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アースソニック、ベルカント、サカジロロイヤルなどアイビスSD調教分析

  • 2015年07月29日(水) 18時00分


混戦メンバーの今年は密かに狙いを定めております

 ダローネガ3着。ゴール直前の脚色を見ると、やっぱり◎にしないといけなかったのかも知れません。しかし「勝つ可能性がある3着」という見方をしていただけに、自分ではある程度納得の結果ですが、◎がだらしなさすぎました。馬群を割ってくるようなタイプではないだけにあの形だと、15着という結果も仕方ないところだとは思いますが、それにしても相性の良かった中京記念で躓いてしまいました。

 今週はアイビスSD。netkeiba.comの予想オッズを見ると、29日9時現在の予想単勝オッズ1番人気はネロ。55キロの韋駄天Sで2着だった馬が重賞で56キロになって1番人気に推されるとは、かなり混戦メンバーだということを示しているように思います(ネロは佐世保Sにも特別登録しています)。ここ2年、私自身は冴えない予想をしたレースですが、今年は密かに狙いを定めております。

【アイビスSD/アースソニック】

 画像は7月21日の坂路馬場でのキャンターの様子。本来なら、今週火曜日に坂路馬場を駆け上がった様子を撮影したかったのですが、28日は坂路での登坂はなし。それだけに状態を心配していましたが、最終追い切りはきっちり、いつもの時間にいつも通り単走で行われています。

 ちなみに昨年3着時は4F52.5〜3F37.7〜2F24.9〜1F12.8秒と坂路では動かない馬にしては、2F目から12秒台のラップを刻む、非常に良い追い切りでした。今年も見た目の動きは機敏で、なかなか素軽い走りでしたが、時計自体は4F53.0〜3F38.3〜2F24.9〜1F12.5秒。3F時計が昨年に比べて少し遅くなっているが気になるところですが、やっぱり今年も上位争いはしてくるでしょう。

アースソニック(7月21日撮影)

アースソニック(7月21日撮影)



【アイビスSD/ベルカント】

 栗東坂路での自己ベストが4F49.0秒(3歳時)の馬がいよいよ直線競馬に参戦。1週前追い切りでも、坂路4F50.8〜3F36.4〜2F23.5〜1F11.9秒をマークしているように、年齢を重ねても坂路で動くことは変わっておらず、気にすることがあるとすれば、前走を取り消した影響だけです。

 最終追い切りも素晴らしい内容。角田晃一厩舎がいつも追い切る時間帯、馬場が踏み荒らされている状態での単走追い切りでしたが、前半は脚をためて、ラストで一気に伸びる走りを見せ坂路4F52.5〜3F37.2〜2F23.5〜1F11.5秒。もちろん、ラスト1Fは7月29日のベスト時計ですし、ラップの踏み方自体はフィリーズレビューを制した時に似ています。

ベルカント(7月28日撮影)

ベルカント(7月28日撮影)



【アイビスSD/サカジロロイヤル】

 韋駄天Sではスタートが遅かったことにより、馬群に揉まれた道中。こうなってしまうと長所である粘り強さが発揮されないので、どうしても凡走してしまいます。負け方としては7走前のセプテンバーSと同じですよね。だから、問題はスタートダッシュ。これに尽きるような気がしますが、ゲートを出ている時は比較的偶数番号なので、これはひとつのポイントになりそう。

 肝心の状態ですが、休み明けでも1週前追い切りでは坂路4F51.6秒をマークしており、決して仕上がりは悪くありません。最終追い切りでも坂路4F52.7〜3F38.2〜2F24.6〜1F12.3秒。ラストの伸びは見た目にも良好でしたが、この馬自身は最終追い切りの4F時計を遅くした方が好走するタイプ。そういった意味で、やっぱり今回は休み明けなのかも知れません。

サカジロロイヤル(7月28日撮影)

サカジロロイヤル(7月28日撮影)



【アイビスSD/ネロ】

 1週前追い切りはカオスモスに先行して、相手が追いつくことができない内容。4F49.5秒はもちろんですが、2F目以降のラップが12.1〜11.8〜12.6秒と素晴らしく、直線競馬に適性が高い理由が納得できる追い切りでした。

 それと比較してしまうと、どうしても29日の最終追い切りは地味。4F52.8秒は自身のスピードと29日の馬場状態を考慮すれば地味な時計ですし、2F目以降のラップも13.3〜12.5〜12.3秒。もちろん、1週前追い切りをS級と評価するからこその地味さなので、今週も十分評価はできます。ちなみに1週前と最終追い切りの流れは韋駄天S2着時と似ています。もし、佐世保Sに出走するようであれば、この最終追い切りは小倉芝1200mに適しています。

ネロ(7月28日撮影)

ネロ(7月28日撮影)



【アイビスSD/エーシントップ】

 直線競馬は韋駄天Sで惨敗していますが、この中間、7月12日の坂路での2F目以降に12秒台のラップを継続した走り方を見ると、十分に直線競馬に適性があると思います。個人的には当時の536キロという馬体重がこの時期にしては重め残りだったのではないかという分析をしています。

 そういった意味でトラック追い切りで馬体を絞っているのは、非常に強調できる点ですし、これで当日の馬体重が520キロ台にでもなれば、なお面白いでしょう。もちろん最終追い切りをCWであえて併せ馬で行い、闘争心をかきたてたというところも魅力のひとつです。

エーシントップ(7月29日撮影)

エーシントップ(7月29日撮影)



◆次走要注意

・7/25 函館 函館日刊スポーツ杯【シンデレラボーイ】(5人/5着)

 スタートが出たのに、結局位置取りを下げて、最後は捌きにくい状態。それでもメンバー最速上がりを使って5着ですから、まともにレースをすれば、確実に馬券圏内だったと思います。
 これを中1週で使ってきて、厩舎の勝負調教に該当するようなら、人気でも狙っていきたいところです。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]矢作芳人厩舎の勝負調教なら勝ち負け

・7/26 函館 函館2歳S【マコトルーメン】(6人/5着)

 どうしてもダッシュがつかないので後方からのレースになりますが、重賞の今回でも4コーナー大外から一気の伸び。展開に注文のつくレースですが、2歳にして自分のレーススタイルを確立したように思います。
 そのうちチャンスが巡ってくることは間違いなく、最終追い切りが馬なり先着なら調子も落ちていないと判断したいところ。

[メモ登録用コメント] [芝短距離]最終追い切り馬なり先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【スワーヴカイザー】
 CWで3歳との併せ馬。少し気の悪い相手でしたが、自分のペースを乱すことなく、きっちり走り抜いて6F79.4秒。能力の高い馬だと思いますが、スピード能力が高いので、脚抜きのダートなら、自己条件で圧勝でしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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