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先週の結果からヒントを得るべし!/朝日杯フューチュリティS

  • 2014年12月17日(水) 18時00分
■朝日杯フューチュリティS(G1・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録29頭

【コース基本情報】阪神芝1600m外 Aコース使用

・コース回収率
 [標準] 単勝71%・複勝76% 人気馬も強いが中穴激走率の高さに注目!

・馬連万馬券出現率
 [高め] 14.4%(平均値↑2.0% 馬連平均配当6801円)

・枠番別複勝率(18頭立て)
 [1枠〜3枠] 勝率 4.7% 連対率 8.9% 複勝率12.5% 複回率 44% 枠番値-0.5
 [4枠〜6枠] 勝率 5.2% 連対率10.7% 複勝率17.2% 複回率 82% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 6.8% 連対率13.8% 複勝率20.3% 複回率 90% 枠番値+0.4
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 5.2% 連対率 9.0% 複勝率13.0% 複回率 57% 枠番値-0.2
 [10番〜18番] 勝率 5.9% 連対率13.2% 複勝率20.3% 複回率 88% 枠番値+0.2
 →単純に内外で比較しても連対率や複勝率の差は歴然。外のほうがいい。

・上がり3F順位別成績(1000万下〜重賞)
 [1位] 勝率25.6% 連対率43.9% 複勝率59.8% 複回率185%
 [2位] 勝率15.6% 連対率35.1% 複勝率50.6% 複回率137%
 [3位] 勝率17.1% 連対率32.9% 複勝率44.7% 複回率181%
 ───────────────────────────────
 [1位〜3位] 勝率19.6% 連対率37.4% 複勝率51.9% 複回率168%
 [上記以外] 勝率 3.0% 連対率 6.6% 複勝率11.2% 複回率 61%
 →上がり3Fさえ速ければ上のクラスでも勝ち負けになるコース

・脚質別信頼度
 差し>先行>追込>逃げ 1着馬については差し優勢だが前も相応に残る

・推定ラップ&タイム
 [底力] 34.8-24.7-34.5=1.34.0 2歳戦ながら一貫して厳しいラップ

 今年から開催コースが変更された、朝日杯フューチュリティS。先週の阪神ジュベナイルFと同コースであり、同じような分析内容を2週にわたって述べてもあまり意味はないので、詳しくは先週の内容をご参照いただければと。ここでは、コースの特性についてを、さらっとおさらいしておこう。

 阪神ジュベナイルFで、18番を引いたムーンエクスプレスの陣営が「終了です」とコメントしていたように、イメージ的には外枠不利。しかし、データ的にはどう見ても外枠有利であるというのは、先週解説した通りである。そして阪神ジュベナイルFの結果も、勝ち馬が16番のショウナンアデラで、2着も11番のレッツゴードンキ。前述のムーンエクスプレスも結局は4着に好走と、それを裏付けるものとなっている。

 また、いかに瞬発力が問われるコースであるかも、阪神ジュベナイルFの結果を見てもらえば明白だろう。勝ったショウナンアデラから3着のココロノアイまで、上がり3F順位がそのまま最終的な着順とリンク。この傾向は、朝日杯フューチュリティSでもまったく変わらないはずだ。勝ち負けに必要なのは、何よりも瞬発力。当コースが外枠有利であるのも、コレが大きく影響していると思われる。

 さすがに大外枠が有利とはいえないが、データ的には「5枠〜7枠あたりからいい末脚を使える馬」が、もっとも買いやすいコース。この条件にピッタリ当てはまる馬を狙うスタンスを、コースデータからは推奨しておきたい。

【参考レース情報】朝日杯フューチュリティS(G1) 過去10年

※開催コース変更にともない「まったく」参考になりませんが、一応記載します。

・レース平均配当
 単勝900円 馬連3440円 3連複8280円

・1番人気馬成績
 [2-1-4-3] 勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-3-6-14] 勝率23.3% 連対率33.3% 複勝率53.3%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [2-5-3-20] 勝率 6.7% 連対率23.3% 複勝率33.3%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [1-1-1-27] 勝率 3.3% 連対率 6.7% 複勝率10.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-1-0-66] 勝率 0% 連対率 1.5% 複勝率 1.5%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-6-4-45 連対率18.3% 複勝率25.0%
 [栗東] 5-4-6-81 連対率 9.4% 複勝率15.6%

