スマートフォン版へ

今年は牝馬の上位独占もあるか!?/セントウルS

  • 2014年09月10日(水) 18時00分
■セントウルS(G2・阪神芝1200m)フルゲート16頭/登録17頭

【コース基本情報】阪神芝1200m内 Aコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単勝67%・複勝88% 人気薄の複勝率高くヒモ荒れ傾向アリ。

・馬連万馬券出現率
 [標準] 14.1%(平均値↑1.7% 馬連平均配当4868円)

・枠番別複勝率(16頭立て)
 [1枠〜2枠] 勝率 5.7% 連対率10.7% 複勝率17.6% 複回率 95% 枠番値+0.2
 [3枠〜4枠] 勝率 2.5% 連対率 8.8% 複勝率15.1% 複回率 79% 枠番値±0
 [5枠〜6枠] 勝率 9.4% 連対率14.4% 複勝率19.4% 複回率 59% 枠番値-0.3
 [7枠〜8枠] 勝率 7.5% 連対率16.3% 複勝率23.1% 複回率158% 枠番値±0
 ────────────────────────────────────
 [01番〜08番] 勝率 4.1% 連対率 9.7% 複勝率16.4% 複回率 87% 枠番値+0.2
 [09番〜16番] 勝率 8.4% 連対率15.3% 複勝率21.3% 複回率109% 枠番値-0.1
 →いずれの指標からも「外>内」と結論づけられる。外枠重視の姿勢で。

・脚質別信頼度
 先行≧差し>逃げ>>>追込 短距離戦ながら意外に差し馬が強いコース。

・推定ラップ&タイム
 [均等] 33.8-34.0=1.07.8 この時期は前半と後半はほぼ均等となりやすい。

 バックストレッチ中央からやや2コーナー寄りの地点からスタートして、内回りコースを通って直線へと向かうコース設定。最初のコーナーまでが243mと長くはないため、スタート直後のポジション争いが激化することも少なくない。最後の直線は約356mで、残り約200mの地点から急坂ゾーンへと突入。最後の1ハロンでラップが急激に落ちるため、短距離戦ながら差しも意外に決まりやすい。

 人気別成績からいえるのが、ヒモ荒れ傾向のかなり強いコースだということ。ふたケタ人気馬はトータル[4-9-15-392]で複勝率6.7%と、その激走率はこの人気帯としては高めの水準にある。1着馬に関してはそれほど荒れないのだが、2着〜3着はときに大きく紛れるものだと想定しておいたほうがいい。

 コース形態からは内枠が有利に思えるのだが、枠番別成績を見ると完全に「外枠>内枠」の関係性であるのが判明。単純に内外を比較するだけでも、その勝率には2倍以上もの大差が出ている。もっとも成績が悪い3枠〜4枠は、勝率2.5%、連対率8.8%とかなりの低空飛行。外枠重視の姿勢で攻めたほうが、好結果を呼び込めるコースである。

【レース基本情報】セントウルS(G2)阪神過去10年
・レース平均配当
 単勝1110円 馬連4978円 3連複2万7253円

・1番人気馬成績
 [1-3-3-2] 勝率11.1% 連対率44.4% 複勝率77.8%

・3番人気以内馬成績
 [4-6-5-12] 勝率14.8% 連対率37.0% 複勝率55.6%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [4-1-1-21] 勝率14.8% 連対率18.5% 複勝率22.2%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [0-1-1-25] 勝率 0% 連対率 3.7% 複勝率 7.4%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-2-44] 勝率 2.1% 連対率 4.2% 複勝率 8.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 22.2% [先行] 55.6% [差し] 22.2% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 14.8% [先行] 51.9% [差し] 25.9% [追込] 7.4%

・性別成績
 [牡馬] 4-7-6-71 連対率12.5% 複勝率19.3%
 [牝馬] 5-2-3-31 連対率17.1% 複勝率24.4%

・年齢別成績
 [3歳馬] 2-2-1-13 連対率22.2% 複勝率27.8%
 [4歳馬] 4-2-3-20 連対率20.7% 複勝率31.0%
 [5歳馬] 3-3-3-27 連対率16.7% 複勝率25.0%
 [6歳馬] 0-1-2-27 連対率 3.3% 複勝率10.0%
 [7歳↑] 0-1-0-15 連対率 6.3% 複勝率 6.3%
 ─────────────────────────
 [5歳以下馬] 9-7-7-60 連対率19.3% 複勝率27.7%
 [6歳以上馬] 0-2-2-42 連対率 4.3% 複勝率 8.7%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率11.1% 連対率14.8% 複勝率18.5% 複回率 66% 枠番値+0.1
 [3枠〜4枠] 勝率 0% 連対率 9.7% 複勝率16.1% 複回率 38% 枠番値-1.0
 [5枠〜6枠] 勝率 8.6% 連対率17.1% 複勝率25.7% 複回率 63% 枠番値+0.8
 [7枠〜8枠] 勝率 8.3% 連対率13.9% 複勝率22.2% 複回率144% 枠番値±0
 ────────────────────────────────────
 [01番〜08番] 勝率 5.7% 連対率12.9% 複勝率18.6% 複回率 50% 枠番値-0.2
 [09番〜16番] 勝率 8.5% 連対率15.3% 複勝率23.7% 複回率116% 枠番値+0.3

