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木曜のドラフトが運命の分かれ道!/有馬記念

  • 2014年12月24日(水) 18時00分
■有馬記念(G1・中山芝2500m)フルゲート16頭/登録21頭

【コース基本情報】中山芝2500m Aコース使用

・コース回収率
 [標準] 単勝76%・複勝72% 2番人気や4〜6番人気など人気の盲点に妙味アリ

・馬連万馬券出現率
 [低め] 8.3%(平均値↓4.1% 馬連平均配当3974円)

・枠番別複勝率(16頭立て)
 [1枠〜2枠] 勝率11.8% 連対率17.6% 複勝率22.1% 複回率 88% 枠番値-0.6
 [3枠〜4枠] 勝率 4.5% 連対率13.4% 複勝率19.4% 複回率 78% 枠番値+0.7
 [5枠〜6枠] 勝率 4.5% 連対率14.9% 複勝率25.4% 複回率 79% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 勝率 4.4% 連対率 4.4% 複勝率 8.8% 複回率 39% 枠番値±0
 ────────────────────────────────────
 [01番〜08番] 勝率 8.1% 連対率15.6% 複勝率20.7% 複回率 83% 枠番値±0
 [09番〜16番] 勝率 4.4% 連対率 9.6% 複勝率17.0% 複回率 59% 枠番値±0
 →外枠不利は明白で「馬番14番より内」が好走条件。1枠〜4枠がベスト。

・脚質別信頼度
 逃げ>先行>差し>>>追込 中山らしくコースは先行有利の傾向が強い

・推定ラップ&タイム
 [平均] 35.9-80.8-35.1=2.31.8 最速上がりの馬が勝つケースが増加中

 レースの施行回数が非常に少ない、中山芝2500m。今回はコースも過去10年を対象としているが、それでも合計109レースで、フルゲートで行われたのはたったの17レースしかない。信頼度に欠ける面は否めず、傾向とまったく違う結果が出る可能性もゼロではないが、それでも枠番データなどは一見の価値アリだ。

 まずは人気から。1番人気が優秀な成績を残しているコースなのだが、それ以上に目立っているのが2番人気の存在。16頭立てのレースにおいても[4-2-2-9]で勝率23.5%と、1番人気と互角に張り合っている。また、4番人気〜6番人気のゾーンもかなりの高期待値。有馬記念は「普段は馬券を買わない人が買ってくれる」レースだけに、こういった人気の盲点となりそうなところを、なおさら積極的に狙うべきである。

 そして枠番。今年は史上初の「枠番ドラフト」が行われるうえに、その模様がBSフジで中継されるなど、例年にも増して注目を集めそう。しかもそれが、枠番による有利・不利がハッキリしている、有馬記念で行われるというのに意義がある。内枠の有利さと外枠の不利さはデータを見てのとおりで、最低でも馬番14番より内でないと、好走は厳しい。もっとも信頼度が高い1枠〜2枠だけでなく、枠番値が飛び抜けて高い3枠〜4枠にどの馬が入るかにも注目したい。

 脚質については基本的に前有利だが、このあたりはメンバー次第、展開次第。先週あたりから一気に差しが決まるようになってきているが、今年の有馬記念は登録馬にコレという逃げ馬が見当たらない、スロー濃厚の組み合わせ。現時点では、何とも判断しかねる部分がある。データ的には「内枠からスッと先行できそうな人気薄」に食指が動くが、果たしてどうか。

【レース基本情報】有馬記念(G1) 過去10年

・レース平均配当
 単勝941円 馬連6379円 3連複3万2434円

・1番人気馬成績
 [6-3-0-1] 勝率60.0% 連対率90.0% 複勝率90.0%

・3番人気以内馬成績
 [8-4-3-15] 勝率26.7% 連対率40.0% 複勝率50.0%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [1-3-2-24] 勝率 3.3% 連対率13.3% 複勝率20.0%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [1-1-2-26] 勝率 3.3% 連対率 6.7% 複勝率13.3%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-3-55] 勝率 0% 連対率 3.3% 複勝率 8.3%

