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NHKマイルC組と1800m以上実績

  • 2015年05月05日(火) 12時00分


1800m以上の3歳重賞に出走歴のある馬が有利かどうか改めて調べてみた

 NHKマイルCに挑戦するためのメインルートはニュージーランドトロフィーである。一方で、日本ではまずクラシックを目指し、距離の限界を感じた馬がマイル路線に向かうという面もある。その結果として、1800m以上の3歳重賞に出走歴のある馬が有利というか強い面があるのではないか、と以前から推測していた。

 今回は改めて調べてみよう。まず、3歳になって以降芝1800m以上の重賞に出走した馬がNHKマイルCに出走した場合の成績(レース創設以降通算)は、勝率8.6%・複勝率25.0%。回収率は単85%・複98%なので、標準よりも良い。

 中身を見ると、05〜09年あたりはこの組がほとんど機能しておらず、一方でここ3年はクラレント、マイネルホウオウ、フラムドグロワール、キングズオブザサンといい馬券になっている。

 この組をNHKマイルCから見た前走着順別成績で分別すると、前走1〜2着馬と前走6着以下馬が高回収率になっていて間の3〜5着組はいまひとつ。好走してきた馬は単に強いという面があり、大敗してきた馬はたまに出る穴で回収率を維持できる。中途半端なゾーンはあくまで中途半端ということか。

 ちなみに、条件を「3歳になって以降、芝1800m以上の重賞で5着以内経験のある馬」とすると、勝率は13.3%・複勝率は33.3%となり、回収率は単110%・複99%となる。適性より長めのレースでも、ある程度は走れていることが望ましい。また、このグループから前走3〜5着馬を除くと、回収率は単130%・複110%まで上がる。

 今年の登録馬で、3歳になってから芝1800m以上の重賞に出走している馬は9頭。うち前走1〜2着馬はアルビアーノのみ。前走6着以下はロードフェリーチェとミュゼスルタン。ただしこの2頭は芝1800m以上重賞での5着以内歴は無い。前走着順にこだわらず、3歳・芝1800m以上の重賞で5着以内歴があるのはアルビアーノのほか、アンビシャス、グァンチャーレ、ダノンメジャー、クラリティスカイ、アヴニールマルシェの5頭だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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