スマートフォン版へ

今回のゴールドシップ、買う? 買わない?

  • 2015年03月17日(火) 12時00分


ゴールドシップの扱いについて参考になるかもしれない過去の事例

 今週の阪神大賞典にはゴールドシップが出走してくる。現役最強である可能性を秘めた一方、現役最大級の裏切り(馬券上の)を仕掛けてくることもある同馬。まして今回はAJC杯で単勝1.3倍の1番人気に推されながら7着と大敗した直後。扱いを悩んでいる人は多いことだろう。

 果たして今回、ゴールドシップは来るのか来ないのか。正直、「分からない」としか言いようがない。参考になるかもしれない過去の事例を紹介するしかない。

 平成以降、ハンデ戦を除く古馬の平地GII戦(ダートも含む)で、単勝1倍台の馬が6着以下に敗れたケースは、先のAJC杯を含めて18例しかない。そのうち89年阪神大賞典のスルーオダイナは2位入線失格なので、これは除外する。

 それらの馬たちが次走でどうだったか。大敗したレースが最終戦になった馬や海外だった馬を除くと、[5-1-1-7]。マイネルラヴのスプリンターズS(7番人気1着)が含まれるため、回収率は単406%・複125%と高い。

 となると、「今回のゴールドシップは逆の逆で、買いだ!」と考えることもできる。ただ、先述した「大敗後の好走例」はGIが中心。GIが[4-1-0-3]に対してGII以下は[1-0-1-4]。つまり、GIに向けて調整途上だったため大敗したケースは次走のGIで巻き返してくるが、その他のケースは引き続き危険と考えることもできる。

 で、今回はどうなのか? という質問にはお答えできない。ゴールドシップは、自己責任でしか取捨できない馬である。

 サンプル数を増やすため、起点を「単勝1倍台で4着以下」とすると、該当例は29頭。その次走は[8-3-2-12]で回収率は単255%・複107%。うち、次走がGIは[5-3-0-7]で回収率は単367%・複125%。GI以外は[3-0-2-5]で単87%・複80%。ちなみにゴールドシップは、大敗後のGIという形で13年のJCを大敗している(15着)。どうにもこうにも、馬券上の扱いが難しい馬である。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング