■神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m外)フルゲート18頭/登録21頭
【コース基本情報】阪神芝2400m外 Bコース使用
・コース回収率
[標準] 単勝72%・複勝82% 1番人気馬の勝率の高さが目立つ
・馬連万馬券出現率
[低め] 8.7%(平均値↓3.7% 馬連平均配当5089円)
・枠番別成績(16頭〜18頭立て)
[1枠〜2枠] 勝率10.7% 連対率16.1% 複勝率25.0% 複回率 78% 枠番値+0.3
[3枠〜4枠] 勝率 2.7% 連対率 9.8% 複勝率11.6% 複回率 85% 枠番値+0.2
[5枠〜6枠] 勝率 6.4% 連対率12.8% 複勝率21.1% 複回率 97% 枠番値-0.7
[7枠〜8枠] 勝率 4.1% 連対率 8.9% 複勝率13.7% 複回率 46% 枠番値+0.2
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[01番〜09番] 勝率 6.4% 連対率12.4% 複勝率17.9% 複回率 77% 枠番値+0.2
[10番〜18番] 勝率 5.3% 連対率11.0% 複勝率17.1% 複回率 71% 枠番値-0.2
→目立つのが内枠の高い勝率。1枠〜2枠はかなり有利と考えるべきか。
・脚質別傾向
差し>先行>>逃げ≧追込 最速上がり馬の1着率高く瞬発力要求度が高い
・推定ラップ&タイム
[瞬発] 36.8-75.6-33.8=2.26.2 完全な後傾で末脚のキレ勝負
16頭立て以上の多頭数であっても、上がり最速〜2位馬の連対率63.2%。この数字が、阪神芝2400m外というコースの特徴を物語っている。これは逆にいえば、最速に近い上がりを繰り出さなければ連対できない──ということである。ここまで瞬発力特化型の流れとなりやすいコースも珍しい。
正面スタンド前からの発走で、そこから外回りコースをぐるっと1週。スタート直後にホームストレッチのキツい坂を上らされるわけで、これが序盤のペースが速くなりづらい要因となっている。序盤〜中盤とゆったり流れるも、勝負所からは急加速。一気にギアを上げられる、緩急の大きいラップへの対応力が求められる。
序盤からゆったり流れてポジション争いが激化しないため、外枠でもそれほど問題なし。とはいえ、コーナーを4つも回るコース形態であり、そこで距離ロスなく立ち回れる内枠のほうが有利であるのも、また間違いない。実際に、内枠である1枠〜2枠の勝率は非常に高く、人気馬がここに入った場合はかなり期待できそうだ。
そういったコースであるため、脚質は当然ながら「差し」優勢。好位追走から粘る先行馬を、差し馬がキッチリ捉えたところがゴール──といった展開がもっともイメージしやすい。前残りの展開は珍しく、差し馬を1着固定で狙う馬券が効率的。上のクラスになればなるほど差しが決まるのは、他のコースと同じである。
【レース基本情報】神戸新聞杯(G2)阪神過去7年
・レース平均配当
単勝551円 馬連2077円 3連複3907円
・1番人気馬成績
[4-1-0-2] 勝率57.1% 連対率71.4% 複勝率71.4%
・3番人気以内馬成績
[6-4-5-6] 勝率28.6% 連対率47.6% 複勝率71.4%
・4番人気〜6番人気馬成績
[0-1-2-18] 勝率 0% 連対率 4.8% 複勝率14.3%
・7番人気〜9番人気馬成績
[1-2-0-18] 勝率 4.8% 連対率14.3% 複勝率14.3%
・10番人気以下馬成績
[0-0-0-40] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 0% [先行] 14.3% [差し] 71.4% [追込] 14.3%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 9.5% [先行] 19.0% [差し] 57.1% [追込] 14.3%
・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
[1枠〜2枠] 勝率 5.0% 連対率 5.0% 複勝率15.0% 複回率 24% 枠番値+1.2
[3枠〜4枠] 勝率 8.3% 連対率12.5% 複勝率12.5% 複回率 44% 枠番値+1.0
[5枠〜6枠] 勝率 7.4% 連対率18.5% 複勝率29.6% 複回率 37% 枠番値-1.6
[7枠〜8枠] 勝率 6.3% 連対率15.6% 複勝率21.9% 複回率 61% 枠番値-0.1
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[01番〜09番] 勝率 6.5% 連対率11.3% 複勝率16.1% 複回率 33% 枠番値+0.2
[10番〜18番] 勝率 7.3% 連対率17.1% 複勝率26.8% 複回率 60% 枠番値-0.3
