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秋華賞ではローズS大敗組をどう扱う?

  • 2014年10月17日(金) 18時00分


◆「アリ」のラインを例年よりやや甘く

 かつてブラックエンブレムの大波乱などもあったものの、近年の秋華賞は基本的には堅い重賞。エリザベス女王杯時代からの「牝馬三冠目は荒れる」というイメージは捨てたほうがよい。

 ローズS好走馬がそのまま好走しやすいことがその原因だが、この点において今年は多少特殊な事情にある。ローズSの2,3着馬が当時人気薄であったことと、人気になっていたレッドリヴェールが大敗したことだ。

 そもそも今年はハープスターが海外遠征を選び、貴重な春クラシック3着馬であるバウンスシャッセがここ2走大敗している。そこを勘案すると、「アリ」とする馬のラインを例年よりはやや甘く設定してもいいかもしれない。

 ただ、秋華賞創設以降[0-0-2-51]という紫苑S組はいくら新潟施行であったことを考えても、せいぜい△1頭くらいにとどめたいところ。また、今年は前走1000万条件組がいないので、基本的にはローズS組を中心に前走重賞組を選別するしかない。

 まずはローズS組だが、やはりヌーヴォレコルトは重視せざるをえないところだろう。ローズSは積極的に位置を取りに行って抜け出すという内容が良い。秋華賞の人気馬はなにかに捕まる形より差し遅れのほうが怖いので、前走のような競馬を再現すれば、絶対勝つとまではいわずとも連対くらいはなんとかなると見る。

 問題は2,3着馬の扱いだ。2頭とも当時は人気薄で、しかもラチ沿いに競馬を進めたどうし。今回は2頭とも真ん中より外の枠を引いたので同様の競馬は再現しづらい。

 先述したようにローズS組は好走馬がそのまま来ることが多いので無視はできないが、いわゆる○▲レベルまでの評価をするのはちょっと躊躇してしまう。

 4着以下ではまずブランネージュに注目したい。前走は外から力づくで権利を取りに行ったが届かなかった。今回は枠順的に逆の立場で、内からチャンスをうかがえばいい。上がりが速くなると対応できないだろうが、ワンペースになれば有利だ。

 もう1頭はやはりレッドリヴェールか。前走はあまりに内容の無い負け方でダービー惨敗のダメージを引きずっているのではと心配になるが、かつて示したパフォーマンスはメンバー中で一番。一応押さえておく必要はある。

 別路線組は相当に絞って採用したほうがいいだろう。紫苑S組は先述したように買いやすいグループではないので、桜花賞でも掲示板に来ているレーヴデトワールだけマークしておけばいいと思う。あと忘れてはならないのがオメガハートロック。休み明けだが、馬体重の数字だけを見れば仕上がっている。秋華賞の別路線組は「前走人気で、かつ好走」が基本パターンであり、今回それを満たすのはこの馬くらいしかいない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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