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上位拮抗で今年は紛れる余地あり!/エルムS

  • 2014年07月23日(水) 18時00分
■エルムS(G3・札幌ダ1700m)フルゲート13頭/登録21頭

【コース基本情報】札幌ダ1700m
・コース回収率
 [標準] 単勝69%・複勝79% 人気サイドの信頼度高く順当決着傾向

・馬連万馬券出現率
 [低め] 8.1%(平均値↓4.3% 馬連平均配当3782円)

・馬番別複勝率(13頭立て)
 [01番〜03番] 勝率 7.2% 連対率14.2% 複勝率21.8% 複回率 84% 枠番値-0.1
 [04番〜06番] 勝率 8.9% 連対率17.0% 複勝率23.3% 複回率 68% 枠番値±0
 [07番〜09番] 勝率 6.7% 連対率15.9% 複勝率25.0% 複回率 68% 枠番値+0.1
 [10番〜13番] 勝率 8.0% 連対率15.1% 複勝率22.7% 複回率 71% 枠番値±0
 →内外差が非常に少ないコースであるのは枠番値からも明白。

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>>差し>>>追込 最低でも中団より前の位置が欲しい

・推定ラップ&タイム
 [均等] 36.5-30.7-36.3=1.43.5 前半3Fと上がり3Fがおおむね同じタイムに

 フルゲートが13頭と非常に少ない、札幌ダート1700m。それもあってか波乱傾向は弱く、人気サイドがキッチリ結果を残すコースという印象が強い。1着の半数以上(53.7%)が2番人気以内によるもので、複勝回収率や単適回値が高いのも、おしなべて上位人気。間違っても、高配当を狙ってブンブン振り回すコースではない。

 当然、馬連万馬券の発生率も8.1%とかなり低めの水準。馬連平均配当が3782円しかないのだから、馬連万馬券を狙うハードルがいかに高いかは、想像に難しくないだろう。この要因となっているのが、非常に「クセ」のないコース形態。枠番の内外による影響が非常に小さいため、いわゆる展開のアヤが起こりづらいのである。

 コースの形状は函館にそっくりだが、コーナー部分は格段に大回り。ここで加速できることにより、函館よりも人気馬が能力を発揮しやすくなっている。よって、函館よりも差しは決まりやすくなるが、それでも圧倒的に先行勢有利。ペースの厳しい重賞であっても、勝ち負けには最低でも中団より前のポジションが欲しい。

【レース基本情報】エルムS(G3) 札幌過去10年(8回)
・レース平均配当
 単勝954円 馬連2165円 3連複1万698円

・1番人気馬成績
 [2-1-2-3] 勝率25.0% 連対率37.5% 複勝率62.5%

・3番人気以内馬成績
 [6-3-4-11] 勝率25.0% 連対率37.5% 複勝率54.2%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [2-5-3-38] 勝率 4.2% 連対率14.6% 複勝率20.8%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-1-27] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 3.6%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 75.0% [差し] 0% [追込] 0% [マクリ] 25.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 8.3% [先行] 66.7% [差し] 12.5% [追込] 4.2% [マクリ] 8.3%

・年齢別成績
 [3歳馬] 1-1-1-4 連対率28.6% 複勝率42.9%
 [4歳馬] 3-1-1-14 連対率21.1% 複勝率26.3%
 [5歳馬] 3-3-3-21 連対率20.0% 複勝率30.0%
 [6歳馬] 1-1-3-20 連対率 8.0% 複勝率20.0%
 [7歳↑] 0-2-0-17 連対率10.5% 複勝率10.5%
 ───────────────────────
 [5歳以下] 7-5-5-39 連対率21.4% 複勝率30.4%
 [6歳以上] 1-3-3-37 連対率 9.1% 複勝率15.9%

・牡馬斤量別成績
 [52〜53キロ] 1-1-0-2 連対率50.0% 複勝率50.0%
 [54〜55キロ] 0-0-1-2 連対率 0% 複勝率33.3%
 [56〜57キロ] 5-5-6-60 連対率13.2% 複勝率21.1%
 [57.5キロ↑] 2-2-1-8 連対率30.8% 複勝率38.5%

・馬番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [01番〜03番] 勝率 4.3% 連対率 8.7% 複勝率21.7% 複回率 70% 枠番値±0
 [04番〜06番] 勝率 8.3% 連対率20.8% 複勝率29.2% 複回率 78% 枠番値-0.4
 [07番〜09番] 勝率 8.3% 連対率16.7% 複勝率25.0% 複回率 59% 枠番値-0.2
 [10番〜13番] 勝率10.3% 連対率17.2% 複勝率20.7% 複回率 45% 枠番値+0.5

