スマートフォン版へ

小倉2歳と札幌2歳と新潟記念の小根多ハーモニー

  • 2014年09月04日(木) 12時00分


「小倉2歳Sは、開催最終週だからかゾロ目、もしくは馬券圏内に同枠の馬が2頭来やすいレースで、ときにうっとりするようなゾロ目的決着もあるから、今年も16頭立て以上になったらゾロ目注意だ」としたのが去年だった。

去年の小倉2歳Sは15頭立てになってしまったので、ゾロ目期待値は少々下がってしまった。
しかし決着は、
1着 2枠 ホウライアキコ 2人気
2着 7枠 ベルカント 1人気
3着 1枠 ラブリープラネット 3人気
4着 2枠 ダンツブロード 13人気
だった。
4着に13人気のダンツブロード! ホウライアキコと同枠!
惜しい! ゾロ目はともかく馬券圏内に2頭突入にはあとちょっとだった。

ちなみにうっとりする決着とはこんなの。
12年 17頭立て
1着 3枠
2着 3枠
3着 5枠
4着 5枠
5着 8枠
6着 8枠
ツモ!

小倉は先週からBコースに替わった。
芝1200は土日で7レースあって、2レースでゾロ目決着だった。
土曜・小倉1R・2歳未勝利・18頭立て
1着 6枠 7人気
2着 6枠 3人気
3着 7枠 6人気

日曜・小倉6R・3歳未勝利・18頭立て
1着 2枠 6人気
2着 2枠 3人気
3着 7枠 11人気

1・2人気馬が絡まずにゾロ目決着。
う〜む………Bコースはいい感じに仕上がりつつある? 気のせいかな?
今年は16頭立て以上になりそうだし、もしかしてもしかするか……?

――――――――――
小倉の小根多1 浜中
――――――――――

北九州記念のときにカギを握るのは1人気濃厚の浜中騎乗のエピセアロームと書いた。
浜中騎手は同じ芝1200の小倉2歳Sでは3勝もしているのに北九州記念では馬券圏内に入ったこともないけど、今年の好調さなら、さじ加減(ペース読みや位置取り読み)1つで馬券圏内もあるのでは? そんなことを書いた。

しかし結果は1人気で7着だった。先行した馬でワンツーだったレースで、10番手を追走し、まったく追い上げられずに7着に負けた。馬のデキにも問題があったのかもしれないけれど、ちょっとしたさじ加減(この場合はペースが速くなるというさじ加減)を見誤ったか。

とはいえ、古馬の1200重賞と2歳戦の、それもキャリアの極端に浅い2歳重賞はレースの質も違うはず。
具体的に何がどう上手いのか自分にはわからないけれど、浜中騎手の良さがキャリアの浅い小倉の2歳重賞でより発揮されている可能性はある。だからここでの期待は持てるはず。

騎乗予定馬はオメガタックスマン。
予想では現在5人気。
これなら間違って1人気になることもなさそう。
問題はオメガタックスマンに勝ち負けできる素養があるかだけど、なんかありそうな感じがする。
予想とはいえ現在5人気。素養ありと思っている方が多いってことだろう。

――――――――――
小倉の小根多2 デビュー場所
――――――――――

ダービー翌週から新馬戦が東京・阪神で組まれるようになり、また中京のコース改修も行われ、コースがハードになり、早期2歳戦重賞の臨戦バリエーションは多様化してきている(ような気がする)。
去年の小倉2歳Sの1着2着馬の前走は小倉だったけれど、3着馬の前走は中京だった。
去年の函館2歳Sの1着2着馬の前走は函館だったけれど、3着馬は東京だった。
去年の新潟2歳Sの1着3着馬の前走は中京で、2着馬は東京だった。
去年の札幌2歳Sの1着馬は阪神、3着馬は福島だった。2着馬の前走は函館だったけれど、デビューは福島だった。

去年は中京・阪神・東京組が一目置かれていた。ハープスターやレッドリヴェールやイスラボニータがいたのだから当然かもしれない。ただそういう人気馬だけでなく、伏兵クラスの中にも活躍した馬はいた。やっぱり別競馬場デビュー組は出走頭数が少なく、それでいて人気の盲点にもなりやすく、検討しやすいというメリットもある。実際そこはたいへん便利だった。

