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角居厩舎のワンツーパンチと大竹厩舎のカ・イ・カ・ン

  • 2015年02月05日(木) 12時00分


今年の重賞は、ディープインパクト産駒と角居厩舎と池江厩舎といかに上手に接近遭遇するかをテーマにしてみたが、早くも一か月が過ぎた。

そういえば、「もうディープインパクト産駒だけでええわ!」とコメントしている調教師がいるのを知っていますか?

それはさておき、
先週までで11の重賞が行われた。
今年、たとえ人気でもトーンダウンしないぞ!と決意して、接近遭遇を誓った角居厩舎と池江厩舎の馬はどんな活躍を見せているのか、一応さらっておく。

きっとこういう地道なチェック、3歩進んで2歩下がる的な、人生はワンツーパンチ的なチェックが一年365歩をマーチしつづけるのに大切なはずだ……。
って書いているうちになんのことかよくわからなくなったけれど、とにかく馬券の腕を向上させるのにフィードバックは必要な作業なはず。

京都金杯 角居2頭 2着4着
中山金杯 池江1頭 1着
シンザン記念 0頭
フェアリーS 0頭
日経新春杯 池江1頭 11着
京成杯   池江1頭 1着
京都牝馬S 角居1頭 6着
東海S   角居1頭 10着
アメリカJCC 角居1頭 3着 池江1頭 16着
シルクロードS 池江1頭 10着
根岸S   角居1頭 1着 池江1頭 4着

合わせて、
3-1-1-7

2厩舎がともに出走しなかったレースは、3歳重賞2レースのみ。今年の角居厩舎は3歳世代がお付き合い程度しか入厩してないから、3歳重賞とはいえちょっと軽めな両レースに出走してなくて当然だ。それを思うと、この2厩舎はやっぱり厚みがあると思わざるをえない。そもそも秋競馬から本チャンに突入すると見立てた2厩舎だけど、早春からナイガシロにしてはいけないことがよくわかる。

角居厩舎の2015成績(2/1付)
リーディング5位 5-4-3-16
重賞成績 1-1-1-3
重賞馬券圏内率50%

京都金杯  エキストラエンド・4人気2着 フルーキー・2人気4着
京都牝馬S キャトルフィーユ・2人気6着
東海S   グラッツィア・12人気10着
アメリカJCC エアソミュール 2人気3着
根岸S   エアハリファ 1人気1着

池江厩舎の2015成績(2/1付)
リーディング1位 8-2-3-17
重賞成績 2-0-0-4
重賞勝率33.3%

中山金杯  ラブリーデイ・4人気1着
日経新春杯 サトノノブレス・1人気11着
京成杯   ベルーフ・3人気1着
アメリカJCC オーシャンブルー・13人気16着
シルクロードS ルナフォンターナ・7人気10着
根岸S   ゴールスキー・8人気4着

どちらも人気になったときに存在感を示しているのがわかる。

エキストラエンド・4人気2着 
フルーキー・2人気4着
キャトルフィーユ・2人気6着
エアソミュール 2人気3着
エアハリファ 1人気1着
ラブリーデイ・4人気1着
サトノノブレス・1人気11着
ベルーフ・3人気1着

1-4人気で、3-1-1-3
勝率.375 連対率.500 複勝率.625

人気で惨敗したのはトップハンデ58で1人気だった日経新春杯のサトノノブレスのみ……。この馬は切れたな…。実際、16頭立て以上だと危ないと読めたし…うむ、切れた切れた。
キャトルフィーユは角4競馬向きで角2競馬ではサゲたいとこのコラムでも書いた……うむ、切れた切れた。
自分に切れなかったのはフルーキーだけか……だとすると、3-1-1-1……おー!さらに精度をあげられたじゃないか!!
とか、言ってるときっと痛い目に会うんだろうな。たはは。
でも、人気厩舎の人気馬を切るのって、ちょっとしたカ・イ・カ・ンなんだよね……。

