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京都マイルは今年も浜中騎手のものか。中山1600でもディープ産と接近遭遇していいか。

  • 2015年01月08日(木) 12時00分


京都金杯はただ1頭のディープインパクト産のエキストラエンドが4人気で2着した。
京都マイル重賞はディープインパクト産のホームランコースだけれど、ほぼそのとおりの結果だった。
1枠1番という絶好の枠に入って、それでも4人気だった。ディープインパクト産のホームランコースであることは誰もがわかっていたはず。しかも前年の覇者。それなのに4人気。そこがディープインパクト産の不思議なところであり、競馬の面白いところか。

ちなみにディープインパクト産とともに今年の接近遭遇の対象にした角居厩舎と池江厩舎もそれぞれ金杯で馬券になった。

角居厩舎 京都金杯 エキストラエンド2着 フルーキー4着
池江厩舎 中山金杯 ラブリーデイ1着

一年の計が元旦にあるならば、重賞の計は金杯にあってもいい。ハンデ戦の重賞だけに、金杯にあり! と断定はしないけれど、今年の基礎テーマにした「ディープインパクト・角居厩舎・池江厩舎との第3種接近遭遇」を忘れないためにも「金杯!」と記しておきたい。

そういえば池江厩舎が春に豪州遠征のプランを立てているとスポーツ紙にあった。
ワールドエース・トゥザワールド・トーセンスターダムの3頭での遠征を予定しているのだとか。
先週、池江師と角居師はどんな油絵を描いているのだろう? と空想してみたけれど、豪州の競馬場を描いているとは思わなかった。っていうか、オーストラリアの競馬場をそもそもよくわかってないんだけど…。
いずれにせよ、飛び立つなぁ〜。角居厩舎も負けじとどこかへ飛び立つのだろうなぁ〜。

とにかく、一年の計を今一度言い聞かせてみたものの、
今週の2重賞には角居厩舎の馬も池江厩舎の馬もいない。この2厩舎の厚みは秋から発揮されるから、早春の3歳重賞にいないのはしょうがない。そもそも今年の角居厩舎は3歳世代の頭数が少ないから、よりしょうがないのかもしれない。

ならばディープインパクト産探しだけれど、ホームランコースのシンザン記念には登録が1頭しかいない。
その1頭も牝馬のクイーンズターフで、こちらではなくフェアリーSに出走しそうなムードだ。

その一方で、フェアリーSにはクイーンズターフ含めて4頭の登録がある。
自分は社台系のディープインパクト産が阪神JFや朝日杯Fにぜんぜんいなかったから、てっきりシンザン記念にぶつけてくると思っていた。だからちょっと拍子抜けだ。特に社台系の牝馬がシンザン記念に出走してきたら、逸材感が際立つので、注目していた。それだけに出走がなさそうなのは少々残念だ(クイーンズターフがシンザン記念に出走していたら、もちろん大検討する)。

Cデムーロも戸崎も福永も非社台生産馬に騎乗するのを見ると、ここに出走する社台系生産馬には逸材はいないのかもしれない(社台直系のクラブ馬の登録もない)。実際、社台系生産馬は4頭登録されているけれど、騎手がはっきりしているのはダノンリバティ1頭だけだ(和田)。

その一方で、フェアリーSのコートシャルマンの鞍上にはCデムーロをしっかり確保している。この馬は社台F生産の社台RHの直系馬だから当然っちゃー当然か。

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シンザン記念は今年もマイラー浜中に賭けてみていいか?
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ディープインパクト産のホームランコースにディープインパクト産がいないと想定。
おまけに角居厩舎&池江厩舎もいない。
つまり、シンザン記念は一年の計をナイガシロにしてよしってわけだ! やったー!

ならば浜中アプローチ。
理由は浜中騎手がミスター・マイルだから。
しかも1月第2週以後の京都マイルの鬼だから。

1月の京都マイル重賞は3つ。
京都金杯
シンザン記念
京都牝馬S

シンザン記念と京都牝馬Sでの浜中騎手の成績は抜群かつ面白い。
シンザン記念に勝つと翌々週の京都牝馬Sももれなく勝つからだ。

シンザン記念
11年 1着レッドデイヴィス 浜中 7人気

京都牝馬S
11年 1着ショウリュウムーン 浜中 5人気

13年 1着エーシントップ  浜中 1人気

13年 1着ハナズゴール    浜中 1人気

14年 1着ミッキーアイル  浜中 1人気

14年 1着ウリウリ      浜中 2人気

シンザン記念の過去5年(浜中騎手は若手だから過去5年で十分)
3-0-1-1

京都牝馬Sの過去5年
3-0-0-1

1人気でも勝ち、伏兵人気でも勝つ。
逃げ先行でも勝ち、差しでも勝つ。
1月の京都マイルは2週目から俺のもんだ!と言わんばかりの成績だ。
そう、1週目の京都金杯はなぜか馬券圏内にも入れてない。そこが面白いとこでもある。