・厩舎所属別成績
 [美浦] 1-1-2-15 連対率10.5% 複勝率21.1%
 [栗東] 8-6-7-86 連対率13.1% 複勝率19.6%
 [海外] 0-2-0-1 連対率66.7% 複勝率66.7%

・前走距離別成績
 [芝1000m] 3-1-0-3 連対率57.1% 複勝率57.1%
 [芝1200m] 6-6-6-76 連対率12.8% 複勝率19.1%
 [芝1400m] 0-0-2-12 連対率 0% 複勝率14.3%
 [芝1600m] 0-2-1-11 連対率14.3% 複勝率21.4%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 0-2-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0%
 [前走中央G2] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走中央G3] 7-3-5-54 連対率14.5% 複勝率21.7%
 [前走OP特別] 2-2-3-25 連対率12.5% 複勝率21.9%
 [前走条件戦] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 2-2-1-19 連対率16.7% 複勝率20.8%
 [中2週] 1-0-0-12 連対率 7.7% 複勝率 7.7%
 [中3週] 3-1-2-32 連対率10.5% 複勝率15.8%
 [中4週〜8週] 3-0-1-7 連対率27.3% 複勝率36.4%
 [中9週以上] 0-6-5-30 連対率14.6% 複勝率26.8%

・前走上がり3F順位
 [1位] 2-0-2-14 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [2位] 0-0-1-9 連対率 0% 複勝率10.0%
 [3位] 0-3-0-10 連対率23.1% 複勝率23.1%
 [4位以下] 7-4-6-66 連対率13.3% 複勝率20.5%

・注目出走パターン
 [買い] 5歳以下の牝馬(複勝率28.1%、複勝回収率164%)
 [買い] 大外に入った馬(連対率44.4%、複勝率55.6%)
 [不振] 前走2着以下の6歳以上馬(0-1-1-36)
 [不振] 前走1番人気馬をのぞく、中8週よりも長いローテの日本馬(0-0-1-24)
 [全滅] 前走北九州記念で6番人気以下かつ4着以下(0-0-0-14)

 スプリンターズSの前哨戦でもあり、ここで1番人気に推された馬はロードカナロア、スリープレスナイト、スズカフェニックスなど錚々たる顔ぶれ。しかし、1番人気に応えたのは2004年のゴールデンキャストだけで、それ以外はすべて2着以下に敗れている。これはやはり、本番を見据えた余裕残しの仕上げだったという理由が大きいのだろう。

 また、3番人気以内馬のトータルで見ても、その勝率は14.8%とかなり低水準。勝率だけなら、4番人気〜6番人気とまったく変わらない。上位人気馬は「それなりに来る」程度の信頼度であり、どんな実績馬であっても過信は禁物。ふたケタ人気の超人気薄が激走することも少なくない、それなりに波乱含みのレースである。

 脚質面は、スプリント戦らしく先行勢優勢。コースデータよりも前有利という印象だが、これは「開幕週で絶好のコンディション」であるのが要因だ。多少ペースが速くなりそうであっても、1着軸も連軸も先行勢からチョイスするのが基本。後方に置かれると、その時点で勝ち負けはかなり厳しくなる。

 年齢別では5歳以下馬が[9-7-7-60]と圧倒的に優勢で、6歳以上で買えるのは、前走で勝っていた馬くらいのもの。また、牝馬の強さも目立っており、連対率・複勝率のいずれも牡馬を5%ほど上回っている。年齢と性別からは「5歳以下の牝馬」を重視する姿勢をオススメしておこう。

 枠番はコースデータ同様に外枠優勢であり、大外に入った馬は連対率44.4%、複勝率55.6%と絶好調。あとは、絶好の馬場コンディションをフルに生かせる「内枠の先行勢」も、積極的に買う価値アリだ。対照的に大不振なのが、勝率0%で枠番値も-1.0と非常に低い、3枠〜4枠に入った馬。さすがにコレを理由に消すのはやりすぎだが、多少は割り引いて考えたほうがいい。

 あとは、中9週以上で出走する馬が一度も1着に来ていないことや、北九州記念組が「前走5番人気以内」であるのが好走の必要条件であることも、押さえておくべきポイント。また、勝ち馬のほとんどがサマースプリントシリーズを使われてきた組であるのも、しっかり意識しておきたい。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開幕週。絶好の馬場コンディションで速い時計での決着となるのは確実。

・天候予測
 日曜日まで好天が続く見込み。パンパンの良馬場でのスピード勝負に。

・勝利数トップ種牡馬
 サクラバクシンオー 勝率6.0% 連対率18.0% 複勝率25.0%

・著者の注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、ダイワメジャー産駒○、キングヘイロー産駒△、オレハマッテルゼ産駒△

 今週の関西は穏やかな天候が続いており、これは週末まで続く見込み。みっちりと生えそろったパンパンの良馬場で、ハイレベルなスピード勝負が展開されそうだ。急坂コースとはいえ、このクラスの先行勢はそうそう止まらない。つまりコースデータ、レースデータ、そして馬場と、すべてが「先行勢有利」との結論となる。

