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危なっかしい匂いのするローズSの2・3人気

  • 2014年09月18日(木) 12時00分


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熟考すべきは1人気ではなく、2人気・3人気かもしれない。
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ローズSが芝1800の角2(コーナー2つ)のトライアルレースになって、今年で8年目。
1人気馬が強く、ナイガシロにしにくくなっていることは薄々感じていたけれど、過去7回の結果からそれはより鮮明になっている気がする。

1人気成績 4-1-1-1

ただし鮮明になりつつあるのは1人気だけではない。
2人気・3人気の馬もなかなかに鮮明だ。

1人気をナイガシロにしにくいかわりに、2人気・3人気の馬はナイガシロにしやすくなっているからだ。

2人気 0-2-0-5
3人気 0-0-2-5

2人気2着2回、3人気3着3回。

1人気は来るなら1着、2人気は来るなら2着、3人気は来るなら3着。
とてもわかりやすい。
しかも、さらにわかりやすいことに、2人気も3人気も来るときはいっしょだったりする。
そう、この条件になって過去7年で2回1・2・3人気の決着が人気順どおりにあるのだ。これも珍しい。

1・2・3人気決着があると思えば、そのまま3連単でそれを買えばいいわけで、ときに1点でいいことにもなる。
つまりこういうことだ。

「ローズSは1人気を大切にし、2、3人気をナイガシロにしていい。
ただし、2、3人気をナイガシロにしいくいと思ったら、1・2・3人気で決まることを想定してもいい」

はたして、今年はどうなのかな?

それを考えるのには、どんな2人気3人気が圏外に敗れているのかを知る必要もある。
(○は馬券圏内。×は馬券圏外。レース名は前走)

13年
○1人気 1着 デニムアンドルビー オークス3着 
×2人気14着 エバーブロッサム オークス2着 
×3人気13着 レッドオーヴァル オークス17着 

12年
◯1人気1着 ジェンティルドンナ オークス1着 
◯2人気2着 ヴィルシーナ    オークス2着 
◯3人気3着 ラスヴェンチュラス 三面川(1000万)3着 


11年
◯1人気 1着 ホエールキャプチャ オークス3着 
×2人気 6着 マルセリーナ    オークス4着 
×3人気10着 エリンコート    オークス1着 


10年
◯1人気4着 アパパネ    オークス1着 
×2人気7着 アグネスワルツ オークス3着 
×3人気8着 オウケンサクラ オークス5着 

09年
◯1人気2着 レッドディザイア オークス2着 
×2人気4着 ミクロコスモス  大倉山(1000万牝)1着 
×3人気9着 ワイドサファイア オークス出走取り消し 

08年
◯1人気3着 レジネッタ     クイーンS2着 
×2人気6着 トールポピー    オークス1着 
×3人気5着 メイショウベルーガ クイーンS7着 

07年
◯1人気1着 ダイワスカーレット 桜花賞1着 
◯2人気2着 ベッラレイア    オークス2着 
◯3人気3着 レインダンス    三面川(1000万牝)1着 


○××が4で、○◯◯が2。
2:1。

そうそうたる春の実績馬が1-3人気に支持されているけれど、2・3人気に支持された実績馬の成績が芳しくないのがよくわかる。

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社台F系の休み明けの2・3人気馬の不調が気になる。
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どうも社台F系の馬の休み明けの好走率が低いように見える。
そのあたりにスポットを当てたのが以下の事例だ。
生産者的な項目を足してみた。

13年
◯1人気 1着 デニムアンドルビー オークス3着 ノーザンF(個人馬主)
×2人気14着 エバーブロッサム オークス2着 社台F(個人)
×3人気13着 レッドオーヴァル オークス17着 社台F(東京ホースR)

12年
◯1人気1着 ジェンティルドンナ オークス1着 ノーザンF(サンデーR)
◯2人気2着 ヴィルシーナ    オークス2着 ノーザンF(個人)
◯3人気3着 ラスヴェンチュラス 三面川(1000万)3着 社台F(個人)


11年
◯1人気 1着 ホエールキャプチャ オークス3着 非社台系
×2人気 6着 マルセリーナ    オークス4着 社台F(社台RH)
×3人気10着 エリンコート    オークス1着 社台F(吉田照)


10年
◯1人気4着 アパパネ    オークス1着 ノーザンF(個人)
×2人気7着 アグネスワルツ オークス3着 社台F(個人)
×3人気8着 オウケンサクラ オークス5着 非社台系