・厩舎所属別成績
 [美浦] 3-5-3-22 連対率24.2% 複勝率33.3%
 [栗東] 5-2-5-50 連対率11.3% 複勝率19.4%

・前走距離別成績
 [ダ1200m] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダ1400m] 1-1-0-4 連対率33.3% 複勝率33.3%
 [ダ1600m] 1-0-0-7 連対率12.5% 複勝率12.5%
 [ダ1700m] 2-2-5-36 連対率 8.9% 複勝率20.0%
 [ダ1800m] 1-1-0-5 連対率28.6% 複勝率28.6%
 [ダ2000m] 0-2-2-3 連対率28.6% 複勝率57.1%
 [ダ2300m] 2-1-1-6 連対率30.0% 複勝率40.0%
 [ダ2400m] 1-0-0-0 連対率100% 複勝率100%
 [前走芝戦] 0-1-0-14 連対率 6.7% 複勝率 6.7%
 ──────────────────────────
 [距離延長] 2-1-0-12 連対率20.0% 複勝率20.0%
 [同距離戦] 2-2-5-36 連対率 8.9% 複勝率20.0%
 [距離短縮] 4-4-3-14 連対率32.0% 複勝率44.0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [中央G2] 1-0-0-8 連対率11.1% 複勝率11.1%
 [中央G3] 1-1-0-7 連対率22.2% 複勝率22.2%
 [OP特別] 3-3-5-43 連対率11.1% 複勝率20.4%
 [条件戦] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [地方戦] 3-4-3-14 連対率29.2% 複勝率41.7%

・注目出走パターン
 [買い] 前走地方交流戦で4着以内(連対率33.3%、複勝率47.6%)
 [買い] 前走ダート戦出走の距離短縮組(連対率32.0%、複勝率44.4%)
 [買い] 前走3番人気以内の関東馬(連対率35.7%、複勝率50.0%)
 [不振] 連闘〜中2週での出走の4番人気以下(0-0-1-28)
 [不振] 北海道シリーズから臨戦の前走4番人気以下(0-1-1-36)
 [不振] 芝→ダート替わりでの出走(0-1-0-14)
 [全滅] 8歳以上馬(0-0-0-8)

 2004年にパーソナルラッシュが単勝47.0倍で1着に激走しているが、これを除けばすべて単勝3ケタ配当。そのパーソナルラッシュにしても6番人気であり、9番人気以下で好走した例となると、2006年のオーガストバイオ(10番人気3着)くらいのもの。人気馬が強いレースであるのは、間違いない。

 では、1番人気馬が鬼のように強いかといえば、そんなことはない。1番人気馬が勝ったのは2回だけで、実際には2番人気馬のほうが好成績なほど。当然、配当的な妙味は「1番人気以外の上位人気」のほうが上だ。人気馬が強いも過信は禁物なレース、といった認識でいいと思われる。

 いささか極端な結果が出ているのが、脚質別成績。勝ち馬の75.0%が先行脚質で、残りの25.0%がマクリを打った馬なのである。そして、連対馬がすべて「4角を4番手以内で通過した馬」であるのに注目。逃げ馬の好走例はそのうち出そうだが、直線に入ってからの勝負では間に合わないのは、このデータからも明白だ。

 年齢については5歳以下馬が圧倒的優勢で、別定戦ながら斤量を「背負っている組」のほうが強いレース。残念ながら今年は登録がないが、斤量59キロを背負った馬の連対率は60.0%もある。あとは、出走数の少ない関東馬が、内容では関西馬を圧倒しているのも押さえておきたいポイント。前走3番人気以内ならさらに期待できる。

 そして大注目なのが「前走地方交流組」と「ダ→ダの距離短縮組」の強さ。函館のダ1700m戦を経由して出走してくる馬が圧倒的に多いのだが、この組は正直なところ信頼度がイマイチで、それ以外の組を狙ったほうが絶対に美味しい。今年の問題は、前走でゴドルフィンマイルに出走のブライトラインをどう扱うか。距離延長であるのが、ちょっと気がかりな材料だ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 ダート戦でしかも開幕週。例年通りの札幌ダートと考えておけば問題なし。

・天候予測
 週の初めに降雨があったが週末にかけては好天が続く。良馬場が濃厚か。

・勝利数トップ種牡馬
 シンボリクリスエス 勝率13.1% 連対率20.0% 複勝率27.5%

・著者の注目血統
 シンボリクリスエス産駒◎、スペシャルウィーク産駒○、マンハッタンカフェ産駒△

 勝利数2位のキングカメハメハ産駒に8勝もの差をつけたシンボリクリスエス産駒は、内容もかなり優秀。この出走数の多さで13.1%もの勝率をマークしているのだから、コース適性の高さは疑いようがない。2着や3着ではなく「1着」に来るのも、高いコース適性の証明。血統的にはピカイチ級の評価を与えられる。

