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フルーキーに漁夫の利/トレセン発秘話

  • 2014年12月10日(水) 18時00分


◆宮本調教師「鞍上のことはまあ仕方ないけど前に行く馬が多いし、それらがやり合ったら…」

「なあ、ハンデはどっちが重くなると思う?」

 GIIIチャレンジカップ(13日=阪神芝外1800メートル)に管理馬ウインフルブルームを送り込む宮本調教師からこの中間、何度こう聞かれただろうか? 気にかけている相手が同じ3歳馬で、同脚質でもある無傷の5連勝馬エイシンヒカリなのは言うまでもない。

「師匠(坂路に陣取る某ベテラン調教師)はエイシンヒカリの方が重くなるだろうって言うてたんやけどな。一方で、ウチのGI3着(朝日杯FS&皐月賞)がより評価されるんちゃうかという人もいるんよ。もしかしたら同斤かもしれへんね」(宮本調教師)

 発表された注目のハンデはエイシンヒカリ=56キロに対して、ウインフルブルーム=55キロ。チャレンジCにはこの2頭だけでなく、牝馬のスマートレイアーや、条件戦を連勝してきたフルーキーなど、それぞれがほとんど交わることなく別ルートから出走してきており、さぞかしハンデキャッパーも頭を悩ませたのではないか。

「3歳馬のうえ初重賞。そう重くはならんやろ」と楽観的に捉えていたエイシンヒカリの坂口調教師にとって56キロは予想外の斤量だったかもしれない一方で、ハンデでは1キロ優位に立ったウインフルブルームにも、いい材料ばかりが揃ったわけではない。

 本来、ここにはルメール鞍上で臨むはずだったのだが、落馬で骨折してしまったため、ブドーに変更。ところが、そのブドーも先日、体重調整がままならずに帰国というアクシデントが続いた。その後は前走のカシオペアSで手綱を取った池添に依頼しようとしたのだが、タッチの差でスマートレイアー陣営に取られてしまった。予定していた鞍上がこうまで替わっては、さすがにいいリズムとは言えない。

「鞍上のことはまあ仕方ないけど。ウチのとエイシンヒカリとバッドボーイ。前に行く馬が多いし、それらがやり合ったら、フルーキーあたりに一番いいところを持っていかれるかもしれへん」と後続の漁夫の利に警戒を強める宮本調教師。注目の主導権争いがどうなるのか、各馬の出方も実に興味深いところ。

 いずれにしろ、チャレンジCが土曜のGIIIとして行うにはもったいないぐらいの好メンバー、そして好レースになることは間違いなかろう。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)
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