では今年はどうだろう。

今年の函館2歳Sの1-3着馬の前走はみな函館だったけれど、12人気で4着した馬の前走は東京だった。
先週の新潟2歳Sの1着馬の前走は新潟だったけれど、2着馬は東京、3着馬は福島だった。

今年の小倉2歳Sで1人気が予想される2連勝中のレオパルディナの戦歴を見ると、今年も別競馬場組の狙いは立つように思える。

阪神・新馬・1着
小倉・フェニックス賞・1着

フェニックス賞
1着 レオパルディナ 阪神・新馬1着
2着 クールホタルビ 阪神・新馬1着→函館2歳8着
3着 マルトクビクトリー 小倉・新馬8着
4着 ノーブルルージュ 阪神・新馬1着

阪神組が1・2・4着。最近は前哨戦としての役割が担えていないように思えるフェニックス賞だけど、
参考にはなる。
小倉2歳には1着・2着・4着馬が登録している。

小倉2歳に登録のあるゼンノイザナギは東京4着・中京2着・小倉1着で、
ブラッククローバーは中京5着・小倉2着・小倉1着だ。
これがすべてを表しているとは言えないが、東京・阪神・中京で勝てなかった馬が小倉に活路を求めて、1着しているのも事実だ。

浜中騎乗のオメガタックスマンは
阪神・新馬2着→中京未勝利1着馬で、別競馬場組だ。

阪神2着時の1着馬は1人気が予想されるレオパルディナで、タイム差なしのクビ差だった。
レオパルディナがここで勝ち負けできるのならば、オメガタックスマンでも勝ち負けできると仮定することは、それほど素っ頓狂でもスットコドッコイでもないはず。

ちなみにオメガ以外の別競馬場1着組は5頭いる。
クールホタルビ 阪神1着
タガノアザガル 中京1着←阪神2着
タガノヴェルリー 中京1着
ノーブルルージュ 阪神1着
レオパルディナ 阪神1着

タガノ2頭は中京組か…。今年の3歳戦でもタガノの2頭はマイル以下のレースで頑張っていたっけ。タガノブルグはNHKマイル2着、タガノグランパはファルコンS1着だった。タガノにスプリント系ブームが来ている? ちょっとそそられる。ただオメガタックスマンには他にも素養がありそう。

――――――――――
小倉の小根多3 社台系生産馬がいっぱいの札幌2歳、社台系生産馬が少ない小倉2歳
――――――――――

今年も札幌2歳Sには9頭の社台系生産馬が登録している。基本的には、コーナー4つの1周競馬の少ない2歳重賞は王道クラシックを狙う陣営にとっては貴重なはず。今年はホープフルSが重賞に昇格したとはいえ、少ないことに変わりはない。だからクラシックを見据える社台系生産馬が集まるのは当然と言える。

逆に夏の終わりの小回り・平坦・短距離重賞は、超早熟の完成度が問われかねないレースでもあり、どうしても社台系生産馬の出走は少なくなりがち。
それでも小倉2歳Sに今年は4頭も登録している。そして過去にも社台系生産馬はそれなりに好走もしている。

オメガタックスマン 社台F生産 個人馬主
スノーエンジェル 社台F生産 個人馬主
ロットリー    社台F生産 個人馬主
レオパルディナ  坂東牧場  キャロット(ノーザンF系)

1人気が予想されるレオパルディナは、生産は非社台系だけど、馬主はキャロット。つまり育成はノーザンF系か。
スノーエンジェルは予想4人気。
オメガタックスマンは予想5人気。
社台系は頭数は少ないけれど、中身はそれなりに濃そう。

ちなみに去年3着したラブリープラネットや11年に1着したエピセアロームは社台系生産馬で、別の競馬場から乗り込んで来た馬だった。08年のデグラーティアは非社台生産馬で、サンデーR馬主だから、レオパルディナと同じような立ち位置で、臨戦もそっくりだ。