09年
◯1人気2着 レッドディザイア オークス2着 社台F(東京ホースR)
×2人気4着 ミクロコスモス  大倉山(1000万牝)1着 ノーザンF(サンデーR)
×3人気9着 ワイドサファイア オークス出走取り消し 社台F(個人)

08年
◯1人気3着 レジネッタ     クイーンS2着 追分F(社台RH)
×2人気6着 トールポピー    オークス1着 ノーザンF(キャロット)
×3人気5着 メイショウベルーガ クイーンS7着 非社台系

07年
◯1人気1着 ダイワスカーレット 桜花賞1着 社台F(個人)
◯2人気2着 ベッラレイア    オークス2着 ノーザンF(吉田勝)
◯3人気3着 レインダンス    三面川(1000万牝)1着 社台F(吉田照)


2・3人気馬は基本的に期待を裏切るけれど、特に休み明けの社台F系の馬の成績がよろしくないのがわかる。
2・3人気に8頭の社台F系の馬がいたけれど、馬券になったのは夏に使われていたレインダンスとラスヴェンチュラスの3着のみ。休み明けの6頭はすべて6着以下で掲示板にも入れてない。ちなみに1人気で3着したレジネッタは夏に使われていた。
休み明けでも馬券になった社台F系の馬は1人気だったダイワスカーレット(1着)、レッドディザイア(2着)の2頭のみ。1人気に支持されないとヤバイことがわかる。

ヌヌヌ!!
今年の1人気はおそらく、ほぼ間違いなく社台F生産の2頭、ヌーヴォレコルトかレッドリヴェールのどちらかのはず。
ローズSの過去歴からは、1人気になった馬は馬券になるけれど、2人気になった馬は掲示板にも乗らないことになる。

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1人気はヌーヴォレコルトかレッドリヴェールか、そこはけっこうな問題だ。
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netkeiba.comの予想ではヌーヴォレコルトとレッドリヴェールの人気は現在(水曜夕方)同時1位。ヌヌヌ!!

1人気 ヌーヴォレコルト 前走オークス 社台F生産(個人)
1人気 レッドリヴェール 前走ダービー 社台F生産(個人)

ここは興味深い。
自分はてっきりヌーヴォレコルトが1人気だと思っていたけれど、
週中ムードは五分五分のようだ。
はたして1人気をつかむのはどっちだ?

ちなみに上位人気は3頭で形勢されそう。
1人気 ヌーヴォレコルト 前走オークス 社台F生産(個人)
1人気 レッドリヴェール 前走ダービー 社台F生産(個人)
3人気 サングレアル   前走オークス ノーザンF生産(サンデーR)

この3頭で○◯◯はあるか?
社台F系は1人気がよろしくて、休み明けの2・3人気はよろしくない傾向にある。
ノーザンF系も休み明けの2・3人気がけっしていいわけではないけれど、0-2-0-2で社台F系よりはいい。

つまり本番でもヌーヴォレコルトとレッドリヴェールがダブルで1人気になるならば、どちらも来ると仮定してもいいことになる。なるにはなる。
ヌーヴォ→レッド→サングレアル
レッド→ヌーヴォ→サングレアル
こんな感じ。
3連単2点ですむ!

やったー!!
ヌーヴォとレッドが同時に1人気になることが限りなく薄い確率であることはわかっている。
でも、もし、本当に同時1人気になったら、それはそれでスーパーレアだ。そのスーパーな珍現象に乗らないのもどうかと思う。
むしろ最高の敬意で持って、3連単2点を買ってみたい!

とはいえ、同時1人気はふつうに考えて少しファンタジーだ。
たとえ接戦になったとしても1人気・2人気・3人気の順位はきちんと生まれるはず。
そうなると、どうしても○◯◯ではなく、○××で馬券を買いたくなる。

その場合のリスペクトは当然1人気。
×は2人気・3人気。

1・2・3人気の取扱については、あえて機械的に進めたい。
ヌーヴォレコルトが1人気になれば、それを大事にし、レッドリヴェールが1人気になれば、それを大事にしたい。
でも一応、情緒的なことに触れるならこうなる。

ローズSは桜花賞・オークスの延長戦上にあって、その線は秋華賞までつづく。
つまり馬体重430キロ未満の馬には過酷なロードでもある。
これは数年前から桜花賞が来るたびに書いているし、オークスでも秋華賞でも書いているけど、もちろんローズSでもあてはまる。特に秋は馬の成長分も加味されるのか、春以上に馬体重は繊細な気がする。440未満でも苦しい闘いを強いられがちだからだ。

