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七夕賞だもの、数年に1度くらい自動的に軸が決まってもいいし、星にお願いしてもいい

  • 2014年07月10日(木) 12時00分


「人気の関西馬に関西の名手系が騎乗してきたら、それはサマー2000シリーズを超本気で狙っていると想定していい」

関西馬はいっぱい出走し、いっぱい勝っているけれど、関西の名手系が七夕賞に騎乗することはけっこう少ない。
基本的にこの時期の関西の名手系は中京か函館を拠点にする。ときにノルマンディーか西海岸はあっても、福島を拠点にすることはない。
つまり、この時期に福島で騎乗するとしたら、それなりの大きなレースで、それなりに勝算のある馬ということに自動的になる。厩舎も勝負になる馬でないと誘いにくいはずだ。
しかも七夕賞はハンデ戦。減量が必要とされる軽めの勢いホースより、減量しなくても騎乗できる重めの実績ホースの方が騎乗しやすいし、依頼もしやすいだろう。

で、そんなこんなをまとめると、上記したように人気の関西馬に関西の名手系が騎乗していたら、サマーシリーズを本気で狙っている馬の可能性があるから、勝ち負けの期待をしていいと、これまた自動的に想定できるわけだ。

以下は、2006年以後(サマー2000シリーズ設立以後)の七夕賞の関西名手系の騎乗と成績。

06年 
1着メイショウカイドウ 59 武豊 3人気 坂口大
2着コンゴウリキシオー 57.5 岩田 1人気 山内

07年
2着アドマイヤモナーク 55 安藤勝 2人気 松田博

12年
2着トーセンラー 57 岩田 1人気 藤原英
(12年に3人気で8着に負けたエクスペディションに騎乗した浜中騎手を名手とは認定してない。理由は、浜中騎手がブレークしたのがデビュー6年目のこの年だったからだ。ちなみに初の100勝超えで131勝をあげたのがこの年だった。大人の階段のぼる〜♪てな状態だったと解釈し、ここでは名手とは認定してない)

つまり、人気の関西馬に関西の名手系が騎乗したのは、この8年でこれだけしかない。
1-3-0-0。

もう完全にはっきりくっきりしている。
やっぱ来ない。めったに来ない。でも、来たらやっぱ勝ち負けになっている。
実績のある人気馬で、勝ち負けできるチャンスがないと騎乗しない。

そう考えると、今年の七夕賞はカンタンだ。
人気のありそうな関西馬に関西の名手系が騎乗しそうなのは、池江厩舎のラブリーデイ1頭しかいないからだ。
騎手は川田。
予想2人気。
うむ、合格だ。

ラブリーデイは去年小倉記念を2着しており、今年は七夕賞→小倉記念を2つ勝って、サマー2000シリーズのチャンピオンを狙ってるのではと自動的に推測できる。

ラブリーデイは皐月賞を17人気で15着、ダービーを17人気で7着して、ちょっと休んで、小倉記念で2着した。
ダービーまではクラシック路線を歩み、その後、適性を探りながら使われてきた馬と言えるかもしれない。

小倉記念G3(ハンデ戦) 芝2000 5人気2着 53キロ
金鯱賞G2(別定戦) 芝2000 6人気2着 54キロ
有馬記念G1(定量戦) 芝2500 14人気12着 55キロ
中日新聞杯G3(ハンデ戦) 芝2000 4人気3着 56キロ
メトロポリタンS・OP(ハンデ戦) 芝2400 1人気1着 56キロ
目黒記念G2(ハンデ戦) 芝2500 1人気5着 57キロ

ここから見えることは、「ローカルの芝2000・ハンデ戦重賞」が強そうということ。
1人気57キロで5着(0.2差)だった目黒記念の結果から、ローカルのハンデ戦重賞ならば、57キロでも勝ち負けできそうということ。

まあ予想で2人気に支持される馬なんだから、強いに決まっている。改める必要もないだろう。

では川田はどうか?
これも今さらだ。
100勝を名手の境界線とするならば、川田騎手の100勝はデビュー8年目の2011年となる。

2011 109-71-70-470 勝率.151
2012 91-78-70-491 勝率.125
2013 120-95-85-424 勝率.166
2014 57-30-42-170 勝率.191(7/6時点)