おっと危ない危ない。カイカンとかに走っちゃいけないんだった。人生はワンツーパンチがテーマだった。薬師丸ひろ子じゃなくって、水前寺清子だった。
自分のような者は、あれこれ考えずにこの2厩舎の馬が4人気以内だったらナイガシロにしないと決めたほうがいい。いいに決まっている。

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東京新聞杯の角居厩舎
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その角居厩舎と池江厩舎が今週も東西重賞にスタンバっている。

東京新聞杯
エキストラエンド Cデムーロ 角居
フルーキー    岩田   角居
リルダヴァル   ベリー  池江

きさらぎ賞
アッシュゴールド 池添  池江

今週もなかなかのラインナップだ。
特に角居厩舎の東京新聞杯登録の2頭は手強い。
理由は、角居厩舎は東京新聞杯の成績も抜群だからだ。

ジャパンカップの週に、角居・松田博・池江の3厩舎はジャパンカップ御三家・三大天みたいなことを書いた。東京2400を勝つことを想定して、馬を選び、調教しているのではないか? そんなことも書いた。
だけど、角居厩舎はそれだけじゃなく、東京1600も常にイマジネーションしているのではないか? そんなことも東京新聞杯の成績から伝わってくる。

角居厩舎の東京新聞杯(2001年開業以来の成績)
1-2-2-1

着外1回は14人気だった9歳センターフレッシュの15着のみ。
厩舎初の東京新聞杯出走のときで、ぶっちゃけ参加しただけとも言える。

それ以外はすべて馬券圏内。
1-2-2-0

冬競馬の東京遠征だから、勝負にならない馬は連れて行かないし、出走するからには勝負のデキにある。無駄打ちしない。そんなポリシーを感じる。

予想人気
1人気 フルーキー 岩田
2人気 エキストラエンド Cデムーロ

人気もある。っていうか、京都金杯が2人気(フルーキー)、4人気(エキストラエンド)だから、それ以上に人気になりそうだ。
ちなみに東京新聞杯の1人気馬は、この10年で2-1-1-6とあまりよくない。現在4年連続で馬券圏外だ。ただし馬券圏内に入った4頭は、全盛期の武豊2勝、ペリエ3着、ルメール2着で、超名手級だと馬券になっている。

今回は岩田かCデムーロのどちらかが1人気になりそう。超名手かどうかはわからないけど、名手系なのは間違いない。ならば、そこに角居厩舎の東京新聞杯力を合わせると、やっぱり馬券圏内はカタいように思える。

では、どちらがいいのか?
去年、京都金杯1着→東京新聞杯2着で、今年も京都金杯2着から挑むエキストラエンドか、岩田騎手連続騎乗で今度は結果を出したいフルーキーか(岩田は新馬で騎乗し、1着あり)。
京都金杯が実際そうだったけれど、こういう場合は人気のない方を選択したくなる(心情的にはフルーキーだけど、自分の心情ほど怪しい心情はないから控えておく)。

とはいえ、フルーキーとエキストラエンドが揃って馬券圏内は想像できても、揃って圏外に消えることは、こと東京新聞杯に限っては想像しにくい。
ならば別の馬からこの馬たちにぶつけるのが一番いいようにも思う。

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東京新聞杯注目馬
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超敬意馬・角居厩舎2頭
フルーキー・エキストラエンド

マイネルメリエンダ
京都金杯3着馬。
京都金杯2着、4着馬を狙うとした以上は、3着馬を狙ってみてもいいはずだ。
京都金杯54キロで、東京新聞杯56キロは歓迎材料ではないけど、展開は楽になる可能性はある。

「逃げます逃げます」「逃げるとも!」と顔に書いてある「フェスティヴタロー=江田照(タナカツから乗り替り)」が出走できれば、それにこしたことはないけれど、仮に除外になったら(フェスティヴタローは順位20位)、逃げたい馬も、何が何でも番手が欲しい馬もいなくなる。
そうなったときに主導権を取る競馬ができるのはマイネルメリエンダくらいしか見当たらない。最近は逃げも番手競馬もしてないけれど、逃げて馬券になったことも2回ある。

