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ハンデGIIIのスイートスポット

  • 2015年07月21日(火) 12時00分
 最近のハンデ戦は、実績馬に対し寛容なハンデがつく傾向がある。既に60キロといった斤量は姿を消して久しく、それ未満のところでも、理屈より500グラム軽いハンデがつくことが多い。

 今回の中京記念だと、GI勝ちがあり58キロでGIIIを勝っているカレンブラックヒルは59キロではなく58.5キロ。もともとの持ちハンデが56キロだったところからGIIを勝ったレッドアリオンは58キロではなく57.5キロ、といった具合だ。

 上にいくと500グラム刻み、は最近の傾向で、例えばサダムパテックは58キロで中京記念を勝ち、京成杯AHでは58.5キロだった。

 この「500グラム」、実際にはどのように機能しているのだろうか? 2010年以降に行われたハンデの芝GIII(牡馬・セン馬のみ)を対象に見てみよう。


斤量  着度数     勝率  複勝率 単回収率 複回収率

56.5kg  [1-0-2-5]       12.5%   37.5%     35      56

57kg    [19-16-13-154]   9.4%   23.8%     85      96

57.5kg  [8-4-7-49]      11.8%   27.9%     84      70

58kg    [7-7-5-34]      13.2%   35.8%     76     114

58.5kg  [1-1-0-6]       12.5%   25.0%     43       5

59kg    [0-1-1-1]        0.0%   66.7%      0     156


 勝率・複勝率のピークは57.5〜58キロあたり(59キロはさすがにサンプルが少なくて参考にならない)。56.5キロも一見高いが、これはサンプル8頭のうえに3歳限定戦であるラジオNIKKEI賞のアンビシャスが含まれている。複勝回収率は57、58、59キロが高く、500グラムを刻んだ馬が低い構図になっている。

 ただ、単勝20倍未満の馬に限ると、57.5キロも[8-4-7-29]、回収率が単119%・複100%と高い。近走に好走がある57.5キロならアリということか。58.5キロは同じ条件でも[1-1-0-5]で、回収率は単50%・複62%となっている。

 こうしてみると、ハンデGIIIの牡馬は57〜58キロがスイートスポットというように思える。このレンジで単1.0〜19.9倍の馬は回収率が単106%・複96%と高い。これより軽い側は実績不足を乗り越えなくてはならないし、これより上はハンデによるリスクが出てくる。

 今回の中京記念で57〜58キロの牡馬は3頭のみ(うち500グラム刻みでないのは2頭)。このうち単勝20倍を切ってくる馬には注目したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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