・前走クラス別成績
 [中央G2] 2-5-3-43 連対率13.2% 複勝率18.9%
 [中央G3] 5-3-2-16 連対率30.8% 複勝率38.5%
 [OP特別] 0-0-1-20 連対率 0% 複勝率 4.8%
 [500万 ] 3-2-4-40 連対率10.2% 複勝率18.4%
 [未勝利] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [新馬戦] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%

 開催コースが変更された時点で「まったく別のレース」となった、朝日杯フューチュリティS。距離こそ同じ1600mだが、非常にクセの強い中山芝1600mと瞬発力勝負の比率が非常に高い阪神芝1600m外とでは、まったく同じメンバー構成で走っても結果は大幅に変わってくるはず。さらに、今年は2歳重賞の体系自体が大幅に変更されており、なおさら過去のデータはアテにならないといえる。

 もっとも参考になるのは、当然ながら先週の阪神ジュベナイルF。牡馬と牝馬では前哨戦の使われ方が違うので全面的に信頼はしかねるが、それでもまだナンボかマシである。その内容が気になる方は、こちらもぜひ先週の内容を参考にしていただきたい。そのまま当てはめて評価を行っても、意外に悪くない結果が出そうな気がする。

 というわけで、解説すべきモノは何もなし。とはいえ、このまま終えてしまうのも寂しいので、今年の登録馬を前走での「上がり3F順位」別に分類したデータを、以下で紹介させてもらうとしよう。

・登録馬の前走上がり3F順位
 [前走上がり3F順位・1位] アッシュゴールド、アンビシャス、ダッシングブレイズ、ブライトエンブレム、メイショウマサカゼ、ヤマニンマンドール
 [前走上がり3F順位・2位] タガノエスプレッソ、ダノンプラチナ、ナヴィオン、ネオルミエール、ペイシャオブロー、ペプチドウォヘッド
 [前走上がり3F順位・4位以下] アクティブミノル、アドマイヤゴッド、アルマワイオリ、カプリチオーソ、クラリティスカイ、ケツァルテナンゴ、コスモナインボール、サトノフラム、シンキングロージス、ジャストドゥイング、セカンドテーブル、タガノアザガル、フミノムーン、マリオーロ、ラブミークン、レンイングランド、ワキノヒビキ

 前走での上がり3F順位が2位以内だった登録馬は、合計12頭。このうち、未勝利や短距離戦、ダート戦でのものを割り引いて考えると、アッシュゴールド、タガノエスプレッソ、ダノンプラチナ、ナヴィオン、ネオルミエール、ブライトエンブレムの6頭が、このファクターから見た有力馬といえそうだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きAコース。とくに軽くも重くもない「普通」の状況といえそう。

・天候予測
 週末に降雨がありそうで気温も低め。やや渋るケースも想定しておきたい。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率16.9% 連対率29.1% 複勝率40.4%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○、ステイゴールド産駒▲、ハーツクライ産駒△、ネオユニヴァース産駒△

 先週の阪神ジュベナイルFを制したのは、唯一出走していたディープインパクト産駒のショウナンアデラ。アレで間に合ってしまうのだから、やはりその適性の高さや、当コースで見せる瞬発力は並大抵ではない。今回の開催コース変更によって、もっともレース成績が向上しそうな種牡馬といえるだろう。

 それに次ぐのがダイワメジャー産駒やステイゴールド産駒で、ハーツクライ産駒やネオユニヴァース産駒も悪くはない。逆にイマイチなのが複勝率15.3%のクロフネ産駒で、人気の一角となりそうなクラリティスカイについては、ちょっと気がかりな部分アリ。このコースで先行するとキレ負けするかもしれないが、どうか。

★総論×各論

 今年から、まったく新しい方向性のレースと生まれ変わった、朝日杯フューチュリティS。もっとも参考になるのが、阪神ジュベナイルFのデータだというのは、ここまでにも繰り返し述べてきた通りである。それを踏まえたうえで、各論へと進んでいこう。