・年齢別成績
 [3歳馬] 3-3-1-30 連対率16.2% 複勝率18.9%
 [4歳馬] 5-3-2-22 連対率25.0% 複勝率31.3%
 [5歳馬] 2-2-4-35 連対率 9.3% 複勝率18.6%
 [6歳馬] 0-0-1-18 連対率 0% 複勝率 5.3%
 [7歳↑] 0-2-2-15 連対率10.5% 複勝率21.1%
 ────────────────────────
 [4歳以下] 8-6-3-52 連対率20.3% 複勝率24.6%
 [5歳以上] 2-4-7-68 連対率 7.4% 複勝率16.0%
 [6歳以上] 0-2-3-33 連対率 5.3% 複勝率13.2%

・性別成績
 [牡馬] 9-7-10-111 連対率11.7% 複勝率19.0%
 [牝馬] 1-3-0-9 連対率30.8% 複勝率30.8%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率 9.1% 連対率18.2% 複勝率21.2% 複回率 79% 枠番値+0.6
 [3枠〜4枠] 勝率 5.3% 連対率18.4% 複勝率28.9% 複回率 89% 枠番値+0.9
 [5枠〜6枠] 勝率 7.7% 連対率10.3% 複勝率17.9% 複回率 75% 枠番値-1.0
 [7枠〜8枠] 勝率 5.0% 連対率 7.5% 複勝率12.5% 複回率 76% 枠番値-0.3
 ────────────────────────────────────
 [01番〜08番] 勝率 6.4% 連対率16.7% 複勝率24.4% 複回率 86% 枠番値+0.6
 [09番〜16番] 勝率 6.9% 連対率 9.7% 複勝率15.3% 複回率 73% 枠番値-0.7

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-0-4-32 連対率 5.3% 複勝率15.8%
 [栗東] 8-10-6-82 連対率17.0% 複勝率22.6%

・前走距離別成績
 [芝1800↓] 0-0-2-9 連対率 0% 複勝率18.2%
 [芝2000m] 3-2-3-19 連対率18.5% 複勝率29.6%
 [芝2200m] 0-2-0-8 連対率20.0% 複勝率20.0%
 [芝2400m] 5-4-5-59 連対率12.3% 複勝率19.2%
 [芝2500m] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝3000↑] 2-2-0-18 連対率18.2% 複勝率18.2%
 [ダート戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 9-6-9-75 連対率15.2% 複勝率24.2%
 [中央G2] 0-2-0-22 連対率 8.3% 複勝率 8.3%
 [中央G3] 0-0-1-15 連対率 0% 複勝率 6.3%
 [OP特別] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [条件戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [海外戦] 1-2-0-5 連対率37.5% 複勝率37.5%

・前走主要レース別成績
 [J C] 4-3-5-54 連対率10.6% 複勝率18.2%
 [天皇秋] 3-0-2-7 連対率25.0% 複勝率41.7%
 [菊花賞] 2-1-0-6 連対率33.3% 複勝率33.3%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走3着以内の4歳以下馬(連対率34.3%、複勝率37.1%)
 [買い] 外国人ジョッキー騎乗馬(複勝率34.4%、複回率130%)
 [買い] 前走での上がり3F順位が2位以内(複勝率28.9%、複回率124%)
 [不振] 前走JCで4着以下、かつ人気>着順(0-1-2-20)
 [不振] 前走JCで4角3番手以下かつ3着以下(0-2-5-37)
 [全滅] 前走でG2〜G3に出走して2着以下(0-1-0-21)
 [全滅] 日本人ジョッキー騎乗の前走G1以外出走馬(0-1-0-32)

 1番人気が[6-3-0-1]と非常に強いのもあって、単勝平均配当は941円という低さ。しかし、ヒモ荒れでの決着が多く、馬連平均配当6379円 3連複平均配当3万2434円と、こちらは水準かそれ以上の数値が出ている。昨年はおおむね順当な決着となったが、大混戦となりそうな今年は、再びヒモ荒れでの決着がありそうだ。

 全体的に若い馬のほうが強く、6歳以上で勝った馬は期間内に1頭もいないレース。4歳以下馬が中心であるのは間違いなく、高齢馬については「人気薄ならば一考」くらいのスタンスで取捨するのがよさそうだ。牝馬もなかなか強く、割り引いて考える必要はまったくなし。かといって高く評価するほどでもなく、性別については、あまり気にしないでいいと思われる。

