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ハンデ戦になってから波乱のマーメイドS

  • 2014年06月10日(火) 12時00分


◆荒れるのはけっこうなことだが、どの穴馬が来るかが問題

 マーメイドSはハンデ戦になってからぐっと荒れるようになった重賞だ。

 別定戦として行われた10年間に全馬を均等買いすると、回収率は単43%・複79%。ハンデ戦になってからは単170%・複122%である。単勝オッズ10倍以上の馬が馬券に絡んだ数は、別定時代が10年間で7頭。ハンデになってからは8年間で14頭。10年と8年なのにハンデ時代は倍になっている。

 荒れるのはけっこうなことだが、どの穴馬が来るかが問題だ。ハンデ戦になってから荒れることは荒れるのだが、こういう属性の馬が良いという決定打はない。

 唯一、ヴィクトリアマイル組はハンデ戦になってから[0-2-3-21]と勝っておらず、人気になるので複回収率も54%と低い。ただ今年は登録馬が1頭しかいないので、あまり利用価値はない。

 敢えて挙げるとしたら、斤量の変化と「意外と使われ続けている馬のほうがいい」ということだろうか。

 ハンデ戦は敢えて斤量の重い馬から、あるいは増えた馬からというのが私の持論だが、ハンデ戦になってからのこのレースに限っては斤量減組が複勝率でも斤量減組や据え置き組を上回り、回収率も大幅プラスである。一方で斤量増組は3つのグループで単複とも回収率が一番低く、かつ100%を下回る。

 牝馬のわりに使い込まれている馬もいい。中9週以上を起点として叩4戦目以上は[3-6-5-41]の複勝率25.5%で回収率は単233%・複165%。一方で叩2、3戦組は[3-2-3-32]で複勝率は20.0%。回収率は単47%・複80%だ。

 迷ったときは、このあたりを手がかりにして人気のない馬を少しでも拾っていったほうがよさそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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