 先週の結果を見て改めて感じたのが、京都の馬場がいささか「軽すぎる」という点だ。秋の京都芝で速い時計が出るのはいつものことだが、それが阪神芝での結果にリンクするかといえば、そうでもなさそう。出遅れなどがあったとはいえ、ロカやコートシャルマン、ダノングラシアスなど、京都で速い上がりを繰り出して好走してきた組が、イマイチな結果に終わったのは事実である。

 逆に素晴らしい結果を残したのが、東京芝で好走してきた馬たち。上位3頭がすべて「前走東京組」だったのは、かなり重視すべきポイントといえる。タガノエスプレッソやアッシュゴールドといった前走デイリー杯2歳S組については、少し割り引いて考えたほうがいいのではないか──というのが、現時点での判断である。

 そうなると自然と目が行くのが、東京芝1600mで行われたいちょうS組。1400m戦である京王杯2歳S組よりも、やはり同距離であるこちらを重視すべきだろう。距離実績の有無が重要であるというのも、先週の阪神ジュベナイルFで再確認した重要事項。そういう意味では、やはり札幌2歳Sでの好走馬も、高く評価してしかるべきと思われる。

 以上のような理由から、トップ評価としたのがダノンプラチナ。前走で東京芝1600mのベゴニア賞を快勝と、臨戦過程は文句ナシ。スッと好位に行けるセンスの良さも、未完成な馬が多い2歳戦においては大きなプラスといえる。ディープインパクト産駒であることや、鞍上が継続騎乗予定であるのも好印象である。

 二番手評価にネオルミエール。好タイムでの決着となったいちょうSで2着に好走しており、その際の上がり3F順位は2位。勝ったクラリティスカイに2馬身差をつけられたが、阪神替わりで前進があっておかしくないはずだ。母シルクプリマドンナという良血も魅力で、ここでどんなレースを見せてくれるか、じつに楽しみといえる。

 三番手は、札幌2歳Sの勝ち馬であるブライトエンブレム。こちらも関東馬だが、栗東入厩で調整が進められている。3ヶ月半の休養明けとなるだけに仕上がり面がどうかだが、札幌であれだけの末脚を使えるのだから、阪神替わりは大歓迎のはず。こちらも母はG1馬ブラックエンブレムと、奥深さの感じられる血統の持ち主である。

 そして四番手に、いちょうSの覇者であるクラリティスカイ。前走は非常に強い内容で、単純に前走パフォーマンスだけで比較するなら、この馬が間違いなくナンバーワン。タメれば速い上がりが使えるのも2走前で証明済みで、展開次第では大楽勝する可能性すらありそう。ここで上位に評価すべき馬であるのは間違いない。

 ここまでが上位評価組で、以下はコスモナインボール、タガノエスプレッソ、アッシュゴールド、ナヴィオンといった序列。上位評価組を中心に「4角10番手前後からキレる末脚を使える、5枠〜7枠に入った馬」という条件をできるだけ満たせそうな馬を、最終的な上位評価としたい。

■愛知杯(G3・中京芝2000m)フルゲート18頭/登録22頭

 昨年は12番人気のフーラブライドが勝ち、2着に14番人気のキャトルフィーユ、3着に13番人気のコスモネモシンが激走するという、とんでもない波乱決着となった愛知杯。一昨年も7番人気と10番人気で決着しているように、現在の条件に変更されて以降は、きわめて波乱傾向が強いレースとなっている。

 その要因となっているのが、前走G1組の大不振だ。昨年もスマートレイアー、アロマティコなどこの組が上位人気に推されたが、8頭が出走して8番人気4着のオールザットジャズが最先着という、ふがいない結果。同様に前走G2組と前走G3組もまったく馬券に絡んでおらず、連対馬はすべて「前走条件戦組」である。

 今年の登録馬はデニムアンドルビー(現時点では有馬記念に出走予定)、ディアデラマドレ、キャトルフィーユなど、かなり強力。さすがにそろそろ前走重賞組から連対馬が出そうな気がしないではないが、それでも「格よりも勢い」のレースであるのは間違いない。軽ハンデの前走非重賞組で、なおかつ中京芝に向く末脚の鋭さを備えるようなタイプを重視して、ブンブン振り回していきたい。

 なかでも注目は「ハンデ51キロ以下かつ前走1着」という条件を満たす、マイネオーラム。あとは、比較的軽ハンデで末脚のキレに定評があるケイティバローズスイートサルサの2頭も、警戒しておきたい。

※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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