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ラキシスの6戦とスマートレイアーの6戦

  • 2014年05月15日(木) 12時00分


「ディープインパクト産か、前走牡牝混合戦重賞出走馬か?」

今回の出走メンバーとヴィクトリアマイルの過去歴を見たら、この2択でどうしようもないのではないか? そう思えてきた。

ディープインパクト産は2年前2着3着、去年1着と産駒が出走し始めて毎年馬券に絡んでいるし、前走牡牝混合戦出走馬は過去8年で6勝もしている。
これはもはや自分が改めるまでもなく定番、定石だろう。

定番や定石と聞けば、ついついヘソを曲げがちな自分だけど、今回ばかりはそこから目をそらしては当り馬券にはありつけない? そう思うくらい今年はディープインパクト産と前走牡牝混合重賞出走馬が揃っている。
っていうか目をそらさずに凝視していたら、2頭の馬にすぐに釘付けになってしまった。

ディープインパクト産7頭
ヴィルシーナ
ウリウリ
エバーブロッサム
キャトルフィーユ
スマートレイアー
デニムアンドルビー
ラキシス

前走牡牝混合戦重賞出走馬5頭
ストレイトガール 高松宮
デニムアンドルビー ドバイシーマクラシック
ホエールキャプチャ 東京新聞杯
メイショウマンボ 大阪杯
ラキシス 中日新聞杯

ディープ&混合重賞どちらにも該当する馬2頭
デニムアンドルビー
ラキシス

よし、決まった!
デニムアンドルビーとラキシスだ!

この2頭はディープ&混合重賞に属するだけでなく、脚質がデニムアンドルビー・後方系、ラキシス・先行系とはっきりしていて、そこが便利だ。
この2頭を買っておけば、どういう流れになっても、なんとかなりそうな期待を抱かせてくれる。
うん、間違いない! 今年は合成作戦で大丈夫なはず。デニムアンドルビー&ラキシスだ……長いな…デニムアンド&ラキシスだ。

なんかあまりに簡単に決まりすぎて、罠のような気がしないでも……いや、簡単に接近遭遇=罠、長考で接近遭遇=正解…そんな単純なものではないはず。実際、短考でも長考でも当るときは当るし、外れるときは外れる。

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デニムアンドルビーはアリかワナか?
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デニムアンドルビーは前走が外国で、逃げて10着に負けた。
10着は負け過ぎのように思えるけれど、約4ヶ月の休み明けだったことを思えば情状の余地はある。
過去ブエナビスタも有馬記念以来3ヶ月の休み明けでドバイワールドCに出走して8着に負けた。けれど、そこから巻き返してヴィクトリアマイルでは2着した。

そもそもドバイで好勝負する牝馬はみな年明けに1戦使った馬ばかりだ。
あのジェンティルドンナも去年のシーマクラシックを4ヶ月の休み明けで臨んで2着だった。2着は立派だけど、完敗とも言える2着だった。その反省からか今年は京都記念を使った。で、再びシーマクラシックに出走し、今度は完勝した。

遠い異国の地をまたいでの叩き2戦目。うむ、情状の余地はいっぱいだ。

とはいえ、今まで逃げたことのなかったのにシーマでは逃げて、しかも負けたのは事実。
デニムアンドルビーの競馬観というか、デニム感というか、ルビー感というか、そういったものが変わっていないか心配ではある。
デニムアンドダイヤになられてもそれはちょっと違うはずだ。デニムアンドルビーだから成立するバランスはあるだろう。牝馬はいくら強い馬でも一旦走る気をなくすと、元に戻すのがなかなかにやっかいだ。だから心配は心配だけど、でもこれっばっかりは今、あれこれ巡らせてもどうしようもない。それにデニムは、ドバイのデューティフリーで7着に負けたウオッカを立て直して、ヴィクトリアマイルで1着させた角居厩舎の馬だ。取りあえずはそこを信じるしかあるまい。

おそらく今回は差しに回るはず。日本の馬場で、しかも1600なら、あれこれしなくても自然に差し競馬ができるのではないか?

東京競馬場は1-1-1-0。
G2フローラS 1着
G1オークス 3着
G1ジャパンカップ 2着

内容も濃い。
1600は新馬2着のみだけど、東京2000のフローラSで常識破りの勝ち方をした馬だ(18-18-16-5で1着した。東京競馬場で3角からの大マクりは掟破り!)。問題あるまい。

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ラキシスの6戦とスマートレイアーの6戦
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ラキシスは年明け3戦目で、そこが頼もしい。まるでヴィクトリアマイルを逆算して使われてきたかのような使われ方だ。

年明け初戦 京都記念G2(牡牝混合) 先行して4着(0.3差)
年明け2戦目 中日新聞杯G3(牡牝混合)先行して2着(ハナ差)

京都記念はジェンティルドンナ、トーセンラーといったG1ホースでもある先輩ディープインパクト産にぶつけて、レベルアップを計ったのではないか。
中日新聞杯は左回り対策と賞金加算を目的に走ったのではないか。結果はハナ差2着。賞金も加算できて、左回りでも結果を出せた。
左回りは、デビュー3戦目でフローラSを走って、14人気で11着だった。中日新聞杯を好走したことで、東京がダメなのではなく、キャリア不足の敗戦だったと安心できたはずだ。

思えばラキシスは、まだ8戦ながらもデビューからずっと高いレベルの戦いを強いられている。
なんせ8戦中6戦が牡牝混合戦だ。
牝馬限定戦はフローラSとエリザベス女王杯のみ。

