十分「買い」といえる。

 あとは、なんといっても枠番である。外枠はよほどの人気馬でないと買う価値はなく、逆に内枠であれば、かなりの人気薄であっても買う価値アリ。馬券については「人気薄が1頭は絡む」と決め打っての3連単や3連複フォーメーションを、現時点では推奨しておきたい。

■マイラーズC(G2・京都芝1600m外) フルゲート18頭/登録29頭

 開催時期とコースが変更されて今年で3年目となるが、阪神時代が長かったためか、いまだに違和感を覚える京都芝1600mでのマイラーズC。過去2年は1番人気、2番人気がともに馬券圏内を外すという結果で、ふたケタ人気馬の激走こそないものの、波乱傾向の強さはなかなかのものだ。

 目立っているのが逃げ・先行勢の強さで、4コーナー10番手以下の位置取りだと[0-1-0-15]と苦戦必死。馬場コンディションがいい時期に開催されるレースであり、そうそう簡単には前が止まってくれない。差し脚の鋭さで人気を集めるようなタイプは、少し割り引いて考えたほうがいいレースといえそうだ。

 開催条件変更後、6歳以上馬の不振が目立っているのも特徴。5歳以下馬がトータル[1-2-2-15]に対して6歳以上馬は[1-0-0-15]と、若くてイキのいい馬のほうが信頼度は高い様子である。もっとも、過去2年のデータなどまったくアテにはならないので、過信は禁物。それでも、一応の目安程度にはなる。

 以上のいたってシンプルな理由から、人気サイドで危なっかしいのがラトルスネーク。また、意外に人気を集めそうなフィエロも、データ的にはそれほどオススメはできない。逆に「買い」と思われるのが、カオスモスエールブリーズのダービー卿CT好走組。ここも人気は集めるだろうが、人気が割れてかなり美味しいオッズとなる可能性もありそう。少なくとも、先行勢重視の姿勢で臨むほうがベターであるのは間違いない。

■福島牝馬S(G3・福島芝1800m) フルゲート16頭/登録17頭

 昨年はオールザットジャズが1番人気で連覇と、福島の重賞らしからぬ結果が続いている福島牝馬S。しかし、この結果を含めても1番人気馬は[3-0-1-5]と信頼度はイマイチで、3番人気以内馬も[5-1-4-17]とアテにはしづらい。そろそろ荒れ頃と見て、ブンブン振り回していくのもアリと思われる。

 7番人気以下で馬券に絡んだ馬は、過去10年で9頭。これらに共通するのが、前走で6着に凡走していることだ。前走5着以内、かつ当日7番人気以下という条件を満たした馬はのべ24頭いるが、トータル[1-0-0-23]と低空飛行。対照的に、これが前走6着以下になると、[2-3-3-57]と激走率がグッと向上する。

 また、先行勢が非常に強いのもこのレースの特徴で、4コーナーを5番手以内で回れるようだと理想的。10番手以下に置かれてしまうと、その時点で2着〜3着に来るのが精一杯となる。あとは、斤量53キロ以下馬が[1-0-4-41]と不振であるのも、ぜひ覚えておきたいポイントといえる。

 となると、今年の登録馬で人気薄での激走が期待できそうなのは、アグネスワルツクラウンロゼセキショウの3頭。蓋を開けてみたら意外に人気でガッカリ……というケースもなきにしもあらずだが、この3頭のうち当日「7番人気以下」だった馬を、ここではオススメ馬としておきたい。

※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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