過去7年で馬体重440未満の馬で馬券圏内に入ったのは2頭。
08年 7人気1着マイネレーツェル 412キロ
12年 3人気3着ラスヴェンチュラス 408キロ

ちなみにローズSでは450未満の馬が馬券圏内に2頭以上占めたことはない。過去7年でも過去10年でもない。つまり圏内に2頭以上は常に450以上の馬がいたことになる。

ヌーヴォレコルト 前走444
レッドリヴェール 前走410
サングレアル   前走400

人気の3頭は前走みな450を切っていただけでなく、2頭は420にも満たない馬だった。
はたしてどこまで成長できているか? 
もしくはどこまでふっくら仕上げられているか?
最近は10キロ以上のプラスで出て来ることが多いから、ヌーヴォレコルトは450以上の可能性はあるけれど、レッドリヴェールとサングレアルは成長にも限界がありそう。

前記したように420未満の馬が馬券圏内に入ったことはあるから、簡単には切り捨てられないけれど、レッドリヴェールとサングレアルの2頭がともに馬券圏内に入ることは低いとは想定できる。

というわけで、週の真ん中水曜日・木曜日、取りあえず1人気には敬意を表し、2人気3人気には危なっかしい要素があるというスタンスに立ってみる。
理想は1人気ヌーヴォレコルト・2人気レッドリヴェール・3人気サングレアルで、レッドリヴェールとサングレアルが440未満であること。

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穴は大きい馬から抽出できれば簡単だ。
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小さい馬は危なっかしいとした以上は穴は大きい馬から拾ってみたい。
前走の馬体重を参考に大きい馬を探すとこうなる。

1位 471 リックタラキチ 予想18人気
2位 468 アドマイヤビジン 予想6人気
3位 466 ダンツキャンサー 予想14人気
4位 462 ブランネージュ 予想4人気

なんと1位は地方馬のリックタラキチ!
地方馬ということで応援はしたいけれど、初芝がG2のローズSというのはさすがに荷が重そう。
アドマイヤビジンとブランネージュは伏兵人気になりそうで、週中に重視する馬でもなさそう。
となると残るは予想14人気のダンツキャンサーだけということになる。

ダンツキャンサーの魅力は逃げたときのしぶとさ。
2-1-0-5の成績だけど、連対した3回はすべて逃げたときで、今回のメンバーと今回の鞍上(藤田)を考えるとスタートさえ決めれば、楽に頭を取らせてくれそうに思える。
怖いのはチューリップ賞を逃げて3着したことのあるリラヴァティだけど、2走前に番手競馬で1着したことを思えば、ここも2番手追走を選択しそうだ。

ダンツキャンサーはNHKマイルでは逃げられなかったけれど、最内でしぶとく踏ん張った。ゴール前50Mくらいまでミッキーアイルに食らいついた走りを見ると、気分良く走ればしぶといというポテンシャルも垣間見えた(0.3差7着。ミッキーアイルとは2馬身差くらいだった)。

有力各馬が秋華賞を見越して、前で競馬をするとしても、折り合い重視の競馬をする可能性は高く、ダンツキャンサーがマイペースで走れる可能性は残っていると思いたい…………………っていうか、残ってるといいなぁ〜〜〜〜。
ヌーヴォレコルトの岩田が2年前のジェンティルドンナみたいな番手競馬(2-2-2)をしなければ、少しは可能性ありと思っている。

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ローズS注目馬
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とはいえ。とはいえですよ。
「1人気を大切に、2・3人気をナイガシロに」としたものの、
今年は上位人気3頭と他馬との力関係に開きがあるようにも感じていて、また夏の上がり馬のパワーも少し弱いように感じている。
ゆえに
1人気+2人気+なんか
1人気+3人気+なんか
の可能性もありえると思っている。

「なんか」期待馬
ダンツキャンサー・前記したとおり、逃げの期待。
ヒルノマテーラ・夏の牡牝混合の1000万条件で2着した実績とタナカツ騎手が騎乗しに行く積極性が気になるから。
プリモンディアル・夏の牡牝混合の1000万条件で1人気だった実績とディープインパクト産だから。

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セントライト記念注目馬
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新潟開催であるがゆえにイスラボニータもトゥザワールドもナイガシロにしにくいと感じている。
その上で、
エアアンセム・クラリティシチー・メイクアップらの食い込みに期待している。
エアアンセムは松田だから。
クラリティシチーは柴山だから。
メイクアップは松岡だから。
内回り競馬で一工夫してくれそうな面々だ。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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