同じ4歳で、同じ8戦で、しかも1人気が予想されるスマートレイアーとは正反対だ。
スマートレイアー 8戦中6戦が牝馬限定戦 牡牝混合はデビュー戦の未勝利戦と大阪城Sのみ

スマートレイアーは秋華賞(G1)2着、阪神牝馬S(G2)1着。牝馬限定戦ばかりとはいえ、牝馬としての中身は上々だ。だからその成績にケチをつけるつもりはない。
ただ牡馬と闘いながら、エリ女(G1)2着、京都記念(G2)4着、中日新聞杯(G3)2着のラキシスと人気ほどの実力差があるとも思えない。

予想では現在(水曜)、
スマートレイアー 1人気
ラキシス     6人気
(デニムアンドルビー)4人気

この人気のままならば、どうみてもラキシスの方が(ついでにデニムアンドルビーの方も)おいしそうに思える。

けっしてスマートレイアーを否定するものではない。ただ人気の開きを見せられると、どうしたって6人気の方に吸い寄せられる。
それにスマートレイアーの直近の脚質も少々気になる。オープン以上で走るようになって、差し・追い込みへとどんどん移行してそうだからだ。

スマートレイアーの秋華賞以後のレース
秋華賞 17-16-14 2着
愛知杯 5-6-5 6着
大阪城S 9-9-9 1着
阪神牝馬 13-13-13 1着

秋華賞では狙って出遅れたとは思わないけれど、結果末脚を爆発させて2着した。
愛知杯では先行して味のない着順だった。
それ以後の2戦では12頭立てで9番手を追走し、1着、13頭立てで13番手を追走し、1着。
ディープインパクト産の持ち味でもある末脚を爆発させる競馬(っていうか武豊騎手こだわりの1つでもある直線一気の競馬)へシフトしつつあるようにも思える。

ヴィクトリアマイルでどういう位置を取るのかわからないけれど、差し・追い込みの可能性は高い。
少なくとも先行はないはず。
こと馬券を当てるという観点に立つと、1番人気の追い込みはヴィクトリアマイルではリスキーに思えてしまう。

ブエナビスタが1着したときは13-13-12だった。2着したときは15-13-13だった。
ただそれ以外の勝ち馬の位置取りはだいたい先行から中団だ。
スマートレイアーがブエナビスタ級ならば、勝負になるのだろうけど、もしまだブエナビスタほどではなくて、1人気、もしくは2人気になるとしたら、やっぱりちょっとリスキーに思える。
スマートレイアーには敬意を持ちたいけれど、それならば同じ末脚勝負で4人気が予想されるデニムアンドルビーの方が馬券の買いがいはあるし、先行して競馬ができる予想6人気のラキシスの方が馬券圏内的心配指数はずっと低いはず。

というわけで、デニムアンド&ラキシスはディープで、前走牡牝戦というだけでなく、人気や脚質からも買いやすいのではないかと思っている。

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ヴィクトリアマイルの★
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馬券圏内でラキシス
単系でデニム
こんなニュアンスか。

実にスムーズに答えを導けたような気がする。
スムーズすぎて、なんかソワソワする。
罠?
だとしても、いまさら後には引けない。
ドッキリだとわかってしまっても、騙され続けなければオンエアに乗せてもらえないタレントって、こんな気持ちなのかもしれない。
でも自分は芸能人ではないので、週末が近づくにつれて、自分に堪えきれなくなってドンドン気持ち悪くなって行きそうだ。ひぃ〜。

こういう場合はなんかで中和させるにかぎる。
◎や○ではなく、★的ななんかだ。

★キャトルフィーユ…角居厩舎ディープ3頭出しで一番人気がなさそうな馬。なのに鞍上はウィリアムズ。
ウィリアムズはヴィクトリアマイルで掲示板に載せるのが上手い。4着(14人気)、2着(7人気)、5着(7人気)と3年連続で掲示板確保。すべて先行させて持ってきている。ここ3戦先行して重賞2着・2着・2着のキャトルフィーユと合ってるように思える。
角居厩舎といえば国際派で、池江厩舎同様に外国人騎手に騎乗依頼するときは、馬主へのサービス精神だけでなく、それなりにカッコがつく馬を依頼していると思いたい。

★クロフネサプライズ…最大の罠にも思えるし、最高の穴馬にも思える。現在は予想11人気。お手頃だ。ただ本チャンでの人気が上がってくるようだと途端に大罠に変化しそうで心配だ。
ディープインパクト&前走牡牝混合重賞出走馬が大事なヴィクトリアマイルとはいえ、前走・阪神牝馬Sで上手く走れなかった馬が穴をあける傾向もある。
クロフネサプライズの前走は逃げて、0.2差の8着。着順は悪いけれど,着差は悪くない負け方だ。
阪神JF2着時は2番手追走だった。逃げなくても競馬のできる馬だ。
ケイアイエレガント・ヴィルシーナ・クロフネサプライズの3頭で逃げ・番手争いをしそうだけれど、この3頭の隊列がすんなり決まれば、どの位置でも上手く走れるのではないか?
この馬に関しては人気を気にしてみたい。

☆ストレイトガール…角居厩舎3頭で共通する心配事は1600実績の弱さ。実績はなくとも克服可能と見て、期待しているけれど、心配は心配だ。だから真逆の前走高松宮記念のストレイトガールに注目してみたい……………。しか〜〜〜し、藤原英昭厩舎は目標のレースに向かって仕上げていく傾向あり。高松宮で作りきっていたとしたら、ここは単なる経験出走の可能性もある。そこの見極めがぜんぜんつかない。だから★ではなくて☆。気弱な☆。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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