こういうときは超スーパースローの折り合い合戦になるかもしれないし、辛抱たまらんで、思わぬ馬が逃げてしまい、思わぬ乱れが生じるかもしれない。そうならないように柴田大騎手には交通整理を買って出てもらい、ついでに強い馬の瞬発力を消し去るような流れを作ってもらいたい。

ヴァンセンヌ
ディープインパクト産をやっつけるのはディープインパクト産じゃないときもあれば、ディープインパクト産をやっつけるのはディープインパクト産のときもある(当たり前ですね)。
この馬は6日発売の競馬王の「ディープインパクト産の軸と穴」の東京1600好走条件にいくつか該当する(はず)。
3走前と前走は、向う正面から暴れん坊が顔を出す競馬だった。それでも1着した。2走前のように直線まで我慢できれば、ここでもなんとかなるのでは? そんな期待をしている。

タガノグランパ 今週はこの馬をオススメって書きにくいなぁ……でもふつうにいいと思うのですよ。ふつうに。

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きさらぎ賞注目馬
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■10頭立て以下のときは、逃げた馬がちゃっかり残る。

今回は登録が9頭で、9頭立て以下が確定。
出走馬の戦歴から、逃げてもおかしくない馬は、
グリュイエール シュタルケ
ネオスターダム 浜中
エメラルヒマワリ ――

エメラルヒマワリは中央に移籍して3戦目。過去2戦は差したり、先行したりしたけれど、いい結果は出なかった。ここは捨て身で逃げるかもしれないけれど、先頭に立つスピードがあるかがそもそも疑問。

グリュイエールは先頭には立ちたくないけど、上手く折り合えなくて結果的に先頭に立ってしまった馬。シュタルケ騎乗は外国人の腕で折り合わせたいという意味もあるか。シュタルケでも持っていかれるかもしれないけれど、逃げの指示は考えにくい。

残るはネオスターダムのみ。
先行してじれったい競馬が続いていたけれど、前走はビュイックで逃げて1着した。浜中騎手に戻って、逃げる競馬をするのだろうか? 先々まで期待しているという厩舎コメントもあったし。

あれ? 逃げる馬が行方不明になっちゃった。
やっぱりここは浜中騎手のネオスターダムに逃げてもらおう。先々を考えると逃げたくはないだろうけど、賞金の上乗せを考えると逃げるのも手だろう。

というわけで、
きさらぎ賞はネオスターダムがちゃっかり2着か3着することに期待する。

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にしても、ルージュバックは何を狙っているのだろう?

きさらぎ賞出走理由は「右回りと輸送」を経験するためとあるけれど、本当にそれだけなんだろうか?

自分には念のため、きさらぎ賞にぶつけてる気がしてならない。
念のため、ぶつけてみて、この相手でも勝てたら、その後の目標レースを決めよう。
取りあえず桜花賞には出走し、念のためダービーにも登録しておこう。
ダービーでキャロットの馬が出走できなかったときに役に立つかもしれないし……。
そんな念のため。

そもそもルージュバックは、去年ダービー云々と騒がれたハープスターと同じキャロットの馬。
去年は、松田博厩舎だっただけに早くからダービー挑戦の話が出てしまい、いろいろと捌くのに大変だったのではないか?
だから今年は静かに、だけど念のため……。そんな動機ならぬ、静機が隠されているとしたら………うむ、けしからん夢も密かにまぶされていそうで、興味津々だ。

ちなみにきさらぎ賞の牝馬出走が話題だけれど、新馬も百日草も牡牝混合だった。
特に百日草で1着した牝馬は初だ。
この世代から2000Mに変更になったけれど、それが特別よかったとは思えない。
むしろ、より強い馬が勝ちやすくなった気もする。

もしかしたら、百日草も念のための出走だったかもしれない。そこでベルーフに勝ったことがカ・イ・カ・ンになった可能性はある。
で、今度は念のため、きさらぎ賞出走。ここでも前走同様に鮮やかに勝つようなら、カ・イ・カ・ンは、けしからん夢へと昇華するかもしれない。よし! ネオスターダムの逃げ馬券を買いながら、ルージュバックにセーラー服と機関銃を期待してみよう。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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