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阪神JFと出走馬のキャリア

  • 2014年12月09日(火) 12時00分


キャリアは浅いが成績に疵の無いタイプと、多少負けていても経験のあるタイプのどちらが良いか

 かつての阪神3歳Sが牝馬限定戦となり、現在の阪神JFになって既に23回が消化された。

 2歳重賞となると、キャリアは浅いが成績に疵の無いタイプと、多少負けていても経験のあるタイプのどちらが良いか悩むところだが、勝ち馬を出しているという点ではキャリアの浅いグループが上位になっている。

 牝馬限定戦になって以降の出走馬のうち、マル地・カク地を除いてキャリア(戦数)別成績を採ってみると、キャリア2戦組が9勝、3戦組が8勝で、23勝中の17勝、つまり70%以上を占めている。

 一方で、キャリア6戦以上馬は[0-1-1-47]。上位人気になった馬が少ないこともあるが、成績は奮わない。

 キャリア2戦馬は前走でオープン・重賞連対という馬だと[5-3-5-14]と約半数が馬券に絡み、回収率も単複ともに100%超。一方でキャリア3戦組は同じ条件だと[4-1-2-19]で回収率は単複とも49%。キャリア2戦馬はファンもまだ半信半疑、3戦馬はある程度確信を持てるが、実は前者のほうが勝率・複勝率とも高い。結果として前者のほうが回収率も伸びる。

 今年の登録馬にキャリア2戦の馬は3頭で、うち1頭は前走大敗。残り2頭のうちオーミアリスは前走重賞勝ちだが経験が1200mのみ。コートシャルマンは1400mを連勝だが前走が500万条件。どちらもシルシを回そうとは思うが、どちらを上位とし、どの程度のシルシを回すかは難しいところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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