京都金杯 過去5年 0-0-0-4
掲示板も0頭。
ただ13人気7着・7人気12着・8人気15着・6人気9着とチャンスホースに騎乗してないのもたしか。

シンザン記念は3歳初期で、京都牝馬Sは当たりまえだけど牝馬のレース。
古馬牡馬中心の京都金杯との違いはそこか。
まだまだ若手の浜中騎手には3歳初期や牝馬の方がチャンスホースが回って来やすいのかもしれない。

その証拠と言えるかわからないけれど、
マイルチャンピオンシップも0-0-0-4と、まだ馬券圏内なし。
去年のシンザン記念を勝ったミッキーアイルで、NHKマイルも制したけれど、マイルチャンピオンシップでは1人気で13着に負けた。

とはいえ、浜中騎手が基本的にマイルが得意なのは間違いない。

重賞28勝のうち、11勝がマイルだ(芝10勝・砂1勝)。
マイルの成績が飛び抜けている。

芝1200 4勝
芝1400 5勝
芝1600 10勝
芝1800 1勝
芝2000 5勝
芝3000 1勝
ダ1600 1勝
ダ1900 1勝

1600を中心に、プラス・マイナス400M以内で27勝だ。
浜中騎手はこれからさらに伸びる騎手だから、この枠で収まるとは思わないけれど、
今、この瞬間はミスターマイル、マイラー浜中の称号でいいんじゃないか。
(マイラー浜中のアクセントはマイティ井上と同じでよろしいかと思います)

その浜中騎手の騎乗馬はレンイングランド。
牡馬 父クロフネ 母父サクラバクシンオー
矢作厩舎

全成績3-0-2-2
芝成績2-0-1-1
ダ成績1-0-1-1

芝で走って、ダートでも走る。クロフネ産っぽい成績だ。
しかも新馬9着→未勝利3着→未勝利1着と、もしかしたら走るかもしれないクロフネ産特有のカッタリーノ成分も配合されていそうで、一発感はある(12・18コラム参照)。
ただし、朝日杯FSで3着したクラリティスカイほどの成分の強さは現状では感じられない。
芝1500 9着
ダ1600 13着
と1500以上で惨敗しているのも少々気になる。
もしかして、1400以下で頑張るファルコンS系の馬かもしれない。

こういう馬のポテンシャルを推測する1つの方法にコメント・イマジネーションがある。
2歳〜3歳早期の馬の場合はレース後コメントに答えが落ちていることが多い。それは阪神JFや朝日杯Fで勝利した蛯名騎手の一連のコメントでも証明済みだ。

というわけで、前走クリスマスローズS1着時のコメントをチェックしてみる。

1着 レンイングランド(松岡正海騎手)
「ゲートを出た感じで、行けたら行って、渋太さを生かす競馬をして欲しいと言われていました。その通りの競馬ができてよかったです。物見したりと、まだ集中し切れていないところはありますが、粘ってくれたので能力があると思います。(矢作調教師が)リーディングを獲れるといいですね。願うばかりです」(ラジオNIKKEI 競馬実況webより)

「物見しながら走っての1着」に能力の高さを感じさせるようなコメントだ。これを超訳すると「かったりーなぁ〜って感じで走って1着したのだから能力はある」となる。

このコメントどおりならば、集中力が途切れなければ距離は持つとも解釈できる。課題はスタミナそのものではなく、集中力の持続かもしれない。だから浜中騎手が集中力を切らさないように騎乗すれば、ここでも勝負になる可能性はある。

ただ最後のコメントが気になる。

「(矢作調教師が)リーディングを獲れるといいですね。願うばかりです」

もしかして、リーディングを取るために暮れに無理矢理使ったか?
12月に2勝している(寒椿賞とクリスマスローズ)。矢作厩舎のリーディングに大きく貢献した馬だ。

ただし、この馬は朝日杯FSにも登録した馬で唯一除外された馬でもある。除外されたからクリスマスローズSを使ったとも言える。つまり、矢作調教師がリーディング争いに関係なくG1にぶつけようとした馬とも解釈できる。そこは頼もしい。

ピークは過ぎたか?
まだ大丈夫か?
この判断は調教や当日の気配などで判断するしかないけれど、シンザン記念は初勝利を上げるのに何戦もかかった馬や中1週の馬が馬券圏内に飛び込めるキャリア系レースでもあり、ここで頑張ってもなんら驚けない。

あとは浜中騎手が集中力を切らさない操縦ができれば………うむ、まだまだわからない。
予想7人気。仮に逃げてもマークが緩みそうな人気だ。
カッタリー濃度はクラリティスカイに比べて弱いとしたけれど、ここはG1ではなくG3。だから多少薄くても構わない。

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シンザン記念注目馬
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レンイングランド
浜中+クロフネのカッタリーノ力を想定して馬券圏内に期待。
浜中騎手へのチェンジには意味があるはず。開成調教師のマネジメント力含めて注目だ。
もちろん浜中騎手が勝ったら、京都牝馬Sも単勝狙い撃ちだ。

