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コパノリッキー、ワイドバッハ、インカンテーションなどフェブラリーS分析

  • 2015年02月18日(水) 18時00分


次走の大阪杯に向けて、すでに始動していることがなによりなキズナ

 先週の京都記念について、いろんな方から意見を求められます。以下、私の個人的な見解です。まず、キズナの3着について。想像した通り、いえ、想像した以上に走れたと思っています。◎にしておきながら、3着で満足するなと言われてしまうと謝ることしかできませんが、22キロの馬体重増は思った通りでしたし、メンバー最速上がりを使ったのも想像通り。前を捕まえ切ることができなかったのは、展開の要素が非常に大きく、勝つことよりも内容が重要だった今回のレースを考えると、これでいいのでは。今朝18日も坂路をキャンターで元気に駆け上がっていますし、次走の大阪杯に向けて、すでに始動していることがなにより。

 対して、ハープスターに関しては、14キロも馬体重が増えていたことに驚きました。成長といってしまえば、それまでですが、見た目にはそんなに増えている印象はなかったのですが。それよりも、勝ちを意識した中団でのレースが、いつも通りの末脚を使えなかったと考えた方がよいのでしょうが、この中間の追い切り過程を見ている人間としては、やっぱり14キロ増が解せません。

 今回はデビューから初めて、メンバー3位以内の上がりを使うことができなかったので、これは今後のハープスターにとって、決してプラスになるとは思えないですね。次走がドバイ遠征だけに、どのような形になっていくのか。静かに見守らせてもらおうと思います。

【フェブラリーS/コパノリッキー】

 1週前追い切りが想像していた以上に速い6F時計で驚きました。それと同時に「やっぱりこの馬で仕方ないかも」という気持ちが芽生えたのは確か。時計と見た目が本当に素晴らしく、このスピードの持続力で1600mを走られたら、後ろは追いつけないだろうというイメージが沸く動きでした。

 対して、最終追い切りは判断に迷う内容。単走だったこともあってか、非常に遅い87.6秒と6F時計でした。これは昨年のフェブラリーS最終追い切りと比較しても遅く、決して評価できません。しかし、ラスト1Fは素晴らしい伸び脚。馬券的には当然、印を打つ評価ですが、その順位をどの程度上位にもってくるのか。これが難しいところです。

コパノリッキー(2月18日撮影)

コパノリッキー(2月18日撮影)



【フェブラリ−S/ワイドバッハ】

 前走時の最終追い切りに感じたことですが、以前に比べて、確実に追い切りで動かなくなっている印象。これは今回の1週前追い切り、メイショウイチオシとの併せ馬で感じたことです。併せ馬で遅れていても、どうしようもなく遅れるというよりは、無理していない、そんな走りに見えます。

 最終追い切りは坂路で単走でした。左埒沿いをスムーズに走っていただけに、ラスト1Fが最速になるラップを踏めるかと思いましたが、ラスト2F地点から追い出して、スピード乗りは今ひとつ。結局、最後は1F13.2秒で減速しました。こうなると、追い切りは動かないと割り切るしかないのですが、武蔵野S1着時にはラスト1Fが最速ラップを踏んでいたことを考えると、本命視するわけにはいきません。

ワイドバッハ(2月17日撮影)

ワイドバッハ(2月17日撮影)



【フェブラリーS/インカンテーション】

 前走は10キロ増の馬体重。個人的には年始に調教を休んだ影響があったと思いましたが、羽月友彦調教師は「もっと増えていいくらい」ということですから、陣営としては計算通りのプラス体重だったようです。

 中間にプールを併用するのはいつもの仕上げですが、この中間は坂路調教なし。普通キャンターで坂路に入れることすらやっていないので、この点はどうなのだろう?というのが個人的な意見。最終追い切りはサンディークスがゆったり進めたこともあり、最後まで楽な追い切り。確かにこれでまた体重が増えるかも知れませんが、どうも中身が伴っていない仕上げに思えてなりません。

インカンテーション(2月18日撮影)

インカンテーション(2月18日撮影)



【フェブラリーS/カゼノコ】

 チャンピオンズCで◎を打つことも検討した馬でしたが、中間の追い切りの動きや馬体を見て、◎は見送り。川崎記念でようやく成長を感じる膨らみを見せた馬体だったので、ホッコータルマエの相手はこの馬しかいないと思いました。どこまで行っても、詰まることのない3/4馬身差の負けでしたが、この馬自身にとっては収穫の多い内容だったと思います。

 この中間は前走を上回る状態。とにかく追い切り後に見た馬体、トモの張りが抜群。もう、これ以上ないというくらいに膨らんでいましたから、やっぱり4歳馬って成長力が魅力だと感じました。過去2戦でスタートから出していくレースをしているだけに、この経験が活きてくれば、離れた最後方ということはないでしょうし、直線の末脚は確実に期待できます。

カゼノコ(2月18日撮影)

カゼノコ(2月18日撮影)



【フェブラリーS/ローマンレジェンド】

 この中間、想像を裏切る追い切り内容。というのも、過去はCWでの追い切りを中心にしていましたが、今回は坂路での追い切りが中心。1週前追い切り、そして、最終追い切りも坂路でした。

 その動きが絶品。開門直後だったとはいえ、2F24.3秒、1F11.9秒は文句ない数字。4F51.6秒は自己ベストを更新しており、数字はもちろん、見た目の動きも素晴らしい内容になっています。問題は過去の好走時がCWに対して、今回が坂路という点ですが、かしわ記念以来、デビューから2度目のマイル戦ということを考えると、距離に対応するために陣営がこの調教を選択しているとすれば、非常に不気味です。

ローマンレジェンド(2月17日撮影)

ローマンレジェンド(2月17日撮影)



◆次走要注意

・2/14 東京 3歳未勝利【ナモンブライアン】(8人/5着)

 馬格は未勝利を簡単に勝ち上がれるくらい立派なものを持っていますし、トモなんかももっと成長の余地がある感じ。
 ただ、速い脚を使えないようで、現状では中山ダート1800mが最適。最終追い切り場所がトラックなら、ラスト1Fが最速になるきれいな加速ラップが理想。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]最終追い切りCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・2/15 小倉 3歳未勝利【アゲハ】(7人/5着)

 18キロの馬体重増は想定内。むしろ、このくらいあれば、勝ち負けできるという印象でしたから、これが太目だったということは全くありません。
 手応えがよかったのでしょう、4コーナーで大外を選んだ分、最後は伸び負けしましたが、新馬戦とは全く違う、中身ある敗戦でした。次走は楽勝、最終追い切りは馬なりでも4F53秒台が出るはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切り坂路で4F54秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・春日特別【ガリバルディ】
 馬券的妙味がないことを前提で取り上げますが、CWでの最終追い切りはここ最近で一番目立つ動きでした。併せた相手を全く問題にせず、追われてからの伸びはしっかり。取りこぼしの多い馬ですが、今回こそは。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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