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デムーロ&ルメールが挑戦 外国人騎手の騎手免許試験は適正か

  • 2014年09月29日(月) 18時00分
教えてノモケン

▲今年の騎手免許試験を受験するM.デムーロ(左)とC.ルメール(右)

昨年8月7日、JRAは14年度の騎手免許試験要項を発表し、新規騎手の項目に「外国で騎手免許を受けている者を含む」と盛り込んだ。これにより、外国人騎手にも通年免許取得の道が開かれた(→記事へ)。これに対し、M.デムーロが早々に受験を表明。日本でもお馴染みの名手の動向に注目が集まったが、結果は不合格(→記事へ)。そのM.デムーロは、今年も試験に挑むという。そして、C.ルメールが初挑戦する(→記事へ)。外国人騎手への扉は開かれたものの、試験の実態はどうなのか、JRAの意識とは。野元賢一記者が解説します。

 今年も騎手免許試験が近づいてきた。試験が注目を浴びるのは、今世紀に入ってからの話だ。2001年、岐阜・笠松競馬に所属していた安藤勝己騎手(引退)が、受験したのが契機となった。合格を確実視する人もいたが、結果は不合格。大きな反響を呼んだ。受験時点でJRA146勝。99年は55勝。交流競走に出走する地方馬に帯同した日だけで重ねた数字であり、技量の確かさは検証済みだった。その名手が「筆記試験で落ちた」という事実への反発は激しく、JRAは慌てて翌年、年間20勝を2回記録した騎手に、筆記試験の一部を免除する規定を新設した。この規定は後に、小牧太、岩田康誠(ともに兵庫)、内田博幸(大井)の中央入りへの道を開いた。

 それから13年。今度は「外国人」を巡り、JRAは悩ましい問題を抱えている。JRA通算354勝、GI・10勝のミルコ・デムーロ(35)が昨年、外国人として初めて受験したが不合格。安藤氏と似た反響を呼んだのは言うまでもない。今回は10月1日に試験が行われるが、デムーロの再挑戦に加え、通算236勝、GI・5勝のクリストフ・ルメール(35)も加わる。JRAも英語での受験を受け入れる態勢は整えたものの、皮肉にも2人の母語は英語ではない。文句なしの実績を誇る2人の試験結果次第では、JRAが再び、ファンの冷たい視線を浴びかねない状況である。

難問に驚く


 JRAの騎手試験や調教師試験の問題は、情報公開制度を利用すれば簡単に手に入る。筆者は8月28日、同制度で昨年の英語の試験問題を手に取った。B4版4枚でコピー代40円也。最初に感じたのは、自分の英語力の情けない水準である。合格ラインは60%というが、正直、これでは100%落ちる。反則だが、辞書とJRAのホームページの法規関連の部分を突き合わせて問題を解いてみたが、つまずいたのはテクニカルタームの訳語である。

 一例として、第4問でmanagement advisory council(運営審議会)の構成について尋ねている。経営委員会(正解はboard of goveners)と、区別がつかなかったことを告白しておく。また、8月末の新潟で行われた未勝利(ダート1200m)の5着馬に対する賞金と、それ以外に得られる権利(正解は次開催の限定未勝利戦の出走権)を問う問題もあった。もちろん、具体的なレースの状況を挙げ、騎手への制裁の根拠となる競馬施行規定の条項について説明させたり、ムチの使用規制、薬物規制の意義を問う、十分に趣旨を理解できる問題もある。ただ、第8問(小問8つ)は、クイズに近かった。

 英語の問題を見てもらった人がいる。

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1964年1月19日、東京都出身。87年4月、毎日新聞に入社。長野支局を経て、91年から東京本社運動部に移り、競馬のほか一般スポーツ、プロ野球、サッカーなどを担当。96年から日本経済新聞東京本社運動部に移り、関東の競馬担当記者として現在に至る。ラジオNIKKEIの中央競馬実況中継(土曜日)解説。著書に「競馬よ」(日本経済新聞出版)。

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