 勝利数ベースではサクラバクシンオー産駒がトップだが、これは出走数によって成し遂げられたもので、内容ではアドマイヤムーン産駒やダイワメジャー産駒のほうが、はるかに優秀。意外なところでは、オレハマッテルゼ産駒も連対率31.3%、複勝率43.8%と、非常に高い適性を見せている。

 血統面でプラス評価としたのは、ダイワメジャー産駒のエピセアローム、アドマイヤムーン産駒のハクサンムーン、キングヘイロー産駒のマヤノリュウジン、そしてオレハマッテルゼ産駒のメイショウイザヨイ。メイショウイザヨイがこの強豪相手にどんなレースを見せてくれるのか、じつに楽しみである。

★総論×各論

 待ち遠しかった秋競馬が今週からスタート。その開幕を告げるのが、スプリンターズSのもっとも重要な前哨戦である、セントウルSだ。とはいえ、今年の登録馬は例年に比べて、やや手薄な印象。昨年の覇者ハクサンムーンが大将格で、CBC賞を制したトーホウアマポーラとその2着馬エピセアローム、オープン特別を連勝中のマヤノリュウジンなどが、人気を集めそうである。

 当データ分析での評価は、エピセアロームメイショウイザヨイが横並び。実績を考えるとエピセアロームを上位に評価すべきところだが、セントウルSが中波乱傾向という点を加味して、あえてメイショウイザヨイのほうをトップ評価としたい。

 重賞初挑戦の前走・北九州記念で、13番人気という低評価を覆して2着に好走したメイショウイザヨイ。52キロの恩恵があったとはいえ、ゴール寸前まで粘り切った走りに、このところの成長がうかがえる。先行脚質だがハナにこだわるタイプではなく、行きたい馬を行かせて好位で我慢できるのもプラス。過去の好走パターンに合致するプロフィルの持ち主であるのは、間違いない。

 また、その北九州記念で人気を裏切ったエピセアロームだが、こちらは発馬でゴチャついたのが痛かった。いつものようにスッと好位さえ取れれば、巻き返して当たり前という地力の持ち主。一昨年、3歳牝馬の身でこのレースを制した馬であるのを、忘れてはいけない。久々の重賞制覇を、ここで成し遂げる可能性はけっこう高いはずだ。

 そして三番手に、北九州記念を勝ったリトルゲルダ。近3走はいずれも重賞での好走であり、ここに来ての成長はめざましいものがある。この馬については、アイビスSDで昨年3着、今年4着と好走しているのも強調材料。というのも、アイビスSDとセントウルSは、意外なほど関連性が強いレースなのだ。重賞連勝があっても、まったく驚けない。

 上位人気が確実視されるハクサンムーンは、四番手評価にとどまった。その実績や適性、速力などがここで上位であるのは言うまでもないが、ローテ面や騎手の乗り替わりなど、意外に不安材料が目立つ一戦。コース適性の高さがズバ抜けているのも承知しているが、それでも過信は禁物。ここは少なくとも、アタマで買うべきタイミングではない。

 以下は、トーホウアマポーラ、マヤノリュウジン、フォーエバーマーク、アンバルブライベンという評価順。あとは枠番やデキによる評価の上げ下げとなるが、現時点では上位3評価頭の組み合わせから流す3連単や3連複がオススメ。馬連や馬単でソコソコの配当が見込めるなら、そこでメイチ勝負もいいかもしれない。

■京王杯オータムH(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録17頭

 中山競馬場の改修にともなう開催変更のため、今年は新潟芝1600m外で行われる京王杯オータムH。クセの強い中山芝1600mとは、要求される適性が「思いっきり」違うコースであり、過去の傾向などまるっきり役に立たないと思われる。例年だったらまず来ないパターンの馬が、今年は来る。そういう視点から、好走馬を読み解いてみたい。

 ……などと大それた前振りをしてみたが、これはもう「関屋記念・第2ラウンド」と考えるのが、いちばん手っ取り早い。サマーマイルシリーズの第2戦と第3戦が同じコースで、しかも中3週という理想的なローテで出走できるのだから、関屋記念の好走馬が出てこないワケがない。実際、登録馬17頭のうち10頭までが前走関屋記念組である。

 最大の差異は、関屋記念が別定戦であったのに対し、今回がハンデ戦であるという点。関屋記念を勝ったクラレントは1キロ増えて斤量58キロだが、これがプラスにならないのは当然である。また、サマーマイルシリーズの第1戦・中京記念を勝ったサダムパテックも、ここはハンデ58.5キロという重いハンデ。そうそう楽には勝たせてもらえそうにない。

 というわけで、サマーマイルシリーズを勝てる可能性があり、しかもハンデ面での恩恵もありそうなブレイズアトレイルをトップ評価。同様にエクセラントカーヴミッキードリームの2頭も、注目馬にあげておきたい。前走関屋記念組以外では、54キロの3歳馬キングズオブザサンも要注目。春の実績を考えると、このハンデはけっこう恵まれた印象だ。

※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング