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ディアデラマドレ、ショウナンパンドラ、ストレイトガールなどヴィクトリアMの調教分析

  • 2015年05月13日(水) 18時00分


やっぱり最終追い切りの感触を最優先に印を打っていこうと思います

 先週のNHKマイルC。当欄でのクラリティスカイのくだりとして「NHKマイルCは本馬にとって最適レースだと思っていました。そこに出走してきたわけですから、それだけでも本命を打つ価値はあると思っています」としながら、◎を打てなかったのは、他に◎を打ちたい動きを見せた馬がいたから。

 終わってみれば「イメージした通り」のレース展開で優勝したクラリティスカイ。馬名の意味とは正反対に、私の心は曇ったまま、スッキリとしません。こんなことが日常茶飯事な予想業ですから、本当は吹っ切らないいけないのですが、その流れを引きずらないように、なんて思ってしまうと、ヴィクトリアMでも同じような過ちを犯してしまいそうで。まあ「調教を見てナンボ」の人間なので、やっぱり最終追い切りの感触を最優先に印を打っていこうと思います。

【ヴィクトリアM/ディアデラマドレ】

 追い切り本数やその内容が物足りないと感じていたマイラーズC。7着という結果は調教不足が原因だという理解でよいと思いますが、メンバー最速の上がり3F31.9秒を使ったあたり、たとえ仕上がり途上でもこれだけの能力を見せることができるということでしょう。

 心配は反動だったが、調教内容からはそれを微塵も感じません。最終追い切りもCコースで3頭併せ。最後方から直線最内を突いて、エックスマークとの追い比べ。ほぼ同入か、僅かに前へ出たという感じ。正直、1週前追い切りの動きのイメージだと、楽に先着すると想像していただけに、そのあたりは物足りなさも感じています。個人的には安田記念を使うのであれば、そこがピークに仕上がりそうな気もしていますが、14日以降の様子も気になります。

ディアデラマドレ(5月13日撮影)

ディアデラマドレ(5月13日撮影)



【ヴィクトリアM/ショウナンパンドラ】

 1週前追い切りには浜中俊騎手が跨りましたが、秋華賞時の1週前追い切りと動きを比較すると、やや物足りない印象でした。それだけに、最終追い切りでどこまで動きが良くなってくるのか、冷静な眼で判断しようと、13日の追い切りを凝視しました。

 坂路で単走でしたが、力強い走りで徐々にラップを速めていきます。前日の雨で重たくなった馬場でしたから、この感じだと、最後は12秒後半、もしくは13秒要してしまうかなといった感じ。しかし、さらに加速して、最後の2Fは12.6秒、12.5秒。本馬にとって、加速するラップを踏むことは珍しくありませんが、3F目に12秒台を刻んだら、最後の1Fは減速傾向にあっただけに、これは馬の状態が良いからこそ。前走からの上積みは相当にあると思います。

ショウナンパンドラ(5月12日撮影)

ショウナンパンドラ(5月12日撮影)



【ヴィクトリアM/ストレイトガール】

 前走高松宮記念は思わず惨敗でしたが、もし、追い切り内容から敗因を探すのであれば、初めて行った坂路馬場での最終追い切りかも知れません。今回は距離がマイルになるということもあってか、Cコースでの追い切り。これは昨年と同じパターンです。

 昨年同様、追い切り本数をしっかりと積んでいる点は評価すべきでしょう。ただ、前走の坂路中心の調教が影響しているのか、道中が少し力んで走っているように見えます。つまり、脚をためて走れていないのではないかと。そんな馬が、5F65.9〜4F50.7〜3F37.0〜1F11.9秒という時計で走れるわけがないので、考えすぎかも知れませんが、手放しでこの時計を評価するのもどうかと思います。

ストレイトガール(5月13日撮影)

ストレイトガール(5月13日撮影)



【ヴィクトリアM/メイショウマンボ】

 昨年のヴィクトリアM以降、二桁着順が続いています。しかも勝ち馬との着差が1秒以上ばかりなので、正直、見せ場すらない敗戦。これは追い切りうんぬんではなく、精神的な問題と判断した方が理解しやすい負けだと思います。

 もちろん、陣営としても、いろんな策を講じていることでしょうが、1週前追い切りでステッキが入ってからの尻尾振りを見て、やっぱり気性的な問題なのかなと思ってしまいます。ただ、調教から今回の活路を見出すとすれば、昨年2着のこのレース、最終追い切りはCコースでした。それだけに、今回、その調教場所を選択すれば、復活の兆しも感じたのですが、結果的には坂路で単走。時計はこの馬としては、ごく普通ですが、それだけではなかなか評価できない現状です。

メイショウマンボ(5月7日撮影)

メイショウマンボ(5月7日撮影)



【ヴィクトリアM/レッドリヴェール】

 画像を撮影した12日。坂路馬場でのキャンターを終えた後、運動場で乗り運動をしている様子を見ていると、ひと際目立っていたのが、この馬。桜花賞やオークスといった好調時の輝きを見せているような気がしていました。

 そして、13日の最終追い切り。時計は4F52.6〜3F38.4〜2F24.9〜1F12.3秒と素晴らしい数字。4Fと1Fの数字のバランスは、まさに桜花賞2着時と同じ。前走時は遅い時計でしたが、正直、今回の状態で好走できないようだと、牝馬特有の急に走らなくなったというやつでしょう。東京競馬場への輸送に問題がなければ、力は出せるはずです。

レッドリヴェール(5月12日撮影)

レッドリヴェール(5月12日撮影)



◆次走要注意

・5/9 東京 プリンシパルS【ダッシングブレイズ】(2人/12着)

 過去に東京芝2000mを経験していますが、当時は1番人気4着。勝ち馬からの着差は0.8秒ですから、この時点で距離が長いことは察しが付きます。
 今回の敗戦で明確になりました。完全にマイル。ひょっとしたら、1800mまではこなすかも知れませんから、それも頭に入れておきましょう。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以下]追い切り本数標準以上なら勝ち負け

・5/10 東京 湘南S【ダローネガ】(2人/1着)

 東京マイルは富士S4着と昨年の湘南S3着という実績。今回のレース内容を見ても、直線の長い左回りは適性が高い舞台なのかも知れません。
 今後はサマーマイルを目指すので、舞台は左回りのマイル。東京競馬場ではありませんが、重賞制覇にはうってつけの舞台ではないでしょうか。

[メモ登録用コメント] [左回り芝1600m]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・オークス【ローデッド】
 前走桜花賞が15着の惨敗だけに、ここは完全に人気落ち。ただ、中京芝2000mを勝っているように、距離が2400mになって、タフな競馬になれば、この馬自身の持ち味が活きてくると思います。
 13日の追い切りはCコースで単走でしたが、スピード感があって、この感じで先行できれば、最後まで粘ることができるイメージ。あとは最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら文句ありません。
ローデッド(5月13日撮影)

ローデッド(5月13日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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