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主役級の2頭は明暗ハッキリ!?/ローズS

  • 2014年09月17日(水) 18時00分
■ローズS(G2・阪神芝1800m)フルゲート18頭/登録18頭

【コース基本情報】阪神芝1800m外 Aコース使用
・コース回収率
 [標準] 単勝75%・複勝75% ハッキリと人気サイドが強いコース

・馬連万馬券出現率
 [低め] 9.5%(平均値↓2.9% 馬連平均配当5949円)

・枠番別成績(16頭〜18頭立て)
 [1枠〜2枠] 勝率 3.7% 連対率 9.0% 複勝率15.4% 複回率 72% 枠番値±0
 [3枠〜4枠] 勝率 4.1% 連対率 9.4% 複勝率15.4% 複回率 60% 枠番値-0.2
 [5枠〜6枠] 勝率 7.9% 連対率14.7% 複勝率19.2% 複回率 81% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 7.1% 連対率13.1% 複勝率19.4% 複回率120% 枠番値±0
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 4.3% 連対率10.0% 複勝率16.2% 複回率 70% 枠番値±0
 [10番〜18番] 勝率 7.5% 連対率13.5% 複勝率18.9% 複回率103% 枠番値±0
 →信頼度は全体的に外枠のほうが高めのコース。勝率差は特に大きい。

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ>追込 末脚が生きるコースで差し脚質が優勢

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 34.8-35.5-34.5=1.44.8 中盤が緩んで上がりが速い瞬発戦

 2コーナー付近のポケットからスタートして、バックストレッチをすべて使うコース形態。最初のコーナーに進入するまで600m以上もあるため、序盤から激しいポジション争いが行われることはほとんどない。外回りなのでコーナー部分もゆったりとしており、オマケに最後の直線まで長いのだから、いわゆる展開の「紛れ」はかなり出にくい。

 それを証明しているのが、人気別成績や枠番別成績のデータ。2番人気以内馬はトータル[97-65-43-133]で勝率28.7%、連対率47.9%、複勝率60.7%という非常に高い信頼度を誇っており、勝ち馬全体のじつに57.4%が、2番人気以内馬によるもの。人気馬の期待値が高いため、そのぶん人気薄の期待値が自然と低くなる。

 また、枠番別成績を見ても、展開の紛れが小さいコースであるのは明白。勝率や連対率などの指標は外枠のほうが高めなのだが、枠番値では差がほとんど出ていない。つまり、枠番を問わず「人気どおりの着順」に来ているということで、大きなプラスになる枠やマイナスになる枠は見当たらない。少しだけ外枠優勢、と捉えておけば問題ない。

 長い直線を生かした瞬発力勝負となることが多いコースで、序盤〜中盤のラップが緩む流れとなりやすい。勝負所である4コーナー進入前あたりから一気に速くなる流れで、ワンペースで走るような馬だと苦戦必死。スローから一気にギアを上げて速い末脚を繰り出せるような、緩急に強い瞬発力タイプの馬を積極的に狙っていきたい。

【レース基本情報】ローズS(G2)阪神過去7年
・レース平均配当
 単勝1039円 馬連6396円 3連複1万7730円

・1番人気馬成績
 [4-1-1-1] 勝率57.1% 連対率71.4% 複勝率85.7%

・3番人気以内馬成績
 [4-3-3-11] 勝率19.0% 連対率33.3% 複勝率47.6%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [2-1-1-17] 勝率 9.5% 連対率14.3% 複勝率19.0%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [1-2-1-17] 勝率 4.8% 連対率14.3% 複勝率19.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-1-2-38] 勝率 0% 連対率 2.4% 複勝率 7.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 14.3% [先行] 28.6% [差し] 57.1% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 4.8% [先行] 19.0% [差し] 66.7% [追込] 9.5%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率10.0% 連対率15.0% 複勝率25.0% 複回率101% 枠番値-0.2
 [3枠〜4枠] 勝率 4.2% 連対率 4.2% 複勝率 4.2% 複回率 4% 枠番値-1.5
 [5枠〜6枠] 勝率11.1% 連対率22.2% 複勝率29.6% 複回率 67% 枠番値+0.3
 [7枠〜8枠] 勝率 3.0% 連対率12.1% 複勝率21.2% 複回率127% 枠番値+1.4
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 9.5% 連対率14.3% 複勝率20.6% 複回率 62% 枠番値-0.8
 [10番〜18番] 勝率 2.4% 連対率12.2% 複勝率19.5% 複回率102% 枠番値+1.1