ダッシングブレイズ
吉村厩舎の池江厩舎力は気になる。
吉村調教師は、池江厩舎で学んで独立した池江厩舎系調教師。
競馬王1月号の井内さんの記事によると、吉村厩舎の調教は池江厩舎と似た調教だから、池江厩舎の得意なコースと成績がリンクしやすいのだとか。
その記事には京都1600については書かれていなかったけれど、マイ・イマジネーションでは、京都1600もいけると判定!だから接近遭遇してみる。
吉村厩舎は開設4年目の若い厩舎だけれど、9勝→13勝→27勝とグングン成績をあげている。池江厩舎時代に培った技術と人脈が好成績につながっているのだろう。それは、Cデムーロを確保できたことからも伝わってくる。

ロードフェリーチェ
先行するレンイングランドが踏ん張れない展開になったら、浮上できそう。四位騎手がそういう競馬を教え込んでいる布石あり。

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フェアリーSは連番かバラ買いか、どちらにしようかな。
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今年は中山の改修があったからか、中山芝経験馬が少ない。
登録馬19頭中、中山芝経験馬は4頭しかいない。アイラインは賞金150万で出走は難しそうだから、実質3頭だ。
アドマイヤピンク ひいらぎ賞2着12人気
エヴァンジル 未勝利1着1人気
トロピカルガーデン クリスマスローズS3着4人気

この3頭も抽選対象の400万組だから、除外される可能性もある。だから最大で3頭ということになる。
しかも予想5人気までに経験馬は1頭もいない。

だから、経験馬を重視する。
だから、経験とか抜きにしていっしょに来そうな馬をバラで買う。

連番買いか、バラ買いか。
どちらにしようかな? もはや宝くじ感覚だ。
(それだけ信頼しにくいメンバー構成と思う)

経験馬ならば、エヴァンジルに魅かれる。内を突いてこれるレースぶりを見ると、内枠を引いたら、エヴァンジルから馬連で流したくなる(連番買いと解釈)。
でも外枠を引いたら、ちょっとわからない。
過去2戦、内枠競馬しか経験してないからだ。

ならば、前走の着順の近い馬同士をセットでパラパラと買ってもいい。
宝くじで言うところのバラ買いってやつだ。

バラ買い1
阪神JF9着 オーミアリス
阪神JF10着 コートシャルマン

バラ買い2
赤松賞2着 テンダリーヴォイス
赤松賞3着 カービングパス

2頭の着差はそれぞれ4分の3馬身差で着順接近遭遇のニアだった。
だからオーミアリス=コートシャルマン、テンダリーヴォイス=カービングパスの馬券を買いたいわけだ。

バラ買い3 バラボックス
ディープインパクト産(最大4頭)のボックス

中山1600重賞のディープインパクト産成績は、
全体 0-2-1-6 勝率0.0% 連対率22.2% 複勝率33.3%
牡馬 0-2-1-3
牝馬 0-0-0-3

中山1600重賞はディープインパクト産にとっては、現状ではホームランコースとは言えない。ただし一概にダメとも言えない。そこそこヒットは打ててるからだ。とはいえ、過去はすべて牡馬。そこは少々気になる。
気にはなるけど、そもそも3頭しか出走してないし、牝馬限定のマイル重賞もフェアリーSしかないから、走る機会も少ない(ダービー卿もニュージーランドも牡馬混合)。だから情状の余地もある。

中山1600全体のディープインパクト産成績は、
牡馬 8-11-5-40 12.5% 29.7% 37.5%
牝馬 7-4-4-36  13.7% 21.6% 29.4%

勝率は五分五分も馬券圏内では牡馬の方が健闘している。
つまり牝馬の方が買いにくいのはたしかだ。

しかし、まったく買えないわけではない。
以下は、ディープ産が複数出走したときの重賞成績。

10年朝日杯 着順ニア!
リアルインパクト2着 リベルタス 3着

13年ダービー卿 着順ニア!
ドナウブルー10着 リアルインパクト12着

14年ダービー卿 着順ニア
マウントシャスタ 9着 アユサン 11着

ディープ産が複数出走ときの着順は好走するにせよ、負けるにせよ接近しているのがわかる。
牡馬も牝馬もいっしょにニアだったりする。
つまり、牝馬だって、展開や馬場次第では、馬券圏内に接近遭遇する可能性があることを示唆しているとも読める。
3歳早春の同世代対決ならば、力の違いで通用することもある。だからまだわからない。

今回のディープインパクト産は最大で4頭出走する。
テンダリーヴォイス 予想3人気
クイーンズターフ  予想8人気
メイショウメイゲツ 予想9人気
ローデッド     予想11人気

この人気なら、ちょいと買える。気軽にパラパラっと買える。

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フェアリーS注目馬
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連番買い…エヴァンジル(内枠でアゲ)
バラ買い1…オーミアリス=コートシャルマン
バラ買い2…テンダリーヴォイス=カービングパス
バラ買い3…ディープ・ボックス

連番で買うか、バラ買いするか。
あとは枠を見て決めればいい。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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