13年
3着 ラブリープラネット(社台F・個人馬主) 前走中京

11年
1着 エピセアローム(ノーザンF・吉田勝己氏) 前走・京都←前々走・阪神

08年
1着 デグラーティア(非社台生産・サンデーR) 前走・小倉フェニックス賞1着←前々走・阪神1着

つまりこの時期の小倉に乗り込んで来るということはそれなりに理由があるはずで、勝負度合いは強いとも言えるわけだ。

――――――――――
小倉の小まとめ
――――――――――

小根多2のデビュー場所と小根多3の社台系を統合して残るのは
オメガタックスマンとレオパルディナの2頭となる。
レオパルディナは初戦を逃げて勝ち、2戦目を先行して勝つという小倉2歳で勝つために必要なセンスを見せた。
1人気も納得だ。
ただそのレオパルディナに初戦でクビ差負けしたオメガタックスマンもまだまだ見限れない。
新馬戦2着・未勝利1着はともに上がり1位だった。
ならば、予想5人気のオメガタックスマンを狙った方が断然美味しい。浜中も5人気なら存分に力を発揮させられるのではないか?

小倉2歳S注目馬
強・オメガタックスマン
弱・タガノヴェルリー

オメガタックスマンとタガノヴェルリーの入った枠のゾロ目を抑えるのは言うまでもない。

――――――――――
札幌2歳Sの小まとめ
――――――――――

大雑把に言えば、人気の社台生産系VSちょい人気のマイネル系の闘いだと思っている。
去年は1人気のマイネルフロストが5着に負けて、社台F生産のレッドリヴェールが1着して、ちょい人気(5人気)のマイネグレヴィルが2着した。
去年は不良馬場だったけれど、ちょい人気のマイネル系が好走することは馬場に関係なくある。

今年の1人気はマイネルサクセサーのようだから、今年は果敢に攻めてもいいのではないか?

札幌2歳注目馬
フォワードカフェ・蛯名騎手が乗り込む
マイネルシュバリエ・柴田大騎手がわざわざ騎乗しに行く人気のなさそうなマイネル。

――――――――――
新潟記念の小まとめ
――――――――――

8月7日のコラムで「8月のディープインパクト」と題して、8月の芝重賞に出走するディープインパクト産はナイガシロにできないと書いた。
1カ月がすぎ、8月の芝重賞の通算成績が出た。こんな感じだ。

5-5-3-5-8(1着・2着・3着・4着・5着以下) 合計26頭

勝率.192 連対率.385 複勝率.500 
単回収値73円 複回収値91円

以下は去年2013までの8月の芝重賞成績
1着-2着-3着-4着-5着以下=3-1-3-4-2
勝率 .231 連対率.308 複勝率.538
単勝回収値 81円 複勝回収値102円

勝率と複勝率は下がったけれど、連対率は上がった。
今年は例年以上にディープインパクト産の出走があった。それでこの成績だから、8月の夏競馬にあえて出走してくるディープインパクト産はそれなりの勝算あっての出走だとは言えそうだ。
しかも、ディープインパクト産が2頭以上出走するレースでは、1頭は連対しやすい傾向にある。
また1、2人気のディープインパクト産もナイガシロにしにくい。

新潟記念には8頭のディープインパクト産が登録してきた。
すでに9月だけれど、夏競馬のラストということで注目してみる。

ヴィクトリースター53 エスポジート
エックスマーク55 石橋脩
クランモンタナ54 善さん
ニューダイナスティ55 吉田豊
マーティンボロ56 ローウィラー
ラストインパクト57 川田
――除外対象
ダコール56 ――
ボレアス52 ――

小倉記念では6頭のディープインパクト産が出走し、3人気・6人気のディープ産でワンツーを決めた。
ならばここでもあれこれ考えずにディープインパクト産のボックスで何らかのハーモニーに期待したいところ。
でも、一応嗜みとして、

ヴィクトリースター 
マーティンボロ 

この2頭に注目しておく。
1番人気になりそうなマーティンボロと出走が確定的な6頭のディープ産の中では一番人気がなさそうなヴィクトリースター。
この2頭がいっしょに来たら、なかなかのハーモニーだ。夏の終わりのハーモニーだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング