関西&関西と7月14日系を注視してみる今年の歓迎の儀
今年の新潟2歳Sのだいたいの構図は、
「ディープインパクト産・ハーツクライ産の末脚VSキンカメ勢の先行封じ込め」
ととらえている。
ここを立ち位置にして、着順の上げ下げ、他産駒の食い込みなどを考えれば、そんなに素っ頓狂にはならないのではないか?
もちろんブラッシュアップする材料はここ3年採用している『歓迎の儀』。
この時期(1週前倒し)の開催になっての過去2年でも穴馬を抽出することに成功しており、今年もそれに従ってみる。
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新潟2歳S・歓迎の儀
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新潟2歳は、一見不利に思えることでもウェルカムしていくべきレースだ!(と、3年くらい前から決めた)
一昨年は開催が1週前にずれたので歓迎材料に変化が出ると思ったけれど、概ね例年どおりだった。だから去年も歓迎したし、上手くもいった。しかも去年は「+要素」として好走を期待した2頭の「前走7月14日ホース」が1着3着した。だから今年は前走7月14日系をスーパーえこひいきしてゆくことにした(この2年で6頭中5頭が前走7月14日ではスルーしようがない!)。
新潟2歳S・歓迎の儀
#1 出遅れを歓迎せよ。
#2 1人気、最低人気を歓迎せよ。
#3 前走(新馬)人気薄で1着して、今走さらに人気薄の馬を歓迎せよ。
#4 関西馬を1頭は歓迎せよ。※そこにスポット参戦の名手系がいたら概ね歓迎せよ。
+スペシャリテ・前走7月14日系ホースを歓迎せよ。
+参考・マイネル・コスモ、もしくはマイネル・コスモっぽい騎手を歓迎せよ。
#1 出遅れを歓迎せよ。
このレースはとにかく出遅れ・立ち遅れの馬が馬券にからむ。
以下はこの11年で出遅れ・出負けしても馬券になった馬。注目すべき点はその人気。
1、2人気から15、16番人気まで幅広く馬券に絡んでいる。
03年 アウトディスタンス 10人気3着 16-16-15
05年 ショウナンタキオン 1人気1着 17-17-17
06年 ゴールドアグリ 2人気1着 10-11-10
07年 シャランジュ 16人気2着 18-18-18
08年 セイウンワンダー 1人気1着 15-14-14
09年 シンメイフジ 1人気1着 17-18-18
フローライゼ 15人気2着 18-14-16
11年 クイーンアルタミラ 9人気3着 13-13-16
12年 ザラストロ 3人気1着 15-15-15
13年 ハープスター 1人気1着 18-18-18
イスラボニータ 4人気2着 13-12-13
だから積極的に出遅れそうな馬を狙えというわけではない。
ただスタートがヘタだとしてもこのレースではそれほど気にする必要はないし、自分が期待する馬が出遅れたとしてもジタバタする必要もないとは言いたい。特に人気薄の馬なら、一見理想と思える中団より、後方待機の方が良かったりもする。
出遅れた馬同士で決まる場合もあれば、出遅れと先行で決まる場合もある。もちろん好スタートから先行した馬同士で決まる場合もある。だから闇雲に出遅れを願えとは思わない。
ただ出遅れそうだからといって、見限る必要もない。
期待している馬に出遅れ癖があったらふつうは買いにくいけれど、ここではそれを理由に嫌う必要もない。
一応、2歳のこの時期の1600、しかも日本一直線の長い新潟だから許される儀と見立てている。
ちなみに今年登録している馬で前走・出遅れ・出負けして、それでも勝ち負けした馬は5頭
アヴニールマルシェ 前走・新馬1着 8-8-9-8
ギンパリ 前走・未勝利1着 16-15-15
