スマートフォン版へ

ハープスターの再来かも…ウインミレーユ/吉田竜作マル秘週報

  • 2015年08月26日(水) 18時00分


梅田調教師は「先(の大舞台)を目指せるようなレースをしてほしいね」

 夏開催もあと2週。2歳戦は各開催の2歳Sでクライマックスを迎える。差し当たって注目しなければならないのは今週の新潟2歳Sだろう。

 近年の連対馬だけ見てもジャスタウェイ、ハープスター、イスラボニータと、後のGIホースが続出。クラシックやビッグレースの“予行演習”には、もってこいの舞台とあって例年、各陣営がこぞって素質馬を参戦させてきた。今年の関西勢は少数精鋭で、この出世レースに殴り込みをかける。

 牝馬ながら侮れない存在になりそうなのはウインミレーユ。デビュー戦(新潟芝外1600メートル)はドラゴンテリー、ミッキーグローリーといったセレクトセール出身の高馬たちを一蹴。モノが違う印象を与えたにもかかわらず、「攻めも動けていなかったし、まだ半信半疑だった」と、梅田調教師が振り返るのだから驚かされる。「調整過程を見ても、もう一段上を期待したくなる。先(の大舞台)を目指せるようなレースをしてほしいね」となると、ハープスターの再来…初戦以上のレースぶりを見せれば、それくらいの存在感を放つかもしれない。

 もちろん、牡馬勢も黙ってはいない。当コラムでも取り上げたことのあるルグランフリソンがその筆頭だろう。当舞台で迎えたデビュー戦は「口向きが少し気になる」と指摘していた白倉助手の不安が的中し、途中からハナに立つ形となったが、これがかえって底知れなさを強調することに…。

 ウオッカの3番子タニノアーバンシーの執拗なマークを受けたことで、いつ集中力を欠いても不思議はなかったが、フットワークを乱すこともなく、大きなストライドで淡々と加速。その完歩の大きさゆえ、スピード感はなくても、気が付けばタニノアーバンシーに2馬身半差をつけていた。スピード、スタミナ、精神力…厩舎サイドが「クラシックでも」と大きな期待をかけるのも納得がいく。

 1週前追い切りは雨の影響で坂路からポリトラックに変更。ここでもダイナミックなストライドで悠々と駆け抜けてみせた。「馬場が悪くなって、さすがにかわいそうだったので、直前に(ポリトラックに)変えたんだ。長めから追い切れたことで息もできるから、かえって良かったかも」と中竹調教師は余裕の笑み。

 一方で、調教にまたがる白倉助手は確かな“進化”を感じている。

「以前は子供っぽいというか、フワッとするところがあったけど…。使ってからは、例えば坂路に近づくと、グッと気持ちが入ってくるようになったからね。サラブレッドとしての自覚が出てきたのかも。乗った感じは柔らかさと同時に、まだ緩さも感じる馬だけど、そのあたりも、だいぶ気にならなくはなってきた」

 新潟2歳Sは過去10年で関東馬7勝、関西馬3勝とデータは“東有利”を示す。しかし、今夏の新潟開催では前半6日間の新馬戦9鞍中、少数精鋭の関西馬が実に6勝と圧倒している。この勢いに加え、有力2頭が順調な成長を遂げているとなれば…。数で勝る関東馬を少数精鋭の関西馬が、のみ込んでしまうかもしれない。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして競馬評論家・井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング