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フルーキー、サトノアラジン、アースライズなど2重賞出走馬の調教分析

  • 2015年06月10日(水) 18時00分


鳴尾記念での◎マジェスティハーツのように追い切りからの注目馬をピックアップ!

 先週の安田記念。◎フィエロの4着は相当落ち込みましたが、うれしかったのは、鳴尾記念の◎マジェスティハーツ。当コラムでも「今回、走らなければ」と強気のコメントを記しただけに、直線の脚は自分の眼を信じてよかったと安心。厩舎関係者に聞くと「直線は内ラチ沿いの進路を選ぶ予定だったみたいだけど、前が開かなくて、どうしようと思っていたけど、手応えがあったから外に出したみたい」とのこと。手応えがあったということは、状態が良かったんでしょうね。

 100%、結果を出すことがこの仕事のベストだということは分かっていますが、常に自分のベストを尽くして、参考にしてくださったユーザーに納得してもらえれば、ベターなのかな、なんて、偉そうなことを思ってしまいました。とにかく今週も、その気持ちでNo.1予想を頑張ります。

【エプソムC/フルーキー】

 安田記念を回避して、このレースを選択。画像は10日の追い切り直前の様子ですが、この時は隊列の先頭を歩いて、非常にいい雰囲気。今日は抑え切れない手応えで併せ馬を先着するイメージで見守っていました。

 3頭併せの最後方で、直線は最内。相手がエアウルフ、シャドウダンサーなら突き抜けてくると思いましたが、案外に普通な走り。かなり高いレベルでの動きを想定していただけに、それに比べると物足りません。だからといって、極端に悪いというわけではありませんが、本命に推すとなれば、個人的にはやや疑問な感じです。

フルーキー(6月10日撮影)

フルーキー(6月10日撮影)



【エプソムC/サトノアラジン】

 9日更新の特別コラムで記した、池江泰寿厩舎の「半マイル調教」。基本的には牝馬で結果が出ていると思っていますが、前向きさ旺盛な本馬にもこの追い切りスタイルは「はまった」ように思います。それが前走の強さだったのではないでしょうか。

 よって、今回もCWで半マイル追い切り。前走も単走、今回も単走。これは池江泰寿厩舎らしくないといえば、そうなんですが、それで結果が出た以上、評価すべきなのでしょう。今回も見た目には軽いなあという感じなのですが、全体的な追い切り本数などは多めですから、これで十分なのでしょう。

サトノアラジン(6月10日撮影)

サトノアラジン(6月10日撮影)



【エプソムC/エイシンヒカリ】

 休み明けは最終追い切り場所をCWで行うことが多く、使っている場合は坂路というのが、ひとつのパターン。よって、今回の最終追い切りは坂路だろうと思っていましたが、CWで単走の追い切りでした。

 最終追い切りを馬なりで済ませるケースはチャレンジCで惨敗していますが、当時は坂路馬場。今回のように、トラック馬場であれば、それなりの負荷がかかっているので、そのあたりは問題ないでしょう。なにより、6F81.9秒、1F12.1秒という全体ヨシ、終いヨシの時計に比例するように、素晴らしい動き。ここで取り上げたエプソムCのCW追い切りでは、この馬の走りが最も好みです。

エイシンヒカリ(6月10日撮影)

エイシンヒカリ(6月10日撮影)



【マーメイドS/アースライズ】

 前走オークスは3着争いもあった4着。3歳同士なら長距離で力上位というところを見せました。中間の追い切りをすべて馬なりにするようになったのが、4走前ですが、そこから安定して力を発揮できていることを考えると、これが本馬にとってのベスト調教なのでしょう。

 今回もそれは変わっていません。ただ、最終追い切りが4F55.3秒と前走時と比較して遅い点がどうか。また、ラスト1Fが12.5秒以下の時にフラワーC2着や前走の結果を出しているだけに、1F12.7秒という数字も高く評価はできません。

アースライズ(6月9日撮影)

アースライズ(6月9日撮影)



【マーメイドS/カノン】

 昨年のマーメイドSでも面白い存在だと思っていた馬ですが、今年は1000万下1着、1600万下2着と力をつけての出走。にもかかわらず、昨年より1キロ軽い、50キロというのはどうしてなのでしょうか。去年も勝ち馬とは0.6秒差なんですけどね、やっぱり能力評価は低いのでしょうか。

 ずっと見続けていて思うことが、力をつけてきたということ。坂路でも行きっぷりが良すぎて、乗り手が気を抜くと時計が出てしまうとのこと。ただ、ジョッキーが跨って、CWで追い切るとそこまで折り合いを欠くことはありません。10日の追い切りでも3コーナーで少し頭を上げるシーンはありましたが、最後の伸びを見たら問題なし。前で流れに乗れば、今年は見せ場のある競馬ができるはずです。

カノン(6月10日撮影)

カノン(6月10日撮影)



◆次走要注意

・6/6 東京 3歳上500万下【プリンケプス】(9人/7着)

 レースは降級馬の2頭で決着。見せ場があったのは、馬券総合倶楽部の狙い馬でも取り上げた○地。取消明けだったにも関わらず、後方からレースをして、きっちり末脚を使っています。
 レース上がりが35.0秒なので、物理的に着順は地味になってしまいますが、次走も水を含んだ馬場なら、いい脚を使ってくれそうです。

[メモ登録用コメント] [良以外ダート]乗込トラックなら勝ち負け

・6/7 阪神 鶴橋特別【ボールドジャパン】(7人/7着)

 500万下勝ちが13番人気だったので、今回が降級戦でも7番人気だったと思いますが、レースを見ても、明らかに力上位だと思います。なのに0.7秒も負けているのは、どういうこと?と思われるかも知れません。
 でも、レースは外々を回って、強気なレース。最後の直線も一瞬、オッと思いましたが、やはり開幕週ですから内有利。外から差せる馬場になれば、十分に巻き返せます。

[メモ登録用コメント] [最終週]最終追い切り栗東坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【カラフルブラッサム】
 マーメイドSに出走してくれれば、迷うことなく◎を打ちたい、そんな素質馬。ただ、どうも勝ち運がないように思えます。
 しかし、10日の追い切りも絶好の動き。6F81.4秒、1F11.9秒という追い切り時計はもちろん、大外を回って、最後も楽な手応えで動けているところを見ると、ほんと、マーメイドSに出走してほしいところ。なぜなら、自己条件は最終追い切り栗東坂路の馬に調教適性が高い条件だから(笑)
カラフルブラッサム(6月10日撮影)

カラフルブラッサム(6月10日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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