“ご当地名馬”メイケイペガスター 名手・津村の腕さばきに注目だ/トレセン発秘話
◆「豊さんと典さんと津村だけ」
脚光を浴びることは少なくても、卓越した技術を持った「陰の実力者」はどこの世界にもいる。当然、競馬の世界も例外ではなく、派手な活躍はしていないものの、成績や数字に表れない部分で、高い技術を見せている人間というのは必ずいるし、そういう人間をプロである関係者はしっかり見ているものだ。
「いい馬に多く乗ってないから目立たないけど、津村はうまいよ」といった声を関係者から何度か聞いたことがある。今年は19日終了現在、JRA16勝で全国リーディング36位。確かに目立つほどの成績ではないが、数字に出てこないテクニックを同業者はしっかり評価している。
「この馬に2000メートルがいいと言ったのは(武)豊さんと(横山)典さんと津村だけなんですよ」とは中京記念にメイケイペガスターを出走させる木原キュウ舎の武助手。
メイケイペガスターといえばひっかかって暴走するなど、とにかく乗り難しいイメージが強い馬なのだが、前走のアハルテケSに騎乗した津村は「2000メートルまでなら大丈夫」と自信を見せていたという。
確かにテンに押して行きながら道中は内で我慢が利いていた前走は結果9着とはいえ、評価できるレース内容。準オープン・BSイレブン賞ではハナに行かせて逃げ切っており、その直後の競馬だったから余計に、だ。
「折り合いをつけることに関して、アイツは天性のものを持っていますからね。状態は今回のほうがいいし、津村が2回目の騎乗でどういうレースを見せてくれるか、楽しみにしているんですよ」(武助手)
馬主の(株)名古屋競馬はその名の通りの地元オーナーで、メイケイペガスターにとって今回が初の地元競馬。“陰の腕達者”津村の手綱さばきで、ご当地馬がどんな走りを見せるか注目だ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)