・厩舎所属別成績
[美浦] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
[栗東] 7-7-7-79 連対率14.0% 複勝率21.0%
・前走距離別成績
[芝1600m] 0-1-0-1 連対率50.0% 複勝率50.0%
[芝1800m] 1-1-1-20 連対率 8.7% 複勝率13.0%
[芝2000m] 0-0-2-16 連対率 0% 複勝率11.1%
[芝2200m] 0-1-2-2 連対率20.0% 複勝率60.0%
[芝2400m] 6-4-2-25 連対率27.0% 複勝率32.4%
[芝2500m] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
[芝2600m] 0-0-0-11 連対率 0% 複勝率 0%
[ダート戦] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
・前走クラス別成績
[前走中央G1] 6-5-3-24 連対率28.9% 複勝率36.8%
[前走中央G2] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
[前走中央G3] 1-1-1-9 連対率16.7% 複勝率25.0%
[前走OP特別] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
[前走条件戦] 0-1-3-39 連対率 2.3% 複勝率 9.3%
・出走間隔別成績
[中1週] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
[中2週] 0-0-1-13 連対率 0% 複勝率 7.1%
[中3週] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
[中4週〜8週] 0-0-2-13 連対率 0% 複勝率13.3%
[中9週以上] 7-7-4-45 連対率22.2% 複勝率28.6%
・前走上がり3F順位別成績
[1位] 2-2-2-12 連対率22.2% 複勝率33.3%
[2位] 3-1-2-13 連対率21.1% 複勝率31.6%
[3位] 1-0-0-10 連対率 9.1% 複勝率 9.1%
[4位以下] 1-4-3-46 連対率 9.3% 複勝率14.8%
・注目出走パターン
[特注] 前走ダービー5着以内馬(勝率46.2%、連対率76.9%)
[買い] 前走G1出走馬(連対率28.9%、複勝率36.8%)
[不振] 前走で重賞以外に出走(0-1-3-45)
[全滅] 前走G1組をのぞく、前2走での上がり3F順位がいずれも4位以下(0-0-0-14)
[全滅] 騎手が乗り替わる前走条件戦組(0-0-0-29)
レースの平均配当が単勝551円、馬連2077円、3連複3907円というのは「猛烈に」低い数値。1番人気馬が[4-1-0-2]、3番人気以内馬が[6-4-5-6]でいずれも複勝率71.4%と非常に高い信頼度を誇り、対照的に10番人気以下馬は[0-0-0-40]と全滅している。堅いか荒れるかでいえば、ものすごく堅く決まる傾向にあるレースである。
コースデータ分析でも解説したが、脚質は圧倒的に差し優勢。勝ち馬の71.4%が差し脚質であり、先行勢は馬券に絡んだ馬全体の28.5%のシェアしか獲得できていない。近走でいい瞬発力を見せていることは、ここで勝ち負けする上での必要条件。先行して粘るタイプの馬は、人気でもコロッと負けるケースがあるので、注意が必要だ。
次に枠番別成績。コースデータと違って全体的に外枠のほうが好成績だが、ここで枠番値を見てもらいたい。[1枠〜2枠] が+1.2で[3枠〜4枠]が+1.0と、枠番値は圧倒的に内枠のほうが高いのである。つまり、結果として馬券に絡めてはいないだけで、人気よりも上の着順に来ているのは圧倒的に内枠。外枠の好成績はあくまで、上位人気馬が多く入ったことによる結果なのである。高配当を狙うなら、やはり内枠が要チェックである。
それ以外にも注目すべきデータはいくつもあるが、要するに「ダービー上位馬がひたすら強い」という結果。ラジオNIKKEI賞の上位馬もかなり強いのだが、今年は登録自体がないため、残念ながら狙いようがない。昨年2着のマジェスティハーツのように、夏の上がり馬が来るケースもあるにはあるが、この組は基本的には期待薄。春の実績馬はとことん強いのが、昨今の神戸新聞杯なのである。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
今週からBコース替わり。時計も速く相変わらずの好コンディション。
・天候予測
台風の影響も弱まり週末は好天予報。日曜日には良馬場まで回復か。