テイケイラピッド 前走・中京2歳3着 8-7-7
ハナモモ 前走・新馬1着 11-9-7
ブリクスト 前走・新馬1着 9-7-7
この5頭なら、1番人気で立ち遅れても、堂々と差し切った2頭、アヴニールマルシェとブリクストにまずは注目したくなる。
つづいてギンパリ。この馬は初戦・出負け4着、2戦目逃げて3着、3戦目出負け1着。出遅れたときに騎手が腹をくくれるかはけっこう大事。その点、武士沢騎手は出遅れ・出負けの多い騎手で、そのあたりの対処はこなれているはずで、頼もしい。
#2 1番人気、最低人気を歓迎せよ。
これはかなり盛って書いている。特に最低人気のところを。
1番人気はこの10年で7回馬券圏内に来て、5-1-1-3。当たり前に歓迎する必要はある。
と同時に9番人気以下もこの10年で10頭が馬券に絡んでおり、しかも15番人気以下も3頭馬券に絡んでおり、それゆえにあえて、最低を歓迎と強調してみた。
少々、盛ってはいる。けど人気薄を狙うなら、ケツ人気まで歓迎ゾーンと見立ておこうと自分に言い聞かせるために強調している。
人気馬から検討していく派、人気薄から検討していく派、好きな馬、気になる馬から検討していく派……馬のアプローチはいろいろだろうけど、このレースに限っては、オッズを上と下から検討する儀を歓迎したい。
1番人気から検討しつつ、最低人気からも検討する。上からもケツからも、後ろからも前からもどうぞってやつだ。
予想では現在(火曜日夜)、
1人気アヴニールマルシェ
2人気ナヴィオン
3人気ミュゼスルタン
4人気ワキノヒビキ
18人気コメート
17人気グラスエトワール
16人気ラミーロ
15人気トーホウハニー
アヴニールマルシェは#1でも注目した出遅れホース。
ナヴィオンは出遅れてはいないけれど、前走13-15-14から差し切った馬で2人気ならば無視できない。
ミュゼスルタンは鞍上・柴田の善さん。それだけで気になる。
去年、蛯名騎手は4頭の1着経験馬からイスラボニータを選び、2着した。去年のキージョッキーは蛯名騎手だったとも言えた。今年、その感じに近いのは柴田の善さんだったりする。
善さんはディアコンチェルト・トーホウハニー・ミュゼスルタンの3頭に騎乗し、全部1着している。その中で選んだのがミュゼスルタンだとするならば(決めつけ!)、それは歓迎材料だ。
なお、下位人気の馬は今後も変動がありそうなことと、ピックアップするほどの材料がまだ見えてこない。当日の人気を見ながらそそられたら拾うことにする(コメートは少々気になってはいるけど…)。
#3 前走(新馬)人気薄で、今走さらに人気薄の馬を歓迎せよ。
「穴をあける馬は新馬でも穴をあけた馬が多い」
そのことに注目し、3年前にクイーンアルタミラをすくい(クイーンアルタミラは新馬6人気1着→新潟2歳9人気3着)、去年は想定人気とは少し違ったけれどピークトラムをすくい(未勝利7人気1着→新潟2歳6人気3着)上手くいった。
評判馬が評判どおりに勝つ確率が高いのが新馬戦だけに、5人気でも十分穴と言える。そういう新馬で穴をあけた馬が重賞の2歳Sでフロック視されてか、さらに人気をサゲる場合がある。で、再び穴をあける。ドカーン! 大歓迎だ。
今年新馬戦を5人気以下で勝った馬は以下の8頭(未勝利3頭含む)
グラスエトワール 新馬10人気1着(新潟ダ12)
ゴッドバローズ 新馬10人気1着(福島芝18)
トーホウハニー 新馬6人気1着(新潟芝14)
ハナモモ 新馬5人気1着(福島芝12)
ヒルノマレット 新馬6人気1着(中京芝16)
コメート 未勝利8人気1着(福島芝18)
ディアコンチェルト 未勝利6人気1着(新潟芝16)
ワキノヒビキ 未勝利5人気1着(阪神芝14)→ダリア賞7人気1着(新潟芝14)
新馬を5-7人気で1着し、ここでさらに人気を落とす馬が美味しい傾向にある。
