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キタムラ・ミステリーと藤沢和厩舎の珍しい2頭出し

  • 2014年08月21日(木) 12時00分


先週の関屋記念で北村宏騎手が3着した。これで5年連続馬券圏内だ。まさにレッツゴー・キタムラだ(詳細は先週のコラムか、1年前のコラムでお願いします。ちなみに自分はどこをどう間違えたのか、馬券はハズしました)。
こうなると今週もキタムラを素通りできない。

今週のキタムラは北村の宏騎手ではなく、北村の友騎手の方。
一応、去年も注目していて、キタムラ・ミステリーと名付けた。
3年前に1着したトウカイミステリーからいただいたミステリーだけど、残暑にミステリーというのもなかなかにオツだと思ったものだった。
ただし、去年は馬券にはならなかった。
キタムラ・ミステリーにはレッツゴー・キタムラほどの安定感はない。ただ爆発力はある気がしている。だから今年も追ってみる。

「キタムラ・ミステリー」
11年、12年と2年連続で北村友は北九州記念を1着した。
しかも8枠で、しかも8人気で、しかも差しで。
「しかも」のトリプル。
さらに付け加えるならば、しかもその前年の10年は11人気の馬を8枠で、追い込んで4着させていた。

12年
1着 8枠16番 スギノエンデバー 牡4 55 北村友 8人気 14-13-12
11年
1着 8枠15番 トウカイミステリー 牝5 52 北村友 8人気 13-13-9
10年
4着 8枠17番 ストリートスタイル 牝5 52 北村友 11人気 16-15

うむ、なかなかにミステリーだ。けどもっと正確に記せば、キタムラ・8枠・ミステリーなのかもしれない。
その証拠に去年は、6枠10番(キョウワロアリング)で10人気12着だった。大惨敗だ。
脚質も先行だった。

こうなると、今後、キタムラ・ミステリーを狙うとしたら、「8枠」「差し」にこだわる必要があるのかもしれない。
けれど、そこはまだ保留でいいようにも思っている。8枠が大事なのか、差しが大事なのか、両方揃って力が発揮されるのか、そこの謎解きはまだ未解決だと思うからだ。
(できるだけ、引っ張りたい自分がいるのも正直なところ。理由は面白いからだ。うは!)

とはいえ、一般的に北九州記念では8枠が大事なのは間違いないだろう。この8年で見ても、8枠の馬は3勝2着1回3着2回の6馬券圏内で、これはトップだ(2位は5馬券圏内の2枠)。8枠は直近3年で4馬券圏内で、2枠の馬券圏内はない。今年もAコース4週目で外枠が走り頃になっていて、最近の傾向を加味すると8枠はふつうに警戒枠だろう。

(ならば、ふつうに8枠攻めでいいじゃないか! 誰が騎乗しても8枠でいいじゃないか!)

まったくその通りかもしれません。でもそこにキタムラが入るとよりミステリー度が高まる。そう解釈しております。

だから今年のキタムラ・ミステリーはこうしてみようかと思っている。
8枠>7枠>その他
差し>追い込み>その他

ちなみに以下はこの夏の小倉・芝1200リーディングだ。

1位 幸   3-2-3-14 勝率13.6 連対率22.7 複勝率36.4
2位 北村友 3-1-1-6    27.3    36.4    45.5
3位 松山  3-0-2-12   17.6    17.6    29.4
4位 浜中  2-6-3-8    10.5    42.1    57.9
5位 小牧  2-3-1-9    13.3    33.3    40.0

北村友は今年も小倉1200が見えている(ように見える)。
2着の回数で幸に1位を譲っているけれど、勝ち星3勝は幸、松山と並んで一番だ。馬券圏内での率では幸、松山を圧倒している。これは心強い!

というわけで、今年もキタムラ・ミステリーに注目しようと思っている。
けれど、
その北村友の騎乗予定馬が現状見当たらない!