 注目はやはり枠番データ。コースデータ以上に内枠有利・外枠不利であり、「ひとケタ馬番」かどうかで成績がガラッと変わるといっても過言ではないほど。ゴールドシップのように外枠を苦にしない馬もいるが、マイナスとなる馬のほうが圧倒的に多い。明日の枠番ドラフトは、そういう意味でも大注目である。

 前走でG1、もしくは海外のレースに出走していることが好走の必要条件で、昨年2着のウインバリアシオンや、人気薄で4着好走のラブイズブーシェなどはレアケース。また、ジャパンカップからのローテが連対率10.6%、複勝率18.2%と意外にアテにならないのも、覚えておきたい特徴である。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きAコース。先週から一気に外差しが決まる馬場にシフトした。

・天候予測
 今のところ週末に天気が崩れる兆候はなし。良馬場前提でオッケイ。

・勝利数トップ種牡馬
 ステイゴールド 勝率22.7% 連対率31.8% 複勝率39.4%

・著者の注目血統
 ステイゴールド産駒◎、ハーツクライ産駒○、キングカメハメハ産駒△、シンボリクリスエス産駒△

 有馬記念といえば、ステイゴールド産駒。現在、有馬記念を三連覇中という強烈な適性の高さで、2012年にはオーシャンブルーが10番人気で2着と、人気薄でも侮れない。今年もゴールドシップ、フェノーメノ、オーシャンブルーと、3頭が出走を果たしそうな状況。戴冠の最右翼といえる存在である。

 また、ハーツクライ産駒も連対率41.2%と信頼度が非常に高く、その適性の高さはステイゴールドに比肩しうるもの。あとは、回収率が高いキングカメハメハ産駒と、持ち前のパワーで荒れ馬場をこなすシンボリクリスエス産駒も、プラス評価の対象としている。ディープインパクト産駒も、出走数こそ少ないが、そう悪くはないように思える。

 あとは、当日がどのような馬場になるかだ。先週から外差しがバンバン決まっているように、現在の馬場バイアスは「外」有利。また、有馬記念というレースも、近年は先行勢よりも差し馬のほうが好成績といえる。ただし、登録メンバーを考えると、ペースはおそらくスロー。前々での決着があっても驚けず、非常に難しい。

★総論×各論

 素晴らしく豪華なメンバーが顔を揃えそうな、今年の有馬記念。ファン投票1位のゴールドシップに、ここが引退レースとなるジェンティルドンナとジャスタウェイ、前走で見違えるような走りを見せたエピファネイアなど、錚々たるメンバー。グランプリにふさわしい大激戦が見られそうで、今からワクワクしてくる。

 また、当データ分析の結果も、まさに上位拮抗。「枠番が決まってから」と言いたい気持ちで一杯ではあるのだが、そこはあえて無視した上で、かなりアナログな見解も取り入れつつ、論を進めていきたい。

 上位人気はおそらく、ジャスタウェイ、エピファネイア、ゴールドシップの3頭。ここが同じようなオッズで並び立つ、いわば「三強」の図式になると思われる。このなかで、もっとも危なっかしいのが、前走でジャパンカップを快勝したエピファネイア。単純に鞍上が乗り替わるだけでもマイナスであり、しかもそれが外国人ジョッキー→日本人ジョッキーのスイッチ。これは、かなりの割引材料といえる。

 そういう意味ではゴールドシップにも不安はあるワケだが、こちらは日本人→日本人のスイッチであり、騎乗予定の岩田ジョッキーがG1で異様に強いというのは、皆さんご存知のとおり。乗り替わりがマイナスに働く可能性は、エピファネイアの場合よりも低いと思われる。また、エピファネイアの場合は、前走で見せたパフォーマンスの高さが人気の理由であり、ゴールドシップが人気に推される理由とは異なっているのも大きい。

 こういった理由もあり、トップに評価したのはジャスタウェイ。有力馬のほとんどが乗り替わりとなるなか、この馬だけが継続騎乗であるというのは、高く評価してしかるべきポイント。今年は3歳〜4歳の層がそれほど厚くはないというのも、5歳の本馬にとっては歓迎すべき材料だ。中山での好走実績もあり、父ハーツクライも大きなプラス。これでひとケタ枠番さえ引ければ、もっとも信頼できる人気馬となるはずだ。