ワキノヒビキは人気をあげそうで、ここでの項目外。
トーホウハニー、ディアコンチェルトは前記したように前走騎乗した柴田の善さんが別の馬に騎乗するための乗り替わりで、少し下げたい。
ハナモモも同様に柴田大騎手からの乗り替わりだけど、鞍上は蛯名。
柴田大騎手騎乗馬はコスモピーコックで、これはマイネル系主戦ゆえの選択の可能性がある。こうなるとちょっと下げにくい。
ということでここでは、ハナモモと前走6人気で今回も予想6人気のヒルノマレットを残してみる。
予想14人気ハナモモ 新馬5人気1着(福島芝12) 柴田大→蛯名
予想6人気 ヒルノマレット 新馬6人気1着(中京芝16) 和田→和田
後述するけれど、今回参戦予定の関西馬に関西騎手として連続騎乗するのは和田騎手のみ。去年3着した小牧騎手のピークトラムのパターンに似ており、ひじょうに気になる。
ハナモモは#1でも顔を出していた。
#4 関西馬を1頭歓迎せよ。※スポット参戦の名手系がいたら大歓迎せよ。
これはもはや説明の余地はなしだろう。ここ6年連続で関西馬がからんでいる(08年、13年は2頭。他4年は1頭ずつ。この10年でも8年からんでいる)。
しかも関西系名手が騎乗している関西馬の好走率がひじょうに高い。
今年該当する関西馬は7頭
カシノハリウッド(戸崎)
コスモピーコック(柴田大)
テイケイラピッド(御神本)
ナヴィオン(的場勇)
ヒルノマレット(和田)
ブリクスト(内田博)
ワキノヒビキ(横山典)
関西馬&関西騎手とのコンビはヒルノマレット1頭のみ。
和田騎手を名手系ととらえるかは意見の分かれるところだろう。けれど、自分は和田騎手を伏兵名手と思っているのでぜんぜん問題ない。実際、2年前に和田騎手は9人気のサウンドリアーナを3着させている。このときはテン乗りだったが、今回は連続騎乗。むしろ頼もしいくらいだ。
ヒルノマレットは#3でも気にした馬で、#4でも気にしている馬。ここは大歓迎でいいのではないか?
ブリクストは内田博騎乗で関西名手系ではない。けれど#1でも該当した。だからここでも歓迎しておく。
ここまででピックアップした馬は
#1 アヴニールマルシェ・ブリクスト・ギンパリ
#2 アヴニールマルシェ・ナヴィオン・ミュゼスルタン
#3 ハナモモ・ヒルノマレット
#4 ヒルノマレット・ブリクスト
だんだん見えてきたような気がする。
歓迎の儀+
+参考 マイネル・コスモ、もしくはマイネル・コスモっぽい騎手を歓迎せよ。
+スペシャリテ 前走7月14日ローテを歓迎せよ。
+参考 マイネル・コスモ、もしくはマイネル・コスモっぽい騎手を歓迎せよ。
出遅れ・立ち遅れの馬が頑張れちゃうレースであることは間違いないけれど、だからといってふつうにスタートした馬が結果を残していないわけではない。
特にマイネル・コスモ・ウインの岡田繁幸氏系の馬は、概ね先行して好成績を残している。っていうか、マイネル系は出遅れ・立ち遅れでは結果を残していない。
去年、ウインフェニックスに注目したけれど、14人気で4着だった。道中は16-17。それで4着は惜しかったけれど、この馬に関しては先行できていれば結果は違ったのではないかと思ったものだった。
今年該当する馬は
コスモピーコック 柴田大
新馬戦・芝16 逃げて1着
ダリア賞・芝14 3、4番手追走3着
先行して1着・3着。この闘い方は通常のマイネル系だ。
+スペシャリテ 前走7月14日ローテを歓迎せよ。
2年前に新潟2歳Sが1週前倒しになって、前走7月14日の馬が馬券圏内を占め始めた(詳細は去年のコラム参照)。
2年前
1着ザラストロ 7.14 新潟 芝16
2着ノウレッジ 7.14 新潟 砂12
3着サウンドリアーナ 7.14 中京 芝14
場所は違ってもみな7月14日。
なんかある?