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-1-2-13 連対率16.7% 複勝率27.8%
 [栗東] 5-6-5-66 連対率13.4% 複勝率19.5%

・前走距離別成績
 [芝1200m] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1400m] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%
 [芝1600m] 1-0-1-7 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [芝1800m] 0-2-4-25 連対率 6.5% 複勝率19.4%
 [芝2000m] 0-1-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0%
 [芝2400m] 6-4-1-23 連対率29.4% 複勝率32.4%
 [芝2600m] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダート戦] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 7-4-1-26 連対率28.9% 複勝率31.6%
 [前走中央G2] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走中央G3] 0-1-1-3 連対率20.0% 複勝率40.0%
 [前走OP特別] 0-1-0-4 連対率20.0% 複勝率20.0%
 [前走条件戦] 0-1-5-42 連対率 2.1% 複勝率12.5%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [中2週] 0-1-1-16 連対率 5.6% 複勝率11.1%
 [中3週] 0-0-1-5 連対率 0% 複勝率16.7%
 [中4週〜8週] 0-1-3-17 連対率 4.8% 複勝率19.0%
 [中9週以上] 7-5-2-37 連対率23.5% 複勝率27.5%

・前走上がり3F順位
 [1位] 2-1-1-15 連対率15.8% 複勝率21.1%
 [2位] 0-2-4-11 連対率11.8% 複勝率35.3%
 [3位] 4-2-0-3 連対率66.7% 複勝率66.7%
 [4位以下] 1-2-2-46 連対率 5.9% 複勝率 9.8%

・注目出走パターン
 [特注] 前走オークスでひとケタ着順(連対率40.0%、複勝率40.0%、複回率124%)
 [買い] 前走での上がり3F順位が3位以内(連対率24.4%、複勝率35.6%)
 [買い] 7枠〜8枠に入った人気薄(7番人気以下での複勝率15.4%)
 [不振] 前走での上がり3F順位が6位以下(0-0-1-37)
 [不振] 前走条件戦で3番人気以下(0-0-1-23)

 分析対象データは、現在の条件となった2007年以降の過去7回。1番人気に推された馬はトータル[4-1-1-1]で連対率71.4%、複勝率85.7%と、非常に高い信頼度を誇っている。とはいえ、2番人気〜3番人気の信頼度はそれほど高くはなく、これなら4番人気以下の中穴ゾーンを狙ったほうが効率はよさそう。ふたケタ人気の超穴馬もそれなりに馬券絡みがあり、ヒモで荒れるケースを狙い撃つのが面白そうな印象である。

 脚質は完全に差し優勢。「逃げ〜先行して馬券に絡んだ馬が3着以内馬全体の4分の1以下」というのはかなりのレアケースで、コースデータでも解説したように、いかに瞬発力勝負となることが多いかを示している。軸馬候補もヒモ候補も、優先すべきは圧倒的に「差し」脚質。先行勢は、人気でも疑ってかかったほうがいいかもしれない。

 注目は枠番別データ。単純に内外を比較すると信頼度は「内>外」なのだが、枠番値は圧倒的に「外>内」と見事に対照的。つまり「内枠の人気馬」と「外枠の穴馬」の成績がいいということだ。クセのないコースなので枠番を気にする必要はあまりないが、人気薄を狙うときには外枠重視がオススメ。7枠〜8枠の馬はけっこうアツい。

 それ以外で目立っているのは、やはり「前走G1組」の驚異的な強さだろう。その主力は当然ながら前走オークス組で、夏場を休養にあてていた実績馬を素直に狙うのが、ローズSで儲ける上でのセオリー。先週のセントウルSとは違って、いわゆる「夏の上がり馬」はかなり期待薄なのだ。この組は、来たとしても3着までというケースがほとんど。当然、本命は前走オークス組からチョイスするべきである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 2週目で引き続きAコース。内枠&先行勢の強さが目立っている。