 で、対抗に2年連続好走中のゴールドシップ。鞍上の乗り替わり以外にも、気ムラな部分や凱旋門賞以来という調整過程など、懸念すべき部分はある。しかし、コース適性だけならこの馬が間違いなくトップで、それをファンも知っているからこその、人気投票第1位。外枠からの競馬にも対応可能であり、デキ次第では楽勝する可能性まであるのが、この馬の恐ろしいところである。

 一発があるならトゥザワールドか。菊花賞では16着に惨敗したが、あれはもう「距離」という理由でいいだろう。イスラボニータをモノサシに考えても大きな差はないはずで、このコースに向く先行力やパワーも兼備。枠番と展開次第で、ガラリ一変があって驚けない。そう人気にもならないだろうし、じつはここが買い時かも!?

 ここまでが上位評価組で、以下はエピファネイア、ジェンティルドンナ、フェノーメノ、デニムアンドルビー、ラキシス、ラストインパクト、ワンアンドオンリーといった序列。ただし、これは枠番次第で大幅に入れ替わる。外枠でも大丈夫といえるのは、実績があるゴールドシップくらいのもの。それ以外の馬は、馬番がひとケタか、それともふたケタかで、評価を思いっきり上げ下げすべきである。

■阪神カップ(G2・阪神芝1400m内)フルゲート18頭/登録36頭

 阪神カップは、5年連続で10番人気以下馬が馬券に絡んでいる、大荒れ模様のレース。阪神芝1400mというコース自体の波乱傾向が強いというのも、このレースが荒れまくっている理由である。当然、今年もそうそう順当には決まらないだろうし、個人的には「今年も絶対に1頭はふたケタ人気馬が来る」と決め打つくらいのスタンスを推奨したい。

 好走の必要条件といえるのが、前走で「京都の重賞」に出走していること。当然ながらマイルCSからのローテが中心となるワケだが、そこでの着順はいっさい問われない。とにかく、出ていることが重要なのだ。順調な臨戦過程でこのレースに臨めていることを、かなり高く評価すべきレースといえる。

 ところが今年は、出走が叶いそうな馬でこの条件を満たすのが、クラレント、サクラアドニス、サダムパテック、ホエールキャプチャ、ミッキーアイルの5頭しかいない。もう、この5頭ボックスを買ってもいいくらいの話である。しかも、サクラアドニス以外の4頭は、このレースの好走パターンである「前走G1で10着以下に大敗」という条件にも該当する。

 ミッキーアイルとクラレントは人気に推されるだろうが、レースの傾向を考えると、アツいのはそれ以外の3頭。とくにサダムパテックホエールキャプチャの2頭は、絶対にヒモで押さえておきたい。

■ホープフルS(G2・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録23頭

 朝日杯フューチュリティSが舞台を今年から阪神に移したのとは逆に、ラジオNIKKEI杯2歳Sは中山へとお引っ越し。それにともないレース名も変更されたが、第31回というカウントを見るかぎり「中身は同じ」という位置付けのようだ。まあ確かに、朝日杯ほど劇的なコース変更ではないとは思いますけども。

 というわけで、データは当然ゼロ。参考になるのはラジオNIKKEI杯で、ひと言でいえば「人気馬がアホほど強い」というのが、もっとも大きなレース傾向だった。2番人気以内馬は[6-6-4-4]で連対率60.0%、複勝率80.0%という鉄板級の信頼度を誇り、10番人気以下馬は馬券絡みゼロ。当然、前走でも人気を集めていた馬が圧倒的に強い。

 素質の高さが問われる性質のレースでもあり、前走での上がり3F順位は、かなり重視しておきたいファクター。中山になって大きく変わる可能性はあるが、これが「3位以内」であるのを、ハードルとして設定したい。ソールインパクト、ティルナノーグ、レトロロックなど、今年の登録馬はこの条件を満たせない馬が、けっこう多い。

 これをクリアした馬のなかで、レースキャリア数の面でも「買い」といえそうなのが、エニグマバリエートシュヴァルグランダノンメジャータンタアレグリアの4頭。一応は、ここを注目馬にあげておこう。

※レース&コースデータは2004年以降、血統データは2009年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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