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別定戦でもヒントになる、斤量

  • 2015年02月03日(火) 12時00分


斤量の重い馬が軽い馬を負かすことはいくらでもある

 競馬の斤量は軽いにこしたことはないはずだが、実際には斤量の重い馬が軽い馬を負かすことはいくらでもあるし、「前走から斤量が増えた馬」が「斤量が減った馬」を負かすことも多い。斤量こそがテーマであるはずのハンデ戦においても「斤量増」と「斤量減」では前者のグループが成績面で優位に立つことが多く、私もしばしばその点を指摘してきた。

 ハンデ戦でそのような現象が起きるのは能力差をハンデでは埋め切れないことが大きいが、似たようなことは別定戦でも起こりうる。別定戦は勝ったレースのグレードか獲得してきた賞金の金額による加量があるが、それでも「本来なら不利なはずの馬」が優位に立つことは多い。

 今週の東京新聞杯を例に取ると、斤量増減別成績はこのようになっている。

種別    着度数   勝率 複勝率 単回収率 複回収率
増減無し 5- 4- 4- 49 8.1% 21.0% 133 90
今回増 4- 5- 2- 43 7.4% 20.4% 91 128
今回減 1- 1- 4- 32 2.6% 15.8% 11 35

 斤量減が追い風になっていないことは明らかだ。斤量増組では、2キロ以上増えた組がさすがに不振となっており、1.5キロ以下の増加だと[3-5-2-30]で複勝25.0%、回収率は単119%・複170%となっている。成績そのものが良いわけではないが、斤量が人気を押し下げる効果があって回収率が良くなっている面もあるだろう。

 参考までに、増減無し組では「前走大敗馬」を除外すると回収率がさらに向上する。前走10着以下の馬は期間内[0-0-1-16]なので、それを除くと回収率は単184%・複112%となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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