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クイーンズリング、キャットコインなど桜花賞、阪神牝馬S、NZT出走馬の調教分析

  • 2015年04月08日(水) 18時00分


桜花賞を始め週末に行われる3重賞の最終追い切りを分析!

 いよいよ、今週から本格的なGIシーズンがスタート。その第一弾が、3歳牝馬が集う桜花賞。美浦所属のルージュバックが1番人気になると思いますが、ここでは栗東で調教した馬が中心になるので、取り上げていません。ルージュバックの追い切りが気になることは間違いありませんが、ココロノアイ、キャットコインといった美浦所属が栗東に滞在してくれているので、これを見ることができるだけでも幸せ。

 もちろん、栗東所属馬の逆襲にも期待しているので、坂路とトラックの追い切りを交互に確認する時間が続きました。これに皐月賞の1週前追い切りも重なり、とにかく忙しい8日の追い切りでした。ここでは桜花賞だけでなく、阪神牝馬S、NZTからも1頭ずつを取り上げています。

【桜花賞/キャットコイン】

 1週前追い切りはかなり遅めの時計でしたから、これは馬体細化が原因かと思っていました。ただ、これまでのレースぶりを見ると、切れ味が持ち味のようですし、あまり体は太くないタイプだったのだろうと思います。そんなイメージで、8日の追い切り後の馬体を確認しましたが、腹まわりは細めでも、トモがしっかりしており、馬体に不安はないと思います。

 肝心の追い切りですが、Cコースに2コーナーから入場して、5Fからの追い切り。先週に比べると全体的なラップも速くなっていますし、動きは機敏。5F68.1秒なら極端に時計が遅いわけでもなく、栗東滞在だからこそ併せ馬を消化できたという点も評価したいところ。ただし、全体的な追い切り本数の少なさはあるだけに、本当の中身が出来ているかどうかは疑問です。

キャットコイン(4月8日撮影)

キャットコイン(内・4月8日撮影)



【桜花賞/ココロノアイ】

 チューリップ賞後から栗東に滞在しており、これは過去の美浦所属で栗東滞在から桜花賞を制したアパパネやアユサンと同様のパターン。この時点で高い評価ができますし、角馬場での運動の様子などを見ていると、本当に環境に慣れて、調整がスムーズに出来ているという印象を受けます。

 最終追い切りは坂路。単走でしたが、左ラチ沿いを走って、頭を横に向ける仕草。これは普段の坂路でのキャンターから見せている仕草なので、さほど気にすることはないでしょう。終い重点というよりも、4F全体のラップがそれなりに速い感じ。2F目と3F目に13.2秒を刻んでいるわりに、ラスト1Fが極端に減速していないので、折り合いを欠いているわけではないでしょう。1週前追い切りも含めて、とかく順調です。

ココロノアイ(3月31日撮影)

ココロノアイ(3月31日撮影)



【桜花賞/クイーンズリング】

 とりわけ、前走の20キロ減が騒がれていますが、馬の様子を見ても、体を見ても、数字が気になるようなところはありません。もちろん、そんなことは陣営が一番把握しているでしょうから、私が見て、どうのこうのであれば、一旦リセットして状態を戻してくるはず。ただ、1週前追い切りの内容が軽かったことから、現状の馬体を維持することに努めているのは間違いありません。

 しかし、最終追い切りをCコースで行ったのは、ある程度、馬体に余裕があるからでしょう。前走時が坂路での追い切りだっただけに、初戦と2戦目のCコース追いに戻した点は評価したいところ。もちろん動きはしっかりしていましたし、時計も普通。現在の状態で極端にパフォーマンスが下がることは考えにくいだけに、あとはこの馬の競馬をするだけ。

クイーンズリング(4月8日撮影)

クイーンズリング(4月8日撮影)



【阪神牝馬S/スマートレイアー】

 明日のトレセンニュースに記載するつもりですが、8日の栗東坂路は水分をたっぷり含んで重たい馬場。それは時計にも表れていて、先週までとは時計の出方が違います。先週の追い切りでは抜群の時計をマークした本馬だけに、8日の追い切りがどの程度動くのか、ちょっと興味がありました。

 テンから13.9秒で飛ばしたため、終いは止まり気味になるかと思いきや、その逆。ラスト1Fが最も速くなる加速ラップを踏んで、1F12.5秒でまとめました。全体は4F52.1秒。数字的には全く文句ない時計だけに、あとは自分の競馬に徹してどこまで差せるかといったところでしょう。

スマートレイアー(4月7日撮影)

スマートレイアー(4月7日撮影)



【NZT/アルマワイオリ】

 前走は完全に仕上がり途上だと思いましたが、それでもメンバー最速上がりを使って、きっちり2着を確保。6着だったヤマカツエースが、ファルコンSで接戦の3着だったように、現状マイル戦線で弱いメンバーではなかっただけに、この馬の地力をあらためて感じる結果でした。

 それに比べると、今回は動きが良化。8日のCW追い切りは時計こそ遅いものの、メイショウブーケを追走してきっちり先着。最後は舌を出して余裕の脚色でしたから、まだまだ良化の余地は残していると思いますが、現状でも前走以上は間違いありません。あとは中山競馬場までの輸送と、トリッキーなコースをこなせるかどうか。

アルマワイオリ(外・4月8日撮影)

アルマワイオリ(外・4月8日撮影)



◆次走要注意

・4/4 中山 船橋S【トキノゲンジ】(14人/6着)

 6着でしたが、最下位人気でメンバー最速上がりを使っているのですから、好走と判断してもよいくらい。末脚に徹すれば、これくらいはやれるというところを示しました。
 転厩2戦目でしたが、徐々に体が絞れているので、次は本当の狙い目になりそう。もちろん芝1200mを使うことがベスト。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]標準多め坂路系統なら馬券圏内

・4/5 中山 ダービー卿CT【クラレント】(11人/6着)

 GI以外で二桁人気を経験するのは弥生賞以来ですが、当時が12着に敗れて、今回は6着。やはりマイルなら、まだまだ能力上位だというところを見せたのではないでしょうか。特に今回はいかにも休み明けという仕上げでした。
 次回は一変してくると思いますが、そのバロメーターは最終追い切りの併せ馬。きっちり先着するようなら。

[メモ登録用コメント] [マイラーズC]最終追い切り併せ馬先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【ブライトボイス】
 DP3頭併せの真ん中でしたが、終始余裕の手応えで同入。追い切り後は「走り足りない」という雰囲気で上がってきましたから、これでレースに行けば、気持ちが爆発するはずです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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