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赤本制作時の取材メモより(須田鷹雄)

  • 2015年05月20日(水) 12時00分


◆意外と早くデビューへ向かえるかもしれないラベンダーヴァレイ

 赤本では村本浩平氏がノーザンファームの原稿を担当しているが、実は私も取材には行っている。ただ書くページがないので、基本的にはおすすめ10頭選びやシルシ打ちに反映されるだけということになる。勿体ないので、本欄に取材当時の印象+聞き取り内容と、情報をアップデートできる馬についてはそれを足して書いていこうと思う。今回はNF早来組の一部について。なお、表記をシンプルにするため馬名+母名のみで書くので、父や厩舎については赤本等を参照されたい。収録はなるべく、情報流通量の多くない馬を優先するように意識する。

 シャルメーヌ(牝/母シーズアン)は取材時470キロ。ヴィクトワールピサ産駒はネオより扱いやすいといわれ、この馬も性格的に距離延長に対応できそうとのこと。まだ前が勝っている印象なので、もう少しトモに力がつくまでじっくりいきたい1頭。

 クィーンズベスト(牝/母ラスティングソング)は、ワークフォース産駒にたまにあるトモの甘さがないとのことで、早め入厩の予定通り既に栗東に入っている。取材時472キロだが数字ほど大きく見えず、まとまりとバランスのよい馬体だ。

 ラベンダーヴァレイ(牝/母クロウキャニオン)は取材時430キロ。最終的にデビュー戦馬体重も430キロくらいになれは理想的とのこと。この血統らしい良さがあり、意外と早くデビューへ向かえるかもしれないとのコメントだった。個人的にはマイルがベストなのではと考えている。

 シンシアズブレス(牝/母クラウンピース)はちょうど入厩したところ。470キロ台の馬体。うるさいところもある馬というのでテンションと馬体の維持がポイントだが、もともとのガサがあるので細化しすぎることもないのでは。取材時に早来・野崎厩舎でスピードならこれ、といわれていた馬。

 ジュンキンカメ(牡/母マイスウィートベイビー)は乗り始めのころ420キロ台の馬体で苦労したが、取材時で453キロまで成長した。調教方法を工夫したのが奏功したとのこと。操縦性の高い馬で瞬発力があり、7月頃には北海道で。

 母ディスカバリングビューティー(牡)は早期デビューを考えてきたが細くなったので(取材時455キロ)秋デビューコースに切り替えたとのこと。ただ7月頃に北海道でゲートを受けることも検討している。ダイワメジャー産駒だが重さや馬体の過剰さはなく、芝向きで切れそうな印象。

 チャイナドレス(牝/母チャイナドール)は早めデビューが意識されている馬で、順調に入厩済み。日下厩舎長はハービンジャー産駒ということを考えると洋芝デビューのほうが良いという意見だった。小笠師も同意見なので、東京ではなく北海道の方向になるのではと思う。

 ジュンヴァルカン(牡/母ピンクリップス)は素晴らしい肉付きで、いかにもネオ産駒という1頭。横手厩舎長は「トビが大きく、うちのネオで走るパターン」とのこと。器用ではないがいい脚を長く使えるので、中京あたりが合うのではとのお話だった。デビューも早そう。

 オデュッセウス(牡/母ライツェント)は既に入厩済み。取材時にも横手厩舎長が「これはスピードがあってデビューも早いし、POG向きだよ」とコメントしていた。馬体は現時点での完成度が高いという印象。唯一の気がかりは父ファルブラヴの牡馬という点だが、横手さんは「ファルブラヴの牡馬であるということ以外はすべて良い(笑)」と語っていた。

 マウントロブソン(牡/母ミスパスカリ)はドラフト上位級の馬。取材時469キロ。使い出しがどのタイミングになるかは分からないが、いつでも持っていけるというほど取材時点で既に仕上がっていた。性格も素直そうで、順調に成功の階段を上ってくれると期待したい。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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