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秋シーズンに完成する遅咲きタイプ/アルゼンチン共和国杯

  • 2014年11月08日(土) 18時00分


ポイントは世代レベル

 東京の長距離戦。春の目黒記念と条件は似ているが、そろそろ世代交代の時期でもあり、世代レベルがポイントになったりする。ハンデ戦とはいえ、ここで台頭する4歳馬は大きく成長することが珍しくない。10年のトーセンジョーダン、09年アーネストリー、08年スクリーンヒーロー、ジャガーメイル、07年アドマイヤジュピタ…など。

 今年は、全体には5歳馬が大活躍しているため、4歳馬の出走は少ないが、ラブリーデイ(渋馬場は望ましくないが)、フェイムゲーム(すでにダイヤモンドSを制している)あたりは、ここで快走するなら、軽量ではなく57キロを背負っているから、たちまちトップグループに加わることになる。

 難しい結果になって少しも不思議ない組み合わせであり、馬場も少なからず渋る可能性大。遅咲きの6歳馬マイネルメダリスト(父ステイゴールド)に期待したい。

 今春、同じ東京2500mの目黒記念を、水準を上回る2分31秒0で勝ってみせた。自身の上がり34秒4は2400m以上では自己ベストにも近いから、小差だったとはいえ、中身のある初重賞制覇だった。

 父ステイゴールドが初めて重賞勝ち馬となったのも、6歳時の目黒記念であり、ランクの差はあるものの、本当に完成されて強くなるのはこの秋シーズンではないか、遅咲きタイプではないか、と考えることはできる。

 しかし、それにしてもとなるのが、前走オールカマーの凡走だが、しんがり18着とはいえ、差は1秒0だけ。勝ったことのない休み明けのうえ、スタートで出負け、新潟内回りの2200mで最初からレースの流れに乗り遅れていた。ああいう負け方をする馬ではないが、ゴールドシップ、オルフェーヴル、先週の天皇賞(秋)のフェノーメノなど、ステイゴールド産駒は、リズムが崩れると大敗することがある。調教の動きなど決して悪くないから、あとを引くような破綻ではなく、たまたまの1秒0差の敗戦と考えたい。数字以上に得意の東京で一気に巻き返したい。東京の芝2300m以上は「2、4、5、3、4、1」着であり、人気より下回る結果は一回しかない。

 充実示すホッコーブレーヴと、馬場があまり渋らないことを条件に4歳ラブリーデイ。以下、人気薄の伏兵は少ないが、相手妙味はクリールカイザーの自在性を生かしたスタミナか。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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