そう思って、過去の前走日を洗うと、7月14に限らず、レースも違っても、同じ週に走った馬同士が馬券圏内に2頭入りやすいことがわかった。一昨年までの向こう10年で5回。
もしかして、この時期の2歳戦は思っている以上にローテーションが大事?
そう思い、去年も前走7月14日の馬に注目してみた。
該当馬はハープスターとピークトラムだった。
去年
1着ハープスター 7.14 中京 芝14
2着イスラボニータ 6.2 東京 芝16
3着ピークトラム 7.14 中京 芝16
またしても前走7.14ホースが1着3着してしまった。これでこの10年で6回同じ週に走った馬が馬券圏内に入ったことになる。
しかもこの2年で6頭中5頭の前走が7月14日。
1週前倒しになって、新潟2歳Sのゴールデン・ローテになったか? こうなるともう後戻りできない。
今年7月14日に競馬は開催されなかった。
該当日は7月12日、13日となる。
ブリクスト 7.12 中京芝14 1着
カシノハリウッド 7.13 中京芝16 1着
ニシノラッシュ 7.12 福島芝12 1着
ゴッドバローズ 7.13 福島芝18 1着
前走中京の芝14・16は過去2年での好走歴があって、頼もしい。
ブリクスト 7.12 中京芝14 1着
カシノハリウッド 7.13 中京芝16 1着
ブリクストは#1と#4でも該当した馬。
カシノハリウッドも#3で一応名前の上がった馬。
今年も走って不思議はない。
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新潟2歳S・まとめと注目
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つまりこうなる。
歓迎の儀
#1 アヴニールマルシェ・ブリクスト・ギンパリ
#2 アヴニールマルシェ・ナヴィオン・ミュゼスルタン
#3 ハナモモ・ヒルノマレット
#4 ヒルノマレット・ブリクスト
+スペシャリテ・7月14日系 ブリクスト・カシノハリウッド
+参考・マイネル系 コスモピーコック
#3の関西馬&関西名手系
+スペシャリテの前走7月14日系ローテ
この2つを特に重視し、人気その他を混ぜ合わせると以下のようになる。
大歓迎ヒルノマレット(キングカメハメハ・先行)
歓迎ブリクスト(チチカステナンゴ・差し)
歓迎ミュゼスルタン(キングカメハメハ・中団)
人気系
アヴニールマルシェ(ディープインパクト・差し)
ナヴィオン(ハーツクライ・差し)
ヒモ系
ハナモモ(ホワイトマズル・差し)
カシノハリウッド(タイキシャトル・先行)
コスモピーコック(メデイチアン・先行)
ギンパリ(ケイムホーム・差しか逃げ)
歓迎系にキンカメが2頭。人気系にデイープ&ハーツ。
うむ、やっぱり冒頭であげた「ディープインパクト産・ハーツクライ産の末脚VSキンカメ勢の先行封じ込め」でだいたいだ。
ミュゼスルタン・アヴニールマルシェ・ナヴィオンは人気だから、馬券的には6、7人気が予想されるヒルノマレット・ブリクストの2頭に期待だ。
ヒモ系は当日の人気を参考にもうひとひねりしたいけれど、上記4頭がおいしそうな場所(10人気以下)にいてくれることを願っている。
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キーンランドC・注目馬
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今年のキーンランドCは武豊騎手の復活祭的なムードになるかもしれない。
もしそうなったらどの馬が得するのかな? でもそれはスマートオリオンの枠番が決まらないと妄察しにくい。
エイシンブルズアイ
フクノドリーム
2頭の3歳に注目しておこう。