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七夕賞の継続騎乗組

  • 2015年07月07日(火) 12時00分


今回のデータは今年に限らず来年も使っていきたい物差し

 一般的に重賞では、前走と同じ騎手が乗っている馬は、乗り替わりになっている馬よりも勝率・複勝率で上回るものである。反対に回収率は乗り替わり馬のほうが勝ることも多い。

 ここで言う「乗り替わり」は前走と騎手が違うことだけを条件としている。つまり、前走が代打騎乗で今回主戦騎手に戻るケースも入ってしまうし、主戦騎手に見捨てられたわけではなく、騎乗停止などの事情が絡むこともある。しかし、それでも重賞では「お手馬」として同じ騎手が乗り続けている馬のほうが勝率等では上にいくことが多いのだ。反対に乗り替わりの馬は人気薄になりやすく、激走一発で回収率を跳ね上げることも多い。

 七夕賞の場合は勝率だけ逆転現象が起きており、過去10年で見ると

過去10年七夕賞での乗り替わり、継続騎乗の成績

過去10年七夕賞での乗り替わり、継続騎乗の成績



 となっている。回収率を見ると乗り替わり組から穴が出ていることに気付くだろうし、反対に継続騎乗組の回収率は極端に低い。

 ならば乗り替わり組から……と言いたいところだが、着度数を見て分かるように北海道戦が始まっているこのタイミングは乗り替わりが発生しやすく、絶対数が多いぶん選択肢を絞れない。

 馬券のヒントになるのはむしろ継続騎乗組だ。のべ62頭だが、単勝9.9倍以下は[3-5-6-10]で回収率は単53%・複101%。単は低いが、人気サイドという前提を考えると複はかなり高い。

 これが単勝10倍以上だと[0-1-0-31]。ちょうど10年前にトーセンダンディが単勝12.7倍の身で2着して以来、この組は馬券に絡んでいない。

 前走と同じ騎手が乗っている馬は人気になる馬だけを取り、あとは切る。最終的に何頭が該当するか分からないが、今年に限らず来年も使っていきたい物差しだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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