 それに続くのがゴールドアリュール産駒、スペシャルウィーク産駒、マンハッタンカフェ産駒など。ゴールドアリュール産駒のタイセイスティングは出走できるか微妙なところだが、先行力もあっていかにも向きそうなタイプで要注目か。あとは、Bold Ruler系のシニスターミニスターを父に持つインカンテーションも、血統的に要注目の1頭である。

★総論×各論

 ローマンレジェンド、グレープブランデーなど、長期休養明けの実績馬が出走を予定している、今年のエルムS。さらに、それ以外で上位人気となりそうな馬もことごとく休養明けであり、データでは分析できない「仕上がり」という不確定要素がかなり重要となってきそうな気配。また、初ダートであるアスカクリチャンやアンコイルドが登録しているのも、今年の不確定要素といえる。

 ……と逃げ口上から始まってしまったが、それもこれも、基本的に「堅いレース」であるはずのエルムSでありながら、上位評価馬がやや人気薄に偏ってしまった感があるから。先に結論を述べておくと、ソロルクリノスターオージェベルムーサというのが、当データ分析の上位評価3頭である。

 ソロルは「京都ダ1900mからの距離短縮組」の「4歳馬」で、ソコソコ前に行ける脚質やシンボリクリスエス産駒であることなど、ここはかなり買い材料の多い一戦。中8週での出走と、実績馬のなかでは休養期間が短めであるのも、プラス評価の対象である。近走でもう少し前のポジションが取れていれば、断然の本命に推していたかもしれない。

 僅差で、こちらも前走平安S組のクリノスターオー。前走で初重賞制覇と勢いに乗っており、ゲートで立ち後れないかぎり確実に先行できるのも同馬の大きな魅力。積極的な競馬をすれば、この相手関係でも勝ち負けに持ち込める可能性を十分に秘めている。ここはぜひ、ハナではなく2番手からレースしてもらいたいものだ。

 そして、またまた平安S組からジェベルムーサ。出遅れ癖があるのが大幅割引の対象も、自分から動いてマクリを打てるのがこの馬。「前走3番人気以内の関東馬」というプラス材料もあり、乗り慣れている田辺ジョッキーが引き続き乗るのも、こういう脚質の馬だけにポジティブな材料となるはずである。

 以下は、インカンテーションシンボリエンパイアブライトラインという評価順で、ここまでが上位評価組。以下は押さえで、ローマンレジェンド、グレープブランデー。出走できればという条件付きだが、タイセイスティングもこのグループとなる。上位拮抗で、やや紛れた結果になりそうというのが、今年の見立てとなる。

 あとは、直前で陣営がどのようなコメントを出しているかも、必ずチェックしておきたいところ。レースデータの項目でも述べたが、集計期間内の連対馬がすべて「4角4番手以内」であるのは、非常に重く受け止めるべきデータだ。

 そういうレースだけに、行く予定なのか、それとも控えるのかを見抜く材料として、陣営のコメントは必要不可欠。あとは馬体重やパドックでの気配などで、休養明けの馬が好走可能かどうかを厳しくチェックするのもお忘れなく。

■中京記念(G3・中京芝1600m)フルゲート16頭/登録24頭

 開催条件が大幅に変更されて、今年で3年目となる中京記念。データ集計対象が過去2年分しかない上にフラガラッハが連覇と、分析らしい分析をするのが非常に難しいレースだ。とはいえ、一応の傾向は見えてきつつある(気がする)ので、そのあたりをサラッと紹介していこう。

 まずは、数ある重賞のなかでも最強クラスに「人気馬がアテにならない」ということ。わずか2年とはいえ、4番人気以内に推された8頭のうち、馬券に絡んだのが昨年のリルダヴァル1頭だけなのだからすさまじい。昨年2番人気のドナウブルーのように、人気の先行馬がサッパリ粘れていないのが、波乱決着の要因となっている印象もある。

 また、コースの特性からもここは瞬発力>持久力の一戦であり「近走でいい末脚のキレを見せていたソコソコ人気の差し馬」を狙うのが、いちばん手っ取り早そう。それが阪神芝1600mや東京芝1600mでの結果であれば、信頼度はさらに高まるはずだ。

 というわけで「二度あることは三度ある」のフラガラッハと、ブレイズアトレイル(前走阪神芝1600mで最速上がり)、マジェスティハーツ(前走東京芝1800mで最速上がり)、サトノギャラント(前走新潟芝1600mで最速上がり)を注目馬に。人気になりそうなクラレントやダイワマッジョーレを気合いで消しつつ、ブンブン振り回していきたい。

※コースデータ&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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