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率16.9% 連対率22.0% 複勝率28.8%
・著者の注目血統
ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ステイゴールド産駒△、キングカメハメハ産駒△
当コースが徹底瞬発力勝負型であるのは前述した通りで、これは血統データにも色濃く現れている。勝利数トップで勝率が高いキングカメハメハ産駒も優秀だが、それ以上に高い適性を見せているのが、当代きっての「瞬発力タイプ」であるハーツクライとディープインパクトの産駒。特にハーツクライ産駒は、コース全体での複勝率51.4%という、驚異的な成績を残している。
あとは当然、ディープインパクト産駒も好調。この二強と、ステイゴールド産駒とキングカメハメハ産駒までをプラス評価の対象とした。馬場に関しては、今週からのBコース替わりでどうなるかを土曜日にチェックしておきたいところ。けっこう前が残っている印象で、この傾向が加速するようだと予想が非常に難しくなりそうだ。
★総論×各論
先週のセントライト記念は、ダービーで5着以内に入っていた馬がそのまま上位に。夏競馬を使われてきた組は掲示板にすら入れず、勢力図に大きな変化がないことが確認できた。そして今週は、ダービー馬ワンアンドオンリーがここから始動。今年の神戸新聞杯はかなり小粒なメンバー構成となった印象で、サトノアラジンやヴォルシェーブといった夏の上がり馬が、人気の一角を占めそうである。
当データ分析からのトップ評価は、やはりワンアンドオンリー。神戸新聞杯におけるダービー好走馬の強さは前述した通りで、しかも今年はその「ダービー好走組」がワンアンドオンリーしか登録していない。さらに、皐月賞で最速上がりをマークしているように、瞬発力勝負にも十分に対応可能なのがこの馬。中間の気配も上々で、東のトライアルを制したイスラボニータに負けてはいられない。評価の高さも「断然」といえる存在だ。
問題は二番手以下で、これがもう大接戦。例年であればフツーにダービーの上位馬を買っておけばいいのだが、今年に関してはそうもいかない。というのも、本来ならば軽視すべき「前走条件戦組」の評価が高いからである。いつもとは傾向がガラッと変わる可能性もあり、ヒモ荒れでの高配当出現もありうる。
二番手評価は、春にも高いパフォーマンスを見せていたサトノアラジンだ。春にはイスラボニータやワンアンドオンリーとも差のない勝負をしていた素質馬で、前2走がいずれも最速上がりと瞬発力勝負もバチコイ。鞍上の想定が引き続き浜中ジョッキーと、乗り替わりがないのも大きなプラスである。
三番手に、京都新聞杯の勝ち馬であるハギノハイブリッド。ダービーではいいところなく13着に惨敗も、今年のダービーは後方待機組では勝負にならなかったレース。末脚のキレもなかなかいいモノを持っているし、仕上がり次第では巻き返しがあって驚けない。そして四番手には、ジョッキーの乗り替わり(予定)がマイナスも、勢いが侮れないヴォルシェーブ。ここまでが、上位評価組だ。
以下は、ウインフルブルーム、キネオペガサス、トーホウジャッカル、バリスという評価順。ダービー組のトーセンスターダムとサウンズオブアース、青葉賞3着のヤマノウィザードについては、近走で見せている瞬発力のもの足りなさを理由に、ここは大きく評価を落としている。いずれにせよ、ここのワンアンドオンリーは、前哨戦といえども負けられない相手関係。春の勢力図に大きな変化がなさそうなのだから、なおさらである。
■オールカマー(G2・新潟芝2200m内)フルゲート18頭/登録22頭
このところ毎週のようにボヤいているが、中山と新潟は「真逆」といっても過言ではない性質を持つ競馬場。外回りコースでの開催ではないのがまだ救いだが、それでも例年のオールカマーとはまったく傾向が異なる結果が出て当たり前だ。例えば過去10年、オールカマーでは「前走上がり最速〜2位」の馬が一度も勝っていないのだが、こういうタイプがスルスル伸びてくるのが新潟競馬場であるのは、言うまでもない。
ならば徹底的に瞬発力タイプの馬を狙って……という手もあるのだが、同コースで行われた先週のセントライト記念の3着以内馬は、いずれも上がり3F順位4位以下。上がり2位のステファノスが4着に食い込んだのが最先着と、意外に差せていない。そもそもが荒れないコースでもあり「好位〜中団で流れに乗れる人気サイド」を素直に買うのが、いちばん無難に結果を出せそうである。
となると、この条件に合致し新潟実績もあるサトノノブレス、クランモンタナ、マイネルラクリマの3頭が、人気馬での注目株に。人気薄では、前走で久々に「らしさ」を見せたアスカクリチャンと、意外に新潟でも走れるナカヤマナイト、勢いに乗るトラストワンの3頭が面白そうである。
※神戸新聞杯のコース&血統データは2006年以降、レースデータは2007年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。