今年も100勝ペースで勝っているし、勝率の伸びも素晴らしい。
今年の全国リーディング10位以内の騎手の勝率を見ても、川田はダントツだ。

1位 戸崎 74勝 .147
2位 北村宏 60勝 .113
3位 岩田 59勝 .128
4位 武豊 57勝 .142
5位 川田 57勝 .191
6位 蛯名 55勝 .129
7位 福永 54勝 .153
8位 浜中 54勝 .125
9位 田辺 44勝 .101
10位 内田博 43勝 .095

七夕賞で存在感を示した武豊・安藤勝・岩田らに比べるとまだ若さはあるかもしれないし、問答無用の名手感もないかもしれないけれど、
成績的には名手系で構わないのではないか?
少なくともローカルの重賞を人気馬に騎乗し、勝ち負けに持って来るレベルでは名手系でよろしいのではないか?

まあこれも今さらだ。

というわけで、今年の七夕賞は、
「人気の関西馬に関西の名手系騎乗」というありそうで、なかなかお目にかかれない状況が生まれそうという理由から、
池江厩舎で川田騎乗のラブリーデイに期待してみる。

ちなみに七夕賞は、適度に荒れているけれど、1、2人気のどちらかは頑張れているレースでもある。

06年
1人気 コンゴウリキシオー 岩田 2着
2人気 グラスボンバー 勝浦 3着

07年
1人気 ヴィータローザ 上村 4着
2人気 アドマイヤモナーク 安藤勝 2着

08年
1人気 カネトシツヨシオー 石橋脩 6着
2人気 キャプテンベガ 吉田隼 4着

09年
1人気 ミヤビランベリ 北村友 1着
2人気 ホッコーパドゥシャ 内田博 3着

10年
1人気 サンライズベガ 松岡 3着同着
2人気 バトルバニヤン 中舘 3着同着

11年
1人気 キャプテントゥーレ 小牧太 12着
2人気 タッチミーノット 三浦 2着

12年
1人気 トーセンラー 岩田 2着
2人気 タッチミーノット 横山典 12着

13年
1人気 マイネルラクリマ 柴田大 1着
2人気 ダコール 蛯名 5着

■1・2人気でワンツーしたことは一度もない。
■しかし意外に1・2人気馬は頑張れている。どちらも馬券圏外に敗れたことは08年だけ。

基本的には2連レベルで買える。頭というより軸系。3着だった10年なんて1・2人気で同着だった。足して合わせてきた!

つまり2人気を軸にしようとするならば、2連レベルでは1人気を消していいことになる。自動的になる。1人気が予想されるマイネルラクリマはハンデ戦重賞で58キロを背負い、3着(小倉記念)、2着(福島記念)したことがある怖い馬だ。福島成績も2-1-0-0といい成績だ。重馬場も上手い。手強い。
だからここは願ってみる。なんとか3着でお願いしますと星に願ってみる。七夕賞だもの。お星様に願ってもいいじゃないか。

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七夕賞注目馬
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ラブリーデイ 川田騎手で、1、2人気で期待

ヒモ ディープインパクト産が3頭登録されている。
ダコール 内田博 予想4人気
ニューダイナスティ 吉田豊 予想10人気
ヴィクトリースター 柴田善 予想11人気
福島では今ひとつのイメージがあるディープインパクト産だけど、鞍上はどうにもこうにも一癖ありそうで、なんか気になる。
思えば、内田博は2年前にアスカクリチャンで大穴をあけた(14人気1着)。
吉田豊は6年前にミヤビランベリで穴をあけた(7人気1着)。
柴田の善さんは4年前にドモナラズで穴をあけた(11人気1着)。

ダコールは人気だけど、ニューダイナスティとヴィクトリースターは当日も人気になりそうにない。
ディープインパクトで穴だなんて、ちょっといい。これまた星にお願いしたくなる。

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プロキオンS
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ここは戸崎がベストウォーリアを1着に導かないといけないレースだろう。
取りこぼしは許されないのではないか?

ベストウォーリアに敬意を払うとして、気になるのは、酒井が騎乗するサマリーズ。

中京の短距離の先行馬に酒井が騎乗しているとそれだけで気になってしょうがない。
芝・ダート問わず気になる。

思えば2年前12人気のトシキャンディで逃げ切りを決めたのも酒井だ。CBC賞や高松宮のハクサンムーンのイメージもあるかもしれない。
先週のCBC賞でニンジャで3着したのも酒井だった。
やばい! 中京短距離・酒井症候群に陥ったか!?

★サマリーズ

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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