週刊競馬ブックの想定では、
プレイズエターナル・北村友
となっているけれど、
この馬の出走順位は22位で、4頭の回避馬が出て、はじめて出走できる。
情報筋によると、すでに2頭の回避馬が出そうで、もう2頭回避馬が出れば、出走が可能となる。はたして、キタムラはプレイズエターナルで出走するのか?

出走が確定的な馬でも鞍上が未定の馬が何頭かいる。
たとえば岩田騎乗停止で騎手未定のルナフォンターナは、2走前に騎乗して1着させたキタムラが空くのを待っているのかもしれない。

つまり何らかの馬上にキタムラはいるのではないか?
その有力候補が池江厩舎で、プレイズエターナルと同じ馬主(シェイク・モハメド)のルナフォンターナではないかと見立てている。
はたして、キタムラはどちらの王様の馬に騎乗しているのか。興味津々だ。

差しという観点でいえば、プレイズエターナルよりルナフォンターナの方がよさげ。
ダーレーの馬は短距離を先行して駆け抜けるタイプの馬が多く、差して鋭いタイプの馬は少ない。っていうかスタートして後手に回ると挽回できないタイプの馬が多い。おそらく緩急の苦手なミスプロ系の馬やダンチヒ系の馬が多いからかもしれない。
それゆえにルナフォンターナの差しはダーレー馬としては貴重に思えるし、ポテンシャルももっと高い可能性もある。

ルナフォンターナで気になるのはハンデ。

CBC賞につづき、ここでもハンデ55だった。牝馬で、しかも重賞経験が前走1度きりで、しかもその重賞で8着に負けたことを思うと(言われているように)ちょっと重い気もする。なぜ、G2勝ちのあるエピセアロームと今回も同じ55なのか、よくわからない。前走で同じにしてしまったからどうにもできないのかもしれないけど…。
でもそこもミステリーだと思えばいい。っていうかどこかでハンデキャッパーの目が逆に証明されると思えばいい。

はたしてキタムラが今年騎乗する馬は何か? 枠は何枠か? 差しか先行か?
先週のレッツゴー・キタムラのような馬券安定感はないけれど、まずはそこに注目だ。

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北九州記念注目馬
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上記した今年の小倉の芝1200で活躍している騎手の騎乗予定馬
幸 アイラブリリ
キタムラ 未定(有力・プレイズエターナル・ルナフォンターナ)
松山 スギノエンデバー
浜中 エピセアローム
小牧 ツルマルレオン

勝率がいいのはキタムラだけど、連対率・複勝率がドエラくいいのが浜中。
2-6-3-8 の成績で、連対率42.1%、複勝率57.9%は凄い。

今の浜中は完全に小倉芝1200の走らせ方を掴んでいるのかもしれない。
ただし、小倉2歳Sはデビュー8年ですでに3勝しているのに、北九州記念はいまだ0勝で、馬券圏内にも入ったことがない。
そこが浜中のミステリーポイントだったりする(もう何でもミステリー仕立て!)

2歳ステークスは先行馬が健闘しやすいのに対して、北九州記念は差し馬が台頭しやすい。
もしかしてそこに謎を解く鍵があるか?

今年、浜中はエピセアロームに騎乗する。おそらく1人気。
小倉成績1-0-1-0と浜中の好調ぶりを合わせると、ここでも馬券圏内は有力に思える。
しかし、エピセアロームは先行馬。武豊騎乗時は差し競馬も多かったけれど、浜中騎乗では基本先行系。1人気であることを考慮すると、ここも先行系ではないか。
となると、小倉芝1200独特のハイペースに巻き込まれないとも限らない。実際、2年前、浜中のエーシンヒットマンは1人気でハイペースを追走しすぎて、6着に負けた。

北九州記念は1人気の位置が展開の鍵を握っているレース。
差し追い込みが決まる時は、1人気が強気に先行して、バテることが多い。
つまり今年はエピセアローム浜中の位置取り、そのさじ加減で決まる可能性あり。
だから差し馬に注目しつつ、エピセアロームのさじ加減にも注目しておきたい。もちろんさじ加減が上手くいってしまったら、エピセアロームには十分残り目はある。その場合は浜中騎手の小倉1200成績2-6-3-8の6の部分に期待して、頭は別の馬と願うことにしよう。それがキタムラ・ミステリーなら最高だ。

差し系注目馬・北村友騎乗馬 ルナフォンターナ? プレイズエターナル? 8枠?