・天候予測
 週末が現在のところ土日ともに雨予報。渋る可能性が高そうだ。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率19.2% 連対率31.7% 複勝率39.6%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○

 コース全体で連対率31.7%、複勝率39.6%という超ハイアベレージを残しているディープインパクト産駒。期間内に46勝をあげており、これは勝利数2位のキングカメハメハ産駒(14勝)のトリプルスコア以上という驚異的な成績だ。持ち前の軽いスピードと瞬発力をフルに生かせるコースであり、適性の高さは抜群といえる。

 となると、ディープインパクト産駒と適性の方向性が似かよっているハーツクライ産駒も、当然ながら好成績。今年のローズSで血統面から「買い」ジャッジが下せそうなのは、ディープ&ハーツの二強くらいのものだ。

 ちょっと気がかりなのが、ステイゴールド産駒の不振。期間内成績[3-4-3-52]で勝率4.8%、連対率11.3%、複勝率16.1%と、その成績はイマイチどころかイマサンくらい。好走しているのは1番人気馬「だけ」といっても過言ではない。人気の一角であるレッドリヴェールだが、その扱いにはけっこう注意が必要だと思われる。

★総論×各論

 桜花賞馬ハープスターが凱旋門賞へと向かうため、秋の牝馬クラシック戦線はオークス馬ヌーヴォレコルトが主役に。それに続くのが、2歳女王であり桜花賞でも2着に好走したレッドリヴェールで、そこから大きく離れてブランネージュやサングレアルが続く……というのが、今年のローズSにおける図式である。

 前走G1組、特にオークス組が圧倒的に強いレースであるのは前述した通りで、これ以外の馬は2着〜3着に来るのが精一杯。ところが今年は、勝つ上での必要条件である「前走オークスでひとケタ着順」という条件を満たす馬が、サングレアルとヌーヴォレコルト、ブランネージュの3頭しかいない。

 また、好走馬を占う上で重要な指標となる「前走上がり3F順位」が1位〜3位だった人気馬の少なさも、今年の登録馬における特徴。オークスからのローテでこの条件をクリアするのは、オークス馬ヌーヴォレコルト(3位)しかいない。ローズSは意外にオークス馬が「好走するが勝てない」レースなのだが、それでも今年はこの馬を信頼するしかない──というのが、当データ分析からの見立てである。

 というわけで、トップ評価は順当にヌーヴォレコルト。二番手にリラヴァティ、三番手にブランネージュ、四番手サングレアルと、ここまでが上位評価組である。以下のヒモ候補は、ヒルノマテーラ、レッドリヴェール、リリコイパイ、アドマイヤビジンといった評価の序列。ダービーにも果敢に挑戦したレッドリヴェールの強さは誰もが認めるところだが、ここはリターンよりもリスクのほうが大きいタイミングとなりそうだ。

■セントライト記念(G2・新潟芝2200m内)フルゲート18頭/登録25頭

 例年とは違い、新潟2200mの内回りコースで行われる、今年のセントライト記念。皐月賞馬イスラボニータに同2着のトゥザワールドなどが参戦を予定しており、非常に豪華なメンバーによる激戦が期待できそうである。

 とはいえ、新潟開催では過去のレースデータは何の意味もなさず、分析は事実上不可能──と匙を投げていても仕方がないので、過去の傾向から多少なりともアテにできそうなものを引っ張り出すとしよう。例年とは出走馬のレベルも異なるので、自信度はきわめて低くなるが、多少なりとも参考にしていただければ幸いだ。

 人気の中心となるのは当然「前走ダービー組」なのだが、ローズSとは違って、ここを過信するのは禁物。昨年1番人気13着のヒラボクディープのように、人気を背負ってコロッと負けるケースが意外に多いのである。さすがにイスラボニータやトゥザワールドくらいの馬だと大丈夫な気もするが、コケてもおかしくないレースではある。

 注目は「中2週〜中3週で出走する穴馬」か。7番人気以下で3着以内に好走した馬の多くがこの条件を満たしているのだが、今年の登録馬ではクロニクルスカイサングラススズカヴァンガードフェスティヴイェルの4頭しかコレに該当しない。サングラス以外はすべて抽選となるが、もし出走してきたら狙ってみる価値アリだ。

※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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