バーバラ 8月のディープインパクト&武幸ミステリー
8月のディープインパクト産の芝重賞成績・4-3-3-5-6(1着・2着・3着・4着・5着以下)
勝率.190 連対率.333 複勝率.476 4着以内率.714
武幸の今年の小倉芝1200成績 2-0-1-7

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札幌記念注目馬
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スーパームーン
去年、藤沢・プチ・ミステリーと称して、藤沢和厩舎は札幌記念では3着じゃないかと書いた。で、ルルーシュに期待してみた。しかし結果は15着だった(要は北九州記念同様にこちらのプチ・ミステリーの謎解きも失敗した!)。
去年の札幌記念は特殊な重馬場だったから、今年再び出走するルルーシュを軽視してはいけないのかもしれない。けれど15着は15着で、今ひとつルルーシュの巻き返しに乗り切れない。
だから藤沢和厩舎のもう1頭スーパームーンに期待してみる(懲りないなぁ〜)。

この馬はノド鳴りの手術明けの前走を1人気で1着した。1600万条件だったけれど、前走1600万組がまるでダメなわけではない。7年前にアグネスアークが2着しているからだ。
またスーパームーンはノド鳴り手術前のオクトーバーSでホッコーブレーヴとクビ差の接戦を演じている(ホッコー1着・スーパー2着)。その後のホッコーの活躍を考えると、基本性能の高さは窺える。

藤沢和厩舎の珍しい騎手での2頭出しが面白そうなことを先週の新潟日報賞で学んだ。
8人気2着プランスデトワール 田辺 藤沢和厩舎
13人気16着サトノヒーロー 江田照 藤沢和厩舎(江田照騎手は生涯4度目の騎乗だった)

このレースには主戦の北村宏騎手や最近つき合いの深い柴田善騎手や自厩舎の杉原騎手らがいたけれど、みな別の馬に騎乗していた。だから田辺&江田照の配置が気になってしょうがなかった。したらば、田辺で2着。
付き合いの深い騎手らには先約があった。でもプランスデトワールの調子もいい。それゆえの田辺。そんな妄察はできる。

スーパームーン ローウィラー
ルルーシュ   福永

福永騎手はたまに騎乗するけれど、けっして騎乗回数は多くはない。札幌では四位騎手や柴山騎手が主戦系だから、ここは珍しい騎手での2頭出しと捉えていいのではないか? 四位騎手には先約でトウケイヘイローがいて、柴山騎手にはお手馬のトウカイパラダイスがいるから、別の騎手に頼んだのだろうけれど、その別の騎手がローウィラー&福永だった。テキトーとは思いにくい。
プランスデトワール=田辺と同じ匂いが少しする。ではどちらが田辺っぽいか?
ここから先は好みだろうけど、自分はその匂いをローウィラーさんに感じてみた。

この夏は満月が大きく見えるスーパームーンが3度ある特別な年でもあり、8月11日のスーパームーンは特に大きく見えるエクストラ・スーパー・ムーンでもあった。今週がスーパー・ムーン・デーと重なっていたら、騒がれるだろうけど、今週は隙間だから騒がれそうにもない。
というわけで、自分はスーパームーンのエクストラ走(3着!)に期待してみようかと思っている。

ラブイズブーシェ
ゴールドシップとハープスターの登場で、人気面で得をするんじゃないか?
実際、予想では現在5人気。前走函館記念を2人気で1着したことを思うと、5人気は美味しそうな人気だ。
相手が強化されるとはいえ、有馬記念では4着した馬だ。3着ゴールドシップとは2馬身ちょっと差だ。まだわからない。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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